ノスタルジックな作風の中に、現在的な視点も
Title:An Evening With Silk Sonic
Musician:Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic
日本でも高い人気を誇るアメリカのシンガーソングライター、Bruno Mars。さらに現在、人気上昇中であるアメリカのラッパー、Anderson .Paak。その2人が組んで大きな話題となっているユニットがこのSilk Sonicです。今年3月にシングル「Leave the Door Open」をリリースすると、同作が全米チャート1位を獲得。さらにグラミー賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。
このSilk Sonicの方向性を一言で言えば、古き良きソウルミュージックへのオマージュということになるでしょうか。昔ながらのソウルミュージックを現在によみがえらせたような、そんなアルバムに仕上がっています。ただ、ここで大きなポイントとなるのは、昔のソウルミュージックをノスタルジックになぞるというよりも、「古き良きソウルミュージック」ながらも、様々な時代が顔をのぞかせているという点でしょう。
例えばイントロに続く2曲目「Leave The Door Open」はメロウなサウンドは80年代のフィリーソウルっぽい雰囲気を醸し出しつつ、続く「Fly As Me」はどちらかというとファンクをそのまま取り入れたような作品になっています。「Smokin Out The Window」は70年代のサザンソウルを正当に継承しているような作風ですし、「777」は軽快な80年代風のファンクチューンに仕上げています。
また一方ではラッパーのAnderson .Paakが参加しているので当たり前といえば当たり前ですが「Fly As Me」ではラップを取り入れていたりと、「After Last Night」では、Thundercatが参加し、メロウなサウンドを取り入れていたりと、今時のサウンドもしっかりと取り入れています。基本的にはノスタルジックなサウンドがメインとなっていますが、様々な時代のソウルミュージックを取り入れている点も含めて、現在の視点からの評価もしっかりと感じることがアルバムに仕上がっていたと思います。
永続的なユニットになるのか、これ1枚切りの企画的なユニットなのかはわからないのですが、非常に魅力的なユニットであるのは間違いありません。若干、ノスタルジックな要素も強く出ている点は否めませんが、それだけではない点もしっかり感じられますし、今年のベスト盤候補の1枚と言える傑作アルバムだったのは間違いないでしょう。オールドスタイルのソウルリスナー必聴の作品。聴いていて、とても心地よさを感じる傑作でした。
評価:★★★★★
Bruno Mars 過去の作品
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24K Magic
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