« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »

2021年12月

2021年12月31日 (金)

2021年ベストアルバム(暫定版)

昨年に引き続き、結局1年間、コロナに悩まされた1年となりました。来年こそは、コロナが終わった・・・と言える1年になればよいのですが・・・。

邦楽篇

まず上半期のベスト5です。

1位 MOOD/本日休演
2位 よすが/カネコアヤノ
3位 NOISE CANCEL/ANARCHY
4位 FRUITFUL/堀込泰行
5位 天才の愛/くるり

これに続く下半期のベスト盤候補は・・・

We Are The Times/Buffalo Daughter
僕のスピな☆ムン太郎/マハラージャン
心理/折坂悠太

あれ、下期のベスト盤候補を羅列したら5作もないじゃん・・・。コロナ禍の中で制作環境も制約されているせいでしょうか、どうも不作気味なのが否めません。まだ、今年のベスト盤に食い込みそうな曲で聴いていない曲もあるので、そちらを含めて期待したいところなのですが・・・。

洋楽篇

上半期のベスト5は

1位 ULTRAPOP/The Armed
2位 NINE/SAULT
3位 Seek Shelter/Iceage
4位 ENTERTAINMENT,DEATH/SPIRIT OF THE BEEHIVE
5位 Vulture Prince/Arooj Aftab

そして下半期のベスト盤候補は・・・

GLOW ON/Turnstile
Any Shape You Take/Indigo De Souza
HEY WHAT/LOW
Teatro d'ira - Vol.1/Maneskin
Shade/Grouper
im hole/aya
Valentine/Snail Mail
An Evening With Silk Sonic/Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic
CRAWLER/IDLES

邦楽に比べると、それなりの傑作も目立った下半期。特に上半期同様にロック勢の活躍が目立ったような印象を受けます。こちらもまだベスト盤候補になりそうな曲で聴いていない曲もあるだけに、さらなる傑作との出会いを期待したいところです。

それでは、みなさまよいお年を!

| | コメント (0)

2021年12月30日 (木)

2021年ライブまとめ

早いもので、今年もあと2日。恒例となるライブまとめです。

1/1(金) 町あかりの笑門来福2021(オンライン)
5/4(火) THE MATSURI SESSION(日比谷野外音楽堂(オンライン)
6/25(金) マキシマム ザ ホルモン - 全席・顔面指定席ライブ「面面面~フメツノフェイス~」(オンライン)
6/26(土) 電気グルーヴ ON THE STAGE~恐怖!!町のブタイ~(Zepp Haneda(オンライン))
7/19(月) the pillows RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3「このツアー、まだ1公演もチケット買えてない人を先ずは優先!皆んなの良心を信じてるぞぉーとメンバーが言ってますライブ! もし余ったら手のひら返して話は変わるでSHOW!」(ボトムライン)
9/8(水) ストリーム with:環ROY, 角銅真実(オンライン)
10/2(土) 京都音楽博覧会2021(立命館大学 以学館/学生会館(オンライン))
10/9(土) TM NETWORK How Do You Crash It?one(オンライン)
10/23(土) PETER BARAKAN'S LIVE MAGIC! 2020 Online(晴れたら空に豆まいて(オンライン))
11/2(火) 折坂悠太 心理ツアー 愛知公演(名古屋市芸術創造センター)
11/20(土) METAFIVE"METALIVE 2021"(KT Zepp Yokohama(オンライン))
12/11(土) TM NETWORK How Do You Crash It?two(オンライン)
12/17(金) オーキートーキーvol.4(名古屋ダイアモンドホール)

まだコロナ禍が続く現状ですが、今年はようやく、1年以上ぶりに生ライブに足を運ぶことが出来ました!!それであらためて思うのですが、やはりライブは最高!!!まだコロナ禍が続いており、さらに年末にかけて再び感染者数が増加してくるなど、終わりが見えていない状況ですが、来年もそんな中、感染には十分気を付けつつ、なんとかライブに足を運びたいところなのですが・・・・・・。一方、オンラインに関しては相変わらず盛況な状況。ただ、昨年もここで書いた通り、やはり本来のライブに比べると、つまらない・・・という事実は変わりなく、今年はなんとか見てみたい、というオンラインライブに厳選して参加していました。

そんな中でのベスト3です。

3位 電気グルーヴ@電気グルーヴON THE STAGE~恐怖!!町のブタイ~

ベスト3の中では唯一のオンラインライブ。オンラインライブというよりも、映像作品として非常に意識したような映像構成となっており、非常に惹きつけられるステージでした。普通のライブとオンラインライブは「別物」と考えた上で、しっかりとオンラインライブならではのパフォーマンスを見せてくれた感のあるステージで、さすが電気グルーヴ・・・と強く感じるステージでした。これ、DVDなどでリリースされたら買いたいかも。

2位 the pillows@RETURN TO THIRD MOVEMENT! Vol.3「このツアー、まだ1公演もチケット買えてない人を先ずは優先!皆んなの良心を信じてるぞぉーとメンバーが言ってますライブ! もし余ったら手のひら返して話は変わるでSHOW!」

コロナ禍以降、はじめて足を運んだ「生ライブ」。そしてやはりライブはいい!!と強く感じ、大満足で帰ってきたステージでした。ライブでは一切声を出せず、また、客数を減らしたため、満員には程遠い会場でしたが(まあ、見やすいといえば見やすかったのですが)、心の中で大歓声をあげながら楽しめたステージでした。もちろん、純粋にthe pillowsらしく大満足のパフォーマンス。「Smile」「Thank you,my twilight」からの全曲ライブということで懐かしい楽曲の連続で、とても楽しめたステージでした。

1位 折坂悠太@心理ツアー 愛知公演

コロナ禍後、2度目となる生ライブ。最新アルバム「心理」が素晴らしかったため足を運んだのですが、正直、ライブ自体にはそれほど高い期待は寄せていなかった・・・のですが、これが予想外に素晴らしいステージにビックリ。しっかりと歌を聴かせる曲もあれば、バンドサウンドを聴かせる曲もあったり、さらには実験的なパフォーマンスもあったりとバリエーション豊富なステージ。コロナ禍で観客が声を出せない状況なのですが、その状況が逆に会場に一種の緊迫感を作り出しており、最初から最後まで目を離せないパフォーマンスでした。コロナ禍で生ライブが3本しか行っていないだけに、やはり生ライブの方が順位が上に来てしまうのですが、通常の年であっても、おそらく年間ベスト3には余裕でランクインしてきそうな素晴らしいパフォーマンス。ミュージシャンとしての実力をあらためて実感できたライブでした。

来年はどれだけ生ライブに足を運べるのか、まだ不透明なのですが、1日も早く、以前のように満員の会場で大声をあげて心置きなくライブを楽しめるようになりますように・・・。

| | コメント (0)

2021年12月29日 (水)

約6年ぶり!

Title:30
Musician:Adele

2011年にリリースしたアルバム「21」が全米だけで1千万枚を突破。2015年にリリースした「25」も全米売上930万枚に到達。さらにグラミー賞では史上初の「主要4部門のうち3部門を2度制覇したミュージシャン」として名実ともにトップクラスの人気を誇るAdele。その大ヒットした前作「25」から約6年。世界中で待望されるニューアルバムがリリースされました。「25」から6年が経過して「30」??と思うのですが、タイトルはこのアルバムを作りはじめた時の年齢だそうです・・・。

まずアルバムを聴いていて感じるのは、Adeleのアルバムは、良くも悪くも「イギリスの歌謡曲」って感じだよな、ということ。基本的にはソウル、R&Bを彼女なりに咀嚼し、ポップ路線として仕上げている曲が並びます。前作もそうでしたが、1枚目2枚目に比べてポップな方向性がより明確な作品になっています。そのため、本格的なソウル系の楽曲を求めるとすればいささか物足りなさを感じるかもしれませんが、ただ、その分、広いリスナー層にアピールできるような作品に仕上がっています。ここらへん、ソウルをそのまま取り入れるというよりも、ポップに解釈して自らの音楽として取り入れているあたり、ソウルの本国アメリカではなく、イギリスという、ちょっと本場から離れた地にいる彼女だったからこそ可能になったように感じます。ちょうど日本の歌謡曲が、洋楽を日本風に希釈してポップにまとめあげたのと同じように。

そして彼女の作品の魅力は、まずなんといっても彼女の歌声。今回のアルバムでも冒頭の「Strangers By Nature」で、ちょっと物憂げな感じを漂わせながらもしんみり聴かせるボーカルがまずは絶品。続く「Easy On Me」もピアノをバックにしんみり歌い上げる彼女のボーカルが素晴らしい作品に仕上がっています。

ただ、若干残念なのは、楽曲やサウンド自体は全体的に決して目新しいものではなく、物足りなさも感じてしまう点。「I Drink Wine」など、力強く歌い上げるピアノバラードナンバーなど魅力的な曲もありつつ、正直なところ中盤に感じては少々ダレてしまう部分も否めまず、中盤までは、どうかなぁ・・・と思いつつ、アルバムを聴き進めていきました。

しかし、そんな印象がグッと変わったのが後半。「Hold On」はピアノで静かにはじまるバラードなのですが、途中から徐々に力強くなり、後半はコーラスなども入ってスケール感あふれる楽曲に。彼女の歌声がしっかり生かされたナンバーで思わず聴き入ってしまいます。「To Be Loved」も同じくソウルフルに歌い上げる彼女のボーカルが魅力的ですし、ラストの「Love Is A Game」もレトロな雰囲気の楽曲が耳を惹きます。いずれも彼女の魅力的な力強いボーカルがしっかりと生かされた作品になっていました。

評価的にはかなり迷い部分もあります。正直なところ、以前の作品の方が良かったように感じますし、アルバムとしての目新しさも感じません。ただ、そういう点を差し引いても、やはり気持ちよく聴けるソウル風のポップアルバムであることは間違いありませんし、Adeleのボーカルも間違いなく魅力的。聴き終わると、やはりいいなぁ、と感じさせるアルバムでした。そういう意味で評価的には迷う部分はありましたが、下の評価で。ただ次回作はもっと力作を聴きたいのですが。

評価:★★★★★

Adele 過去の作品
19
21
LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL

| | コメント (0)

2021年12月28日 (火)

バンドとして進化

Title:CRAWLER
Musician:IDLES

イギリスのポストパンクバンド、IDLESのニューアルバム。本国では高い人気を誇っており、前作ではなんと公式チャートで1位を記録。最近、ロックというジャンルが勢いを取り戻しありつつように感じるのですが、彼らはそんな勢いを取り戻しつつあるロックシーンの中での象徴的と言えるバンド。日本でも徐々に注目度を高めてきており、メディアにもその名前が取り上げるケースが少なくなくなってきました。

そんな彼らのニューアルバムは、前作からわずか1年2ヶ月というインターバルでのリリース。チャート1位獲得で勢いづく彼らですが、まさにそんな勢いを象徴するかのようなリリースペースと言えるでしょう。そしてそんな期待に反することなく、傑作だった前々作、前作に負けずとも劣らない傑作アルバムのリリースとなりました。

とにかく魅力的なのは、そのダイナミックなバンドサウンド。先行シングルともなっている「Car Crash」はゆっくりと響き渡るドラムスのリズムに警告音のように空間を切り裂くヘヴィーなギターサウンドが耳を惹きますし。ヘヴィーなバンドサウンドにボーカルのシャウトでダイナミックに聴かせる「Stockholm Syndrome」も魅力的。ラストを締めくくる、タイトル通りの「The End」も分厚いバンドサウンドをこれでもかというほど叩きつけて、スケール感あるサウンドを聴かせてくれます。

一方、前々作、前作は、ダイナミックなバンドサウンドが魅力的である一方、若干一本調子だった部分もありました。もちろん、勢いのあるサウンドで一気に最後まで聴かせる構成になっており、その部分はアルバム全体として大きなマイナス点とはなっていなかったのですが、今回のアルバムは後半、静かなサウンドが流れるインターリュードに続き「Progress」はドリーミーな雰囲気のサウンドで静かに、ある種の荘厳さも加えて聴かせる楽曲に。いままでのアルバムになかった展開が魅力的となっています。もっとも、この手の新たな試みをすると、中途半端にバリエーションを増やし、アルバムの統一感やバンドの魅力をなくしてしまうといった感じになってしまうケースが多々あるのですが、本作では、基本路線はいままでと同様。ただ、その中でのちょっとしたアクセントに留まっており、いままでのバンドの魅力を全く損ねることなく、サウンドの奥行を増した結果となっています。

また、以前のアルバムからの大きな魅力だったポップな側面ももちろん本作でも健在。特に先行シングルともなった「The Beachland Ballroom」では切なさを感じさせるようなメロディーラインが大きな魅力となっています。歌モノ的な要素の強い本作もまた、アルバムの中でのバリエーションとして強いインパクトとなっています。

メロディーという側面でのポピュラリティーだけではなく、例えば「The Wheel」では軽快でダンサナブルなリズムがインパクトとなっており、思わず踊りだしたくなるようなユーモラスを感じさせますし、「Meds」のようなサウンドと、同じピッチのシャウトで展開しているボーカルで疾走感あふれる楽曲もまた、アルバムのポピュラリティーに大きく寄与するような作品となっています。

いままでの彼らの魅力はそのままに、楽曲のバリエーションも増えて、さらなる進化、深化を感じさせる傑作アルバム。今回もまた、年間ベスト候補と言えるだけのアルバムになっていたと思います。イギリスのチャートで1位を獲得した前作と比べると、本作は6位と若干ダウンしてしまいましたが、これだけの作品をリリースしてくるのであれば、全く気にしなくても問題ないでしょう。これからさらにその名声は高まりそうです。

評価:★★★★★

IDLES 過去の作品
Joy as an Act of Resistance
Ultra Mono

| | コメント (0)

2021年12月27日 (月)

コンセプト異なる2枚同時作

ちょっと久しぶり、約3年半ぶりとなるスキマスイッチの新作は、コンセプトの異なる2枚のミニアルバムを同時リリースという意欲作となりました。

Title:Hot Milk
Musician:スキマスイッチ

まず「Hot Milk」。「タイアップ楽曲満載の“今、求められているもの”をテーマに、スキマスイッチのPOPサイドを収録した1枚」と位置付けられた1枚となっています。そしてもう1枚は・・・

Title:Bitter Coffee
Musician:スキマスイッチ

「Hot Milk」と対となる本作は「“今、メンバーが作りたいもの”をテーマにスキマスイッチの魅力であるシニカルな世界観や、今までにない挑戦的な楽曲を収録した1枚」。

そんな訳で対となる2枚のアルバムの同時リリースとなった本作。スキマスイッチというミュージシャンが持つ様々な音楽性を反映させたアルバムを目指した訳ですが、率直に言ってしまうと、どちらのアルバムも良くも悪くも非常にスキマスイッチらしいアルバムに仕上がっていました。

まず「Hot Milk」ですが、こちらは彼らの狙い通り、スキマスイッチの王道を行くような曲が並んでいます。まず1曲目の「OverDriver」ですが、最初にスタートするサビのメロディーからして、まさにスキマスイッチらしいメロににんまり。ギターの音やストリングスも入ってスケール感ある作品に仕上がっています。さらに彼ららしいのが「青春」。学生時代を描写するジュブナイル的な歌詞が彼ららしい作品で、切ないメロと歌詞も含めて、まさにスキマの王道を行くような作品に仕上がっています。さらに実に彼ららしいと言えるのが「スイッチ!」でしょう。爽やかでアップテンポなナンバーは、スキマスイッチが好きなら間違いなく一発で気に入りそうな楽曲になっています。

一方、「Bitter Coffee」の方ですが、確かに彼らが作りたいものに挑戦した、ような感じのする楽曲はありました。1曲目の「I-T-A-Z-U-R-A」にしても、彼らとしては珍しいベースラインを聴かせる楽曲で、よりファンキーな楽曲に。彼らにしては非常にヘヴィーなアレンジとなっている「G.A.M.E.」やシティポップ風の「フォークで恋して」など、彼らなりの挑戦も感じられました。

ただ正直なところ、こちらの作品にしても基本的にはスキマスイッチらしい楽曲が並ぶ内容になっていました。「いろは」「SINK」などはまさにスキマスイッチの王道を行くようなナンバーに。アルバム全体としても、「Hot Milk」に比べると、若干サウンドがヘヴィーで、歌よりも目立つ部分があるかな、という印象は受けるのですが、彼ららしい作品という印象を強く受ける内容になっていました。

結果としてはどちらのアルバムも良質な、安定感あるポップチューンが並んでおり、既にベテランの域に入りつつある彼らの実力を感じさせる作品になっていました。ただ一方、「Hot Milk」に関しては、いままで聴いたことあるような・・・という印象を受ける作品が多く、かつ昔の曲と比べると若干インパクトの欠ける印象に。「Bitter Coffee」に関しては、言うほど挑戦的な感じもせず、個人的にはもっと「こんな曲も出来るのか?」と思わせるような挑戦的な作品があった方がおもしろいのでは?と感じてしまうような内容になっていました。

またアルバムの中で一番良かったのがラストの「あけたら」で、こちらも既発表曲だったという点もちょっと残念だったかも。もちろん、アルバム全体としてはスキマスイッチの魅力をよく出せている良作だったと思います。ただ、良くも悪くも、ちょっとおとなしすぎたかな?

評価:どちらも★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ
TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL
POPMAN'S ANOTHER WORLD
スキマスイッチTOUR2016"POPMAN'S CARNIVAL"
re:Action
新空間アルゴリズム
スキマノハナタバ~Love Song Selection~
SUKIMASWITCH TOUR 2018"ALGOrhythm"
SUKIMASWITCH 15th Anniversary Special at YOKOHAMA ARENA ~Reversible~
スキマスイッチ TOUR 2019-2020 POPMAN'S CARNIVAL vol.2
スキマノハナタバ ~Smile Song Selection〜
スキマスイッチ TOUR 2020-2021 Smoothie


ほかに聴いたアルバム

セカンド/THE KEBABS

もともとthe pillowsの活動30周年記念映画「王様になれ」の中の架空バンドとして結成された、a flood of circleの佐々木亮介とUNISON SQUARE GARDENの田淵智也を中心とするバンド。よっぽど相性があったのか、映画の企画に留まらず継続的に活動を続け、2枚目となるアルバムリリースとなりました。前作同様、佐々木亮介のシャガレ声のボーカルをバックとしたガレージロックながらも、UNISON SQUARE GARDENに通じるようなキュートなメロが特徴的なアルバム。ただ、さすがに2枚目ともなると目新しさがなくなった感もあり、今回はさらにポップ寄りにシフトした結果、前作ほどのインパクトは欠けてしまったかな、といった感はあります。とはいえ、いいバンドには間違いないだけに、今後もコンスタントに活動を続けてほしいなぁ。

評価:★★★★

THE KEBABS 過去の作品
THE KEBABS

| | コメント (0)

2021年12月26日 (日)

ノスタルジックな作風の中に、現在的な視点も

Title:An Evening With Silk Sonic
Musician:Bruno Mars, Anderson .Paak, Silk Sonic

日本でも高い人気を誇るアメリカのシンガーソングライター、Bruno Mars。さらに現在、人気上昇中であるアメリカのラッパー、Anderson .Paak。その2人が組んで大きな話題となっているユニットがこのSilk Sonicです。今年3月にシングル「Leave the Door Open」をリリースすると、同作が全米チャート1位を獲得。さらにグラミー賞にノミネートされるなど高い評価を得ています。

このSilk Sonicの方向性を一言で言えば、古き良きソウルミュージックへのオマージュということになるでしょうか。昔ながらのソウルミュージックを現在によみがえらせたような、そんなアルバムに仕上がっています。ただ、ここで大きなポイントとなるのは、昔のソウルミュージックをノスタルジックになぞるというよりも、「古き良きソウルミュージック」ながらも、様々な時代が顔をのぞかせているという点でしょう。

例えばイントロに続く2曲目「Leave The Door Open」はメロウなサウンドは80年代のフィリーソウルっぽい雰囲気を醸し出しつつ、続く「Fly As Me」はどちらかというとファンクをそのまま取り入れたような作品になっています。「Smokin Out The Window」は70年代のサザンソウルを正当に継承しているような作風ですし、「777」は軽快な80年代風のファンクチューンに仕上げています。

また一方ではラッパーのAnderson .Paakが参加しているので当たり前といえば当たり前ですが「Fly As Me」ではラップを取り入れていたりと、「After Last Night」では、Thundercatが参加し、メロウなサウンドを取り入れていたりと、今時のサウンドもしっかりと取り入れています。基本的にはノスタルジックなサウンドがメインとなっていますが、様々な時代のソウルミュージックを取り入れている点も含めて、現在の視点からの評価もしっかりと感じることがアルバムに仕上がっていたと思います。

永続的なユニットになるのか、これ1枚切りの企画的なユニットなのかはわからないのですが、非常に魅力的なユニットであるのは間違いありません。若干、ノスタルジックな要素も強く出ている点は否めませんが、それだけではない点もしっかり感じられますし、今年のベスト盤候補の1枚と言える傑作アルバムだったのは間違いないでしょう。オールドスタイルのソウルリスナー必聴の作品。聴いていて、とても心地よさを感じる傑作でした。

評価:★★★★★

Bruno Mars 過去の作品
Doo-Wops & Hooligans
Unorthodox Jukebox
24K Magic

| | コメント (0)

2021年12月25日 (土)

よりポップなメロを主体とした作風に

Title:Things Take Time, Take Time
Musician:Courtney Barnett

オーストラリア出身の女性シンガーソングライターによる3枚目のニューアルバム。基本的にローファイなギターロックに、メロディアスにポップという、90年代のグランジ、オルタナ系直系のサウンドを聴かせるようなミュージシャン。徐々に注目を集めてきており、日本でもその名前を聞く機会も増えてきた感もあります。

いままでリリースしてきた2枚のアルバムも大きな話題となってきましたが、今回の3作目は、オルタナ系直系のギターロックといういままでの路線を踏襲しつつ、若干メロディーラインのメランコリックさが増したような感があります。冒頭を飾る「Rae Street」など、まさに伸びやかなボーカルスタイルにピアノも入り、郷愁感を覚えるような楽曲になっています。同じく先行シングルにもなった「Before You Gotta Go」も同じく、テンポよくメロディアスなギターロックながらも、哀愁感も覚えるメロが印象に残る1曲に仕上がっていました。

また、もう1つ、いままでのアルバムと若干異なる点としては、ギターロックという路線はそのままながらも、バンドサウンドよりもメロディーや歌を前に押し出した曲が増えたような印象を受けました。後半の「Write A List Of Things To Look Forward To」もポップなメロに彼女のメロディーセンスの良さが光る作品ながらも、グランジというよりはギターポップ路線を目指すような曲調になっていますたし、ラストを飾る「On The Night」もピアノを取り入れて聴かせるミディアムチューンになっています。

バンドサウンドを前に出して、前作までのような路線をより踏襲していたのが「Take It Day By Day」あたりでしょうか。ギターリフを主導したバンドサウンドにインパクトを持たせつつ、ポップなメロも前面に押し出した彼女らしい作品に仕上がっていたような楽曲になっていました。

もっとも、路線が変わったとはいえ、その方向性はあまり大きなものではなく、いままでのリスナーにとっても抵抗なく受け入れられるものですし、前作までの彼女の魅力はしっかりと残されています。前々作に比べると前作は、よりポップ路線にシフトし、メロディーラインの輪郭がはっきりした作品になりましたが、今回のアルバムはその路線をさらに推し進めた感のあるアルバムと言えるかもしれません。

今回のアルバムに関しても文句なしの傑作アルバムだったと思います。ただ、前作に比べると、と言われると、バンドサウンドのダイナミズムさがちょっと薄れた感もあり、ロック好きにとっては前作の方が良かったかも、という方が多いかもしれません。一方でポップなメロは今回の方が魅力的であり、そういう意味では甲乙つけがたい内容だったように感じます。個人的にもどちらのアルバムもよいアルバムだったと思いますが、若干前作の方が好きだったかな?でも本作も非常に良いアルバムだったと思いますが。

評価:★★★★★

Courtney Barnett 過去の作品
Sometimes I Sit & Think & Sometimes I Just Sit
Lotta Sea Lice(Courtney Barnett&Kurt Vile)
Tell Me How You Really Feel

| | コメント (0)

2021年12月24日 (金)

アイスランドの自然を反映させたソロ作

Title:The Nearer the Fountain, More Pure the Stream Flows
Musician:Damon Albarn

ご存じ、blurのボーカリストであり、Gorillazの活動でもおなじみのデーモン・アルバーン。Gorillazとして積極的に活動し、数々のプロジェクトも立ち上げたりしているのでちょっと意外といえば意外なのですがソロ名義としては2枚目となるフルアルバム。今回のアルバムはアイスランドの自然の風景にインスパイアされたコンセプトアルバムだそうです。アイスランド??と思うのですが、なんでも彼、1997年にアイスランドを訪れてから毎年3、4回、同地を訪れているそうで、ついには家も買ってしまったとか。すっかり、アイスランドに惹かれてしまっているようです。

デーモン・アルバーンといえば、以前もアフリカ音楽に惹かれて、現地のミュージシャンとコラボしたアルバムをリリースしていたりしますが、こういう「異国」的なものにあこがれがあるのでしょうか。良くも悪くもロンドン出身の都会っ子らしい感じがします。あ、あとなんとなく、演ってる音楽はちょっと異なるのですが、この嗜好性は、元THE BOOMの宮沢和史に似ているように感じます・・・。

もともとはコロナ禍の始まる前の2020年1月に、アイスランドの自宅にミュージシャンを招いてプロジェクトをスタート。ただ窓から見える自然の風景を音楽として表現することを目的としたとか。その後、イングランドの自宅に戻り、オーケストラを招いてレコーディング、という計画だったそうですが、折からのコロナ禍のために計画は頓挫。しばらく活動が休止していたものの、今年に入りレコーディングを再開。オーケストラの参加はコロナ禍もあって叶わなかったものの、無事、本作の完成に至りました。

さて、そんなコンセプチュアルなニューアルバムですが、アルバム全体を通じて、非常にメランコリックな雰囲気にあふれている哀しい雰囲気のアルバムになっています。タイトルチューンである1曲目「The Nearer the Fountain, More Pure the Stream Flows」からメランコリックな雰囲気あふれる曲調に。ただ、ピアノやストリングスも入った包容力あるサウンドは、アイスランドの自然をイメージしているのでしょうか。最後にはおそらくアイスランドの海の波と思われる音も入っています。

その後も、ドリーミーに聴かせる優しくもメランコリックなメロがインパクトの「Daft Wader」や、ホーンのリズムが入って、ちょっとレトロな雰囲気も気持ちの良い「The Tower Of Montevideo」など、静かなボーカルがゆっくりと歌うメランコリックなメロディーラインが特徴的。所々におそらく現地の音をサンプリングしたのではないかと思われる、水の音や鳥の声など、アイスランドの自然を彷彿とさせるような音も入っており、非常にメランコリックで哀しい雰囲気ながらも、一方では自然の優しさも感じられるサウンドになっています。

また今回のアルバム、制作過程においてコロナ禍に翻弄されたような作品となっているのですが、楽曲的にもアイスランドの自然のみならず、このコロナ禍の中でのデーモン・アルバーンの心境も反映された作品になっているそうで、特にロックダウン下での孤立を、アイスランドという島国の孤立と重ね合わせている部分も多いのだとか。非常に物悲しい雰囲気となっているのは、そんなデーモンの心境をあらわしているのでしょうが、一方、優しい雰囲気も重ね合わせている点は、デーモンの心境としても孤立に悲観するわけではなく、落ち着いた環境で音楽を作っているんだな、ということも感じさせました。

ただ一方では「Esja」みたいなアバンギャルドなアブストラクトチューンがあるあたり、アイスランドの自然の厳しさも表現しているのでしょうか。「Combustion」のようなホーンやピアノを入れて賑やかながらもアバンギャルドな雰囲気のインストもまた、アイスランドに吹き荒れる風を彷彿とさせます。そんな日本からすると、イギリス以上に遙か遠い異郷の地であるアイスランドを想像しながら聴くのも楽しいかもしれません。

ソロアルバムらしい彼の趣味性が強く反映されたアルバム。比較的、地味な作風の曲が多く、そういう意味では前作に似たような作風と言えるかもしれません。ただ、前作もそうだったのですが、決して派手さはないメロディーラインにも関わらず、しっかりとしたインパクトを持っていて、聴き終わった後、しっかり心に残っているあたり、デーモンのメロディーセンスの才能を感じさせます。デーモン・アルバーンの魅力もきちんと感じられるソロアルバムでした。

評価:★★★★★

DAMON ALBARN 過去の作品
DR.DEE
EVERYDAY ROBOTS


ほかに聴いたアルバム

JAPANESE SINGLE COLLECTION-GREATEST HITS-/REO Speedwagon

日本でリリースされた洋楽ミュージシャンのシングル曲を集めたベスト盤のシリーズ。様々なミュージシャンでのリリースがあるようですが、本作は80年代に一世を風靡したアメリカのロックバンド、REO Speedwagonのベスト盤。ポップなメロディーラインが強いインパクトを持つのですが、キャッチーなメロディーラインといい、シンセも用いたサウンドといい、「THE 80年代」といった感じの曲調。広いリスナー層が楽しめそうなポップな作品が並んでいました。

評価:★★★★

RED(Taylor's Version)/Taylor Swift

テイラー・スウィフトの過去作の再録企画第2弾。4月にリリースされた「Fareless(Taylor's Version)」に続き、本作は2012年にリリースされた「RED」の再録。オリジナル16曲にデラックスエディションにボーナストラックとして収録されていた4曲、当時にiTunes限定でリリースされた「Ronan」に未発表曲9曲を加えた、全30曲入りのアルバムとなります。当時は、カントリーを基調としつつ、基本的には正統派のポップスという印象を受けたのですが、そのイメージは今回も変わらず。基本的に、ポップなメロが心地よい作品が並びます。全30曲というフルボリュームの内容ながら、比較的あっさり聴けてしまうのは、そのポピュラリティーの高さゆえでしょうか。最近の作品のような尖った感じがないものの、魅力的なポップスが楽しめました。

評価:★★★★

TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989
REPUTATION
Lover
folklore
evermore
Fearless (Taylor's Version)

| | コメント (0)

2021年12月23日 (木)

こちらもアイドル系が1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

Hot100と同様、こちらもアイドル系が1位獲得です。

今週1位を獲得したのは乃木坂46「Time flies」。CD販売数1位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数2位。彼女たち初となるベストアルバムとなります。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上28万2千枚で1位初登場。直近のオリジナルアルバム「今が思い出になるまで」の初動44万7千枚よりダウンしています。

2位はYOASOBI「THE BOOK 2」が先週と同順位をキープ。CD販売数は5位にダウンしましたが、ダウンロード数及びPCによるCD読取数は1位をキープしています。一方、先週までベスト10入りしていたYOASOBI「THE BOOK」は17位にダウン。ベスト10返り咲きは2週のみに留まりました。

3位には冬組「MANKAI STAGE『A3!』WInter Troupe 雪の中で咲いた花」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数32位、PCによるCD読取数35位。スマートフォン向けイケメン役者育成ゲーム「A3!」から派生した舞台に使われた曲をまとめたアルバム。オリコンでは初動売上1万4千枚で4位初登場。同シリーズの前作、秋組「MANKAI STAGE『A3!』Autumn Troupe コスモス≒カオス」の1万8千枚(6位)からダウン。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず5位にGO TO THE BEDS&PARADISES「G⇔P」がランクイン。女性アイドルグループGO TO THE BEDSとPARADISESによるスプリットEP盤。CD販売数4位、ほかのチャートはすべてランク圏外で、総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上1万5千枚で3位初登場。

7位初登場はNEMOPHILA「REVIVE」。CD販売数9位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数17位。メタル系の楽曲のカバー動画で話題となった女性5人組バンドのデビュー作。オリコンでは初動売上6千枚で8位初登場。

8位にはNovel Core「A GREAT FOOL」が初登場。CD販売数は18位に留まりましたが、ダウンロード数が3位にランクインし、総合順位はベスト10入り。もともとZeebra主宰のレーベル「GRAND MASTER」からインディーズデビューを果たした後、SKY-HI主宰のレーベル「BMSG」に移籍し、本作がメジャーデビュー作となります。オリコンでは初動売上2千枚で23位初登場。ZORNなんかもCDの売上はさっぱりでもダウンロードだけでランク上位に食い込んできましたが、もうHIP HOPリスナーはCDなんて買わないんでしょうね・・・。

9位にはReol「第六感」がランクイン。CD販売数12位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数36位。動画投稿サイトへの歌唱動画投稿で話題となった女性シンガーソングライター。オリコンでは初動売上5千枚で12位初登場。前作「金字塔」(11位)から横ばい。彼女もCD販売よりダウンロードの売上が先行しているタイプの模様。

最後10位には男性アイドルグループIVVY「PIE5E」がランクイン。名前的にK-POPっぽいですが、日本のグループです。CD販売数6位その他圏外となり、総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上6千枚で7位初登場。前作「AWAKE」は初動売上3千枚(38位(ただし翌週に35位にアップ))よりアップしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2021年12月22日 (水)

またアイドル系が1位獲得

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週はまたアイドル系が1位獲得です。

今週1位初登場となったのはJO1「僕らの季節」。韓国の人気オーディション番組「PRODUCE 101」の日本版「PRODUCE 101 JAPAN」から誕生した男性アイドルグループ。CD販売数1位、ダウンロード数4位、ストリーミング数9位、ラジオオンエア数65位、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数1位、You Tube再生回数32位。オリコン週間シングルランキングでは同曲が含まれるシングル「WNADERING」が初動売上43万1千枚で1位初登場。前作「STRANGER」の初動28万2千枚から大きくアップしています。

2位は先週1位のAimer「残響散歌」がワンランクダウン。ただ、ダウンロード数、ストリーミング数及びYou Tube再生回数で1位を獲得しており、今後のロングヒットも予想されそうです。

3位は先週4位のKing Gnu「一途」がワンランクアップでベスト10入り。ダウンロード数は2位から3位にダウンしたものの、ストリーミング数は22位から4位、You Tube再生回数も10位から2位に大きくアップ。こちらも「呪術廻戦」のタイアップもあり、ロングヒットが期待できそうです。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位に=LOVE「The 5th」が初登場。指原莉乃プロデュースによる声優アイドルグループ。CD販売数2位、PCによるCD読取数21位、Twitterつぶやき数8位。オリコンでは初動売上11万4千枚で2位初登場。前作「ウィークエンドシトロン」の初動9万3千枚(2位)よりアップ。

6位には韓国の女性アイドルグループTWICE「Doughnut」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数71位、ラジオオンエア数95位、PCによるCD読取数13位、Twitterつぶやき数48位。オリコンでは初動売上6万2千枚で3位初登場。前作「Kura Kura」の7万5千枚(3位)からダウン。ちょっと厳しい状況が続いています。

続いてロングヒット曲ですが、まずは優里「ドライフラワー」は今週7位から8位にダウン。これで57週連続のベスト10ヒットとなりましたが、じわりと順位を落としています。ストリーミング数も5位から6位に若干ダウン。ただ一方、「ベテルギウス」は先週と変わらず5位をキープ。これで今週も2曲同時ランクインとなっています。

BTS「Butter」も今週8位から9位にワンランクダウンし、じわりと順位を落としています。これで通算30週目のベスト10ヒットとなります。

一方、土俵際の粘りを見せたのがback number「水平線」。こちらは先週から同順位の10位をキープ。これで18週連続のベスト10ヒットとなっています。ただ、ストリーミング数は4位から5位とダウン。来週以降の動向が気になります。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

2021年12月21日 (火)

あか抜けた感のある新作

Title:Valentine
Musician:Snail Mail

大きな評価を受けた前作「Lush」から約3年。ギタリスト兼シンガーソングライターのリンジー・ジョーダンによるソロプロジェクト、Snail Mailの2枚目となる新作がリリースされました。2016年にリリースされたEP「Habit」も高い評価を受け、さらに前作「Lush」も随所で絶賛を受けましたが、本作「Valentine」も、既に徐々に公表されている2021年のベストアルバムにおいて、随所で上位にランクインされるなど絶賛を持って受け入れられています。

彼女のアルバムを聴くのは、前作「Lush」に続いて2作目。前作「Lush」はローファイ気味なギターロックということで、個人的にも非常に気に入った1枚となりました。一方で、地味であか抜けないという印象を受ける作品でもあり、それがまた魅力でもあったのですが、いかにもインディーロックらしい作品ともいえる内容になっていました。

今回のアルバムに関しては、そんなあか抜けないインディーロックというイメージを脱却した作品に仕上がっていました。象徴的なのが1曲目のタイトルチューン「Valentine」。ダイナミックなバンドサウンドにシンセも入ったスケール感を覚える作品になっており、非常にあか抜けた作風に仕上がっていました。前半のバラードナンバー「Light Blue」もアコギのみで聴かせるのではなく、ストリングスを入れることによりサウンドに奥深さも加わり、こちらも単なるインディーロックから一皮むけた感のある作風に仕上がっています。

ただ一方で「c.et.al.」などはアコギ1本で聴かせるミディアムチューンで、ラフな感じのする録音もあり、従来のインディーロックらしさは健在。「Glory」なども、ローファイ気味なギターロックに仕上がっており、こちらもインディーロックらしい作品となっています。あか抜けた、といっても完全に「売れ線のロックミュージシャン」になったわけではなく、しっかりとインディースピリットを兼ね備えた作品に。その上で、内向きなインディーの「悪い」側面をしっかりと払拭した、ともいえるアルバムに仕上がっていました。

もちろん、あくまでも歌とメロディーが主体である、という基本路線は前作から変わらず。先に紹介した曲はもちろん、その他にも「Headlock」のような彼女ののびやかな歌声をしっかり聴かせるメロディアスな楽曲や、先行シングル曲でもある「Madonna」のような軽快なポップチューンもあったりと、アルバムを通じてポップなメロと歌を主軸とした曲がならんでおり、全体としては比較的シンプルなギターロックという印象を受ける作品に仕上がっていました。

シンプルな歌モノメインという前作の良さは変らず、インディーロックらしい要素を残しつつ、一方、広くリスナーの支持を得られそうなあか抜けた感のする作品に仕上がっていた本作。今回もかなり高い評価を得ているようですが、その理由にも納得の傑作アルバムでした。チャート的には、まだベスト10には遠い状況ですが、これだけの作品を作ってこれば、次回作以降、一気にブレイクの可能性も高そう。日本でも今後、知名度が上がってきそうなミュージシャン。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

Snail Mail 過去の作品
Lush

| | コメント (0)

2021年12月20日 (月)

リアルタイムでは衝撃的でした・・・。

Title:KID A MNESIA
Musician:RADIOHEAD

今回紹介するRADIOHEADの作品は、彼らが2000年にリリースしたアルバム「KID A」と、2001年にリリースしたアルバム「Amnesiac」をまとめ、さらに未発表音源や当時のシングルB面曲、さらにはデモ音源をまとめて収録した3枚組のアルバム。発売21周年を記念してリリースされたアルバムだそうです・・・なんじゃい、21周年って?

さて、「KID A」というアルバムから、もう21年という月日が経過したことに驚かされると同時に、このアルバムがいろいろな意味で大きな話題になったことを今でもよく覚えています。まずは作品として非常に衝撃的でした。ギターロックバンドというカテゴリーで語られていたRADIOHEADが、エレクトロニカという、当時、尖ったようなリスナーが聴いていた(ような印象があった)ジャンルを大胆に取り入れた作品。21年前、まださほどいろいろなタイプの音楽に詳しくなかった私は、ある意味、聴いたことのないようなエレクトロサウンドに大きく驚かされました。

また、そんな音楽とは直接関係ないのですが、かのrockin'on誌が、トム・ヨークへのインタビューの中で彼が語った「ロックはゴミだ」という、ちょっとしたつぶやきを、やたらめったら神格化して取り上げたり、田中宗一郎が宗教的とも言えるほど絶賛をしたりと、今から考えれば気持ち悪さも感じるのですが(笑)、良くも悪くもサブカル系の音楽メディアが元気よかったな、と今から考えると懐かしさすら感じ、思い出してしまいます。

ただ、このアルバムをきっかけとして、様々なミュージシャンがエレクトロサウンドを導入。エレクトロニカといったジャンルやいわゆるビートミュージックの知名度が一気に増し、エレクトロサウンドを取り入れるロックバンドが急増したことを覚えています。「KID A」からの直接的な影響は微妙ですが、くるりの「TEAM ROCK」やスーパーカーの「Futurama」といったエレクトロサウンドを取り入れたロックのアルバムがリリースされたのも2000年や2001年。今から考えると、あの時期は猫も杓子もエレクトロだったな、という印象を受けるのですが、「KID A」というアルバムは、そんな時代の象徴的な1枚でした。

そんな「KID A」、さらにその翌年にリリースされた「Amnesiac」を聴くのは今回、久しぶりなのですが、今聴いて感じるのは、意外とポップでメロディアス、かつ意外とギターロックの要素が多分に入っているなぁ、ということでした。当時はエレクトロサウンドに強いインパクトを受け、無機質ともいえるそのサウンドに耳を奪われていたのですが、今から聴くと、例えば「KID A」の冒頭を飾る「Everything in Its Right Place」にしても、エレクトロサウンドを取り入れつつ、メロディーラインは非常にメランコリックで意外とメロディアス。中盤の「Optimistic」「In Limbo」にしても基本的にギターロックの曲となっており、今から聴くと、思った以上「ロック」なアルバムになっていたように感じました。

また今回の3枚組の目玉はなんといっても3枚目、「Kid Amnesiae + b-sides」で未発表曲「If You Say the Word」も収録。メランコリックに聴かせる同曲は文句なしの名曲で、なぜ未発表だったのか不思議なほど・・・。さらに終盤には「The Amazing Sounds of Orgy」「Trans-Atlantic Drawl」とシングルのB面曲が並ぶのですが、非常に挑戦的な作風で聴きごたえがあります。また同じくB面曲の「Cuttooth」はダイナミックなギターロックのナンバーで、なにげに隠れた名曲なのでは?

そんな3枚目も聴きごたえある今回の3枚組なのですが、ちょっと残念だったのは既発表の「KID A」「Amnesiac」がリマスター音源などではなく、オリジナル音源そのままだったという点。そのため、その2枚を持っているファンとしては、買いなおすのはちょっともったいない感はあるのですが・・・ただ、これを機に久しぶりに聴きなおして、リアルタイムで聴いたときとはちょっと異なる印象を持つこともでき、ある意味、このアルバムの別の魅力をより感じることが出来ました。そういう意味でも価値のある企画だったかもしれません。時代を経て、音楽的な新鮮味は薄れた感は否めませんが、ただそれでもあらためて名盤だと感じた2作。いままで聴いたことない方も聴く価値ありの作品です。あらためて彼らの実力を再認識しました。

評価:★★★★★

RADIOHEAD 過去の作品
In Rainbows
The Best Of
ROCKS:Live In Germ
THE KING OF LIMBS
TKOL RMX 1234567
Radiohead Live at Tramps June 1,1995
A MOON SHAPED POOL
OK COMPUTER OKNOTOK 1997 2017

| | コメント (0)

2021年12月19日 (日)

ユニークな2バンドの共演

オーキートーキー vol.4

ネクライトーキー/POLYSICS

会場 名古屋ダイアモンドホール 日時 2021年12月17日(金)19:00~

今年3度目のライブに足を運んできました!今年のライブ納めとなるステージは、ネクライトーキー主催のライブイベント。ネクライトーキーは、今年、アルバム「FREAK」ではじめて彼女たちの曲を聴いたのですが、底抜けにポップなメロにはまってしまい、今回、対バンがPOLYSICSということもあり、足を運びました。

コロナ禍ということで会場は椅子がセットされているスタイルで、観客数は満員時の半分程度。会場に入った時にはPOLYSICSのライブがちょうどスタートしたところでした。いきなり「Digital Coffee」からスタート。さらに「YOUNG OH!OH!」などの代表曲で盛り上がります。彼らのステージを見るのは2018年のワンマン以来、約3年ぶり。ベテランバンドらしい安定感もありつつ、一方ではベテランになっても衰えることのない力強い演奏を披露。バンドとしての底力も感じさせてくれました。

ちなみにコロナ禍の中のステージということで、観客は声出し禁止という状況の中でのパフォーマンス。おなじみの「トイス!」のあいさつも登場したのですが、声出し禁止ということで、観客が「トイス!」と叫ぶ声をサンプリングした音声を流して盛り上げていました。

その後は、今回のライブイベント「オーキートーキー」にちなんで、レア曲でもある「ウォーキートーキー」。さらにはおなじみの「Baby bias」にラストは「Sun Electric」で締めくくりました。この日はネクライトーキー主催のイベントということで、途中のMCでは、はじめてPOLYSICSのライブを見た人、ということで観客に挙手させていたのですが、かなりの割合ははじめてだったみたいで・・・。ただ、そんな中でも会場はかなり盛り上がっており、彼らのライブパフォーマンスの底力を感じさせるステージでした。

来年は結成25周年だそうで、自分がはじめて彼らのライブに行ったのは(過去のデータを調べたら)1999年ですので、もう22年も前になるんですね・・・。しかし、このバンドがそれから20年以上も活動を続けるとは思っていませんでした。ただ、長い間人気を持続させるのも納得のパフォーマンス。また、近いうちにライブに足を運びたいです。

45分程度のPOLYSICSのパフォーマンスからセットチェンジを挟んで待望のネクライトーキーが登場。正直、今回のライブに先駆けて最新アルバム「FREAK」しか聴いてきませんでした。この日のライブはこの「FREAK」のレコ発・・・ではなかったので「FREAK」からの曲がメインではなく、過去の代表曲を披露するような内容。そのため、序盤は知らない曲からのスタートになりました。

もちろん彼女たちのパフォーマンスを見るのは初めてですが、ステージパフォーマンス自体は王道的なギターロックバンドといった感じ。正直、バンドとしての体力はPOLYSICSと比べるとまだまだこれから、といった感もあるのですが、ただ一方底抜けに楽しいポップなメロが魅力的。バンド自体もまだまだ若々しいバンドということもあって、メンバー全体、楽しんでパフォーマンスをしている感が伝わってくるようなステージでした。

まず前半に「誰が為にCHAKAPOCOは鳴る」も披露。これは非常に聴きたかった曲だったので、一緒に思いっきり盛り上がってきました。なにより軽快なリズムがライブで聴くと楽しいナンバー。さらに中盤「許せ!服部」という曲では、曲の途中で急に演奏をやめると、フロントメンバーの3人が後ろを振り返ります。何をしているのかと思うと、振り返るとPOLYSICSのメンバーがしているサングラスをしているではありませんか!(笑)そして、POLYSICSとの対バンということでポリの「Let's ダバダバ」をカバー。ワンフレーズだけだったのですが、ちょっとうれしいサプライズ曲となりました。

後半は「続・かえるくんのぼうけん」から一気にヒートアップし、クライマックスへ。「気になっていく」に、本編ラストは「俺にとっちゃあ全部がクソに思えるよ」へと続きます。ここらへんは最新アルバム「FREAK」の曲で、私にとってもおなじみの曲。一気にテンションも上がっていき、そして本編は幕を下ろしました。

その後はもちろんアンコールへ。時間の都合上か、割とあっさりメンバーが再度ステージ上にあらわれます。アンコールは「音楽が嫌いな女の子」と「遠吠えのサンセット」の2曲。どちらも過去曲で、今回はじめて聴くのですが、アップテンポで盛り上がる、かつポップで楽しいナンバーだったので、思いっきり盛り上がることが出来ました。

アンコール込みで1時間20分程度のステージ。はじめて彼女たちのステージを見て、前述の通り、ロックバンドとしては成長途上の感もあったのですが、とにかくポップなメロが楽しいステージ。アルバムを聴いた予想通り、非常に楽しめたステージでした。いや、個人的にほどよいロックなパフォーマンスととびぬけてポップなメロというスタイル、何気に壺にはまった感が(笑)。アルバムを聴いていても感じたのですが、ライブステージを見ていても「あ、自分、このバンド、壺かも」と感じるライブでした。いやぁ、本当に楽しいステージで満足です。また近いうちに、次はワンマンライブも見てみたいなぁ。もちろんポリも次はワンマンで。とても楽しいライブイベントに満足して家路につきました。

| | コメント (0)

2021年12月18日 (土)

彼女のスタイルを貫いたカバー

Title:うたの木 彼のすきな歌
Musician:渡辺美里

以前から「うたの木」シリーズとして続いている渡辺美里のカバーアルバム。今回の作品では「彼のすきな歌」と題して、女性ボーカルの彼女があえて男性ボーカルの歌を取り上げてカバーしています。ただ、この「異性ボーカルの曲をカバーする」というスタイル、正直企画として最近ありふれた企画になってしまっており、ご存じの通り、嚆矢になったのが徳永英明のカバーアルバム「VOCALIST」シリーズ。その後も似たような企画が次々と登場し、ここ最近ではエレカシ宮本浩次も女性ボーカルの曲をカバーしたアルバムをリリースし、ヒットを記録しました。

そういう意味では今回のこのカバーアルバム、企画の方向性自体は若干ありふれていて陳腐・・・とも言ってもいいかもしれません。ただし、そのセレクションはなかなかユニーク。スピッツの「チェリー」や斉藤和義の「歩いて帰ろう」のようなJ-POPのヒット曲から、彼女の盟友ともいえる大江千里の「Rain」に、布施明の「積木の部屋」のような歌謡曲。さらには水原弘の「黄昏のビギン」のような、昭和30年代のヒット曲まで、かなり幅広い作品が取り上げられています。

その中でも特にユニークなのは「冷たいアイスティー」。こちら宮本浩次の楽曲のカバーなのですが、前述のエレカシのボーカル、宮本浩次(ひろじ)ではなく、1996年にシングル「タイトでキュートなヒップがシュールなジョークとムードでテレフォンナンバー」でデビューしたシンガーソングライターの宮本浩次(こうじ)の方。「タイトで~」は若干話題になったので、ひょっとして知っている方もいるかもしれませんが、正直、知る人ぞ知る的なミュージシャン。ただ渡辺美里に楽曲提供を行っている縁もあり、美里ファンなら知っている人も少なくないかもしれません。そんな彼の、まさに知る人ぞ知る的な名曲をあえて取り上げるあたり、非常にユニークさと、ある種の彼女の「義理堅さ」も感じます。

また個人的にはソウルフラワーユニオンの「満月の夕」のカバーもうれしいところ。SFUの奥野真哉が最近、渡辺美里のライブのバンドリーダーを務めている縁もあるのでしょう。基本的に原曲に忠実なカバーなのですが、彼女の力強く包容力ある歌声も曲にマッチしており、とても良いカバーに仕上がっていました。

ただ一方、アルバム全体としては率直なところ、彼女のボーカルが合っていたカバーと若干合わなかったカバーにわかれていたように感じます。彼女のボーカルスタイルは、彼女のこれでもかといったボリュームあるボーカルで歌い上げるスタイル。あえていえば、彼女の色で楽曲を分厚く塗りたくるようなスタイルになっており、良く言えば迫力あるボーカルが耳に残り、悪く言えば、ちょっと平坦な印象も受けてしまうカバーが少なくありません。

その結果、特に歌謡曲系の曲は彼女のボーカルスタイルが合っていたように感じます。特に「積木の部屋」は、原曲の布施明も同じようなパワーあふれる歌声を聴かせるボーカルスタイルなだけに、渡辺美里との相性が抜群。同じく歌謡曲系の堺正章「街の灯り」なども彼女のボーカルとマッチしており、非常に良くできたカバーに仕上がっていたように思います。

また印象に残るのは大江千里の「Rain」のカバー。ご存じの通り、大江千里といえば数多くの楽曲を渡辺美里に提供してきたミュージシャンなだけに、美里ファンにとってはおなじみのミュージシャン。彼女が歌うと完全に渡辺美里の曲になってしまっており、全く違和感のないカバーに仕上がっていました。

逆に今一つだったのが、スピッツの「チェリー」や斉藤和義の「歩いて帰ろう」のカバー。元のミュージシャン自体があまり歌い上げるタイプではなく、自然体で歌うスタイルのボーカリストなだけに、彼女があまりにパワフルに歌い上げると、かなり違和感を覚えてしまいます。特にスピッツの場合、その淡々とした自然体のスタイルがシンプルな曲にマッチしているだけに、彼女のボーカルスタイルを当てはめると、かなり違和感を覚えてしまいました。

良くも悪くもボーカルスタイルを確立したミュージシャンなだけに、どの曲も同じような歌い方になってしまっていたのが若干残念な感じもしますし、結果、曲によって良し悪しのわかればカバーになったように感じます。ただ、選曲自体は非常に素晴らしいものでしたし、もちろん声量や音程などは全く問題ないのは言うまでもありません。そういう意味で安心して聴けるカバーアルバムだったのは間違いないと思います。収録曲に興味のある方や美里のファンなら文句なしに聴いて損のない1枚。次は、この選曲スタイルで女性ボーカリストのカバーも聴きたいかも。

評価:★★★★

渡辺美里 過去の作品
Dear My Songs
Song is Beautiful
Serendipity
My Favorite Songs~うたの木シネマ~
美里うたGolden BEST
Live Love Life 2013 at 日比谷野音~美里祭り 春のハッピーアワー~

オーディナリー・ライフ
eyes-30th Anniversary Edition-
Lovin'you -30th Anniversary Edition-
ribbon-30th Anniversary Edition-
ID
harvest
tokyo-30th Anniversary Edition-


ほかに聴いたアルバム

KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2020 "202020" 幻のセットリストで2日間開催!~万事休すも起死回生~ Live at 中野サンプラザホール 2021.4.28/斉藤和義

恒例となる斉藤和義のライブアルバム。今回は、今年4月に中野サンプラザで行われた、無観客での配信ライブの模様を収録したライブ盤。無観客ライブということもあって、印象としては元となるCD音源に近い演奏だったように感じました。ただ、このライブツアーの元となったアルバム「202020」が傑作だっただけあって、ライブ盤も名曲揃いで最初から最後まで楽しめる内容に。次のライブ盤は、ちゃんと客を入れた状態で、とも思ってしまうのですが。

評価:★★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES
ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio
斉藤
和義

Kazuyoshi Saito 20th Anniversary Live 1993-2013 “20<21" ~これからもヨロチクビ~ at 神戸ワールド記念ホール2013.8.25
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2014"RUMBLE HORSES"Live at ZEPP TOKYO 2014.12.12
風の果てまで
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2015-2016“風の果てまで” Live at 日本武道館 2016.5.22
斉藤和義 弾き語りツアー2017 雨に歌えば Live at 中野サンプラザ 2017.06.21
Toys Blood Music
歌うたい25 SINGLES BEST 2008~2017
Kazuyoshi Saito LIVE TOUR 2018 Toys Blood Music Live at 山梨コラニー文化ホール2018.06.02
KAZUYOSHI SAITO 25th Anniversary Live 1993-2018 25<26 〜これからもヨロチクビーチク〜 Live at 日本武道館 2018.09.07
小さな夜~映画「アイネクライネナハトムジーク」オリジナルサウンドトラック~
弾き語りツアー2019 "Time in the Garage" Live at 中野サンプラザ 2019.06.13
202020
55 STONES

MONDO GROSSO OFFICIAL BEST/MONDO GROSSO

非常にそっけないタイトルなのですが・・・DJやプロデューサーとしても活躍する大沢伸一のソロプロジェクト、MONDO GROSSOのベスト盤。いわゆるクラブ系ミュージックで、R&B、ソウルなどの要素を取り入れつつ、全体的にはラテン色も強い内容。かなり豪華なゲスト陣がボーカルを務めるのも特徴的なのですが、全体的には女性ボーカルによるメロウな作風が特徴。良質なポップスという印象を受けるのですが、全体として良くも悪くも卒がないという印象を受ける内容でした。

評価:★★★★

MONDO GROSSO 過去の作品
何度でも新しく生まれる
Attune/Detune

| | コメント (0)

2021年12月17日 (金)

復活ライブ第2弾!

TM NETWORK How Do You Crash It?two

会場 オンライン 日時 2021年12月11日(土)21:00~

10月、オンラインライブという形でまさかの復活ライブを行ったTM NETWORK。もともとこのライブは第3弾まで予定されていたようで、今回紹介するのはその第2弾となります。今回も21時過ぎに、まずは外国の街角の風景の映像が流れた後、まずは「Fool on the Planet」からスタート。いきなりキネバラからのスタートというのは、ファンとしてはうれしくもちょっと意外なスタートになりました。ステージは円形の白色を基調にしたステージ。3人とも白色の宇宙服のような服を着ているのが印象的。天井からは三角のパーツにわかれた電飾がぶらさがっており、TMらしいスペーシーな雰囲気のステージになっていました。

さらに個人的にも大好きな「Human System」でこれでもかというほどメランコリックなメロをしんみりと聴かせ、さらに「Winter Comes Around」と、これまたキネバラに。続いては「HERE,THERE&EVERYWHERE」と12月らしい冬を感じさせる楽曲が続き、暖かい雰囲気で聴かせるナンバーが続いていきますと冬をテーマとした曲が続いていきます。

その後、インターリュード的な映像に。「分断を打破しなければいけない」という、この3回のライブのテーマのようなメッセージが英語で流れます。再びライブがスタートすると、まずは小室先生だけがステージに登場し、シンセのソロの演奏を披露。インターリュード的なシンセソロを挟み、再びメンバー3人が登場。そして、冬のイメージのミディアムチューンが続いた前半から一転、アップテンポな「Come On Let's Dance」へと進みます。アップテンポなダンスチューンには、やはり聴いていてワクワクさせられます。

続く「LOUD」は2014年の楽曲なので、再結成後の比較的最近のナンバー。さらには懐かしい「Love Train」へ。イントロのリズムパートは原曲そのままなのですが、イントロに流れるメロディーが原曲とはガラリと変わっており、楽曲もよりスペーシーな感じに。

少年が船の中で世界の映像を見つめる短い映像が流れた後、本編ラストは「Beyond The Time」に。これまたメランコリックも暖かい楽曲をしんみり聴かせて約1時間弱のライブは幕を下ろしました。

2回目となったオンラインライブ。今回は12月という時期もあってか、冬をテーマとしたナンバーが目立ちました。さらに全体的にメランコリックに聴かせるタイプの楽曲が多いのも特徴でしょうか。個人的にはキネバラや「Human System」など、懐かしいナンバーが聴けたのは非常にうれしかったです。

前回同様、1時間のステージで5,000円という値段設定は正直ちょっと高めという印象はあるのですが、それでもTM NETWORKはいいなぁ!と感じさせるには十分なステージでした。分断とその打破というテーマ性は、このpart2ではまだいまひとつハッキリとわかりませんでしたが、これも第3弾で新たな展開を迎えるのでしょうか。次は2月に実施を予定しているとか。こちらも是非とも聴いてみたいと思います。とても楽しみです!

| | コメント (0)

2021年12月16日 (木)

根強い人気のベテラングループ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

根強い人気を誇るベテラングループが見事1位獲得です。

今週1位を獲得したのはB'zのミニアルバム「FRIENDSⅢ」。アルバム1枚でひとつの物語になるように構成されたコンセプトアルバムの第3弾で、1996年にリリースされた「FRIENDSⅡ」以来、実に25年ぶりのリリースとなりました。CD販売数1位、PCによるCD読取数1位で総合順位も1位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上13万2千枚で1位初登場。前作「NEW LOVE」の20万6千枚(1位)よりダウンしています。

2位は先週1位のYOASOBI「THE BOOK 2」がワンランクダウンながらもベスト3をキープ。B'zのアルバムは配信がされていませんので、ダウンロード数では同作が1位獲得となっています。また、先週ベスト10に返り咲いた「THE BOOK」もワンランクダウンながら7位をキープ。2枚同時ランクインとなると同時に、「THE BOOK」はこれで通算22週目のベスト10ヒットとなりました。

3位はCHANGMIN from 東方神起「Human」が初登場。名義通り、韓国の男性アイドルグループ、東方神起のメンバー、チャンミンのソロミニアルバム。日本盤のソロアルバムリリースは(ファンクラブでのリリースを除き)初となるそうです。CD販売数及びダウンロード数2位、PCによるCD読取数13位。オリコンでは初動売上2万6千枚で2位初登場。直近作はMAX名義でリリースされた韓国盤「Chocolate:1st Mini Album」で、同作の1万1千枚(2位)よりアップしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にロックバンドクリープハイプ「夜にしがみついて、朝で溶かして」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数13位。オリコンでは初動売上1万4千枚で3位初登場。直近作は「劇場アニメ『どうにかなる日々』オリジナルサウンドトラック」となり、同作の初動1千枚(50位)からは大幅アップ。オリジナルアルバムの前作「泣きたくなるほど嬉しい日々に」の2万2千枚(4位)からはダウンしています。

6位初登場は倖田來未「BEST~2000-2020~」がランクイン。デビュー20周年の締めくくりとして、デビュー日である12月6日にリリースされた、自身初となるオールタイムベスト。CD販売数5位、ダウンロード数14位。オリコンでは発売日の関係で先週のチャートで19位に初登場しています。3CD+DVDの通常盤と、8CD+3Blu-rayのファンクラブ・mu-moショップ限定盤の2種類をリリース。今週、ファンクラブ・mu-moショップ限定盤が3千枚を売り上げて16位に、通常盤は2千枚で25位。ただ両者合わせると8位相当となります。昔ならば、無理やり合算させてベスト10入りという実績を作るのでしょうが、もう彼女の人気面でもチャートへの信頼面でも、ベスト10入りにそこまでの価値がなくなってしまったのでしょうか・・・。

初登場最後は10位に原因は自分にある。「虚像と実像」がランクイン。いかにも今どきなボカロPが結成したユニットっぽい名前ですが、こちら、スターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ。こういう今時なワードを背景など一切考慮せず、何の躊躇なく取り込む点は、秋元康の書く歌詞にしてもそうですが、良くも悪くもアイドルっぽい感じがします。ちなみに、日常会話でこういうことを簡単に言う人って、大抵は本当に自分が悪いとは思っていないケースが大半な気がしますが。CD販売数7位でそのほかは圏外。オリコンでは初動売上5千枚で7位初登場。前作「多世界解釈」の8千枚(7位)よりダウンしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2021年12月15日 (水)

「鬼滅」人気は続く

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

いまだに根強い「鬼滅の刃」人気を反映するチャートとなりました。

今週1位を獲得したのは女性シンガーAimer「残響散歌」が獲得。本作はフジテレビ系アニメ「『鬼滅の刃』遊郭編」オープニングテーマ。いままで「鬼滅の刃」といえばLiSAの独壇場だったのですが、今回のアニメはエンディングの「朝が来る」ともども、Aimerが担当することになりました。ダウンロード数及びストリーミング数で1位、ラジオオンエア数8位、Twitterつぶやき数20位で総合順位では見事1位獲得。いまだに衰えない「鬼滅の刃」人気を象徴する結果となりました。ちなみに本作は来年1月12日にCDでのリリースも予定されており、そのタイミングでさらにランクアップしそう。ロングヒットになりそうな予感もします。

2位は韓国の男性アイドルSEVENTEEN「あいのちから」がランクイン。CD販売数は1位、ラジオオンエア数も3位にランクインしましたが、ストリーミング数70位、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数は14位に留まり、総合順位も2位となりました。オリコン週間シングルランキングでは初動売上15万5千枚で1位初登場。前作「ひとりじゃない」の31万4千枚(1位)からダウンしています。

3位もアイドル系。モーニング娘'21「Teenage Solution」が初登場。CD販売数2位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数4位、Twitterつぶやき数55位。オリコンでは初動12万枚で2位初登場。前作「純情エビデンス」の初動11万2千枚(2位)から若干アップしています。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは4位にKing Gnu「一途」がランクイン。映画「劇場版 呪術廻戦 0」主題歌。「呪術廻戦」は一時期、ポスト鬼滅の刃的に注目を集め、それなりにヒットを飛ばしたのですが、残念ながら「鬼滅の刃」のような国民的ヒットにはまだ至っていません。今回はその両者の主題歌が同時にランクインする結果となっています。ダウンロード数2位、ストリーミング数22位、ラジオオンエア数29位、Twitterつぶやき数18位、You Tube再生回数10位。ちなみに本作も12月29日にCDリリースが予定されているため、そのタイミングで再度ランクアップしそう。ロングヒットに結びつくでしょうか?

初登場最後は9位にランクインした秋元康系アイドルグループ、ラストアイドル「Break a leg!」。CD販売数は3位でしたが、ほかにPCによるCD読取数が53位にランクインしているほか、いずれのチャートも圏外。結果、この順位となりました。オリコンでは初動売上5万6千枚で3位初登場。前作「君は何キャラット?」の初動5万5千枚(2位)より微増。

一方、ロングヒット勢は相変わらず根強い人気の優里「ドライフラワー」は今週は4位から7位にダウン。ただストリーミング数5位は先週から変わらず。You Tube再生回数もここにきて9位から7位にアップ。これで56週連続のベスト10ヒットに。また「ベテルギウス」も先週の3位からダウンしたものの5位にランクイン。今週も2曲同時ランクインとなりました。

またBTS「Butter」は6位から8位にダウン。ただ、これで通算29週目のベスト10ヒットとなりました。

そしてback number「水平線」は7位から10位にダウン。これで17週連続のベスト10ヒットとなりましたが、後がなくなりました。ストリーミング数はいまだ4位にランクインしているなど、根強い人気は見せているのですが・・・来週以降の巻き返しはあるのでしょうか?

今週のHot100は以上。ロングヒット勢ではOfficial髭男dism「Cry Baby」は今週14位にダウン。ベスト10ヒットは通算21週で、とりあえずはストップです。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

2021年12月14日 (火)

40年ぶり、奇跡の新作!

Title:Voyage
Musician:ABBA

2021年、大きな音楽ニュースのひとつにABBAが40年ぶりにニューアルバムをリリースした、というものがありました。ご承知置きのこととは思いますが、ABBAといえば、スウェーデン出身の男女4人組のポップグループ。1970年代後半から80年代にかけて、「ダンシング・クイーン」「恋のウォーター・ルー」などが大ヒットを飛ばし、一躍世界的な人気グループとなりました。その後、メンバーそれぞれの結婚に、離婚というある意味お決まり的なパターンを経て1982年には解散してしまいました。

その後、根強い人気を保ち、1999年には彼女たちの曲を起用したミュージカル「マンマ・ミーア!」が大ヒットを記録。ABBAの名前は再び世界にとどろきました。ポップグループということもあって、リアルタイムでの評価はともかく、そのたぐいまれなるポップセンスの評価は解散後により高まったように感じます。そんな中、2018年に新曲を録音したことを公式サイトで公表。ABBA復活の機運が高まる中、このたび、40年ぶりというニューアルバムで奇跡ともいえる復活を果たしました。

そんな待望となるニューアルバムは本国スウェーデンや、いままでも数多くのアルバムを1位に送り込んできたイギリスチャートでの1位獲得はもちろん、いままでベスト10ヒットに至らなかったビルボードチャートでもなんと2位という高順位を獲得。解散後、いかに彼女たちが人気を維持し、さらにはさらに高い評価を受けてきたのかがわかる結果となりました。

そのニューアルバム、最初はストリングスの静かな響きでスタート。さらに伸びやかな歌声とピアノが流れてきます。非常に幸福感を覚えるこの1曲目「I Still Have Faith In You」は、まさに待ちに待ったファンの喜びをそのまま反映された楽曲になっています。さらにABBAのポップセンスが光るのが3曲目「Little Things」。非常にシンプルなミディアムチューンなのですが、切なさを感じるメロディー展開が秀逸。シンプルながらもしっかりと心に残る1曲に仕上がっていました。

その後も軽快で明るい、ちょっと70年代的な懐かしさも感じる「Just A Notion」やピアノやストリングスでしっかり聴かせるバラード「I Can Be That Woman」、ダイナミックなサウンドと哀愁感たっぷりのメロが強いインパクトを持った「Keep An Eye On Dan」など彼女たちらしいポップチューンが続きます。さらにリズミカルで明るい「No Doubt About It」などは「ダンシング・クイーン」のイメージで彼女たちを知っている人にとっては、まさに王道ともいえるナンバーでしょうか。ラスト「Ode To Freedom」は再びストリングスで伸びやかに聴かせる楽曲。1曲目と対になっているようなこの曲で、ちょっと寂しげな雰囲気を感じつつ、全10曲37分のアルバムは幕を閉じます。

そんな訳で、ABBAらしい珠玉のポップチューンが並んでいるアルバム。ファンの期待に応えた作品ともいえるかもしれません。ただ一方で、率直に言ってしまうと、昔ながらのABBAそのもので新鮮味はなく、かつ、やはりメンバー全員大人になったためでしょうか、全体的にはおとなしめ。以前の楽曲のようなキラキラ感は正直見受けられず、インパクトも若干弱め。良くも悪くも、過去の彼女たちの作品をなぞっただけ、といった感も否めないアルバムになっていました。

もちろん、ここに収録されている曲もポップなセンスがキラリと光る曲も少なくなく、かつてのファン、あるいは後追いのファンにとってはそれなりに満足できる作品だったと思います。また、今後永続的に活動を続ける・・・わけではなく、どうもABBAの活動はこの1枚限りの模様。そのため、新たな挑戦というよりも同窓会的な意味合いも強く、そのため、良くも悪くも無難にまとめた、ともいえるのかもしれません。そういう意味で、かつてのABBAの曲が好きだったら聴いて損のない1枚。これ1枚で最後というのは少々残念ですが、メンバーそれぞれの今後の活躍に期待しましょう。

評価:★★★★

| | コメント (0)

2021年12月13日 (月)

メランコリックなメロが良くも悪くも

Title:INNOCENCE
Musician:ACIDMAN

ACIDMANの約4年ぶりとなるニューアルバム。少々久しぶりのアルバムとなった本作ですが、まずACIDMANらしさが前面に出ている作品に仕上がっていたと思います。

まずなんといっても印象的なのはオープニングでしょう。心臓の鼓動のようなリズムからスタートし、ピアノの美しい音色が重なり、最後はノイズギターも入りダイナミックに盛り上がる展開。若干ベタといえばベタなのですが、聴いていて気分はかなり盛り上がること間違いありません。そこから事実上の1曲目「Visitor」はそのままダイナミックに盛り上がる・・・かと思いきや、ACIDMANらしい、アシッドジャズ的な要素も取り入れた、ちょっとクールダウンするような楽曲に。ただ、サビの部分は狂おしいほどメランコリックなメロディーラインを聴かせてくれています。まず、実にACIDMANらしい曲を聴かせる序盤戦といった感じでしょうか。

続く「歪んだ光」も、これでもかというほど叙情的に展開される非常に悲しげな歌詞とメロディーが印象的なナンバー。こちらは一転、ダイナミックでヘヴィーなバンドサウンドを聴かせる楽曲になっています。さらにアルバムのハイライトともいうべきなのがアルバムの中盤に位置する「灰色の街」。彼ら初となるシングルでのベスト10ヒットを記録したこの曲は、ストリングスも入りつつ叙情的に歌い上げる曲調が印象的な楽曲。ダイナミックなサウンドを聴かせるというよりもポップな歌を聴かせる点がいかにもシングル向けっぽいのですが、メランコリックな彼らのメロディーラインを魅力的に聴くことが出来る楽曲になっています。

胸をかきむしられるようなメランコリックなメロディーラインにダイナミックなバンドサウンドというACIDMANらしさが前面に押し出された作品。さらに本作ではそんな中でも「灰色の街」のような、シングル曲らしいインパクトある作品も加わっており、よりバラエティーがあり、多くのリスナーが楽しめる構成になっていたと思います。前半に関しては文句なしの傑作アルバムに仕上がっていたと思います。

ただインスト曲を挟んで後半になると、正直、少々過度にメランコリックなメロディーラインがアルバム全体から受ける印象を平坦なものにしてしまっているような感がありました。後半も、ファンキーなサウンドの「ALE」やシンプルで爽やかなギターを聴かせる「素晴らしき世界」、さらにホーンセッションを取り入れた「...ファンファーレ」と前半以上にバリエーションは豊富。ただ、ちょっとベタで過剰気味といえるメロディーラインもあって、最後まで聴くと、似たような作品が多い、という印象を受けてしまい、若干ダレてきてしまう点が否めませんでした。

彼らの大きな特徴であり魅力でもあるメランコリックなメロディーラインや少々過剰ともいえるサウンドが、前半では大きな魅力に感じられた反面、後半では弱点になっていたように感じた1枚。ただそれだけ、ACIDMANらしいメロやサウンドを前面に押し出した作品だった、ともいえるのかもしれません。まさにACIDMANらしいと言える1枚でした。

評価:★★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
Second line&Acoustic collection
ACIDMAN THE BEST 2002-2012
新世界
有と無
Second line&Acoustic collection II
ACIDMAN 20th Anniversary Fans'Best Selection Album "Your Song"
Λ


ほかに聴いたアルバム

DIARY KEY/Base Ball Bear

前作「C3」以来、約1年9ヶ月ぶりとなるフルアルバム。前作同様、サウンド的にも歌詞的にも聴いて一発でBase Ball Bearとわかるようなサウンドが特徴的の、王道ともいえるギターロック。そのため、目新しさはほとんどありませんが、ジュブナイル的な歌詞と、ある意味、変なひねりなどがほとんどなく気持ちよく聴けるギターロックは大きな魅力になっている作品でした。

評価:★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
CYPRESS GIRLS
DETECTIVE BOYS

新呼吸
初恋
バンドBのベスト
THE CUT
二十九歳
C2
増補改訂完全版「バンドBのベスト」
光源
ポラリス
Grape
C3

八面六臂/SKY-HI

ラッパーとしても活躍しているダンスグループAAAのメンバーでもあるSKY-HIこと日高光啓のソロアルバム。基本的にHIP HOP的な要素は多く取り入れているものの、本作はメランコリックなメロディーラインが特徴的な歌モノがメイン。悪い意味でのアイドルポップ的に陥ることなく、HIP HOPの要素を上手く取り入れつつ、「今どき」のポップソングに上手くまとめあげている印象。よく出来た今どきのポップアルバムといった印象を受けた1枚でした。

評価:★★★★

SKY-HI 過去の作品
FREE TOKYO
JAPRISON
Say Hello to My Minions 2(SKY-HI×SALU)
SKY-HI's THE BEST

| | コメント (0)

2021年12月12日 (日)

アブストラクトな作風ながらも

Title:im hole
Musician:aya

Aya_imhole

今回紹介するのは、イギリスはマンチェスターを拠点として活動しているミュージシャン、ayaのデビューアルバム。以前は「LOFT」という名義で活動しており、EP盤をリリースしたこともあったそうですが、その後、aya名義に移行。いくつかのコンピレーションアルバムへの参加後、このたびのデビューアルバムのリリースとなりました。

本作がデビュー作であるので当たり前といえば当たり前なのですが、彼女に関しては名前を聞くのもはじめてなら音源を聴くのもはじめて。ほとんど前情報なくアルバムを聴いたのですが・・・まず強烈なビートを前面に押し出したエレクトロサウンドに耳をうばわれる作品になっていました。

まずアルバムを聴き始めると、強烈なノイズからスタートします。冒頭を飾る「somewhere between the 8th and 9th floor」ではそんなノイズを前面に押し出した不気味な作風が特徴的。さらに続く「what if i should fall asleep and slipp under」ではおなじく不気味な雰囲気のエレクトロノイズに、語りのようなラップが重なるスタイルに。彼女の作品はアブストラクトと表現されることも多いのですが、まさにそんなイメージもピッタリと来るような実験的な作風の曲が続きます。

その後は、強いビートを前面に押し出したビートミュージックの様相の強い作品が続きます。「dis yacky」では、電子音を前面に押しだしたスペーシーな作品になっていますし、「OoBrosThesis」は彼女のシャウトと強いビートが印象的な、むしろパンキッシュともいえる作風。「the only solution i have found is to simply jump higher」もハイトーンでメタリックなエレクトロサウンドがミニマル風に展開する楽曲に耳を惹かれます。

ただ、そんな実験的な作品が並ぶ本作ながらも、リズミカルなエレクトロビートが主軸となっているためか、リズムが身体になじみ、なにげに聴きやすく楽しめる作品になっているようにも感じます。後半の「Emley lights us moor」も、ウィスパー気味の彼女のボーカルで静かにスタートするのですが、清涼感あるそのボーカルもあって、意外と聴きやすい作品になっていますし、続く「tailwind」もテンポよいリズムの羅列という実験的な作風なのですが、どこかユーモラスさもあって意外と聴きやすい作品となっていました。

強烈なビートとノイズがさく裂するアブストラクトな作風ながらも、意外とポップで聴きやすさも同居する作品。特にテンポよいリズムについつい聴き入ってしまう作品になっていたと思います。今後はさらに注目が集まっていくかも。ただ、ミュージシャン名はどうにも検索しにくいのが難点なのですが・・・(笑)。

評価:★★★★★

| | コメント (0)

2021年12月11日 (土)

スタジアムバンド?

Title:I Don't Live Here Anymore
Musician:The War on Drugs

アメリカはフィラデルフィア出身のインディーロックバンド、The War on Drugsのニューアルバム。ここ数作、毎回高い評価を受けており、各種メディアの年間ベストの常連的な存在になっている彼らですが、前作「A Deeper Understanding」ではなんとグラミー賞も受賞。さらにアメリカのビルボードで10位、イギリスのナショナルチャートでは3位と、名実ともに、人気バンドに仲間入りしています。

さて、そんな彼らですが、アルバムをリリースする毎に少々毛色の異なる作品を出してくる点も特色となっています。私がはじめて聴いた前々作「Lost in the Dream」はシューゲイザー色の濃い作風。続く前作「A Deeper Understainding」はエレクトロポップの色合いが強い作品になっています。そして今回のアルバム、聴き始めるといきなり1曲目「Living Proof」はアコギのアルペジオと静かなピアノで聴かせる、アコースティックテイストの強いフォーキーな作風に。前作までのイメージとは少々タイプの異なる曲で若干驚かされます。

さらに驚かされるのは続く「Harmonia's Dream」で、バンドサウンドにシンセの音も加わったサウンドをバックとしたこの曲は、伸びやかでインパクトあるポップなメロディーラインと重なり、非常にスケール感のある作品に。ともすればスタジアムバンドの感すらあるこの曲は、「インディーロック」という彼らのイメージを覆す内容になっているのではないでしょうか。

続く「Change」も、若干カントリーロック色もある作風とポップなメロディーラインが、大物バンド然とした雰囲気を醸し出している作品に。タイトルチューンである「I Don't Live Here Anymore」もシンセのサウンドとバンドサウンドという組み合わせが90年代ポップのような、どこか懐かしさと、スタジアムバンド然としたスケール感を覚えさせる作品。「Old Skin」も静かにスタートしつつ、バンドサウンドで徐々に盛り上がるスタイルも、いかにも売れ線バンドといった様相の楽曲になっています。

いままでの作品も、インディーバンドという少々マニア向けというイメージを覆すような、意外とポップなメロディーラインを書いてきている点が彼らの大きな魅力ではあったのですが、今回のアルバムに関しては、そのポップなメロディーという路線がさらに突き進んでおり、非常にポピュラリティーの強い作風に仕上がっていました。結果として、「U2かよ?」とすら思うようなスタジアムロック色の強い作品も目立ち、インディーバンドというイメージからかけ離れた感もあります。ただ、ポップなメロディーラインは素直に魅力的。スケール感を推し進めた結果、陥りがちな「大味」な感じはなく、メロディーラインはしっかりと聴かせるものに仕上がっていたのはさすが。ちゃんとThe War on Drugsとして魅力的な作品に仕上がっていたと思います。もっとも、ビルボードでもイギリスのナショナルチャートでもチャート上位に食い込んでくるような人気バンドになっている彼らにとって、こういう作風は自然といえば自然なのかもしれませんが・・・。インディーバンドという枠組みに留まらず、広いリスナー層にお勧めできそうな作品でした。

評価:★★★★★

The War On Drugs 過去の作品
Lost in the Dream
A Deeper Understanding

| | コメント (0)

2021年12月10日 (金)

「音楽の百科事典」リニューアル

今回は、最近読んだ音楽関連の書籍に関しての感想です。

今回紹介するのは、「コモンズ:スコラ vol.18 ピアノへの旅 (commmons:schola〈音楽の学校〉)」。もともと、この「commons:schola(音楽の学校)」というのは、坂本龍一監修のもと、「音楽の百科事典」を目指して2008年から刊行が開始されたシリーズ。全30巻の予定で、第1回目は「バッハ」からスタートしたものの、その後は音楽のジャンルにこだわらず、クラシックからポピュラーミュージック、さらには伝統音楽まで幅広く取り上げたシリーズとなり、さらには2010年からはNHK教育テレビでも、このシリーズに準拠した音楽番組が放送されるなど、一時期話題となりました。

私も発刊時期から非常に興味を持っており、テレビ番組は見ていたのですが、肝心の書籍の方は購入していませんでした。というのも、1巻あたり非常に高い!百科事典を模したようなハードカバーの書籍にCD1枚付で、9,000円近い値段がつけられており、当時は独身の社会人という、もっとも金銭的に余裕がある時期であったにも関わらず、さすがにこれを30巻=30万円近い出費には踏み切れませんでした。

その高すぎる値段設定が原因なのか、テレビシリーズもシーズン4まで行う力の入れぶりながらも、2018年に17巻が刊行された時点でストップ。全30巻は残念ながら途中でストップしてしまいました。しかし、やはり坂本龍一自身、この企画にかなりの力を入れていたのでしょう、このたび、企画がリニューアル。無事、18巻がリリースされました。

ちなみに今回のリニューアルにあたり、ストリーミングというリスニング環境の変化に伴うものでしょうか、CDは取りやめ、書籍のみというスタイルに。ただし、書籍中のQRコードを読み取ると、SpotifyもしくはApple Musicのプレイリストが聴ける仕様になっていました。その結果、値段も2,200円と大幅に値下がり。以前は躊躇していた私も、ようやく購入に踏み切ることが出来ました。さすがに高いお金を払ってCD付で買う時代ではなくなったということなのでしょう。また、以前のシリーズの刊行がストップしていたのは、やはり値段設定が高すぎたのでしょうか?

さて、待望の18巻ですが、今回は「ピアノへの旅」と題してピアノをテーマとした一冊。前半はこの鍵盤楽器が出来るまでの歴史を追った内容に。今回はプレイリストに沿って、ピアノという楽器の特質を語っていく構成となっています。個人的に特に興味深かったのがこの前半で、いままでさほど深く考えたことはなかったのですが、確かに、昔からピアノという楽器があったわけではなく、徐々に進化してきたという点。特に、今となってはピアノで演奏している昔のクラシックも、当時はピアノではなく、ピアノの祖先の楽器で弾かれていた、というのは、あらたか「気づき」であり、非常に興味深く、読むことが出来ました。

後半は、坂本龍一と音楽学者の伊東信宏が、ピアノという楽器を語ります。ただ、坂本龍一は、メロディーというものよりも音の響き、そのものに昔から興味があるようで、決まった音しか出せないピアノという楽器をいろいろと腐しています。もっとも、とはいっても一方では昔から最もなじみ親しんだ楽器ということもあり、同時にピアノに対する思い入れも感じられる対談となっており、プレイリストの音楽を聴きながら、ピアノという楽器のおもしろさについてもあらためて楽しむことが出来る内容になっていました。

そんな訳で、全体的に非常に興味深い内容になっていた本作。ただ、文章については、終始対談形式となっているため、読みやすい反面、ボリュームの割りには情報量はさほど多くなかったように感じます。内容的には十分楽しめたのですが、2,200円という価格を考えると、若干高めかも、という印象も受けました。一部、坂本龍一による対談を載せるほかは、専門家による論文形式のようにした方が、内容のボリュームがより出て、よかったようにも思います。

とはいえ、2,200円程度なら、それなりに躊躇なく買うことが出来ますし、以前は見送っていたこのシリーズですが、今後は是非、読み進めていきたいと感じました。リニューアル後は、30巻まで徐々に発刊されるのでしょうか。以前は坂本龍一のcommonsレーベルの中に、同シリーズの紹介サイトがあったのですが、リニューアルにあたり発刊元が、commonsレーベル(=avex)からアルテス・パブリッシングに変わったことから、18巻以降はフォローされていません。アルテスのサイトでも19巻以降についての発刊予定の記載はなく、ちゃんとコンスタントにリリースされるのか気になるところなのですが・・・ただ、おそらく坂本龍一も相当力を入れていると思われる企画なだけに、次も楽しみ。今後は30巻まで、リアルタイムに追いかけていきたいと思う、そんな1冊でした。

| | コメント (0)

2021年12月 9日 (木)

話題のミュージシャンが1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

2年連続紅白出場を決めた話題のミュージシャンが1位獲得です。

今週1位を獲得したのはYOASOBIのミニアルバム「THE BOOK 2」が獲得。今年1月にリリースされたEP盤の第2弾。今回も生産限定でCDもリリース。CD販売数は2位だったのですが、ダウンロード数及びPCによるCD読取数で1位を獲得し、総合順位は1位となりました。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上8万枚で2位初登場。前作「THE BOOK」の7万2千枚(2位)よりアップしています。ちなみに今週はその前作「THE BOOK」が21位から6位に大きくランクアップ。CDが再発売された影響で、CD販売数が6位にランクイン。7月14日付チャート以来、21週ぶりのベスト10返り咲きに。通算21週目のベスト10ヒットとなりました。また、オリコンでも1万6千枚を売り上げ、6位にランクインしています。

2位は博多を拠点に活動するAKB48の姉妹グループ、HKT48「アウトスタンディング」が獲得。CD販売数は1位を獲得しましたが、ダウンロード数で33位、PCによるCD読取数で17位に留まり、総合順位も2位となりました。オリコンでは初動売上9万4千枚で1位初登場。前作「092」の12万2千枚(1位)からダウンしています。

3位はケツメイシのタイトル通り12枚目となるオリジナルアルバム「ケツノポリス12」が獲得。CD販売数及びダウンロード数3位、PCによるCD読取数8位。毎回、沖縄の首里城をバックとしたジャケットを使用していることでおなじみの彼ら。直近のベストアルバム「ケツノパラダイス」では、コロナ禍で沖縄への移動が出来ず、メンバーの原寸大パネルを持ち込み撮影したのですが、今回は無事、沖縄に移動して撮影できた模様。ただその一方、2019年の首里城焼失の影響でしょうか、バックに工事している建屋が映っています。同じところから々ように移しているケツメイシのアルバムジャケットですが、その中にその時々の出来事がなにげに反映されているのが興味深いところです。オリコンでは初動売上2万1千枚で3位初登場。直近のベストアルバム「ケツノパラダイス」の初動2万2千枚(3位)から若干ダウン。オリジナルアルバムとしての前作「ケツノポリス11」の4万枚(1位)よりダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず5位にMISIA「HELLO LOVE」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数9位。オリコンでは初動売上1万6千枚で5位初登場。直近作はクリスマスアルバム「So Special Christmas」で、同作の9千枚(7位)よりアップ。オリジナルアルバムとしての前作「Life is going on and on」(6位)からは横バイとなっています。

初登場はもう1枚。7位にウカスカジー「どんなことでも起こりうる」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数14位、PCによるCD読取数11位。ミスチルの桜井和寿と、EAST ENDのGAKU-MCによるユニット。2014年のワールドカップに向けての企画的ユニットかと思いきや、かなり積極的に、継続的なユニットとして活動を続けており、これが3枚目のアルバムになっています。CD販売数7位、ダウンロード数14位、PCによるCD読取数11位。オリコンでは初動売上1万4千枚で8位初登場。前作「Tシャツと私たち」の初動1万7千枚(5位)より若干のダウンとなっています。

今週のHot100は以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2021年12月 8日 (水)

またジャニーズ系が1位を獲得する中・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も1位はジャニーズ系が獲得しました。

1位はジャニーズ系男性アイドルグループSnow Man「Secret Touch」が獲得。CD販売数、ラジオオンエア数及びPCによるCD読取数1位、Twitterつぶやき数9位、You Tube再生回数で11位を獲得し、総合順位も1位となりました。テレビ朝日系ドラマ「消えた初恋」主題歌。オリコン週間シングルランキングでは初動売上73万4千枚で1位初登場。前作「HELLO HELLO」の初動80万6千枚よりダウンしています。

そんな訳で今週も1位はアイドル系となりましたが、2位以下はSSWやバンド系の活躍も目立ちました。まず2位には宇多田ヒカル「君に夢中」が先週と同順位の2位をキープ。ダウンロード数1位、ストリーミング数3位と配信系の順位も高く、ロングヒットが望まれます。

さらに3位には優里「ベテルギウス」が4位からランクアップ。チャートイン5週目にして初のベスト3入りを果たしています。さらに今週「ドライフラワー」も6位から4位にアップ。ベスト10ヒットを55週連続に伸ばしています。なにげにここに来て驚異的な人気を見せている優里。ただ、私生活のスキャンダルの影響か、紅白出演も逃し、「2021年を代表するヒット曲」としてもなぜかスルーされるという、若干自業自得ながらも、微妙にかわいそうな扱いが続いています。ただ、一発屋かと思いきや、「ベテルギウス」のヒットの影響で、曲ではなく、優里というミュージシャン自身に対する人気も高まっている感もあり、今後の動向にも注目されます。

さらに5位にはマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が先週の10位からランクアップ。なんと今週、ストリーミング数で1位を獲得しており、ロングヒットの兆しが見えます。You Tube再生回数は19位に留まっているのですが、こちらも先週の23位からアップしており、徐々に順位を上げてきそう。今後の動向に注目です。

そして今週、ベスト10返り咲きも。まずはOfficial髭男dism「Cry Baby」。先週の14位から9位にランクアップし、3週ぶりにベスト10返り咲きです。通算21週目のベスト10ヒット。ただ、各チャート指標、目立ったランクアップもありませんから、他に強力曲がなかった影響で相対的に順位を上げた模様。

そしてKing Gnu「BOY」。CDリリースにあわせて先週の48位からランクアップ。6週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。オリコンでは初動売上2万1千枚で4位初登場。前作「三文小説」の初動5万4千枚(2位)からはダウンしています。

ロングヒット組は、まずBTS「Butter」。先週の5位からワンランクダウンの6位にランクイン。これで通算28週目のベスト10ヒットとなっています。

さらにback number「水平線」は9位から7位にアップ。ここに来て盛り返しています。これで16週連続のベスト10ヒット。ただし、こちらもヒゲダン同様、各チャート指標で目立ったランクアップもなく、相対的な強さでランクを上げてきただけの模様です。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

2021年12月 7日 (火)

今どきのポップスをフォロー

Title:
Musician:Ed Sheeran

絶大な人気を誇るイギリスのシンガーソングライター、エド・シーランのニューアルバム。ここ最近、あまり表立った活動が行われず、おととし、コラボアルバムという企画盤のリリースはあったものの、オリジナルアルバムとしては実に約4年7ヶ月ぶりとなる本作。なんでも、自身の娘誕生に伴い、いままでのような積極的な活動は控えていたらしく、要するに、良いパパをやっていたということなのでしょう(笑)。ただ、本作にも収録された「Bad Habbits」は見事、全英チャートで6週連続1位を獲得するなど、エド人気の健在ぶりをアピールする結果となっています。

そんな彼のニューアルバムですが、エド・シーランのアルバムといえば、いままでも算術記号による作品が続いており、デビュー以来「+」「×」「÷」と続いたので、次回作は当然「ー」・・・・・・と思いきや、ここで意表をついて「=」となってしまいました。次回作は当然「ー」になるのでしょうか。それとも、「√」とか、ほかの算術記号に走るのでしょうか、それとも・・・・・・。

さて、そんなエド・シーランの久々となるニューアルバムなのですが、まず感じたのは、ここ最近のポップの流行に敏感に対応した作品になっているな、という点でした。「Bad Habbits」などは典型的ですが、メランコリックなメロとテンポよい打ち込みのリズムという作風は、ある意味、ここ最近の、特にアイドルポップに近い印象を受けてしまいます。ここらへん「Shivers」「Overpass Graffitti」といった曲も共通。

この打ち込みサウンド+メランコリックなメロディーラインの曲が目立つ本作。いかにも今風のヒットシーンを意識した作風は、エド・シーランのシンガーソングライターとしての柔軟さを感じます。ただ一方で、正直、その売れ線を意識した作風は、少々ベタで大味にも感じられ、個人的には聴いていて、あまり楽しめませんでしたし、ソングライターとしての彼の魅力が、十分に発揮されていないようにも感じました。

むしろ、エド・シーランのシンガーソングライターとしての魅力は、そんな「売れ線狙い」のようなポップス意外で感じられました。例えば「The Joker And The Queen」など、ピアノをバックとしたシンプルなバラードなのですが、その泣きメロは絶品。アコギとピアノをバックにスケール感を持って聴かせる「Visiting Hours」も、ファルセット気味のメロディーラインで美しいメロを聴かせてくれます。

エレクトロサウンドが主体となっている今回のアルバムですが、アルバム全体として見た場合には、むしろ生音がメインの作品の方が、エド・シーランには合っているのではないか、そんなことも感じてしまったアルバム。もっとも、ポップソングとしてはどの曲もよく出来ており、いい意味ではちゃんと最近の流行をしっかりフォローしているエドには、さすが人気ミュージシャンとしての実力も感じさせます。エド・シーラン健在もしっかりと感じさせてくれた作品でした。

評価:★★★★

Ed Sheeran 過去の作品
+
÷
No.6 Collaborations Project

| | コメント (0)

2021年12月 6日 (月)

リスタート

Title:宜候
Musician:槇原敬之

先日、槇原敬之のアーティスト本である「歌の履歴書」を紹介しましたが、今回はその書籍と同時にリリースされたフルアルバム。ご存じのように昨年2月、覚せい剤所持により2度目の逮捕となった彼。最初の逮捕の時ほどではないものの、1度目の逮捕から20年以上が経過していただけに、当然、薬とは完全に手が切れたものだと思っていたファンにとっても大きなショックを受ける事態となりました。ただその後、リリース予定だったアルバム「Bespoke」が販売延期になったものの、CDの回収などはされず。それから約1年8ヶ月というスパンで早くもニューアルバムのリリースとなりました。

今回のアルバムに関しては、そんな復帰第1弾ということを強く意識した作品になっているのでしょう、彼としても「リスタート」という要素がアルバム全体に垣間見れる作品になっていました。イントロ的な1曲目「introduction~東京の蕾~」も大阪から東京に出てきた、彼のミュージシャンとしての原点を思い起こさせるような歌詞が特徴的。同じく続く「ハロー!トウキョウ」も、彼の上京間もない時代を彷彿とさせる歌詞が特徴的で、そんな同じく東京での日々を描いた1994年の作品「東京DAYS」のフレーズが登場してくることからも、原点回帰を意図した作品であるのは間違いないでしょう。

そもそもアルバムタイトルである「宜候」は、航海用語で「船を直進させること」を意味する用語だそうで、このタイトル自体、彼の新たな一歩を彷彿とさせますし、ラストを飾るそのタイトルチューン「宜候」では

「さよなら さよなら
今度こそさよならだ」
(「宜候」より 作詞 槇原敬之)

と、いままでとの決別を意図するような歌詞が印象的。この作品から新たな一歩を踏み出そうとする彼の決意を感じさせます。

そんなリスタートのアルバムということもあって、アルバム全体としては比較的、彼の王道を行くようなポップチューンが並んでいました。特に冒頭の東京2作に続く「悶絶」は、イントロからしていかにも彼らしいフレーズからスタートするのですが、槇原敬之としてはうれしくなるような王道のマッキーのラブソング。「特別な夜」のような、昔の仲間とのノスタルジーな感情を含んだ歌詞を聴かせる曲も、彼らしい作品と言えるでしょう。ただ一方、この曲でも仲間の一人が亡くなっていたり、「悲しみは悲しみのままで」も、亡くなった友人に対しての歌だったり、身近な友人に何かあったのかな?と思わせると同時に、彼ももう50歳を過ぎて、こういう悲しい出来事の1つや2つはあったんだろうなぁ・・・ということも感じてしまいました。

そんな中でちょっと説教臭く感じたのは「虹色の未来」。ただ、さすがに典型的な即物的快楽であるクスリで捕まった直後に「即物的ではない大切なもの」を訴えるような歌詞は書けなかったようで、多様的な価値観の重要性を歌った内容になっています。個人的に、以前の説教臭い曲はあまり好きではなかったのですが、これに関しては「アリ」。「虹色」というキーワード自体、最近話題のLGBTQを象徴するキーワードなのが印象的。「歌の履歴書」の中では、このLGBTQ運動からは一歩距離を置いているようなことを言っていたのですが、それはそれとして、やはり彼なりに思うところは大きいのでしょうか。

王道的な曲が並んだ結果、目新しさを感じる曲はありません。あえて言えば「わさび」の歌詞に、外部作家を取り入れた点でしょうか。ただ、祖母に対するメッセージを綴った曲は、槇原敬之らしさも感じられる曲になっており、王道的な今回のアルバムの中でも自然に溶け込んでいました。

正直なところ、歌詞にしてもメロディーにしても、全体的に卒がないといった印象は否めず、飛びぬけたようなインパクトのある楽曲というのは残念ながら本作では出会えませんでした。ただ一方で、しっかりと槇原敬之の実力を反映させた歌詞、メロディーを聴かせてくれており、安心して聴ける作品という点は間違いないと思います。あえて彼らしい王道を行くような作品にしてきたのは、やはり原点回帰、リスタートという意味合いも強いのでしょう。以前の「歌の履歴書」の感想でも書きましたし、今回の「宜候」の「今度こそさよならだ」というフレーズも、若干、逮捕の原因を自分の外部環境のせいにしているようにも読み取れて、また再犯してしまうのではないか、という一抹の不安がなきにしもあらずなのですが、とりあえずは今は、彼の復活をファンとしては素直に喜びたいところ。もう2度と同じ犯罪を犯さないように、切に祈るばかりです。本当に、勘弁してよ・・・。

評価:★★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE

不安の中に手を突っ込んで
NORIYUKI MAKIHARA SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT CELEBRATION 2010~SING OUT GLEEFULLY!~
Heart to Heart
秋うた、冬うた。
Dawn Over the Clover Field

春うた、夏うた。
Listen To The Music 3
Lovable People
Believer
Design&Reason
The Best of Listen To The Music


ほかに聴いたアルバム

NO MOON/D.A.N.

オリジナルアルバムとしては約3年3か月ぶり。久々となるD.A.N.のニューアルバム。一時期、彼らのようなソウルやアシッドジャズの要素を取り込んだロックバンドが一種のブーム的に盛り上がりましたが、Suchmosの活動休止などもあって、かなり沈静化した感もあります。そんな中リリースされた彼らのニューアルバムは、そんな昨今の状況など全く知らぬ存ぜぬといった感もある、彼らの色合いを思いっきり押し出した作品に。ダウナーな感のあるエレクトロサウンドに、ファルセットボーカルを聴かせる作風なのですが、そのボーカルもサウンドのひとつといった構成になっており、エレクトロやテクノ、さらにはプログレの様相すら感じさせるかなり挑戦的な作品に。非常にユニークな作風に、聴いていて耳の離せなくなる1枚でした。

評価:★★★★★

D.A.N. 過去の作品
Tempest
Sonatine

| | コメント (2)

2021年12月 5日 (日)

戦時下でも明るいジャズソングを

Title:世紀の楽団 唄う映画スタア 岸井明
Musician:岸井明

今回紹介するのは、当サイトでもたびたび取り上げている、戦前日本のSP盤の復刻専用レーベル「ぐらもくらぶ」プロデュースによる、戦前日本のエンターテイメント紹介企画「ザッツ・ニッポン・エンタテインメント」シリーズの第5弾。今回は、戦前において古川ロッパと組んで、数多くの喜劇や映画にも出演した、タイトル通りの「映画スタア」、岸井明のアルバム。戦後の紅白歌合戦にも一度出場経験があるなど、まさに歌手としても一世を風靡した彼。本作は、そんな岸井明の業績を網羅的に取り上げたアルバムとなります。

ちなみに彼の曲に関しては、以前もアルバムを1枚、当サイトで紹介しているほか、「戦前SP盤」のオムニバスアルバムではよく登場する、個人的にも「おなじみ」なミュージシャン。いままでも彼のコミカルな曲を何度か紹介してきましたが、このアルバムであらためて彼の楽曲を網羅的に聴くことが出来ました。

今回のアルバムでは全2枚組で、彼が本格的に活動を開始した1935年の作品から、戦時中を挟み、戦後1951年の作品まで、時系列順に彼の作品が並んでいます。特にDisc1は1935年から1937年(昭和10年~12年)という、既に戦争は始まっていたものの、おそらく本土では、まだ戦争の影響が本格化する前の時代。洋楽のジャズのカバー曲も多く、「懐しの我が家」のようなアメリカのトラッドソングにも挑戦しているなど、ジャズのテイストがより強い曲が並んでいます。取り上げている題材も明るく陽気。「僕の彼女」「ほんとに困りもの」のような、恋人同士の軽妙なやり取りを描いている曲も多く、世の中全体が自由奔放で明るかったんだろうな、ということを感じさせてくれます。

一方、その雰囲気が変わるのがDisc2で、徐々に戦争の足跡が忍び寄り、曲も時局を反映した作品が目立ちはじめます。「野球選手の兵隊さん」「進軍スヰング」みたいに露骨に戦争が組み込まれているネタや「姑娘可愛いや」のような、当時の日中関係を反映させたような曲、「代用品時代」のような戦時下での庶民の生活を、ある意味シニカルな視点から描いたような曲だったりと、戦時下という時代性を反映した曲が目立ちます。

ただそれでも、そんな曲を含めて、全体的にはコミカルで明るいという路線を貫いており、戦時下の暗い世相の中でも、懸命に音楽の明るさで人々を楽しませようとしたその姿を感じられます。また、そんな戦時下の曲でも「理想の夫婦」みたいな、趣味が全く異なる夫婦の話をコミカルに描いた曲なんかもあったりして(って、これってドリカムが似たようなネタの曲を書いていたような)、戦時下を感じさせない明るい作風の曲も目立ちます。

庶民の、というよりも、その当時の都市部のちょっとモダンな人たちの暮らしを描いた歌詞は、なにげに今の私たちの心境にも共通するところもあったりして、洒落たジャズ風の曲調も合わせて、今の私たちでも十分楽しむことが出来るノベルティーソングが並んでいます。全2枚組のアルバムでしたが、最後までコミカルな作風を一気に楽しむことが出来る作品。戦前の日本の世相を覗き見ることもできる、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★

岸井明 過去の作品
唄の世の中~岸井明ジャズ・ソングス


ほかに聴いたアルバム

キャンディーレーサー/きゃりーぱみゅぱみゅ

約3年ぶりとなるきゃりーぱみゅぱみゅのニューアルバム。早くもデビュー10周年を迎えた彼女ですが、正直なところ、一時期に比べて人気の面では若干下火になっているのは否めませんし、楽曲についても以前のように話題にならなくなりました。ただ今回のアルバム、特に序盤がすごい!「DE.BA.YA.SHI.2021」「キャンディーレーサー」ともに強いエレクトロビートでテクノ色を前面に押し出した楽曲に。さらに「どどんぱ」はリズムをそのまま歌詞にしたユニークな曲なのですが、強烈なビートに強く惹かれる名曲に仕上がっており、以前ほど楽曲が注目を集めなくなったがゆえに、楽曲の自由度がグッと上がった印象を受ける作品になっていました。

・・・が、残念ながらそれだけのインパクトの強い曲はここまで。それ以降は、以前のようにキュートなエレクトロポップが並ぶのですが、ただ、インパクトはいまひとつ。悪くはないのですが、序盤に比べると失速感が否めません。どうせなら、序盤3曲のようなタイプの曲で吹っ切れたら、非常におもしろい傑作アルバムになったと思うんですが、さすがにそこまで吹っ切れることは出来なかったということでしょうか。非常に惜しさを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★

きゃりーぱみゅぱみゅ 過去の作品
なんだこれくしょん
ピカピカふぁんたじん
KPP BEST
じゃぱみゅ

ベルカント号のSONGBOOKⅢ/ムジカ・ピッコリーノ

以前もこちらで紹介したEテレの子供向け音楽番組「ムジカ・ピッコリーノ」。ジャンルを問わない数多くの音楽を取り上げ、番組の中のバンド「ハッチェル楽団」がカバーしており、そのカバー曲をまとめたアルバムの第3弾。SMAPの「ダイナマイト」にダフトパンク「Around The World」、くるりの「ばらの花」や民謡「会津磐梯山」まで、実にバラエティー富んだジャンルの広い楽曲を取り上げており、音楽の楽しさを伝えてくれています。ラストに番組中で使われたモンストロの鳴き声が収録されており、これはちょっと微妙といえば微妙だけど、純粋に「番組のファン」としては、やはりうれしいのかなぁ。前作同様、収録曲は音楽ファンとして抑えておきたい作品ばかりなので、子供向け番組のサントラ、という枠にとらわれず、広い層にお勧めできる作品です。

評価:★★★★★

ムジカ・ピッコリーノ 過去の作品
ベルカント号のSONGBOOKⅠ
ベルカント号のSONGBOOKⅡ

| | コメント (0)

2021年12月 4日 (土)

2022年もブルースカレンダー

Title:2022-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar

毎年恒例、アメリカのブルース・イメージズ社のブルースカレンダー。輸入盤のみのため、Amazonでも必ずしも取扱いがあるわけではなく、ちゃんと入手できるかどうか、機会を逃すとあっという間に入手困難になるのですが、今年も無事獲得しました。いかにもコロナ禍を反映させたような前年度のカレンダーから一転、今年はシンプルに、ギターをかかえたブルースシンガーの写真というスタイルになっています。

今回、この表紙を飾っているのは、レッド・ベリーという戦前に活躍したブルース・シンガー。1曲目に「Packin'Trunk」というカントリー・ブルースの曲からスタートするのですが、後半、15曲目から23曲目に、彼の1944年と1949年のラジオ放送用のライブ音源が9曲収録されています。終戦直前と、戦後期の、それもラジオ放送を前提とした音源ということもあって、戦前ブルースのコンピとしては異例とも思えるほどのクリアな音質で彼の演奏を楽しむことが出来ます。

特にラジオ放送でのライブ音源ということで、観客の拍手も入っているほか、司会者も登場し、曲紹介を行っているほか、貴重とも言える彼の肉声のトークも収録されています。ちなみに1949年というと、彼がこの世を去った年。まさに最晩年の録音となっています。

さらにレッド・ベリーというとブルース・シンガーとして語られるほかに、アメリカのフォーク・ミュージックの祖として語られることも多いシンガーだそうで、1曲目の「Packin'Trunk」こそブルースの色合いの濃い曲となっていますが、15曲目以降に関してはフォークソングの色合いが強い楽曲が並びます。特に日本の70年代フォークの源流のような曲も少なくなく、耳なじみやすい曲も目立ちます。一方で、レッド・ベリーのラスト2曲「Stewball」「Grey Goose」はアカペラで、むしろゴスペルのテイストの強い曲。彼の音楽性の幅広さも感じます。

そして今回のもうひとつの目玉が、Washboard Walterの2曲で、2枚しか現存が確認されていない1930年録音の音源だそうです。楽曲としてはシンプルで軽快なブルースナンバー。今回もブルースマニアの壺をついたような、期待にたがわないコンピレーションとなっています。

他にもBlind Lemon JeffersonやBlind Blake、Memphis MinnieにBessie Smithという豪華メンバーの曲が並ぶコンピレーションアルバム。個人的にそんな中でも特に印象に残るのがBlind Willie Johnsonの「John The Revelator」で、Blind Willie Johnsonのこれでもかというほどのだみ声が大きなインパクトとなっている一方、そこに合いの手として挟まれる女性ボーカルとの掛け合いのバランスが非常にユニークな1曲に。また、女性ボーカルといえばブルースの女王、Bessie Smithの「Homeless Blues」も印象的。感情たっぷりのボーカルが胸に響く曲となっています。

そんな訳で今回も非常に魅力的なセレクションでブルースリスナーの期待にしっかりと応えたコンピレーションともなった本作。来年も1年間、このカレンダーが私の部屋の壁を飾りそうです。

評価:★★★★★

2013-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2014-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2015-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2016-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2017-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2018-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2019-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2020-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2021-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar

| | コメント (0)

2021年12月 3日 (金)

「休息」と「海岸」をテーマとした企画盤

Title:Shade
Musician:Grouper

アメリカはポートランドを拠点に活動する、ドローン/フォークの女性シンガーソングライター、Liz HarrisことGrouperのニューアルバム。彼女は、既にキャリア15年を誇るシンガーソングライターだそうです。彼女のアルバムを聴くのは今回がはじめて・・・・・・と思っていたら、以前Nivhek名義でのアルバムを紹介したことがあったよう。本作は同作に続く、Grouper名義では約3年ぶりとなる作品となります。ただ、今回は普通のフルアルバムではなく、彼女の15年にわたる活動からのコレクションだそうで、「休息」と「海岸」をテーマに曲を集めたそうです。いわゆる企画盤的なセレクションアルバムといった感じでしょうか。

前情報なくこのアルバムを聴いてみたのですが、まず聴きはじめた1曲目「Followed the ocean」からして、かなり度肝を抜かれました。スタートし、最初に聴こえてきたのは、これでもかというほどのギターノイズの嵐。シューゲイザー系を彷彿とさせるフィードバックノイズの洪水に、まずはビックリするのですが、その向こうからかすかに聴こえる歌声にも耳を惹きつけられます。ダークでこれでもかというほどのノイズと、フォーキーで美しいその歌声のアンバランスさがユニークで、耳を惹かれました。

さらに2曲目以降、楽曲の雰囲気はガラリと変わります。続く「Unclean mind」「Ode to the blue」「Pale Interior」はアコギのアルペジオをバックに、ウィスパー気味のファルセットボイスでしんみり聴かせるフォークナンバー。日本でいえば青葉市子に近い印象を受けましたが、その歌声とメランコリックで美しいメロディーラインに聴き惚れます。

もちろん、1曲目からして、このような作風の曲が続くとは思いませんでしたが、案の定、続く「Disorderd Minds」はボーカルにエフェクトをかけて、ダークでダウナーに聴かせるナンバー。バックに流れる歪んだサウンドが不気味な雰囲気を醸し出し、アルバムの雰囲気は一転しますが、ここでも美しい歌声は健在。

この曲を超えると再びファルセットボイスで美しく聴かせるフォーキーな曲が並ぶのですが、「Promise」では再びフィードバックノイズが流れる構成になっており、「Basemant Mix」では幻想的なサウンドを聴かせる楽曲と、一筋縄ではいかない展開が続きます。しかしラストの「Kelso(Blue Sky)」は再びアコギのみで聴かせる爽やかなナンバー。最初は狂暴なノイズでスタートした作品でしたが、ラストはとても心地よい気分でアルバムを聴き終えることが出来ました。

「休息」というのはなんとなくわかる一方、「海岸」というテーマについてはいまひとつ不明(フィードバックノイズが波の音に重なるのでしょうか?)なのですが、そういう点はともかく、不気味なノイズと爽やかなフォークのバランスが絶妙で、最初から最後まで耳を離せない傑作になっていました。特にフォーキーなメロディーラインと歌声が実に美しく魅力的。シューゲイザー系とは少々異なる文脈のミュージシャンなのですが、狂暴なノイズとポップなメロというバランスは、ある意味、シューゲイザー系にも通じる部分も感じます。聴いていて、ノイズ含めて心地よい傑作でした。

評価:★★★★★

Grouper 過去の作品
After its own death/Walking in a spiral towards the house(Nivhek)

| | コメント (0)

2021年12月 2日 (木)

新譜ラッシュ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は全10枚中9枚が初登場という新譜ラッシュとなりました。年末商戦を見込んで、新譜のリリースが増えています。

そんな中で1位を獲得したのは女性アイドルグループNiziU「U」。CD販売数、ダウンロード数、PCによるCD読取数でいずれも1位を獲得しています。デビュー1周年を迎える彼女たちの本作がデビューアルバムとなります。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上17万9千枚を売り上げて1位初登場。

2位初登場はMAN WITH A MISSION「Break and Cross the Walls I」。ご存じ「頭はオオカミ、身体は人間」という新生命体のバンドによるニューアルバム。CD販売数及びダウンロード数2位、PCによるCD読取数4位。オリコンでも初動売上3万6千枚で2位初登場。直近作はEP盤「ONE WISH e.p.」で、同作の2万6千枚(4位)よりアップ。オリジナルアルバムとしては前作「Chasing the Horizon」の7万枚(2位)より大きくダウンしてしまっています。ただ、オリジナルアルバムの前作は約3年5か月前となるので、その間のストリーミング普及などの影響も大きそう。

3位もロックバンド、RADWIMPS「FOREVER DAZE」がランクイン。CD販売数及びダウンロード数3位、PCによるCD読取数6位。オリコンでは初動売上2万9千枚で3位初登場。直近作は企画盤「2+0+2+1+3+1+1 = 10 years 10 songs」で、同作の初動2万枚(3位)よりアップ。ただオリジナルアルバムの前作「ANTI ANTI GENERATION」の7万7千枚(1位)から大きくダウン。こちらも約3年ぶりのアルバムになるので、音楽環境の変化も大きそう。ただ、一時期、人気バンドとして頭ひとつ出ていた印象もあるので、最近の人気の下降ぶりは少々気になるところ。特に今回、ギターの桑原彰の不倫報道で活動休止という自体となっており、バンドとしては少々苦しい状況となっています。ただ、法律を犯したわけでもない「不倫」に対するこの過剰なまでの反応は、ちょっと異常な感もするのですが。そもそも不倫をして、謝ったり、責任を取ったりする相手はファンでも世間でもなく、奥さん(と子供)だけだと思うのですが。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にORβIT「Alter Ego」が初登場。日韓合同の男性アイドルグループによるミニアルバム。CD販売数4位、ダウンロード数15位。オリコンでは初動売上1万2千枚で5位初登場。前作「Enchant」の1万7千枚(2位)よりダウン。

6位初登場はVTuberグループにじさんじ「Reflextion」。1990年代から2000年代のドラマ主題歌をカバーしたカバーアルバム。CD販売数5位、PCによるCD読取数22位。オリコンでは初動売上1万2千枚で6位初登場。直近作で同じカバーアルバムの「Prismatic Colors」の2万4千枚(3位)からダウンしています。

7位には、動画サイトでの歌唱動画で人気を博した男性シンガーりぶのベストアルバム「MYLIST」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数26位、PCによるCD読取数28位。ちなみにアコースティックカバーアルバム「PLAYLIST」も同時リリースしていますが、同作は惜しくも12位に留まりました。オリコンでは初動売上1万枚で7位初登場。直近のオリジナルアルバム「Ribing fossil」の2万4千枚(3位)からダウンしています。

8位9位には2枚同時リリースとなるスキマスイッチのアルバム「Bitter Coffee」「Hot Milk」がそれぞれランクイン。CD販売数はそれぞれ9位、10位、ダウンロード数は21位、22位、PCによるCD読取数は15位、16位といずれも並んでランクインしています。オリコンでも初動売上はいずれも9千枚で9位、10位に並んでランクイン。直近のオリジナルアルバム「新空間アルゴリズム」の1万6千枚(4位)からはダウンしています。ちなみにオリコンではCD販売数はいずれも9,359枚と完全に一致しています。一方、ビルボードのTop Salesチャートでは9,217枚、9,200枚と17名ほど、「Bitter Coffee」のみ買った方がいた推定値に。その17名の方に何があったのか、気になるのですが(笑)。

最後10位にはBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「PASS THE MIC」がランクイン。ミュージシャン名義通り、EXILEの弟分の男性ダンスグループによる新作。CD販売数は8位でしたが、ダウンロード数44位、PCによるCD読取数は59位にとどまりこの順位に。オリコンでは初動売上9千枚で8位初登場。前作「BALLISTIK BOYZ」の2万6千枚(1位)よりダウンしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

| | コメント (0)

2021年12月 1日 (水)

アイドル系に割って入ったのは・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も上位にはアイドル系が目立ちました。

まず1位にはHey!Say!JUMP「Sing-along」がランクイン。「世界体操・世界新体操2021」テーマソング。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ラジオオンエア数26位、Twitterつぶやき数21位。タイトル通り、ライブなどではファンみんなで歌い上げるようなナンバーになっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上19万8千枚で1位初登場。前作「群青ランナウェイ」の23万6千枚(1位)からダウンしています。

さらにアイドル系は3位も。22/7「覚醒」がランクイン。秋元康プロデュースによるアニメキャラと声優によるアイドルグループ。CD販売数2位、PCによるCD読取数25位、Twitterつぶやき数27位。オリコンでは初動売上5万9千枚で2位初登場。前作「僕が持ってるものなら」の初動7万3千枚(2位)よりダウン。

そんなアイドル系の間に割って入ったのが宇多田ヒカルの配信限定シングル「君に夢中」。先週の84位から大きくランクアップし、ベスト3入り。TBS系ドラマ「最愛」主題歌。ダウンロード数及びラジオオンエア数では見事1位を獲得。ストリーミング数31位、Twitterつぶやき数69位となっています。

続いて4位以下の初登場曲です。まず7位にあいみょん「ハート」が先週の20位からランクアップ。CDリリースにより、チャートイン6週目にしてベスト10入りです。TBS系ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」主題歌。彼女らしいハートウォーミングなラブソングとなっています。CD販売数10位、ダウンロード数5位、ストリーミング数14位、ラジオオンエア数4位、PCによるCD読取数6位、Twitterつぶやき数96位。相変わらずCDリリースよりも配信系が強い結果となっていますがYou Tube再生回数が圏外なのが気になるところ。ストリーミング数は25位→18位→14位とアップ傾向にあるので、今後の動向次第ではさらに上位を狙えるかもしれません。オリコンでは初動売上9千枚で10位初登場。前作「愛を知るまでは」の1万枚(8位)よりダウンしています。

さらに今週、人気上昇中のポップスバンド、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が先週の13位からランクアップし、チャートイン4週目にしてベスト10入りを果たしました。配信限定のシングルで、特にストリーミング数2位が大きな要因に。ほかにダウンロード数67位、ラジオオンエア数28位、You Tube再生回数23位にランクイン。特に今後、You Tube再生回数がさらに上位に食い込んでくれば、さらなる上位に狙えそうです。

今週の初登場曲は以上。ベスト10の中で5曲初登場と、比較的初登場の多い週になりました。ただ一方、ベスト10返り咲きも。先週、ベスト10圏外にダウンしたBTS「Butter」が11位から5位にランクアップ。通算27週目のベスト10ヒットを記録しています。

ほかにロングヒット系は、優里「ドライフラワー」が8位から6位にアップ。しぶとい強さを続けています。「ベテルギウス」も5位から4位にアップしており、これで2曲同時ランクイン。「ベテルギウス」は今週もストリーミング数で1位をキープしており、ロングヒットになりそうな予感がします。

またback number「水平線」は10位から9位にアップ。先週は後がないチャートとなりましたが、なんとかランク1つ巻き返しました。これで15週連続のベスト10入りとなります。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

| | コメント (0)

« 2021年11月 | トップページ | 2022年1月 »