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2021年11月 8日 (月)

彼ららしい曲の並ぶサブスク用アルバム

Title:Fresh Cheese Delivery
Musician:WANIMA

今回紹介するWANIMAのニューアルバムは、サブスク限定でリリースされた全18曲入りのニューアルバム。といっても、純粋なニューアルバムではなく、昨年9月にリリースされたミニアルバム「Cheddar Flavor」に、今年4月にリリースされたシングル「Chilly Chili Sauce」、8月にリリースされたシングル「Chopped Grill Chicken」をそのまま加えて、新曲「Brand New Day」を追加した18曲。サブスク的には過去のアルバムを続けて聴けばいいだけで何のため?という感もあるのですが、こうやって「アルバム」としてリリースするアナウンスをすれば、特にシングルなどは特に聴いてこなかったリスナー層を取り込めるというメリットもあるのでしょうか。というか、まさに私のことですが(笑)。

そんな訳で、2曲目から10曲目に関しては、以前「Cheddar Flavor」のレビューで紹介済、ということになるのですが、今回あらためて聴いてみました。ご存じの通り、Hi-STANDARDの横山健が代表をつとめるPIZZA OF DEATH所属の彼ら。基本的にはHi-STANDARDの流れを組む、「正統派」ともいえるメロディアスパンク路線ということは十分認識されていることとは思います。まさに今の夏フェス向けとも言えるミュージシャン。コロナ禍の中で、なかなかその本領が発揮できずにいるバンドと言えるかもしれません。

ただ、そんな中であらためて彼らの作品を聴いてみると、非常に歌謡曲的、あるいはJ-POP的な要素が強いバンドということがあらためて実感させられます。例えば「SHADES」などのある種の郷愁感ある風景描写は、歌謡曲的な要素を感じさせますし、同時に前向き応援歌的な歌詞にJ-POP的な要素も感じさせられます。「春を待って」などもタイトルそのままですが、郷愁感強い歌詞とメロディーラインがまさに歌謡曲的。ハイテンポでパンクロックなバンドサウンドとのギャップがまたWANIMAの人気の秘訣とも言えるかもしれません。

また、そのほかにも「離れていても」などはメランコリックなメロディーラインでポップにまとめあげており、ここらへんはJ-POP的な楽曲と言えるでしょうし、一方では「枯れない薔薇」でスカのリズムを、「Faker」でレゲエのリズムを取り入れたりと、ある種の「隠し味」のような要素を入れてきているのもまた、音楽性の幅を広げ、人気を確保するひとつの要因と言えるのかもしれません。

もっとも、この歌謡曲的、J-POP的な要素が「ベタ」という印象に結びついてしまうのも否めず、良くも悪くも「フェス向け」という感想を抱いてしまう点は否めないのですが。そういう点を含めてWANIMAらしさがよく出ていたアルバムだと思います。前作「Cheddar Flavor」の感想でも書いたのですが、また彼らのこういう曲を、早くライブで大声を出してみんなで歌える日が1日も早く来てほしいものです。

評価:★★★★

WANIMA 過去の作品
Are You Coming?
Everybody!!
COMINATCHA!!
Cheddar Flavor


WINDORGAN/Yogee New Waves

約2年半ぶりとなるYogee New Wavesのニューアルバム。今回のアルバムも、爽快なギターサウンドを中心として軽快なシティポップを聴かせてくれる安定の内容。基本的にポップなメロにはクオリティーの高さも感じられます。ただその反面、デビュー以来の課題だったYogee New Wavesらしさというか、彼らの独自性が若干後退してしまった印象も。個性を出すことよりも楽曲自体のクオリティーを重視した感じでしょうか。ただ個人的にはもうちょっと彼らにしか書けない独特のサウンドを聴きたい感も強いのですが。

評価:★★★★

Yogee New Waves 過去の作品
WAVE
SPRING CAVE e.p.
BLUEHARLEM
to the MOON e.p.

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