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2022年2月

2022年2月28日 (月)

「初心者向け」としてはあまりお勧めできませんが・・・

今回は、最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。

「マンガで読むロックの歴史」。韓国の漫画家、南武成による著書で、韓国で出版されたものを邦訳した1冊。副題として「ビートルズからクイーンまでロックの発展期がまるごとわかる」という表題がついています。ただ、率直な感想として、ロックをかじったばかりの方が、「ロックの歴史」を「お勉強」しようとして、この本を読み始めると、若干厳しいかなぁ・・・という印象を受ける作品でした。

同書は、基本的にロックバンドやミュージシャンをクローズアップし、そのミュージシャンについて詳しく紹介することによってロックの歴史を紐解いていっています。ただ、そんな中、いきなりトップに紹介されているのがブラック・サバス(!)。さらにディープ・パープルと続き、まずはいきなりヘヴィーメタルの歴史からスタートしています。

その後もハードロックやブルースロックなど70年代ロックを主軸としつつ展開。中盤はクイーンやエルトン・ジョン、デヴィット・ボウイ、後半にはパンクロックやトーキングヘッズ、ジョイディヴィジョンなどといったミュージシャンも登場するのですが、終盤にいきなり登場するのがプログレッシブロックからカンタベリーロックへとつながり、ソフトマシーンなどにもかなりの分量を割いています。

その一方で、「ロックの歴史」として語られる時、必ず登場しそうなミュージシャンが何組も出てきません。例えば、ローリングストーンズがほとんと登場しません。レッドツェッペリンもほとんど登場しませんし、ジミヘンドリックスやドアーズ、ジャニス・ジョプリンも登場しませんし、NIRVANAも登場しません。さらにビートルズも、紹介はされているのですが、解散後のソロでの活動がメインとなっています。おそらく著者の好みがヘヴィーメタルからハードロック、プログレからアートロック系に偏っている影響が強いとは思うのですが、そんな著者の趣味がまるごと反映されたミュージシャンのセレクションとなっています。

そのため、正直なところ、これを「ロックの歴史」として一般化して紹介するのはかな~~~り厳しいように感じます。著者の趣味が反映されすぎていて、一般的なロックの歴史として、まずはたどるべき道筋とはかなり離れています。著者の好みとしても、ロックの芸術性を必要以上に重視している傾向にあり、個人的にはその「聴き方」には賛同できない部分も。ロックを聴き始めた人が「ロックの歴史」としてこの本でロックのルーツを知ろうするのであれば、全くお勧めはできないどころか、最初の1冊としては避けるべきとすら思います。

ただし、そういった「偏り」を理解した上で読むのであれば、これはこれで非常に楽しめる「ロック史」の1冊となっていました。まず、基本的にひとつのミュージシャンにスポットをあてて話を進めていくだけに、ひとつの話の中でバンドやミュージシャンのエピソードが満載。ともすれば、楽曲重視になりがちな「ロック史」の中でミュージシャンのパーソナリティーにスポットがあてられており、よりミュージシャンに対して興味を持てるような展開になっていました。

さらには、クラトゥやシン・リジィのように、通常のロックのガイド本でもまずは取り上げられないようなミュージシャンも登場しており、ここも著者の趣味とはいえ、それはそれで「知られざるミュージシャン」を興味深く読むことが出来ました。そういう意味で、ある程度の偏りを承知の上であれば、よくありがちなロックのガイド本とはちょっと異なった視点からの「ロック史」を楽しめることが出来る内容だったと思います。特にマンガであるがゆえのユニークかつ軽快な語りぶりが非常に読みやすく、知らないミュージシャンであっても、気軽に楽しむことが出来る構成になっていました。

マンガ自体については、正直、トレースベースのキャラクターに説明文も多く、「マンガ」というよりも「絵物語」的な内容にすらなっており、若干読みにくい部分もあることは否めません。この点にも癖があり、最初はちょっと戸惑うかもしれませんが・・・ミュージシャンのセレクトといい、マンガ自体といい、全体的に癖の多い1冊だとは思いますが、少なくとも一通りのロックの通史を知った後であれば、十分楽しめて読める1冊だと思います。ある意味、よくありがちなロックの歴史とはまた一風変わったアナザーロック史を知ることが出来、ロックというジャンルの奥深さを感じることが出来るかもしれません。

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2022年2月27日 (日)

懐かしいバンドのメンバー2名によるアコースティックユニット

Title:Treasure Chest
Musician:オサム&ヒロノリ from MOON CHILD

ロックバンドMOON CHILDのメンバー、佐々木収と秋山浩徳によるアコースティックデュオ、オサム&ヒロノリによる2枚目のアルバム。MOON CHILDというバンド、アラフォー以上の世代なら記憶にあるでしょう。1997年にシングル「ESCAPE」が「FiVE」の主題歌となり大ヒットを記録したロックバンド。当時、小室系の大ヒットで一世を風靡していたavex初のロックバンドとしても話題になっていたバンドでした。今となってはavexといってもロックバンドが所属しているケースも珍しくはなくなりましたが、とはいえ、今でも「ダンス系ミュージシャン」のレコード会社というイメージの強い同社。当時は、そのイメージは今よりもさらに強く、そういう意味でもMOON CHILDはブレイク前から一部では注目を集めていました。

ただ残念ながらMOON CHILDは「ESCAPE」で大ヒットを記録したものの、その後は続かず。シングル単位はこの曲が唯一のベスト10ヒットに。アルバムでも「ESCAPE」を収録した「MY LITTLE RED BOOK」が唯一、ベスト10入りしたアルバムになるなど、一発屋というイメージの強いグループとなってしまいました。今でも残念ながら一発屋という枠組みで語られることも少なくないバンドになってしまっています。

今回紹介するのは、そんなMOON CHILDのメンバーが2020年に結成したユニット。MOON CHILD自体は1999年に解散。その後、2013年に再結成後するものの、単発のライブを何回が行ったのみで、現在は「開店休業」的な状態になっています。ただ、この「オサム&ヒロノリ」での活動は2020年にアルバムをリリース。さらにそこから1年3か月というインターバルで早くもニューアルバムをリリースしてきました。

本作は全7曲入りのミニアルバムとなるのですが、そのうち3曲がMOON CHILDのセルフカバーとなります。前作「The Artifacts,Unplugged Music」もMOON CHILDのセルフカバーが収録されていましたので、MOON CHILDの曲を歌い継ぐという意図も強いのかもしれません。

このうち1曲「アネモネ」は、大ヒットした「ESCAPE」に続くシングル曲。彼らにとってはある意味、勝負曲であったはずですし、花王のCMソングというタイアップもしっかりつけて「売り」に来た曲でしたが、ただ残念ながら最高位13位という結果に終わっています。今回はその曲をアコギのみのアレンジによりセルフカバーされているのですが、爽やかなポップソングにフックの効いたメロディーラインも心地よく、正直なところ、なんでこの曲が「ESCAPE」のヒットに続けなかったのか不思議に感じてしまいます。

他にも「ポータブルロック」「朝焼けの唄」といったMOON CHILDの曲のカバーもいずれも魅力的。他はオサム&ヒロノリとしての新曲となっているのですが、MOON CHILDの曲と同様、ほどよくソウルやファンクの要素を取り込みつつも、基本的にはポップスの路線にまとめあげている作品に。メロディーラインには十分なインパクトもあり、メロディーセンスの良さも感じます。2本のアコギがからみあうサウンドも魅力的です。

アコギのみの演奏ながらも「Nightmare before dawn」はより哀愁感のつよい歌謡曲風路線に、「welcome back to the mad world」はファンキーな路線に、と、バリエーションを感じさせる曲調も聴かせます。「welcome back to the mad world」は現在のコロナ禍の中での意見の分断をある意味、皮肉った社会派的な作品になっており、歌詞の内容にはドキリとさせられる部分もありました。

個人的にMOON CHILDはリアルタイムで聴いていて、結構好きなバンドだっただけに、メンバー2人がこのようにMOON CHILDの曲をセルフカバーしてくれたり、新曲をリリースしてくれたりするのは非常にうれしく感じます。ただ、アコギのみの演奏というのも魅力的な反面、ここらへんの曲をバンドとしても聴きたかったり・・・2人でコンスタントに活動しているのなら、MOON CHILD、本格的に復活してくれないかなぁ。そんなことも感じてしまうミニアルバム。この2人のユニットとしての活動もうれしいけど、やはりMOON CHILDとしてのアルバムリリースを期待してしまったりもして・・・。

評価:★★★★★

オサム&ヒロノリ from MOON CHILD 過去の作品
THE ARTIFACTS,UNPLUGGED MUSIC


ほかに聴いたアルバム

上出来/tricot

女性3+男性1のロックバンドによるメジャー3枚目のフルアルバム。変拍子を取り入れたり、サイケの要素を取り入れたりと、かなり凝ったバンドサウンドを聴かせてくれるバンドで、今回は2枚組のアルバムのうち1枚はインスト版というあたりに、その力の入れようがわかります。ただ、以前から凝ったサウンドを聴かせつつも、ポップにまとめたメロディーラインはフックが物足りなく、サウンドも、それだけで聴かせるには迫力的に物足りなさが・・・もうちょっとで傑作が生まれそうな惜しいバンドなんですが。

評価:★★★★

tricot 過去の作品
A.N.D.
3
真っ黒
10

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2022年2月26日 (土)

様々な音楽が混じりあう

Title:ZANZIBARA 10 - FIRST MODERN : TAARAB VIBES FROM MOMBASA & TANGA, 1970-1990

今回紹介するのも、ここ最近続いている2021年のベストアルバムとして各種メディアで紹介されたアルバムのうちの1枚。例によってMusic Magazine誌ワールドミュージック部門の第10位にランクインした曲となります。このアルバムは、アフリカの東海岸沿いに発達したターラブという大衆音楽を集めたコンピレーションアルバム。アフリカの音楽だけではなく、アラブやインド、西欧やラテンアメリカの音楽が融合されたジャンルだそうで、様々な文化が混じりあったような音楽性が大きな特徴のようです。

タイトル通り、10作目となる本作は、ケニア共和国のモンバサ島にあるモンバサからタンザニア連合共和国のタンガにおいて1970年代初頭からの20年間に登場したポップなテイストを持つターラブに焦点を当てた1枚。そのポップなターラブは愛情を込めて「ファースト・モダーン」と呼ばれているそうで、今回のアルバムタイトルの副題はそこから来ています。

様々な音楽的要素が混じりあったというこのターラブという音楽、確かに聴いていると国の音楽が垣間見れます。例えば冒頭のShakila&Black Starによる「Macho Yanacheka」では張りのある女性ボーカルやサウンドからはアラブ系の音楽の色合いが強く感じられますし、Zuhura &Partyによる「Moyo Usijizuzue」では、どこかインド音楽的な雰囲気も感じられます。

Matano&Morning Starの「Sikitiko」などは哀愁感たっぷりのエレピの音色で、レトロな歌謡ロックのような様相になっていますし、Moh’d Mrisho&Black Starの「Sikio」のフォーキーなアコーディオンのサウンドは、むしろヨーロッパのトラッドやラテンからの影響も感じます。

ただ、そんな様々な音楽性に加えて、アルバム全体を流れるのが、アフリカ音楽に由来するようなグルーヴィーなリズム。これがこのアルバムの中でも最大の魅力のように感じました。Malika&Partyによる「Si Bure Mambo」も、アラブ音楽的な楽曲ながらも、ポリリズムなパーカッションのリズムが独特のグルーヴ感を生み出していますし、Maulidi Musical Party「Kabibi」も、ちょっと古い音源のようで、音は悪いのですが、力強いパーカッションが耳を惹きます。

また、もうひとつ大きな魅力だったのが、妙にチープな感のあるシンセの音色。これもひと昔前のアフリカ音楽でよく聴かれたようなサウンドなのですが、このチープなシンセの音色が楽曲に何とも言えないグルーヴ感を与えており、大きな魅力となっています。そこらへんの魅力が一番よく出ていたのがMwanahela&Golden Starによる「Chombo」でしょうか。このシンセの音色とパーカッションの絡みにより、絶妙なグルーヴ感を作り出しており魅力的。非常に中毒性の高いリズムを作り出しています。

様々な音楽の魅力が混じりあった独特の楽曲に惹かれるコンピレーションアルバム。そのグルーヴィーなリズムやチープなシンセのサウンドも合わせて、非常に中毒性が高い音楽を聴かせてくれます。今回、このシリーズははじめて聴いたのですが、非常に魅力的なコンピレーションで、他の作品も聴くたくなってきました。年間ベスト入りも納得の、傑作コンピレーションでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Independencia/Paulo Flores

こちらも2021年ベストアルバムの後追い。Music Magazine誌ワールドミュージック部門で第9位を獲得した作品。現在のアンゴラを代表するシンガーソングライターによるアルバム。もともと、アンゴラ・モダン・ミュージックの父と言われるテタ・ランドが1975年にアンゴラ独立記念アルバムとして同タイトルのアルバムをリリースしており、本作は、同タイトルの「アンゴラ独立45周年記念アルバム」となるそうです。ただ、純粋にアンゴラ独立を祝福するのではなく、ジャケットの文字の配列からして、INの下に"DEPENDENCIA"(依存)という文字をあえて強調しているように、かなり皮肉めいた社会派な歌詞になっているようです。

さて、そんな楽曲自体は、ラテンベースとした哀愁たっぷりに聴かせる楽曲がメイン。シンセのサウンドを入れたり、アコギアルペジオを聴かせたりとバリエーションを出しつつも、基本的には哀愁たっぷりで聴かせる泣きのメロディーラインがメインとなっている曲が並びます。伸びやかなボーカルも印象的な作品。歌詞の内容自体はストレートにはわからないのですが、メロディーラインは私たちの琴線に触れそうな、そんな作品でした。

評価:★★★★

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2022年2月25日 (金)

現役感あふれるステージ

Title:Live From Blueberry Hill
Musician:Chuck Berry

ロックンロールの創始者のひとり・・・そう呼ばれている伝説的なミュージシャン、チャック・ベリー。1950年代には数多くのロックンロールナンバーのヒットで一世を風靡し、1986年には「ロックの殿堂」入り第1号を果たしています。さらに晩年までステージ活動を続け、80歳を過ぎてもステージに立っていたことで知られる彼。2017年には90歳で、まさに大往生となったわけですが、その年にはなんと最後のオリジナルアルバムをリリース。最後まで現役であり続けたロックンローラーでした。

本作は、そんな彼の生誕95周年を記念してリリースされたライブアルバム。このアルバムには、彼が2005年7月から2006年1月にかけて、故郷ミズーリ州セントルイスのライブハウス「Blueberry Hill」で行われたライブの模様を収めたもの。彼は、この店のオーナーが、彼のために新設した「Duck Room」で17年以上にわたりライブを行っていましたが、バックバンドとして娘のイングリッドがハーモニカ、息子のチャールズがギターを担当。他にも気心の知れたベテランミュージシャンを率いてのステージを続けていたそうです。

まずこのアルバムを聴いて驚かされるのは、彼の現役感。彼は1926年10月生まれですから、この時、79歳。間違いなく大ベテランという年なのですが、全くロックンローラーとしての衰えを感じさせません。今回のライブ盤に収録されているのは「Roll Over Beethoven」からスタートし、「Rock And Roll Music」、さらには「Sweet Little Sixteen」「Around And Around」など、彼の往年のヒット曲がズラリと並んでいますが、オリジナルに比べて決して見劣りしない内容の曲が続いていました。

特に「Around And Around」では年齢を全く感じさせないようなシャウト気味のボーカルを聴かせてくれますし、「Sweet Little Sixteen」ではタイトル通り、ティーンエイジャーをテーマとした曲にも関わらず、聴いていて全く違和感を覚えません。基本的に軽快なロックンロールナンバーが多い中、終盤では「Bio」「Mean Old World」というブルースナンバーも披露。こちらも力強い、味のあるボーカルをしっかりと聴かせてくれており、逆に年齢ゆえのボーカルの深みも感じさせる作品になっています。

そしてラストはおなじみ「Johnny B.Goode」。こちらもおなじみのギターのイントロからスタートするのですが、こちらもプレイも全く衰えていません。80歳間近にして、バリバリの現役だったことを感じさせる迫力あるステージを聴かせてくれています。

彼はそのあと、10年強にわたり、まだミュージシャンとして活動を続ける訳ですから、そういう意味で、またこの頃は、バリバリの現役であっても不思議ではないでしょう。ただ、80歳間近の「おじいちゃん」が、ここまで迫力あるパフォーマンスを聴かせてくれていたというのは驚きの一言。いまとなっては貴重な音源となったライブ盤ですが、あらためて最後まで現役であり続けたチャック・ベリーのすごさを感じさせるライブアルバムになっていました。あらためて偉大なロックンローラーの軌跡を知ることが出来るライブ盤でした。

評価:★★★★★

Chuck Berry 過去の作品
Chuck

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2022年2月24日 (木)

動画投稿サイト出身ミュージシャンが上位に

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は、いわゆる動画投稿サイトへの動画投稿から活動をスタートしたミュージシャンが上位に並びました。

まず1位初登場はずっと真夜中でいいのに。のミニアルバム「伸び仕草懲りて暇乞い」がランクイン。CD販売数1位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数10位。もともと、You Tubeへの「秒針を噛む」というMVの動画投稿が活動の第1弾となっているずっと真夜中でいいのに。。今回、総合順位で見事1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上2万3千枚で1位初登場。前作「ぐされ」の4万4千枚(2位)からはダウンしています。

そして2位はAdo「狂言」が先週と同順位をキープ。ダウンロード数及びPCによるCD読取数は先週と変わらず1位をキープ。ただCD販売数は2位から5位にダウンしています。彼女ももともとはニコニコ動画による歌唱動画投稿が活動のスタート。このアルバムも、作詞作曲に多くのボカロPが関与するなど、1位2位ともにネット系ミュージシャンが並ぶ、今どきらしいチャートとなりました。

3位は男性5人組アイドルグループDa-iCE「REVERSi」がランクイン。昨年「CITRUS」がレコード大賞を受賞し、話題となったグループによるEP盤。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数11位、PCによるCD読取数は65位に留まり、総合順位は3位に。オリコンでは初動売上1万2千枚で2位初登場。前作「SiX」の1万5千枚(4位)からダウンしています。

続いては4位以下の初登場盤です。まず4位には家入レオ「10th Anniversary Best」がランクイン。タイトル通り、デビュー10周年を記念してリリースされたベスト盤。5周年の時にも「5th Anniversary Best」というタイトルでベスト盤をリリースしていますので、早くも2枚目のベスト盤となります。ただ、タイトルのつけ方はちょっと安直すぎる気がしないではないのですが・・・。CD販売数4位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数31位。オリコンでは初動売上9千枚で4位初登場。直近作はEP盤の「Answer」で同作の初動5千枚(8位)よりアップ。ただしベスト盤としての前作「5th Anniversary Best」の初動2万6千枚(3位)よりは大きくダウンしています。

6位はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループONE N'ONLY「YOUNG BLOOD」がランクイン。CD販売数は3位でしたが、そのほかのチャートはいずれも圏外となり総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上1万1千枚で3位初登場。前作「ON'O」の2千枚(12位)からアップしています。

8位はTEAM SHACHI「TEAM」がランクイン。こちらは以前、チームしゃちほこの名前で活動していたスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループが、その名前を変更したもの。名前変更後、初のフルアルバムとなります。CD販売数6位、ダウンロード数45位。オリコンでは初動7千枚で6位初登場。直近作はミニアルバム「TEAM SHACHI」で同作の初動1万9千枚(5位)より大きくダウンしています。

最後10位には女性声優小倉唯のアルバム「Tarte」がランクイン。CD販売数8位、ダウンロード数21位、PCによるCD読取数38位。オリコンでは初動売上7千枚で7位初登場。前作「ホップ・ステップ・アップル」の初動1万1千枚(5位)からダウンしています。

今週の初登場盤は以上。一方、ロングヒット盤としてSnow Man「Snow Mania S1」が先週と変わらず9位をキープ。通算13週目のベスト10ヒットとなっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年2月23日 (水)

6週連続1位!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は6週連続の1位獲得となりました。

今週1位はAimer「残響散歌」が1位を獲得。これで6週連続の1位となりました。特にストリーミング数が2週連続で1位、You Tube再生回数も4週連続で1位、さらにダウンロード数も2位から1位にアップし、2週ぶりに1位返り咲き。PCによるCD読取数も3週連続1位と、4部門で1位を獲得。これで11週連続のベスト10&ベスト3ヒット。圧倒的な強さを見せつける結果となり、相変わらずの「鬼滅の刃」人気を感じます。

一方、「呪術廻戦」テーマ曲としてロングヒットを続けているKing Gnu「一途」「逆夢」ですが、こちらは今週、それぞれ5位から7位、6位から8位にダウン。どちらもストリーミング数が5位から6位、4位から5位とダウンしています。ただ一方、You Tube再生回数は「一途」が5位から4位にアップ、「逆夢」も先週と変わらず3位をキープしており、まだまだ強さを感じさせる結果に。これで「一途」が11週連続、「逆夢」が8週連続のベスト10ヒットとなりました。

さて、Aimerに続いて2位にランクインしたのが優里「ベテルギウス」。先週の4位からランクアップし、2週ぶりのベスト3返り咲き。ストリーミング数2位、You Tube再生回数6位は先週から変わらず。ダウンロード数が13位から9位にアップしています。これで16週連続のベスト10ヒット&通算4週目のベスト3ヒットとなりました。一方、「ドライフラワー」は8位から9位にダウン。これで66週連続のベスト10ヒットとなり、カラオケ歌唱回数も55週連続の1位となっていますが、さすがに徐々に後がなくなってきました。

3位は米津玄師「POP SONG」が先週からワンランクダウンながらもベスト3をキープ。ダウンロード数は1位から3位にダウンしましたが、You Tube再生回数は2位をキープ。ただ、ストリーミング数は17位から28位にダウンと伸び悩んでおり、このままだとロングヒットはちょっと厳しそうなチャート動向となっています。

続いて4位以下の初登場曲です。4位初登場が≠ME「チョコレートメランコリー」。指原莉乃プロデュースによる声優アイドルグループ。CD販売数は1位を獲得しましたが、ダウンロード数90位、ラジオオンエア数40位、PCによるCD読取数22位、Twitterつぶやき数17位と軒並み苦戦し、総合順位はこの位置に。オリコン週間シングルランキングでは初動売上5万8千枚で1位初登場。前作「まほろばアスタリスク」(2位)から横ばい。

また今週返り咲き曲が1曲。それがSaucy Dog「シンデレラボーイ」。先週の11位から6位にアップし、2週ぶりのベスト10入りを果たし、かつ自己最高位を更新しています。ストリーミング数が8位から4位、You Tube再生回数も18位から5位に大幅アップ。昨年10月以降、徐々にランクアップを続けてきましたが、ここに来て一気にランクを上げてきており、今後のロングヒットが期待されます。

一方、ロングヒット曲ですが、まずマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は7位から5位に再びアップ。ストリーミング数が今週で3週連続の3位となっています。ただYou Tube再生回数は21位から23位、ダウンロード数も33位から37位にダウン。ストリーミング数以外、今一つ伸び悩んでいる感があります。これでベスト10ヒットは通算10週になりました。

しぶとい人気を続けているback number「水平線」は9位から10位にダウンとなりましたが、これでベスト10ヒットは通算26週目に。ただ今週、長らく2位をキープしていたカラオケ歌唱回数が3位にダウン。変わって2位となったのは優里「ベテルギウス」と、カラオケ歌唱回数は今週、1位2位に優里が獲得。ここらへんが優里の根強い人気の理由なのでしょうか?

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年2月22日 (火)

バラエティー富んだ作風で

Title:ニュイ
Musician:パスピエ

前作「synonym」からちょうど1年というスパンでのリリースとなったパスピエのニューアルバム。前作「synonym」リリース前に、ユニバーサルミュージック内に自主レーベル「NEHAN RECORD」を立ち上げた彼女たち。コロナ禍の中でも積極的な活動が続いていましたが、「synonym」リリース後も、2021年5月から11月まで、ほぼ毎月配信シングルをリリース。実に7枚もの配信シングルを昨年はリリースしました。そして、その集大成的にリリースされたのが今回のアルバム。その配信シングル7曲を含む、全11曲が収録されたアルバムとなっています。

わずか1年というスパンでリリースされた今回のアルバム。前作「synonym」も非常にバラエティーに富んだ自由度の高いアルバムに仕上がっていましたが、今回もまた、バリエーションに富んだ内容になっており、彼女たちのある種の挑戦心を感じさせる1枚となっていました。

サウンドにHIP HOP的な要素を取り入れた「雨燕」、哀愁感たっぷりのメロディーラインとサウンドで、ある種、ベタな歌謡曲ともいえるような「影たちぬ」「見世物」は完全にプログレを取り入れた意欲作ですし、「グッド・バイ」はニューウェーブ風のサウンドを取り入れた楽曲。イメージとしては90年代のガールズポップに通じるポップチューンなっており、個人的には懐かしさすら感じらせる1曲になっていました。

さらにはエレクトロチューンの「はらりひらり」に、ラストの「PLAYER」も疾走感ある打ち込みが心地よいポップチューンとなっています。また「アンダスタンディング」「言わなきゃ」はノイジーなギターサウンド主導のバンドサウンドになっており、パスピエのロックバンドとしての側面も感じられる作品に仕上がっていました。前作もバンドとしての様々な側面を聴かせるアルバムに仕上がっていましたが、今回の作品については、前作以上にバラエティー富んだ、バンドの多様性を表に出した作品に仕上がっていました。

またユニークなのは歌詞の側面も。例えば「見世物」の歌詞は、完全に落語の「頭山」をモチーフにした歌詞になっており、かなりユニークな内容に仕上がっています。

そんな訳で、前作同様にバンドとしての挑戦心を感じさせる作品となっていた本作。ただ一方、楽曲のインパクトやメロディーラインという側面においては、前作の出来には及ばなかったかなぁ、というのが率直な印象。全11曲中7曲までが「シングル」としてリリースされている割には、シングル曲としてのインパクトは物足りなさを感じてしまいました。正直、ほぼ毎月リリースというペースだっただけに、若干乱発しすぎた感もあるのでしょうか。この点はちょっと残念でした。

もっとも、やはりバンドとしての様々な側面を感じられる挑戦心あふれるアルバムであることは確か。そういう意味ではバンドの次につながるアルバムであることは間違いありません。これからの活躍も楽しみ、ともいえる作品でした。

評価:★★★★

パスピエ 過去の作品
ONOMIMONO
演出家出演
幕の内ISM
娑婆ラバ
&DNA
OTONARIさん
ネオンと虎
more humor
synonym


ほかに聴いたアルバム

15/cali≠gari

「メジャーからのフルアルバムとしては4年ぶり」という触れ込みのcali≠gariのニューアルバム。もっとも、その間に過去作のリメイクやミニアルバム、さらにはインディーズからのアルバムなどのリリースもあったため、さほど「久しぶり」という印象はありません。今回のアルバムに関して言えば、率直に言ってシンプルなギターロックがメインのアルバム。彼ららしいダークでユニーク、変態的でバリエーション豊富な音楽性は、今回に関しては若干鳴りを潜めた感じも。所々にノイズやエレクトロサウンドなどユニークな試みも感じられるものの、彼らにしてはちょっと薄味な印象も受けました。決して悪いアルバムではないのですが、「メジャー」ということで、ちょっと無難にまとめてしまった感も。

評価:★★★★

cali≠gari 過去の作品
10
cali≠gariの世界

11
12
13
この雨に撃たれて
ブルーフィルム-Revival-

LOGIC/LEX

こちらは2021年に各種メディアでベストアルバムとして取り上げられたアルバムを後追いで聴いた1枚。「なんでも言っちゃって」がTikTokを中心にスマッシュヒットを記録した19歳のMCによるアルバムで、Music Magazine誌ラップ/ヒップホップ[日本]部門で1位を獲得したアルバムとなります。トラップの影響を強く受けたエレクトロのトラックは、メランコリックな要素がたっぷり。メロディアスな要素も強く、いい意味で聴きやすさを感じます。今度のさらなる飛躍も期待できそうなアルバムでした。

評価:★★★★

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2022年2月21日 (月)

南イタリアのダンスミュージック

Title:Meridiana
Musician:Canzoniere Grecanico Salentino

今回もまた、2021年のベストアルバムとしてメディアで紹介されたアルバムを後追いで聴いた1枚になります。今回もまたMusic Magazine誌ワールドミュージック部門。本作は第8位にランクインしたアルバム。今回紹介するミュージシャンは南イタリアのサレント地方のダンスミュージックえあるピッツィカを演奏するバンド。結成が1975年といいますから、既に40年以上活動を続けるバンドということになります。

南イタリアのサレント地方というと、イタリアを長靴に見立てた場合、ちょうど踵の部分にあたるのがサレント半島。このピッツィカという音楽は、その地域で踊られるダンスミュージックだそうです。もともと、南イタリアに生息する毒蜘蛛に女性が刺された時に毒を抜くため踊りつづけたことに由来するのがこのピッツィカというダンスミュージックだそうで、「疫病退散」的な意味合いも含む音楽のため、このコロナ禍においても「コロナ退散」の意味を含めて踊られることもあったとか・・・。

作風としては基本的にアコーディオンや笛、バイオリンの音色にのせたリズミカルなダンスミュージックがメイン。ラテン音楽からの影響を強く感じるメロディーラインやアコースティックなサウンドからは哀愁感をたっぷり感じさせます。男女7人組のグループということもあって、軽快な男女のコーラスのやり取りも耳を惹く、トラッドなダンスミュージックらしい、メランコリックさと陽気さを兼ね備えたような音楽が魅力的でした。

アルバムでは後半の「Vulia」「Tic e tac」あたりは、まさにそんなラテン風のメランコリックなサウンドやメロディーラインをリズミカルなリズムにのせて軽快に聴かせるスタイルといっていいかもしれません。特に「Stornello alla memoria」などはヨーロッパのトラッド的な要素も強く感じられ、アコーディオンとアコギで奏でられる軽快なサウンドと共に、いかにもヨーロッパな雰囲気を感じされる作風になっています。

ただ一方で、イメージとしてのヨーロッパのトラッド音楽以上に、かなりトライバルな要素も強く感じられるのが大きな魅力でした。特にアルバムの冒頭を飾る「Balla nina」などは強いエレクトロビートも入った上に、トライバルなリズムが展開されて、むしろアフリカ的な要素すら感じさせます。ここでの男女のコーラスワークも、トライバルな雰囲気に拍車をかけていました。さらに続く「Orfeo」もエキゾチックな要素が強く、こちらはむしろ中東的な雰囲気も。いずれにしても、様々な音楽的な要素を感じされる構成になっています。

このピッツィカという音楽、音楽的な側面から特徴を説明しているサイトは見当たらず、「ピッツィカ」として紹介されている動画サイトなどで視聴すると、アコースティックなサウンドで軽快なリズムを奏でるラテン風の音楽が流れてきます。そのため、「ピッツィカ」の音楽的な特徴はわからず、彼らのこのトライバルなサウンドも含めて「ピッツィカ」の特徴なのかはわかりませんでした。ただよく考えると、このイタリアのサレント地方、地中海を挟んで中東地域にもアフリカにも比較的近い場所に位置します。ひょっとしたら彼らの多彩な音楽性も、どんなサレントの地理的な要因に大きく起因しているのかもしれません。

メランコリックで軽快なダンスミュージックが気持ちよかったこのアルバム。ちなみにラストのタイトルチューン「Meridiana」ではいきなりアコギ1本でのフォークソングが流れてきて、いままでの作風とガラッと変わってリスナーを驚かさせます。ただ、清涼感あるメロとサウンドに心地よさを感じつつアルバムに幕を下ろすことが出来ました。アグレッシブなスタートから、しんみり聴かせるラストまで、非常に心地よさを感じさせる傑作アルバム。「ピッツィカ」はちょっとなじみの薄いジャンルかもしれませんが、十二分に楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★★

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2022年2月20日 (日)

ソウルをベースに多様な音楽性を盛り込む

Title:Indigo Borboleta Anil
Musician:Liniker

今回紹介するのも2021年にベストアルバムとして紹介されたアルバムを後追いで聴いた1曲。今回はMusic Magazine誌ブラジル部門で1位を獲得した1枚です。サンパウロのシンガーソングライターによる作品。もともとLiniker e osCaramelowsというバンドで活動していたそうですが、本作がソロ第1弾アルバムとなるそうです。

「ベストアルバム」として1位を獲得したのは「ブラジル」という部門においてですが、彼女の楽曲自体はいわゆるブラジルミュージックというカテゴリーに入る音楽ではありません。Liniker e osCaramelowsというバンド自体、ソウルミュージックのバンドだったそうですが、このソロアルバムも基本的にジャンルとしてはソウルにカテゴライズされる作品だと思います。実際、例えば「Psiu」ではメロウに聴かせるネオソウル風なバラードナンバーとなっていますし、「Baby95」もアコギやホーン、エレピの音でメランコリックに聴かせるメロウなソウルチューンが魅力的な楽曲に。全体的にはアーバンなソウルチューンが全編に流れており、ソウルやR&B、あるいはシティポップが好きなリスナーの壺をつきそうな音楽を聴かせてくれています。

ただ、そんなソウルミュージックを軸としつつ、様々なジャンルの要素を取り入れているのが本作の大きな魅力に感じます。例えば「Antes de Tudo」などは冒頭のパーカッションでラテン風のサウンドが流れてきますし、「Lili」はしんみりと聴かせるジャジーなサウンドが大きな魅力に。「Presente」ではトライバルなパーカッションと楽曲の絡みが大きな魅力になっていますし、「Diz Quanto Custa」などはソウルよりもむしろラテンの要素の強い作品になっています。

上にはブラジル音楽の要素はあまり感じられない、とは書いたのですが、ラスト2曲「Vitoriosa」「Mel」はブラジル音楽的な要素もしっかりと感じることが出来、彼女が取り入れている多様な音楽性の中ではしっかりとブラジル的な要素も組み込まれています。実に様々な音楽性を取り入れて、ソウルミュージックの枠にとらわれない自由な音楽性が魅力的。ひょっとしてこの音楽な自由度は、ソウルミュージックの本場、アメリカではなく、ブラジルというちょっと離れた地域だからこそ、発生しえた自由なのかもしれません。

ちなみに彼女、トランスジェンダーを公言しているそうで、歌詞にも性的マイノリティーをテーマとした社会派な歌詞も登場しているとか。だからということもあるのでしょうが、どこか中性的なボーカルも大きな魅力のひとつに感じました。

確かに、年間1位という結果も納得の傑作アルバム。ソウルの王道ともちょっと異なるような独特の音楽性が非常に魅力的なアルバム。日本では無名に近いシンガーですが、ソウルやシティポップが好きなら、文句なしに壺にはまりそうな1枚だと思います。お勧めです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Nancy10/Nancy Ajram

レバノンで絶大な人気を誇る女性シンガーの最新作。こちらも2021年ベストアルバムの後追いで聴いた1枚で、Music Magazine誌ワールドミュージック部門で第7位を獲得した作品。彼女の作品を聴くのはこれが2作目となりますが、こぶしの効いた歌いまわしは、いかにもアラブのポップソングという印象は前作と同様。ただ、全体的にメランコリックな曲調の作品が並びつつ、ポップにまとまった作品は、欧米の音楽からの影響も顕著で、私たちの耳にもなじみやすい作風。いい意味であか抜けた感もあり、確かにこういうタイプの曲が幅広い人気を確保するのも納得、という感も受けました。

評価:★★★★

Nancy Ajram 過去の作品
7

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2022年2月19日 (土)

復活ライブ第3弾!

TM NETWORK How Do You Crash It?three

会場 オンライン 日時 2022年2月12日(土)21:00~

オンラインライブでの復活となったTM NETWORK。昨年、第1弾、第2弾ライブが配信となりましたが、続いて第3弾のライブ配信がスタート!今回ももちろん、ライブ配信を視聴しました。さて、時間になると、いままでの非常に凝ったスタートとは一転。木根の静かなアコギ、小室のエレピ、そして椅子に座りながらの宇都宮隆のボーカルというシンプルなスタイルでまずはバラードナンバー「TIME MACHINE」からスタート。一転、シンプルな滑り出しとなりました。

その後、オープニングのような短いイメージ映像から、続いては「ALIVE」から「N43」へ。いずれも再結成後のナンバーなので、比較的最近(といっても10年以上前の曲ですが・・・)と続きます。今回は2月で寒さもピークの中でのライブということもあるのでしょうか、バラードナンバーの1曲目から、比較的暖かみのあるポップチューンが続く構成になっていました。

続いては、ちょっと意外な木根尚登のアコギソロ。ステージに木根尚登が一人残り、アコースティックギター、後半はハープの演奏をしんみりと聴かせてくれます。今回は序盤から木根尚登楽曲が前半の構成に。やはり冬の寒い日には、木根尚登のフォーキーな色合いの強い楽曲が染み入ります。

この木根尚登ソロをインターリュードとして後半は「RESISTANCE」からスタート。こちらは非常に懐かしい楽曲ですが、やはりマイナーコード主体のメランコリックなメロディーラインは、冬の季節にピッタリ来る楽曲ということでしょうか。

ここで再びインターリュード的な映像が流れます。最初は2020年に大きな話題となったBLACK LIVES MATTER運動の映像が流れた後、COVID-19下の渋谷の映像など、「現在」を象徴するような映像が流れていきます。

そしてここから再び一転、これまた懐かしい「BE TOGETHER」へ。ここで木根尚登もギターからキーボードに楽器を入れ替え、エレクトロ色全開でのアップテンポなステージ。シンセのサウンドも以前に比べてかなりトランシーなサウンドとなっており、今風な音にアップデートされています。ライブ映像を見ながら、思わず身体が踊り出し、一緒に歌い出してしまう実にワクワクするステージでした。

続いてもトランシーなサウンドからスタートし、最初は何の曲か?と思いきや、途中から聞き覚えあるフレーズに代わり、「Self Control」に!こちらも原曲と比べて、よりトランシーにアップデートされたサウンドながら、やはり懐かしい楽曲に思わず一緒にフレーズを口ずさんでしまいます。

そしてラストは新曲「How Crash?」に。昨年10月に実施した第1弾ライブ以来、2度目の披露。改めて聴いても、いい意味でひねりのないストレートに明るいポップチューンで、ある種、今後のTM NETWORKの「希望」みたいなものも感じさせます。

最後は再び女の子が、タブレットをのぞき込む映像が流れます。ニュースか何かのアナウンスで「現在、人々を脅かすのはウイルスなのかもしれません」と現在社会を象徴するようなコメントが流れると、シーンが一転。ステージ上に小室哲哉1人が登場した後、残りのメンバー2人もやがて登場。天井から降りてくる三角形の照明みたいなものを見上げつつ、ライブは幕を下ろします。今回も約1時間のステージでした。

正直、1回あたり1時間程度のパフォーマンスで5,000円超えはちょっと高い・・・という印象は最後までぬぐえないものの、それを差し引いてもTM NETWORK最高!と感じさせるパフォーマンスでした。いかにもコンセプチャルなステージングは彼ららしい(というか小室哲哉らしい)とも思うのですが、それ以上にやはり素直に曲自体の良さに魅せられたパフォーマンス。小室哲哉の復活については賛否あるようですが、なんだかんだいっても昔からのファンとしてはうれしいですし、今後、生ライブを実施するのであれば、是非とも足を運びたいなぁ。やはりTM NETWORKは良い!ということを実感したパフォーマンスでした。

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2022年2月18日 (金)

おなじみのピアノ曲が並ぶが・・・

Title:Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020
Musician:坂本龍一

2020年12月12日に、一夜限りのスペシャルライブとして実施された坂本龍一のオンラインピアノソロコンサート「Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020」。アーカイブも一切ない、まさに一夜限りの演奏だっただけに、かなり貴重なライブとなったそうです。私は残念ながら、このオンラインコンサートを見ていなかったのですが、その貴重な音源がライブアルバムとしてリリース。そのオンラインコンサートからちょうど1年後の2021年12月12日にリリースされました。

選曲としては彼のピアノ曲としてベスト盤と言えるような内容。ご存じ大ヒットを記録した「Energy Flow」「Merry Christmas Mr.Lawrence」、さらには無印良品のCMソングであり、ボックスセット「2020S」の中でのみ聴くことが出来た「MUJI2020」など、ある意味、出し惜しみなしのベストの選曲が楽しめます。またライブ音源とはいえ、基本的に特別なアレンジがほどこされている訳ではなく、あくまでもピアノ1本で静かに聴かせる演奏。無観客ライブということもあって、もちろん客席の音も聴こえてこないため、事実上、ベストアルバムとしての楽しめるような内容になっていました。

しかし、今回のライブでの演奏、基本的にはいつも通りなはずなのですが、これが「すさまじい」という形容詞さえつけられそうなほどの気迫のこもった演奏になっていました。今回の演奏の大きな特徴として、いままでよりスローペースでの演奏という点。もちろん原曲のイメージを大きく変えるほどのゆっくりの演奏、という訳ではありません。しかし、1音1音、教授の強い意思が込められたような演奏となっており、緊迫感あふれる演奏に、聴いているだけでゾクゾクと来てしまいます。1曲目「Andata」を聴きはじめた段階で、教授の信念のこもった演奏に、いつもは音楽を聴きながら、ネットを見ていたり本を読んでいたり、何か作業をしている私ですが、そんな他事は出来なくなってしまい、その演奏にひたすら聴き入ってしまいました。

教授といえば、この演奏の直後の1月に直腸がんの手術を受けて、現在も病気療養中です。おそらく時期的に、既にがんが転移したことは発覚した後の演奏となるのでしょう。この演奏がこれだけ気迫のこもった演奏になっているのは、そんな彼の健康状態が大きく影響を受けたことは間違いありません。現在はがんから生還できる可能性もグッと増しましたし、事実、現在も病気療養中とはいえ、3月の「東北ユースオーケストラ」への出演が決まるなど、術後もそれなりに順調のようですが、それでもおそらく命を意識するような状況の中で、陳腐な表現になるかもしれませんが、文字通り、彼の命を削るような、そんな演奏になっていたようにすら感じました。

坂本龍一のピアノ曲の、例えば「Energy Flow」などは、一時期「癒し系」の代表のように語られていた時期もあります。しかし、この演奏は、そんな「癒し系」なんて陳腐な言葉からはほど遠い演奏になっています。そんなイメージでこのアルバムに臨むと、その演奏に驚かされるのではないでしょうか。とにかく、素晴らしい演奏となっていたライブ盤。ピアノのみでこれだけの表現が出来るのか・・・と坂本龍一の才能にあらためて驚かされるそんなアルバムでした。

評価:★★★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014
The Best of 'Playing the Orchestra 2014'
Year Book 1971-1979
async
Year Book 1980-1984

ASYNC-REMODELS
Year Book 1985-1989
「天命の城」オリジナル・サウンドトラック
BTTB-20th Anniversary Edition-
BLACK MIRROR : SMITHEREENS ORIGINAL SOUND TRACK


ほかに聴いたアルバム

ANSWER/フレデリック×須田景凪

アプリゲーム「テイルズ オブ ルミナリア」のオープニングがロックバンド、フレデリック、エンディングをボカロP出身のシンガーソングライターとして注目を集める須田景凪が担当。その2曲+お互いの楽曲をそれぞれがカバーした曲が2曲、さらに両者のコラボ作を収録した全5曲入りのEP。両者とも、メランコリックなメロディーラインが特徴的なミュージシャンですが、そのため全編、非常に哀愁感のある楽曲が並びます。メロディーラインのフックは十分でかなりインパクトはあるのですが、良くも悪くも似たようなミュージシャンがコラボしただけに、似たような曲が並んでしまったのは残念な限り・・・。メロディーセンスはある両者なだけに、もうちょっとバリエーションが欲しい感じなのですが。

評価:★★★★

フレデリック 過去の作品
フレデリズム
TOGENKYO
フレデリズム2
ASOVIVA

須田景凪 過去の作品
porte
Billow

ANSWER/Nothing's Carved In Stone

ELLEGARDENの生形真一がストレイテナーなどで活躍する日向秀和らと結成した4人組バンドの新作。エッジの効いたバンドサウンドを疾走感もって聴かせる洋楽テイストの強いナンバーと、ベタで和風なメロを聴かせるJ-POP的なナンバーの振れ幅が大きく、良くも悪くもバラエティー富んで、ポップ方面とロック方面のバランスが取られていたアルバムになっていました。個人的には、もっと洋楽方面に入ってもよいとは思うのですが、「売れる」ことを考えるとJ-POP路線も仕方ないのかな・・・。

評価:★★★★

Nothing's Carved In Stone 過去の作品
Strangers In Heaven
By Your Side

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2022年2月17日 (木)

アルバムでも強い優里・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まず1位はK-POPのアイドルが獲得です。

1位初登場はYUNHO from 東方神起「君は先へ行く」。CD販売数1位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数16位。韓国のアイドルグループ東方神起のメンバー、ユンホによるミニアルバム。日本オリジナルのソロアルバムは、ファンクラブからのリリースされた作品を除いて、初となるアルバムとなるそうです。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上3万5千枚で1位初登場。前作はU-KNOW名義でリリースされた韓国盤「Noir:2nd Mini Album」で、同作の初動6千枚(10位)から大きくアップしています。

2位はAdo「狂言」がワンランクダウン。ただ、ダウンロード数は先週から変わらず1位をキープしているほか、CD販売数が3位から2位、PCによるCD読取数も4位から1位にアップしており、各種チャートはむしろ先週よりアップしています。かなりの強さを見せつける結果となりました。

そしてさらに強いのが先週の9位から3位にランクアップし、3週ぶりのベスト3返り咲きとなった優里「壱」。CD販売数13位、ダウンロード数5位は先週から変わらず。PCによるCD読取数も1位から2位にダウンと全体的に大きく盛り返した訳ではないのですが、ほかに強力盤もいなかった影響で大きく順位を上げています。もともと「ドライフラワー」の一発屋から思いきや、「ベテルギウス」も大ヒットを記録。アルバムも好調のようで、完全に「曲」ではなく「人」にファンがついてきています。これだけ人気になるというのは、正直ちょっと意外でした・・・。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に韓国の女性アイドルグループfromis_9「Midnight Guest」がランクイン。CD販売数は3位でしたが、その他のチャートは圏外となり、総合順位は4位に。オリコンでは2月8日リリースということでフライング販売分が前週にランクインしたためか、2週目にして1万2千枚を売り上げて、3位にランクアップした形となっています。

6位には「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 03」がランクイン。育成シミュレーションゲーム「ウマ娘」のゲーム楽曲を集めた「WINNING LIVE」シリーズの第3弾。CD販売数及びダウンロード数6位、PCによるCD読取数15位。オリコンでは初動売上9千枚で6位初登場。同シリーズの前作「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 02」の1万1千枚(8位)からダウンしています。

7位初登場は男性声優斉藤壮馬「my beautiful valentine」。2枚目となるミニアルバム。CD販売数5位、ダウンロード数12位、PCによるCD読取数34位。オリコンでは初動売上1万枚で5位初登場。前作「in bloom」の初動1万5千枚(5位)からダウン。

初登場最後は8位に「アオペラ-aoppella!?-3」がランクイン。CD販売数4位ながらも他のチャートは圏外となり、総合順位はこの位置に。11名の声優が参加する"青春×アカペラ"をテーマとしたプロジェクト。オリコンでは初動売上1万枚で4位初登場。前作「アオペラ-aoppella!?-2」の1万1千枚(6位)からは微減となっています。

さらにベスト10圏外からの返り咲きも1枚。ジャニーズ系アイドルグループSnow Manによる「Snow Mania S1」が先週の17位から9位にランクアップ。3週ぶりのベスト10返り咲きとなり、通算12週目のベスト10ヒットとなっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年2月16日 (水)

「鬼滅」が一歩リード

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ここ数週間、テレビアニメ「鬼滅の刃『遊郭編』」オープニングテーマのAimer「残響散歌」と、アニメ映画「劇場版 呪術廻戦0」の主題歌、エンディングテーマのKing Gnu「一途」「逆夢」がデッドヒートを繰り広げてきました。いわば人気アニメ同士のつばぜり合いが続いてきた感じですが、ここに来て「鬼滅の刃」が一歩リードしました。

そんな訳で今週1位はAimer「残響散歌」が5週連続で獲得。ダウンロード数は1位から2位、CD販売数に至っては13位までダウンしたものの、You Tube再生回数は先週と変わらず1位をキープし、さらにはストリーミング数が1位にアップ。根強い人気を維持しています。これで10週連続のベスト10&ベスト3ヒットとなりました。

一方、King Gnuは「一途」が3位から5位、「逆夢」が4位から6位にダウン。「一途」はストリーミング数が先週と変わらず5位、You Tube再生回数は7位から5位にアップしましたが、ダウンロード数が7位から10位にダウン。「逆夢」はストリーミング数は4位、You Tube再生回数は3位をキープしたものの、ダウンロード数が6位から7位にダウンしています。ただ、どちらも下げ幅はさほど大きくなく、今後の巻き返しも期待できそう。これで「一途」は10週連続のベスト10ヒットとなりました。

そんな人気アニメ同士のデッドヒートの中に割って入ったのが、まず2位初登場米津玄師「POP SONG」。ダウンロード数、ラジオオンエア数1位、You Tube再生回数2位、Twitterつぶやき数4位。ただ、ストリーミング数のみ17位と奮わず、2位に留まりました。Play Station CMソング。ストリーミング数の低順位が気になりますが、今後のロングヒットも期待できそう。

3位にはOCTRATH「IT'S A BOP」がランクイン。オーディション番組「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」より結成された男性8人組のアイドルグループのデビューシングル。CD販売数で1位を獲得しましたが、そのほかダウンロード数89位、ラジオオンエア数22位、PCによるCD読取数30位、Twitterつぶやき数24位と軒並み低順位となり、総合順位ではこの位置に。一方、オリコン週間シングルランキングでは初動売上6万2千枚で1位初登場となっています。

さらに4位には優里「ベテルギウス」が2位から2ランクダウン。ストリーミング数は「残響散歌」と入れ替わる形で2位から1位にダウンしましたが、You Tube再生回数は8位から6位にアップ。これで15週連続のベスト10ヒットとなりました。また、「ドライフラワー」は7位から8位にダウン。これで65週連続のベスト10ヒット。カラオケ歌唱回数も54週連続の1位となっています。

さて、そのほかのチャートですが、今週は返り咲きが1曲。それがDa-iCE「CITRUS」で今週13位から10位にアップ。5週ぶりにベスト10返り咲きとなりました。今週、ダウンロード数が28位から12位、ストリーミング数が18位から13位、You Tube再生回数が20位から16位と軒並みアップ。各種チャートでベスト10入りしているのはカラオケ歌唱回数の4位だったのですが、他に際立って強い曲もなかった影響で、この位置のランクインとなりました。

その他のロングヒット曲ですが、まずマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は5位から7位に2ランクダウン。ただストリーミング数は先週から変わらず3位をキープしており、まだまだ強さを感じさせます。これで通算9週目のベスト10ヒットとなります。

back number「水平線」は先週からワンランクダウンの9位。ストリーミング数は7位から9位にダウン。ただ、カラオケ歌唱回数はしぶとく2位をキープ。もっとも「ドライフラワー」の壁はなかなか破れません・・・。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年2月15日 (火)

より「黒い」ウルフルズ

Title:フル盤
Musician:ウルフルズ

2022年にメジャーデビュー30周年を迎えるウルフルズ。その記念すべき年を迎えるにあたって、30周年30曲のセルフカバーを行うことを発表。8月に「ウル盤」として、まず第1弾の10曲のセルフカバーを発表しましたが、本作はそれに続く第2弾となります。「フルえるようなウルフルズ興奮の名曲選」をコンセプトに選ばれた10曲のセルフカバーが収録されています。

今回のアルバムに収録されている曲は、彼らの曲の中でもよりソウル、ファンク、ブルースといった、彼らが強く影響を受けたブラックミュージックの要素が強い曲が並びます。さらに今回のアルバムでは、そのような楽曲を、よりブラックミュージック的な要素が強くなるようにカバーを行っており、よりウルフルズのルーツが意識されるようなセルフカバーになっています。

もっとも、全体的にはアレンジについて大きな変更は加えられていません。基本的に原曲に準拠した演奏となっており、雰囲気が原曲と大きく異なった・・・といった作品はありません。ただ、その中で、例えばより演奏がグルーヴィーになったり、ボーカルがよりファンキーになったりと、より演奏に「黒さ」が増したという印象を受けます。

具体的には、例えば「ヤング ソウル ダイナマイト」では原曲とアレンジは大きく変わらないものの、若干重低音の迫力を増したような今の音にアップデートされています。彼らのライブのラストチューンの定番曲である「いい女」では、デビューアルバム「爆発オンパレード」収録の曲なのですが、オリジナルと比べるとボーカルの迫力やバンドのグルーヴ感がかなり増しており、30年の間の彼らの大きな成長を感じることが出来ます。また、この曲は1999年のベスト盤「Stupid&Honest」収録時に新バージョンとなっていますが、こちらはどちらかというとロックのテイストの強いアレンジとなっており、こちらのバージョンとの聴き比べも楽しいかもしれません。

ただ、おそらく一番変わっていたと思われるのは「バカサバイバー」で、こちらはもともとテレビアニメ「ボボボーボ・ボーボボ」のテーマソングということもあってか、比較的ポップにまとめあげられた原曲に比べると、かなりファンキーなアレンジに進化しています。もともとファンキーな作風であったことから、こちらのアレンジの方がひょっとしたらもともとの構想だったのかもしれません。また「チークタイム」もオリジナルの「ボンツビワイワイ」収録曲はライブ録音風のアレンジになっているのに対して、こちらはちゃんとしたスタジオ録音版になっており、より本格的なブルースナンバーに仕上がっています。

そんな感じで、基本的に原曲から大きな変化はないものの、いずれの曲もよりファンキーに、ソウルに仕上がったアレンジになっており、なによりもウルフルズのブラックミュージックに対する敬愛ぶりを強く感じさせるアレンジに仕上がっていました。何よりも、あらためて彼らのブラックミュージックからの影響の強さをひしひしと感じさせるアルバムになっており、さらにより「黒く」仕上がった彼らの演奏ぶりに、30年を迎えるバンドとしての実力も感じさせるセルフカバーになっていたと思います。ちなみに、30曲ということは、あと10曲のセルフカバーが残っているということで、次のアルバムは「ズ盤」になるのでしょうか??次回作も非常に楽しみです。

評価:★★★★★

ウルフルズ 過去の作品
KEEP ON,MOVING ON
ONE MIND
赤盤だぜ!
ボンツビワイワイ
人生
ウ!!!
ウル盤


ほかに聴いたアルバム

夜にしがみついて、朝で溶かして/クリープハイプ

約3年ぶりとなるニューアルバム。ノイジーなギターサウンド主体となるバンドサウンドをバックに、これでもかというほどメランコリックに歌われるメロディーラインがボーカル尾崎世界観のハイトーンボイスともピッタリマッチ。完全にクリープハイプとしての様式を確立させたようなアルバムに。ラップを取り入れたり、エレクトロサウンドを取り入れたりと、それなりに挑戦的な側面も垣間見せつつ、期待される楽曲にはしっかりと応えている感のあるアルバムになっています。ファンならば満足のいく作品になっていました。

評価:★★★★

クリープハイプ 過去の作品
吹き零れる程のI、哀、愛
クリープハイプ名作選
一つになれないなら、せめて二つだけでいよう
世界観
もうすぐ着くから待っててね
泣きたくなるほど嬉しい日々に
どうにかなる日々

どんなことでも起こりうる/ウカスカジー

ミスチル桜井和寿とEAST ENDのMC、GAKU-MCによるユニットによる約5年半ぶりのニューアルバム。シンプルなポップソングに前向き応援歌的な作風の曲が多く、イメージとしてメロディーは桜井、歌詞はGAKU-MCの影響が大きいような印象を受けます。最近のミスチルにはあまり聴かれなくなったような、桜井の書くシンプルなポップソングは魅力的である一方、前作のミニアルバム「金色BITTER」あたりから、少々鼻につくようになってきた、あまりにも漂白されたきれいごとソングになってしまっているGAKU-MCの書く(と思われる)歌詞の世界観が、どうしても稚拙に感じてしまいます。ポップソングとしては非常に魅力的なので残念。さすがに50歳を過ぎた人の書く歌詞としては、もうちょっと深みが欲しいのですが・・・。

評価:★★★★

ウカスカジー 過去の作品
AMIGO
Tシャツと私たち
金色BITTER

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2022年2月14日 (月)

中国と西洋の融合

Title:Birdy Island
Musician:Howie Lee

今回もまた、2021年のベストアルバムとして取り上げられたアルバムを後追いで聴いた1枚。今回もまたMusic Magazine誌の、今回はエレクトロ・ミュージック部門で1位を獲得したアルバムです。今回紹介するミュージシャン、Howie Leeは中国・北京出身の電子音楽家で、「アジアを代表する電子音楽家」として高い評価を受けているそうです。

彼の音楽の大きな特徴は、中国の伝統的な楽器と西洋的なエレクトロサウンドを融合させ、独特な音楽性を醸し出しているという点。揚琴や管子といった、中国の伝統楽器を用いているそうです。確かに、彼の奏でるサウンドは非常に独特。このアルバムでも1曲目「Time to the Sun」でもいきなり弦楽器でエキゾチックな音色からスタートしています。エレクトロサウンドといっても、中国の伝統音楽の音色を取り入れたサウンドは、エキゾチックながらも暖かみのある音色が特徴的となっており、ちょっとジャジーな要素も加わったサウンドが耳を惹く構成となっています。

ただ一方で、エキゾチックな雰囲気を醸し出しつつも、決してベタな「中国風」に陥っていない点も彼の音楽の大きな魅力に感じました。上にも書いた中国の伝統楽器である揚琴や管子というと、名前だけでは想像できないかもしれませんが、いかにも「中国」的な音を鳴らす楽器。イメージとしては中華街や、テレビなどでベタな「中華風」を表現する時に流れるような音、といっていいでしょうか。確かに、彼の楽曲の中では、これらの楽器の音が使われています。しかし、エレクトロサウンドと上手く融合させることによって、伝統楽器からエキゾチックという部分だけを上手く抽出し、ベタな中国風に陥ることを防いでいます。

特に印象的だったのが「Feather Signifier」で、終始、中国楽器の音色が鳴っているのですが、それに重なるようにジャジーなピアノとエレクトロサウンドが流れています。結果として、エキゾチックな雰囲気を醸し出しつつ、やわらかい印象を受けるジャジーな楽曲にまとまっていました。まさに中国の音楽と西洋音楽が見事に融合された1曲、といった印象を受ける作品でした。

その後もタイトルチューンである「Birdy Island」では、タイトル通り、鳥たちの住む島のような、どこか幻想的かつ自然な雰囲気を、女性コーラスを入れることにより再現。ここでも、幻想的なイメージを作り出すために中国の楽器と思われる音色が上手く組み込まれています。

独特なサウンドが終始惹きつけられるアルバム。確かに、アジアを代表する電子音楽家として高い評価を受けるのも納得のアルバムだったと思います。今後も、ますますその注目が高まりそうな予感もする1枚。日本でも、その名前を聞く機会が徐々に増えてきそうです。

評価:★★★★★

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2022年2月13日 (日)

南フランス文化圏のアグレッシブな楽曲

Title:La Grande Folie
Musician:San Salvador

今回も、2021年ベストアルバムの後追いが続きます。今回もMusic Magazine誌ワールドミュージック部門で第7位を獲得したアルバム。南フランス出身の男女6人組グループ、San Salvadorの作品。まずこのアルバムで大きな特徴となっているのは、その歌われている言語にあります。このアルバムで歌われているのは、オック語というフランス南部において、今でも一部で使われている言語だそうです。同じフランスといっても、北フランスと南フランスではその文化圏が大きく異なるとか。彼らの奏でる音楽も、そんな南フランス、オック語文化圏のフォークミュージックの影響を強く受けている音楽だそうです。メンバーはオック語は話せないそうなのですが、音楽ではあえてオック語を使うことによって、出自の文化を広く伝えていこうとする強い意志を感じられます。

フランスの音楽、というと一般的にシャンソンやフレンチポップのような、「おしゃれ」感のある楽曲を想像されるかもしれません。しかし、ここで奏でられる音楽は、一般的なイメージとしてのフランスの音楽とはかなり異なります。まず大きな特徴としてはトライバルな要素の強いパーカッシブな音楽を繰り広げているという点。メンバー6人それぞれ打楽器を抱えての演奏となっており、終始パーカッションのリズミカルなサウンドが軸となっています。アルバムの冒頭「Fai Sautar」も、まずは力強いパーカッションのリズムからスタートしますし、タイトルチューンである「La Grande Folie」も、冒頭は伸びやかな力強いアカペラからスタートしますが、中盤以降はアグレッシブなパーカッションが印象に残る力強いナンバーとなっています。

そしてサウンドの主軸がパーカッションである一方、もうひとつの大きな特徴となっているのがアカペラ。男女6人によるアカペラが歌の主軸となっており、重厚なコーラスラインを聴かせてくれます。特に「La Fin de la Guerra」は、ちょっと荘厳な雰囲気すらある女性ボーカルによる力強いボーカルと、そのバックのコーラスが印象に残る作品。「San Josep」も、基本的にはメランコリックなアカペラを伸びやかに聴かせるナンバー。ラストの「Quau te Mena」も男女ボーカルによる重厚なアカペラが大きな魅力となっています。

さらにこの男女の掛け合い的なアカペラにパーカッションのリズムが入ると非常にスリリングになっています。前述も「Quau te Mana」も、中盤以降、パーカッションが加わり、スリリングな展開を見せますし、特に「La Grande Folie」は11分にも及ぶ作品なのですが、後半は疾走感あるトライバルなリズムに男女のコーラスが重なり、非常に迫力ある緊迫感ある展開を聴かせてくれ、長丁場の作品なのですが、最後まで耳を離せない作品になっています。

トライバルなサウンドもそうなのですが、ちょっとコールアンドレスポンス的な要素も感じられるボーカルといい、イメージ的にはアフリカ圏の音楽に通じるものと感じる作品で、フランスというイメージからは大きく異なるアルバムになっていました。ただ、彼らのような音楽も間違いなくフランス文化の一つなのでしょう。文化の広がりと奥深さを感じさせます。

とにかくコーラスの掛け合いとアグレッシブなパーカッションが非常に楽しいアルバム。ライブなら文句なしに盛り上がりそうな作品で、彼らも是非、コロナ禍の後には来日してライブを聴きたいなぁ、と感じさせる作品でした。最初から最後までスリリングなパーカッションとコーラスから耳を離せない傑作アルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

BLK2LIFE || A FUTURE PAST/Theo Croker

なんかP-FUNK的なド派手なジャケが印象的ですが、ファンクのアルバム、ではなく、新進気鋭のジャズトランぺッターとして活躍しているTheo Crokerの新作。こちらも2021年のベストアルバムの後追いとして聴いた作品で、Music Magazine誌ジャズ部門第1位の作品。ただ、ジャズ、というよりはソウルの要素が強かったり、シティポップ風だったり、トライバルなリズムが入ったりと、ジャズというよりもむしろブラックミュージック全般からの影響を感じさせるアルバムに。強いビートを聴かせるリズムも印象的で、この点もいかにも今風といった印象も。ジャズというジャンルにこだわらない作風で、意外と広いリスナー層が楽しめそうな作品になっていました。

評価:★★★★★

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2022年2月12日 (土)

ストレートなアフロビートが心地よいが・・・

Title:Na Kozonga
Musician:Jupiter&Okwess

今回もまた、2021年のベストアルバムと紹介されたアルバムを後追いで聴いた1枚。今回もMusic Magazine誌。ワールドミュージック部門で5位にランクインしたアルバム。ジュピター率いるJupiter&Okwessのニューアルバム。ジュピターは30年以上にわたり活動を続けるコンゴのベテランミュージシャン。ブラーのデーモン・アルバーンが発起人となったアフリカ音楽のプロジェクトアルバム「キンシャサ・ワン・ツー」にも参加しています。

・・・・・・といっても、Jupiter&Okwessについては今回はじめて聴いた訳ではなく、2014年にリリースされた世界デビューアルバム「Hotel Univers」が日本でも大きな評判を呼び、私もこのアルバムに関してはリアルタイムで聴いたほか、彼らはその年の夏に、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドのために来日しライブを披露しているのですが、このライブには私も参加。彼らのステージについては生で体験済だったりします。それだけに今回のアルバムに関しては、後追いで聴いた、というよりもリアルタイムで情報をキャッチできず、聴き逃していた1枚。遅ればせながら、ようやくこのアルバムを聴いてみました。

ジュピターの「Hotel Univers」、さらにスキヤキでのステージを見て、まずは強く感じたのが非常にストレートなアフロビートで、心から気持ち良いサウンドだった、ということ。とにかくアップテンポでトライバルなビートが心地よく、特にライブでは我を忘れて踊りまくったことを、今でも覚えています。それだけアグレッシブで楽しいステージを見せてくれました。

今回のアルバムでも、冒頭から、疾走感あるアフロビートがとにかく気持ち良い曲が並びます。「Telejayi」「Mieux Que Ca」といずれも軽快なビートが楽しいリズミカルな楽曲でスタートし、一気にリスナーを惹きつけます。タイトルチューンとなる「Na Kozonga」はちょっとテンポを落としたナンバーとなるのですが、前半のハイライトとも言えるのが続く「You Sold Me A Dream」で、打ち込みのノイジーなビートがトライバルなアフロビートに加わり、これでもかというほどのアグレッシブでハイテンポなサウンドでテンションのあがる楽曲となっています。

ただ、ここから先の曲に関しては、アフロビートを取り入れつつも、むしろメランコリックなメロディーを聴かせるような曲も目立ちます。「Marco」「Jim Kata」もミディアムテンポのナンバーで、アフロビートを楽しませつつも歌を聴かせる楽曲になっていますし、さらに「Bakunda Ulu」は伸びやかでスケール感のあるコーラスを入れた壮大さを感じさせる楽曲。「Abalegele Gale」はホーンセッションを入れつつ、郷愁感あるメロが印象に残りますし、「Bolenge Seben」などもアフロビートを軽快に聴かせつつ、哀愁感たっぷりの歌が同時に印象に残る作品に。ジュピターの音楽的な幅を感じさせる曲が並んでいます。

ラスト前の「Muba」も、またグルーヴィーなアフロビートが心地よい作品になるのですが、最後を締めくくる「Bolingo(Ca va Sarava)」はちょっとボッサ的な要素も感じさせる楽曲となっており、最後までジュピターの奏でる音楽の幅の広さを感じさせる展開になっていました。特にこのラストナンバーはかなりあか抜けた都会的な作風になっており、全編トライバルという印象も強かったアルバムの中では意外性を感じさせる締めくくりとなっていました。

ストレートなアフロビートが心地よい作風なのですが、その一方、アフロビートの一言ではとどまらない音楽的な幅広さ、奥深さもあり、しっかりと聴かせる傑作アルバムに仕上がっていました。話題となった「Hotel Univers」を上回る出来の傑作アルバムだったと思います。またコロナが落ち着いたら来日して、あの素晴らしいライブを見せてほしいなぁ。最後まで文句なしにワクワクした気持ちで楽しめた傑作でした。

評価:★★★★★

Jupiter&Okwess 過去の作品
Hotel Univers


ほかに聴いたアルバム

Nouara/Kamel El Harrachi

こちらも2021年ベストアルバムの後追い。Music Magazine誌ワールドミュージック部門の、こちらは第4位の作品となります。アルジェリア出身のシンガーによる約11年ぶりの新作。父親のダフマヌ・エル・ハラチも、アルジェリアの大衆音楽であるシャアビの代表的な歌手だったそうですが、本作でも11曲中9曲は、その父親の楽曲のカバーだそうです。ギターを爪弾きつつ、メランコリックに歌い上げるエキゾチックな楽曲が魅力的。いかにもアラビアンな雰囲気の作風なのですが、哀愁感あふれるそのメロディーラインは日本人にとっても確実に心に響いてきそうです。

評価:★★★★

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2022年2月11日 (金)

筒美京平の「アナザーベスト」

おととし10月に惜しまれつつこの世を去った作曲家、筒美京平。1960年代から2010年代に至るまで数多くのヒット曲を世に送り出した、日本歌謡史を代表する作曲家ですが、その逝去後、彼の偉業を振り返る、様々な作品が企画されました。彼のベスト10ヒットを集めた4作同時リリースとなる「筒美京平 TOP 10 HITS」シリーズはまさにその集大成的な企画でしたが、その「アナザーベスト」的な作品がリリースとなりました。今回は、歌謡曲に造詣の深い4人が、筒美京平の「知られざる名曲」を発掘した企画となります。

Title:筒美京平 マイ・コレクション 選曲:タブレット純

いわゆる「ムード歌謡漫談」なるジャンルを確立させた歌手でありお笑いタレントであるタブレット純が選曲した作品。ムード歌謡曲に造詣の深い彼らしく、全編、ムード歌謡曲のセレクションとなっています。知る人ぞ知るB級グループサウンズバンド、ザ・ガリバーズの唯一のシングル曲「赤毛のメリー」や、今やほとんど語られることのないTHE ALFEEが4人組だった時代のリリースされたシングル「青春の記憶」など、かなりマニアックで貴重な楽曲も収録されています。

Title:筒美京平 マイ・コレクション 選曲:クリス松村

こちらは歌謡曲に造詣も深いタレントのクリス松村によるセレクション。「筒美歌謡ディスコ」を中心としたセレクションということで、浅野ゆう子の「ムーンライト・タクシー」や平山三紀の「真夜中のエンジェル・ベイビー」などといったファンキーな作品も目立ちます。また、岩崎宏美の「素敵な気持ち」のようなシティポップ風の作品や、Cindyの「Touch The Sky」のような完全に90年代J-POPといった作品もあり、筒美京平の幅広い音楽性もうかがえるセレクションに。ちなみに桑原一郎の「谷間の百合」は今回初CD化らしいのですが、かなりマイナーなセレクションで、ネットで調べても詳しい情報がわかりません・・・。よく知っていましたね、さすがです・・・。

Title:筒美京平 マイ・コレクション 選曲:半田健人

で、こちらは俳優・タレントで、こちらも歌謡曲に造詣が深い半田健人によるセレクション。全体的にはいかにも歌謡曲といった作品が多く、半田健人の好みの反映がうかがえます。メロディーではないのですが、心中をテーマとした北原ミレイの「何も死ぬことはないだろうに」がかなり怖い・・・。こういう歌詞の曲は、今だとリリースできないだろうなぁ。ちなみにGoogleでこの曲を調べると、自殺防止電話相談の電話番号が提示されるのみ微妙に怖い・・・。

Title:筒美京平 マイ・コレクション 選曲:スージー鈴木

そしてラストは音楽評論家スージー鈴木による選曲。音楽評論家による選曲だからでしょうか、全4作の中で最もバラエティー豊富な選曲になっており、ジャンル問わず60年代から2000年代まで、その時代に応じた曲を生み出してきた筒美京平という作曲家を最も適切に表現したセレクションと言えるかもしれません。楽曲的にも知られざる曲、ばかりではなく、少年隊の「デカメロン伝説」や小泉今日子「夜明けのMEW」など、「筒美京平 TOP 10 HITS」の選曲から漏れたヒット曲も収録されており、正しい「アナザーベスト」と言えるかもしれません。歌謡曲からアイドルポップ、さらには90年代J-POPまで幅広い作風の曲が収録されており、いかにも筒美京平というミュージシャンの音楽性の広さを感じいさせる選曲となっており、彼の偉大さをあらためて感じさせる選曲となっています。

そんな訳で、4人4様のセレクションとなっているこの企画。特に、それぞれの選曲者の趣味趣向に沿ったセレクションになっているのがユニークなところ。タブレット純と半田健人は、ある意味、筒美京平=歌謡曲という、若干見方としては狭いのではないか?と感じさせるようなセレクションになっているのが気にかかりましたが、もっとも、個人の趣味によるセレクションなので、それはそれ、といったところで・・・。逆にクリス松村とスージー鈴木のセレクションは筒美京平の音楽性の幅広さを反映させたセレクションになっていたように感じます。

以前紹介した「筒美京平 TOP 10 HITS」のセレクトと合わせて、あらためて筒美京平という作曲家の偉大性を感じさせるセレクション。なによりも、60年代や70年代のムード歌謡、80年代のアイドル歌謡、さらには90年代のJ-POPまで、それぞれの時代をしっかり反映させた曲を、自然に作ってしまっている点に、あらためて彼の音楽性の幅広さを感じて、ある種の驚きさえありました。彼の逝去を残念に感じてしまいます。筒美京平という音楽家の偉大さをあらためて実感したアナザーベストでした。

評価:
タブレット純 ★★★★
クリス松村 ★★★★★
半田健人 ★★★★
スージー鈴木 ★★★★★

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2022年2月10日 (木)

見事2週連続の1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2週連続で見事1位を獲得です。

今週はAdoのデビューアルバム「狂言」が、2週連続の1位を獲得。CD販売数は3位にダウンしてしまいましたが、ダウンロード数1位、PCによるCD読取数は4位を獲得し、総合順位では見事1位をキープしています。

一方、CD販売数で1位だったのがジャニーズ系アイドルグループA.B.C-Z「BEST OF A.B.C-Z」。彼らにとって初となるベストアルバム。配信リリースがなかったため、ダウンロード数は圏外。PCによるCD読取数も11位に留まり、総合順位では2位となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上5万4千枚で1位初登場。直近のオリジナルアルバム「CONTINUE?」の2万9千枚(4位)からはアップしています。

続く3位初登場は中島みゆき「中島みゆき2020ラスト・ツアー『結果オーライ』」。2020年1月12日の東京新宿文化センター大ホールからスタートした中島みゆきのライブツアー。このライブツアーを持って、コンサートツアーからの引退を表明していた彼女ですが、8公演を行った段階で新型コロナ・ウイルス感染拡大の影響によりライブツアーが中止。結局、再開されることなく、ツアー自体が中止となってしまいました。今回のライブアルバムでは、そのコンサートの模様をアンコールを含めて全21曲完全収録。ライブツアーに足を運ぶことが出来なかったファンが追体験できるような仕様に仕上がっています。CD販売数2位、ダウンロード数11位、PCによるCD読取数6位。オリコンでは初動売上4万枚で2位初登場。直近作は、このラストツアー中止の見返り的に急遽リリースされたセレクションアルバム「ここにいるよ」で、同作の4万6千枚(4位)からダウン。ただ、通常だと売上が大きく落ち込むライブアルバムで、これだけの売上を上げたというあたり、やはりラストツアーを心待ちにしていたファンが多いということなのでしょう。もっとも、コンサートツアーが「ラスト」というだけで、コンサート自体は今後も実施していくそうですが・・・。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に女性シンガーソングライターmiletの2枚目のフルアルバム「visions」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数7位。オリコンでは初動売上2万6千枚で5位にランクイン。前作「eyes」の2万7千枚(1位)より若干のダウン。順位的には1位から5位と大きくランクを落としましたが、売上的には若干のダウンに留まっており、まだまだ強い人気を感じさせる結果となっています。

5位には男性アイドルグループ7ORDER「Re:ally?」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数16位、PCによるCD読取数24位。もともとはLove-tuneとしてジャニーズJr.内のユニットとして活動していたそうですが、2018年から翌年にかけてメンバー全員が退所。その後、メンバー全員が再びグループを結成し、今に至るという、グループごとジャニーズ事務所を脱退したという、超異例のグループとなっています。オリコンでは初動売上2万8千枚で4位初登場。前作「ONE」の2万6千枚(3位)より若干のアップとなっています。

6位初登場はØMI「ANSWER...」。CD販売数及びダウンロード数6位、PCによるCD読取数46位。三代目J SOUL BROTHERSのメンバー、登坂広臣のソロ作。昨年5月にリリースされたEP「ANSWER...SHADOW」からØMI名義に変更したそうです。オリコンでは初動売上2万枚で6位初登場。HIROOMI TOSAKA名義だった前作「Who Are You?」の4万1千枚(2位)からダウンしています。

7位にはワンダーランズ×ショウタイム「ワンダーランズ×ショウタイム SEKAI ALBUM vol.1」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数13位。スマホ向けゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」の登場キャラクターによるアルバム。オリコンでは初動売上1万8千枚で7位初登場。

8位には布袋寅泰「Still Dreamin'」が初登場。CD販売数8位、ダウンロード数10位、PCによるCD読取数15位。活動40周年を迎えた彼が、60歳(!)の誕生日を期にリリースした20枚目のニューアルバム。オリコンでは初動売上1万2千枚で8位初登場。前作「Soul to Soul」の9千枚(15位)からアップしています。

最後10位には、ハロプロ系アイドルグループ℃-ute、Buono!のメンバーとして活躍していた鈴木愛理「26/27」がランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数18位、PCによるCD読取数43位。タイトル通り、彼女が26歳から27歳の年にかけて制作されたアルバムとなります。オリコンでは初動売上1万枚で9位初登場。前作「i」(11位)から横ばい。

また先週までロングヒットを続けていたYOASOBI「THE BOOK2」は今週12位にダウン。ベスト10ヒットは9週連続でストップとなりました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年2月 9日 (水)

AimerとKing Gnuのデッドヒートに、割り込んできたのは・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

AimerとKing Gnuのデッドヒートは続いています。

1位は先週と変わらずAimer「残響散歌」が4週連続で獲得。ダウンロード数、You Tube再生回数は先週と変わらず1位をキープし、さらにはストリーミング数、CD販売数が並んで4位から2位にアップ。ここに来て上昇基調となっています。これで9週連続のベスト10&ベスト3ヒットとなりました。

一方、King Gnu「一途」が2位から3位に、「逆夢」が3位から4位へと、それぞれワンランクずつダウン。「一途」はストリーミング数こそ5位をキープしましたが、ダウンロード数が6位から7位、You Tube再生回数が3位から6位に、「逆夢」はダウンロード数が3位から6位、ストリーミング数が3位から4位、You Tube再生回数が2位から3位へと、それぞれ下落傾向となっています。ただ「一途」は9週連続のベスト10ヒット&8週連続のベスト3ヒットとなっており、両者とも、まだロングヒットは続きそうです。

そんな両者の間に割って入ったのが優里「ベテルギウス」。先週の5位からアップし、自己最高位の2位を記録。ストリーミング数は2週連続で1位をキープ。You Tube再生回数も10位から8位にアップ。これで14週連続のベスト10ヒット+通算3週目のベスト3ヒットとなっています。一方「ドライフラワー」も先週から変わらず7位をキープ。カラオケ歌唱回数も53週目の1位を獲得しているほか、ベスト10ヒットはこれで64週連続となりました。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週は初登場曲は1曲のみ。それが6位初登場BE:FIRST「Brave Generation」。SKY-HIが自腹を投じたオーディション番組「THE FIRST」から誕生した男性アイドルグループ。ダウンロード数2位、ストリーミング数12位、ラジオオンエア数6位、Twitterつぶやき数1位、You Tube再生回数13位。

そして今週のロングヒット曲ですが、今週、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が5位にランクイン。これで通算8週目のベスト10ヒットとなりました。もともと、昨年12月1日付チャートでベスト10入りを果たした後、一度はベスト10圏外にダウン。ただ、彼らがレコ大の新人賞を獲得したことをきっかけに再びチャートが上昇し、ロングヒットに至っています。いままで、アルバムでのヒットはあったものの楽曲単位での大きなヒットはなかった彼ら。この曲のヒットをきっかけに、さらなる人気の獲得となるのでしょうか。

ロングヒット曲はもう1曲。back number「水平線」は先週からワンランクダウンの8位に。ストリーミング数7位、カラオケ歌唱回数2位は先週から同順位を維持しています。これで通算24週目のベスト10ヒットとなっています。

また先週ベスト10に返り咲いたBTS「Butter」は今週15位にダウン。ベスト10返り咲きは1週に留まりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年2月 8日 (火)

突き抜けた「大いなるマンネリ」

Title:egomaniac feedback
Musician:TK from 凛として時雨

ミュージシャン名義からしてそのままなのですが、ロックバンド、凛として時雨のボーカリスト、TKによるソロ作。2011年より、凛として時雨と並行してソロ活動を続けている彼。通常、バンドメンバーのソロ活動というと、バンドが活動休止中などに断続的に活動を行うのが常なのですが、彼の場合、完全にバンド活動と並行して活動を続け、積極的にアルバムもリリースしています。特にここ最近では、バンドとして活動しつつも、むしろソロの方が本業になっているのでは?と思うほどリリースペースにすらなっています。

本作はそんな彼のソロ活動10周年を総括するベストアルバム。2枚組となっている本作の1枚目は彼の代表作がほぼリリース順に並んでいる一方、2枚目には様々なミュージシャンとのコラボ作が並びます。湯川潮音とコラボした「white silence」やCharaとのコラボ作「Shinkiro」のほか、今回のベスト盤リリースに伴う新作のコラボ作も収録。阿部芙蓉美とのコラボ「Super bloom」、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介とのコラボ作であり、SMAPへの提供曲のセルフカバー「掌の世界」、miletとのコラボ「Future Tone Bender」を収録。さらに1枚目にも、このベストアルバムと同時リリースのシングル曲ともなったアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」EDテーマの「will-ill」が収録されています。

さて、そんな彼のソロ作ですが、以前から彼のソロ作はコンスタントに聴いていて、その時も既に同じことを書いているのですが、大いなるマンネリとして、むしろ突き抜けたような作風になっていまう。ハイトーンボイスのボーカルに、これでもかというほどメランコリックで焦燥感あるメロディーラインとサウンド。デビュー時点は3ピースバンドにこだわらないような作風となっており、ソロとバンドと明確に区別があったのですが、最近になってくると、作風として正直、凛として時雨とどこに差異を置いているんだろう?と思うような方向性になっています。最近、バンドよりもソロが活動の中心になりつつあるのですが、ひょっとしたら彼としてもバンドを維持している意味がちょっと低下してきてしまっているのかもしれません。

そのためこのベストアルバム、1枚目16曲、2枚目11曲というかなりフルボリュームの内容なのですが、かなり似たような曲が並んでしまっている内容になっています。ただ、だからといって聴いていて飽きてくるかというと、これだけフルボリュームながらも飽きることなく最後まで楽しめる内容になっています。それは、上にも書いたのですが、大いなるマンネリながらも、それが突き抜けたような内容になっているから、というのが大きいのではないでしょうか。これでもかというほどメランコリックなメロディーラインは確かにインパクトも強く耳に残ります。焦燥感あるサウンドもメロディーラインともマッチ。コラボ作にしてもハイトーンのボーカリストとのコラボも多く、作風にも非常にマッチしています。

要するに、彼の書くソロ作は、様々な面で楽曲の中でのミスマッチが生じていません。ある意味、期待するサウンド、期待するメロディー、期待するボーカルがちゃんと要所要所に配されている構成。もちろん、楽曲の中に生じるある種のミスマッチが楽曲のおもしろに繋がっている作品も一般的には多く、その意外性を聴かせるミュージシャンも少なくありません。そういう意味では期待通りの彼の作品は、ある種の面白みは少ないといえるのかもしれませんが、反面、非常に安心して聴ける作品になっており、かつ強烈なインパクトがゆえに、大いなるマンネリだとしても、飽きることなく最後まで聴ける内容になっていました。

本当だったら、そろそろ違う作風の・・・と言いたいところなのですが、彼に関しては、ここまで突き抜けた「マンネリ」作が続くのならば、今後もこの方向を続けてほしいかも、とも思ってしまいました。今後はソロを続けるのか、再びバンドとして活動をはじめるのかわからないのですが・・・TKの今後の活躍に期待したいところです。

評価:★★★★

TK from 凛として時雨 過去の作品
flowering
contrast
Fantastic Magic
Secret Sensation
white noise
彩脳
yesworld


ほかに聴いたアルバム

ブーツを鳴らして-EP/SHISHAMO

Boots

ガールズロックバンドSHISHAMOの、イントロを除いて実質3曲入りとなるEP盤。表題曲「ブーツを鳴らして」はこの寒い季節にピッタリのウインターバラードで、ストリングスも入れてスケールを感じる作品に。「マフラー」は力強いギターロックで、バンドとしての実力を感じさせる作品。ラストの「ミルクコーヒー」はちょっぴり切ないラブソング。それぞれがSHISHAMOらしさを感じる曲が並びます。寒い季節にピッタリのEP盤でした。

評価:★★★★

SHISHAMO 過去の作品
SHISHAMO 3
SHISHAMO 4
SHISHAMO 5
SHISHAMO BEST
SHISHAMO 6
SHISHAMO 7

ケツノポリス12/ケツメイシ

昨年3月にリリースされたベストアルバム「ケツノパラダイス」では、コロナ禍ということでメンバーが、いつもジャケット写真を撮影する首里城に赴けず、等身大パネルを置いての撮影となりましたが、今回のアルバムでは無事、メンバー本人が首里城で撮影。「いつものジャケット」になっています。ただ一方、首里城の火災の影響で、バックにはその工事の風景が収められており、奇しくも、この時期を象徴するようなジャケットになっています。

さて、そんなケツメイシのニューアルバム。非常にバラエティー富んだ内容で、彼ららしいアルバムになっていました。王道とも言えるレゲエのサマーチューンからエレクトロのダンスチューン、パーティーチューンやアコースティックなナンバー、メロウな楽曲など音楽性も広く、また、歌詞も前向き応援歌からラブソングやコミカルな作品までこちらも幅広い作風が特徴的。存分にケツメイシらしさを生かしたアルバムになっていました。

評価:★★★★

ケツメイシ 過去の作品
ケツノポリス5
ケツノポリス6
ケツノポリス7
ケツの嵐~春BEST~
ケツの嵐~夏BEST~
ケツの嵐~秋BEST~
ケツの嵐~冬BEST~

KETSUNOPOLIS 8
KETSUNOPOLIS 9
KTMusic(KTMusic)
KETSUNOPOLIS 10
ケツノポリス11
ケツノパラダイス

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2022年2月 7日 (月)

豪華なミュージシャンたちが集結

Title:Notes With Attachments
Musician:Pino Palladino&Blake Mills

今回紹介するアルバムは、レジェンドとも言えるベーシスト、Pino Palladinoが、新進気鋭のプロデューサー、Blake Millsと組んでリリースしたアルバム。御年64歳になる彼は、数多くのミュージシャンのアルバムに参加してきた伝説的とも言えるミュージシャンで、The Whoやジョン・メイヤー、さらにはD'Angeloの「Voodoo」「Black Messiah」にも参加しています。1980年代から活動を続け、既に40年近くにも及ぶキャリアを持つ彼ながら、意外なことにPino Palladino名義となるアルバムは本作がはじめて。まさに注目の1枚となりました。

本作は、最近いろいろと紹介している2021年のベストアルバムとして各種メディアで紹介されているアルバムを後追いで聴いてみた1枚。本作はMusic Magazine誌「ロック[アメリカ/カナダ]」部門で見事1位に選ばれた作品となります。Pino PalladinoとBlake Millsのタッグという段階でかなり胸熱な作品なのですが、さらに参加したバンドメンバーがかなり豪華。こちらもD'AngeloのアルバムやAdleのアルバムにも参加しているドラマーのChris Daveにこちらもジャズピアニストとして様々なミュージシャンとタッグを組んでいるLarry Goldings。ここでも紹介したことのある新進気鋭のサックス奏者Sam Gendelに同じく、現在のサックス界をリードするMarcus Strickland。さらにイスラエル出身のパーカッショニストBen Aylonと、かなり豪華なメンバーがアルバムに参加しています。

ただ、参加している主なミュージシャンがジャズ畑であることからもわかるように、アルバム自体はロックというよりもむしろジャズの方向性が強いアルバムになっています。実際、前述のMusic Magazine誌のベストアルバムではジャズ部門でも5位にランクインしているなど、むしろジャズのアルバムとしてとらえた方がいいのかもしれません。サックスが静かにメロディーを奏でる1曲目の「Just Wrong」といい、ちょっとメランコリックに分厚いサウンドでしんみり聴かせるタイトル曲「Notes With Attachments」といい、ジャジーな雰囲気で奏でる曲が目立ちます。

しかし、アルバム全体としてはジャズという路線をベースにしつつ、才能のあるミュージシャンが集まり、単純にジャズだとかロックだとかといったジャンルに留まらない、独特のサウンドやグルーヴ感を醸し出すアルバムになっています。例えば印象的だったのが「Ekute」。全編を流れるファンキーなベースラインに、ノイズ音を聴かせるギター、さらにはダイナミックなサックスの音が重なり、ジャズやファンク、ロックといった要素が縦横に重なるような楽曲に仕上げられています。さらに印象的だったのが「Djurkel」で、ちょっとトライバルな印象を受けるギターの音色からスタートし、分厚いホーンでメランコリックなメロを聴かせてくれるのですが、中盤あたりからバンドサウンドが加わりダイナミックに。さらに後半ではフリーキーなサックスのサウンドが加わって、全5分ながらもとても凝った展開の楽しめる作品になっています。

終盤の「Man From Molise」「Off The Cuff」のようなベースラインが目立つ曲も少なくないのですが、ベーシストPino Palladinoのアルバムながらも、決してベースだけを前に押し出したような作品ではなく、バンド全体として一体感もって音を出しているアルバム。むしろPino自身が才気あふれる様々なミュージシャンを用いて、新たなサウンドの挑戦を試みている、そんな作品になっていました。64歳というベテランミュージシャンながらも、決して殻に閉じこもることなく、新たな世界に踏み出そうとしている点は驚くべき限り。だからこそ、レジェンドとして様々なミュージシャンに引っ張りだこなのかもしれません。新進気鋭のミュージシャンたちにより、独特のサウンド、グルーヴ感にはまってしまう、そんな傑作アルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

I Kaseta Tou Melodia/George Dalaras

2021年のベストアルバムを後追いで聴いた1枚。本作は、Music Magazine誌ワールドミュージック部門で第3位にランクインした1枚。トータルセールス1,500万枚を超えるというギリシャの国民的歌手George Dalarasのアルバム。ちなみにギリシャでの読み方ではヨルゴス・ダララスだそうです。アコースティックギターをベースとしたサウンドで、ラテン風の哀愁感たっぷりのメロディーラインを包容力ある歌声で歌い上げています。メロディーにはインパクトもあり、確かに、いい意味で広い層の支持が集まりそうな感じもして、国民的歌手としての貫禄も感じます。さすがと感じさせてくれる1枚でした。

評価:★★★★

George Dalaras 過去の作品
Pesto Gia Mena

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2022年2月 6日 (日)

2021年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日から引き続き、邦楽の私的ベストアルバム。本日は5位から1位の紹介です。

5位 NOISE CANCEL/ANARCHY

Anarchy

聴いた当時の感想は、こちら

ここ最近はavexからの作品リリースが続き、微妙に「売り」を意識したような作品が続いていたANARCHY。それらのアルバムも決して悪くはなかったものの、以前の彼の作品からすると少々物足りなさを感じる作品が続いていました。しかし、今回、avexを離れ、配信オンリーでリリースしたのが本作ですが、かつてのANARCHYが戻ってきたと思われるような作品になっていました。彼の身の回りのリアルをストレートに表現したラップが魅力的な作品に。かなり胸に突き刺さるようなリリックが連続するような傑作アルバムに。あらためて彼のすごみを感じる作品でした。

4位 We Are The Times/Buffalo Daughter

聴いた当時の感想は、こちら

なんと前作から約7年ぶり。久しぶりとなったBuffalo Daughterの新作は全9曲39分という長さのミニアルバム。久々の作品の割にはちょっと短いのでは?と思いつつも、しかし内容の方はギッシリと傑作のつまったアルバムとなっていました。基本的な路線はいままでの彼女たちと同様なのですが、必要最小限の音だけで構成されたエッジの効いたサウンドは実に魅力的。ひとつひとつの音が必要な場所に配されているように感じられる作品で、緊張感のある作風がスリリングな作品に仕上がっていました。

3位 よすが/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

個人的にも注目していますし、世間的な注目度もどんどん増している感のある女性シンガーソングライター、カネコアヤノのニューアルバム。彼女らしい暖かさと郷愁感を覚えるフォーキーなメロを聴かせつつ、一方ではサイケやロック、カントリー、ハワイアン、トラッドとバラエティー富んだ作品になっており、いままでのアルバムの比べるとグッと音楽性が増し、またミュージシャンとしての幅の広さを感じさせる傑作に仕上がっていました。カネコアヤノというミュージシャンの奥の深さをあらためて感じさせる作品でした。

2位 MOOD/本日休演

聴いた当時の感想は、こちら

本作ではじめてアルバムを聴いた京都在住のロックバンド、本日休演のニューアルバム。彼らの作風のイメージを一言で言えばアングラ系フォークロックバンド。フォーキーな雰囲気を感じさせるサウンドとヘヴィーなバンドサウンドのアンバランスさがユニークで、どこかゆらゆら帝国やORGE YOU ASSHOLEと同じ方向性を感じさせる空間を生かしたサウンドメイキングも大きな魅力でした。一方でメロディーラインは意外とポップという印象を受けるのが非常におもしろい感も。いろいろな意味での「やばさ」を感じさせる傑作アルバム。今後、さらに注目を集めそうなバンドです。

そして・・・

1位 心理/折坂悠太

聴いた当時の感想は、こちら

文句なしの年間1位!正直なところ、今年のベスト10のうち、この1位はさらに頭ひとつ出ていた感もあります。前作「平成」も傑作でしたが、それを易々と飛び越える傑作をリリースしてきました。ジャズをベースとした洋楽的な要素を軸としつつも、日本的な民謡の要素も取り入れたり、さらには韓国のシンガーソングライター、イ・ランがゲストで参加するなど、無国籍な作風で独自のグルーヴ感を醸し出しているアルバムに仕上がっていました。シンガーソングライターとしてさらなる高みに到達した1枚。これからの活躍が本当に楽しみになってくるような傑作アルバムでした。

そんな訳でベスト10をあらてめて振り返ってみると・・・

1位 心理/折坂悠太
2位 MOOD/本日休演
3位 よすが/カネコアヤノ
4位 We Are The Times/Buffalo Daughter
5位 NOISE CANCEL/ANARCHY
6位 FRUITFUL/堀込泰行
7位 crepuscular/KIRINJI
8位 天才の愛/くるり
9位 FREAK/ネクライトーキー
10位 僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン

また、他のベスト盤候補としては・・・

THE MILLENNIUM PARADE/millennium parade
朝顔/折坂悠太
接続/AJICO
新しい果実/GRAPEVINE
無限のHAKU/ROTH BART BARON

う・・・かなり少ない・・・。年末の暫定版の時にも書いたのですが、正直なところ今年は邦楽はかなり不作気味だったように感じます。ミュージシャンがコロナ禍で思ったように活動できなかったから・・・ということはあるのかなぁ?日本より制約の大きそうな洋楽勢は、むしろ豊作だったし・・・。もっともベスト10に入ってきたアルバムは文句なしの傑作揃い。さらにその中でも1位の折坂悠太は、向こう10年間を見渡しても、間違いなく5本の指に入りそうな傑作アルバムで、今年のベスト盤の中で頭ひとつ出た作品になっていました。とんでもない才能で、これからの活躍も楽しみです。

そんな訳で、コロナ禍がまだ続き、微妙に暗い雰囲気の世の中が続いていますが、コロナに負けず、今年も多くの傑作が聴けるように、期待したいところです!このサイトでもそんな傑作を1枚でも多く紹介していきますので、引き続き、よろしくお願いします。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期
2021年 上半期

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2022年2月 5日 (土)

2021年年間ベストアルバム(邦楽編)その1

前回の私的ベストアルバム洋楽編に続き、今日から2回にわたり邦楽編の紹介です。

10位 僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン

聴いた当時の感想は、こちら

インパクトあるジャケット写真にミュージシャン名、さらにアルバムタイトルと、インパクトのかたまりのような男性シンガーソングライターによるデビュー作。ノベルティーソングを彷彿とさせるような感じですが、楽曲自体はコミカルな雰囲気を醸し出しつつも至って真面目。ただ、ファンクの要素を入れつつ、一方ではポップな歌謡曲やJ-POP的な要素を取り入れており、このバランス感覚が絶妙。いい意味で今後のヒットも見込まれそうなミュージシャン。2022年に一気にブレイクなるか?

9位 FREAK/ネクライトーキー

聴いた当時の感想は、こちら

最初は、いかにも今どきの若者的な曲調にひいてしまった部分もあるのですが、とにかくポップで明るい曲調に一気にはまってしまったネクライトーキー。年末にはライブに足を運んだことにより、さらにこのバンドにはまってしまいました。メタ視点も楽しいポップな曲調が大きな魅力なのですが、なにより歌詞を通じて音楽の楽しさを体現したような内容になっているのが、彼女たちが本当に音楽を楽しく演っているな、ということがすごくわかる内容になっていました。こういう若手バンドがどんどん出てくるのは頼もしい限りです。

8位 天才の愛/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

アルバム毎に年間ベストに必ず送り込むような傑作をリリースし続ける、安定感半端ないくるり。例のごとく、またメンバーのファンファン脱退で、2人組となってしまいました。アルバム毎にタイプの違った作風を聴かせる彼らですが、今回のアルバムは非常にバラエティー富んだ挑戦的な内容に。若干、岸田が暴走気味か??と思う部分もなきにしもあらずなのですが、それを差し引いても今回も魅力的な楽曲を多く聴かせてくれました。正直、彼らのアルバムの中では頭でっかちな感もあり、上位に入ってくるようなアルバムではないとは思うのですが・・・それでも年間ベストクラスの傑作をリリースするのはさすがです。

7位 crepuscular/KIRINJI

聴いた当時の感想は、こちら

兄弟2人組ユニットから、まさかのバンド編成を経て、今度は堀込高樹のソロプロジェクトとなったKIRINJIの、堀込ソロ後初のアルバム。バンドサウンドを取り入れつつも、ソロアルバムらしい挑戦心とバラエティー富んだ内容になった本作。音楽的自由度もかなり増した作品となっており、KIRINJIらしいシティポップから、ラップを取り入れた作品やトライバルなビートを入れた作品などなど、堀込高樹の音楽的関心の幅広さを感じさせる傑作になっていました。堀込高樹の新たな挑戦にまだまだ目が離せなさそうです。

6位 FRUITFUL/堀込泰行

聴いた当時の感想は、こちら

そんな訳で、元キリンジの兄弟が仲よく並んでランクイン!傑作続きだった兄堀込高樹のKIRINJIに比べると、ソロ以降、若干物足りなさを感じる作品が続いていた弟堀込泰行でしたが、ソロ3作目にして文句なしの傑作リリースとなりました。清涼感あふれるシティポップ、AORの楽曲が並ぶ魅力的なメロディーラインがまず耳を惹きます。さらには、シンプルな優しい言葉を使いつつ、独特な言い回しでその世界観を作り上げている歌詞の世界も実に魅力的。この2作、あらためて堀込兄弟のすごさを感じさせるアルバムになっていました。

そんな訳で、明日は5位から1位の紹介!

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2022年2月 4日 (金)

2021年年間ベストアルバム(洋楽編)その2

火曜日に引き続き、私的年間ベストアルバム洋楽編。本日は上位1位から5位の紹介です。

5位 GLOW ON/Turnstile

聴いた当時の感想は、こちら

アメリカボルチモア出身の5人組ハードコアバンドの3枚目となる新作。ヘヴィーなハードコア路線を軸にしつつ、メロディーラインはかなりポップでキュートという印象すら受けます。サウンド的にもハードコア路線からメロコア、パンク、インディー系ギターロックなどバラエティー豊富。Pixies的な要素からTHE OFFSPRINGのようなキャッチーなポップ路線まで垣間見れる音楽性の幅も大きな魅力となっています。幅広いリスナー層にアピールできそうな魅力的な傑作アルバムでした。

4位 Seek Shelter/Iceage

聴いた当時の感想は、こちら

既にデビューから13年目を迎え、中堅の域に入るデンマークのポストロックバンドによる新作。アルバムをリリースする毎に高い評価を受けているそうですが、不勉強ながら彼らの音源を聴くのは本作が初。ただ、マンチェスタームーブメントやブリットポップからの影響を感じさせる前半のグルーヴィーでサイケなサウンドで一気にはまりました。後半はフォーキーだったりグラムロックの影響を感じさせる曲もあったりとバラエティー豊富な構成に。アルバム全体を流れるグルーヴ感も非常にカッコよく、個人的にはかなり壺にはまった1枚でした。

3位 NINE/SAULT

聴いた当時の感想は、こちら

2020年にリリースされた2枚のアルバム「Untitled(Black is)」「Untitiled(Rise)」が2枚同時に2020年の私的ベストアルバムベスト10にランクインするなど、すっかりその魅力にはまった、イギリスの「謎」のユニット、SAULTの新作。配信期間が99日ということで、年間ベストの時は既に聴けなくなっている・・・と危惧していたのですが、無事その後、CDやLPがリリースされています。大傑作だった前作同様、ループするサウンドやサンプリング、HIP HOPなどの今どきな要素を取り入れ、かつファンク、エレクトロ、ポップ、ソウル、ゴスペルなど多彩な音楽性を上手く楽曲の中に取り入れている文句なしにカッコいい傑作に仕上がっていました。

2位 An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic

聴いた当時の感想は、こちら

日本でも高い人気を誇るシンガーソングライターのBruno Marsが、ラッパーのAnderson.Paakと組んでリリースしたアルバム。古き良きソウルミュージックへのオマージュとも言える作品となっており、昔ながらのソウルミュージックを現在によみがえらせたような、そんなアルバムに仕上がっています。ただ一方ではラップを取り入れたり、今風のエレクトロジャズの要素を入れたりと、決して懐古趣味に留まらない現在ならではの解釈も加わっているのが魅力的な作品に。ノスタルジックでありながらも、どこか新しさも感じさせる傑作でした。

そして・・・

1位 ULTRAPOP/The Armed

聴いた当時の感想は、こちら

上半期の1位獲得作が、結局年間でも1位を獲得です。アメリカはデトロイト出身のハードコアバンドThe Armedのニューアルバム。今年のベストアルバム、10枚中5枚がロックバンドの作品となるように、ロックというジャンルが勢いを取り戻した感がありますが、彼らもそんな勢いのあるバンドの一組。ヘヴィーでノイジーなハードコアサウンドにエレクトロのサウンドを加えてくるというカオスなサウンドが耳を惹くのですが、ところどころ、狂おしいほどポップなメロディーを入れてきている点が大きな魅力。聴き終わった後、意外に「ポップ」という印象を受けてしまうのが大きな特徴となっている傑作で、文句なしの年間1位でした。

あらためてベスト10を振り返ると・・・

1位 ULTRAPOP/The Armed
2位 An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic
3位 NINE/SAULT
4位 Seek Shelter/Iceage
5位 GLOW ON/Turnstile
6位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE
7位 Vulture Prince/Arooj Aftab
8位 Any Shape You Take/Indigo De Souza
9位 Jubilee/Japanese Breakfast
10位 CRAWLER/IDLES

まず前述の通り、昨年に続いてロックバンドの活躍が目立つ1年でした。一方、ベスト10圏内ではJapanse Breakfastしかランクインしていませんが、シーン全体的にはポップミュージシャンの活躍も目立つ1年になったようにも思います。

ほかのベスト盤候補は・・・

Chemtrails Over The Country Club/Lana Del Rey
Deacon/serpentiwithfeet
Menneskekollektivet/Lost Girls
New Long Leg/Dry Cleaning
ENDLESS ARCADE/TEENAGE FANCLUB
Afrique Victime/Mdou Moctar
Cavalcade/black midi
HEY WHAT/LOW
Teatro d'ira - Vol.1/Maneskin
Shade/Grouper
im hole/aya
Valentine/Snail Mail
KICKii,KicKiii,kickiiii,kiCKiiiii/Arca
Collapsed In Sunbeams/Arlo Parks
Na Kozonga/Jupiter&Okwess

まず昨年に引き続き、非常に豊作だった1年のように感じます。特に上記のベスト盤候補の中でもLost Girls、LOW、Grouper、Arcaあたりは、上位10枚とどのアルバムをランクインさせようか、かなり迷った結果となりました。コロナ禍でミュージシャンの活動もままならない状況が続いていますが、そんな中でもしっかりと傑作をリリースし続けてくれるのはうれしい限りです。ただ一方では1年を象徴するようなずば抜けた傑作はなかったようにも感じます。あえて言えば、1位と2位は最後まで、どちらを上位に持ってくるのか悩んだ程度かな。とはいえ、良作揃いの1年で、10枚を選ぶのが大変だった今年のベストアルバムでした。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  上半期
2021年 上半期

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2022年2月 3日 (木)

2021年話題のミュージシャンが・・・

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2021年に話題となったあのミュージシャンが1位獲得です。

今週、見事1位を獲得したのはAdoのデビューアルバム「狂言」。CD販売数、ダウンロード数、PCによるCD読取数いずれも1位を獲得し、総合順位ももちろん1位となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上14万2千枚で1位を獲得しています。昨年、「うっせぇわ」が大ヒットを記録した彼女。ただ、配信開始が2020年だった影響か、なぜか2021年のヒット曲としてあまり大きく取り上げられず、年末の紅白も無視。一応、レコ大で特別賞を受賞しましたが、2021年のヒット曲として年末に語られるケースはあまりありませんでした。そんな状況に反して、CD販売も10万超えというヒットを記録。その人気のほどを見せつける結果となっています。

2位初登場はTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE「RAY OF LIGHT」。CD販売数2位、ダウンロード数13位、PCによるCD読取数7位。LDH JAPAN所属の男性グループ。オリコンでは初動売上6万1千枚で2位初登場。前作「REBOOT」の4万9千枚(2位)からはアップしています。

3位には現在、Hot100で「残響散歌」が大ヒット中のAimer「星の消えた夜に」がランクイン。こちらはシングルのカップリング曲をあつめた、いわゆるB面ベストとなります。そのため、大ヒット中の「残響散歌」も「朝が来る」も収録されていませんのでご注意を。CD販売数3位、ダウンロード数及びPCによるCD読取数4位。オリコンでは初動売上1万9千枚で3位初登場。直近のオリジナルアルバム「Walpurgis」の2万8千枚(2位)よりダウンしています。

4位初登場はロックバンド緑黄色社会のニューアルバム「Actor」。CD販売数4位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数8位。オリコンでは初動売上1万5千枚で4位初登場。前作「SINGALONG」の1万枚(7位)からアップしています。彼女たちの前作「SINGALONG」は、当初2020年4月にCDがリリースされる予定だったものの、新型コロナによる緊急事態宣言発令により販売が延期されたアルバム。新型コロナの影響がこんなところにも・・・と思った記憶があります。それから1年10ヶ月近くが経過し、1日あたりの感染者数はその時の千倍になっているにも関わらず、今回は通常リリースとなりました。いくらオミクロン株になって重症化リスクが下がったからといって、あの頃に比べてコロナ禍の状況に慣れすぎている感があるのが恐ろしいところなのですが・・・。

7位にはSCANDAL「MIRROR」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数10位、PCによるCD読取数14位。オリコンでは初動売上9千枚で5位初登場。前作「kiss from the darkness」の1万7千枚(5位)からダウン。

最後10位にTHE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS!! 「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER キセキの証 & Let's Sail Away!!! & ココカラミライヘ!」がランクイン。CD販売数8位、PCによるCD読取数12位。ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」の楽曲を収録したアルバム。オリコンでは初動売上7千枚で8位初登場。

ロングヒット盤ではYOASOBI「THE BOOK2」が先週の7位から2ランクダウンの9位ながらもベスト10をキープ。これで9週連続のベスト10ヒットとなります。一方、Snow Man「Snow Mania S1」は今週14位にダウン。ベスト10は通算11週でとりあえずはストップです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2022年2月 2日 (水)

AimerとKing Gnuのデッドヒートが続く

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はベスト3にAimerとKing Gnuが並びました。

まず1位は先週と変わらずAimer「残響散歌」が3週連続の1位をキープ。ダウンロード数が2週連続1位、You Tube再生回数も2位から1位にアップ。ストリーミング数も5位から4位、CD販売数も6位から4位とアップしており、勢いが続いています。これで今週、8週連続のベスト10&ベスト3ヒットとなっています。

さらに今週、King Gnu「一途」が3位から2位に、「逆夢」も4位から3位にアップし、ベスト3をAimerとKing Gnuが独占する結果となりました。特に「一途」は、こちらも8週連続のベスト10入りとなり、3曲共にこれからのロングヒットが見込まれます。

続いて4位以下ですが、今週初登場曲は1曲のみ。それが8位にランクインしたロックバンドSaucy Dog「シンデレラボーイ」。昨年8月にリリースされた楽曲ですが、徐々に話題となり、昨年の10月から徐々にランクアップを続け、1月21日のミュージックステーション出演を機に、一気にランクアップ。先週の18位から10ランクアップでベスト10入りとなりました。ストリーミング数が12位から8位、You Tube再生回数も29位から15位に大幅アップしています。メランコリックな曲調とハイトーンなボーカルがクリープハイプと似たような感もあるバンド。ベスト10入りを機に、さらに注目を集め、今後のロングヒットも期待できそうです。

一方、ベスト10返り咲きも。BTS「Butter」が先週の12位から10位にランクアップ。4週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これで通算34週目のベスト10ヒットとなりました。

またロングヒット曲では、まずは優里。まず「ベテルギウス」は先週から変わらず5位をキープ。ただストリーミング数が先週の2位よりアップし、9週ぶりの1位返り咲きとなりました。これでベスト10ヒットは13週連続となります。一方、「ドライフラワー」はここに来て7位から6位にアップ。カラオケ歌唱回数も52週目の1位獲得となり、ベスト10入りも63週連続に伸ばしています。

back number「水平線」も8位から7位にアップ。ストリーミング数は先週から変わらず7位。カラオケ歌唱回数も「ドライフラワー」をピッタリと追尾する2位となっています。これで通算23週目のベスト10ヒットとなりました。

一方でOfficial髭男dism「Cry Baby」は今週13位に再びダウン。残念ながらベスト10返り咲きは1週に留まっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2022年2月 1日 (火)

2021年年間ベストアルバム(洋楽編)その1

今年も毎年恒例の私的ベストアルバムの紹介がやって来ました!洋楽、邦楽2回に分けて、それぞれ4回にわたり紹介する予定です。

10位 CRAWLER/IDLES

聴いた当時の感想は、こちら

最近ではアルバムをリリースする毎に上位にランクインし、すっかりその人気が定着した感のあるイギリスのポストロックバンドIDLES。前作からわずか1年2ヶ月というインターバルでリリースされた本作がこちら。ダイナミックさが快感に覚えつつ、若干一本調子にも覚えた前作に比べると、グッと楽曲のバリエーションが増えて、さらなる進化を遂げた感のある傑作アルバム。もちろん、ヘヴィーなサウンドの中で意外なポップスさを感じるメロは本作も健在。ちなみに、偶然にも2年連続の10位ということになりました・・・。

9位 Jubilee/Japanese Breakfast

聴いた当時の感想は、こちら

2021年を代表するポップアルバムとして、各種メディアの年間ベストで軒並み上位にランクインしてきた本作。自分は後追いで聴いたのですが、”Jubilee"=「祝祭」というイメージにピッタリのキュートなポップチューンが実に魅力的な1枚。エレクトロサウンドやバンドサウンドをほどよく配合させたバラエティーに富んだ展開も魅力的。ここ最近、ポップなアルバムをリリースするミュージシャンの躍進が目立ちますが、その代表格とも言えるミュージシャンです。ミュージシャン名と反して、「日本」とは直接関係ないのはちょっと残念ですが、日本でも幅広い層の支持を受けそうな傑作です。

8位 Any Shape You Take/Indigo De Souza

聴いた当時の感想は、こちら

ジャケ買いを100%拒絶するような、不気味なジャケット写真が大きなインパクトなのは、アメリカの女性シンガーソングライターによるアルバム。このジャケット写真からは全く想像できないような、意外すぎるポップでキュートなメロディーが大きなインパクトを受けるアルバムで、オルタナ系ギターロック路線の楽曲や、エレクトロを取り入れた楽曲などバラエティー富んだ宅録的なサウンドメイキングも大きな魅力。ジャケット写真とは異なる広い層に支持されそうな作風で、これが2枚目のアルバムながらも、今後、さらに注目を集めていきそうです。

7位 Vulture Prince/Arooj Aftab

聴いた当時の感想は、こちら

ニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動するパキスタン出身の女性シンガーソングライター。ワールドミュージック的な要素も感じさせるエキゾチックな雰囲気にアコースティックなサウンドがピッタリとマッチし、独特とも言える幽玄的雰囲気を醸し出しています。日本ではまだ無名に近いものの、徐々に注目を集めており、なんと本作でグラミー賞2部門ノミネートという快挙も達成。その独特な世界観に魅了されている人が急増している模様。彼女だけが醸し出すような独特な雰囲気が魅力的な傑作でした。

6位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE

聴いた当時の感想は、こちら

8位のIndigo De Souzaと並んでジャケットが悪い意味で(?)インパクトを持つ、アメリカ・フィラデルフィア出身のインディーロックバンドによる新作。様々なサウンドを取り入れたアバンギャルドなサウンドとキュートなメロディーラインというアンバランスさが魅力的な作品で、このサイケなサウンドとキュートなメロのバランスに、往年のシューゲイザー系からの流れも感じさせるアルバムとなっています。ロック好きなら文句なしに楽しめる傑作です。

そんな訳で6位から10位までの紹介でした。明日、あさってはチャート評ですので、続きは金曜日に!

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