2つの異なるくるり
京都音楽博覧会2021
くるり
会場 立命館大学 以学館/学生会館(オンライン) 日時 2021年10月2日 19:30~
昨年、コロナ禍の中でオンラインでの開催となった、くるり主催のライブイベント、京都音楽博覧会。ただ今回も残念ながらコロナ禍の中、昨年に引き続きオンラインでの開催となりました。昨年は、くるりと岸田繁楽団の2バンド参加という形になったのですが、今年はくるりの単独出演。ただし今回は、会場が彼らの母校であり、くるりが最初に結成された立命館大学。それも2部構成という、ある意味、オンラインでのライブらしい新たな試みとなりました。
まず第1部は立命館大学の中の以学館という建物でのライブ。まず通常のバンド編成に加えて、トランペットやホーン、ピアノ、パーカッション、サックスやビブラフォンなどなどを加えた大所帯でのステージ。まずは最新アルバム「天才の愛」からの曲を披露したのですが、1曲目「I Love You」でいきなり佐藤征史がウッドベースの演奏で登場。ちょっと意表をつかれたスタートとなります。
その後、佐藤征史も通常のエレキベースに持ち替え「潮風のアリア」、さらに分厚いバンドサウンドならではの賑やかな「野球」へと続きます。その後も第1部は「天才の愛」からの曲をアルバムの曲順通りに披露。様々なサウンドを入れた、大所帯のバンドサウンドなのですが、様々な音が絡み合い、見事「天才の愛」の世界を作り出しています。
さらに「less than love」では佐藤征史が再びウッドベースの演奏を披露。ピアノやホーンセッション、フルートも入って、これまたロックというよりはジャズのようなライブ風景が繰り広げられ、くるりの音楽性の幅広さをあらためて感じるステージになっていました。さらに「コトコトことでん」ではゲストの畳野彩加も登場。清涼感ある歌声を聴かせてくれました。ラストはバンドメンバーのハンドクラップからスタートし、賑やかで楽しい「ぷしゅ」で締めくくり。基本的に最初から最後まで「天才の愛」の曲を曲順通りに披露する展開でしたが、最後まで楽しく、しっかりと賑やかなステージで「天才の愛」の世界を再現されたステージになっていました。アルバム1枚をそのままライブで披露するというのも、「京都音楽博覧会」だからこその試みといった感じでしょうか。特別感もあるステージになっていました。
その後、1部と2部の間では、くるりの岸田、佐藤の2人が立命館大学の中を巡りながら、くるり結成当時の話や大学時代の話を懐かしく語り合う映像が流れます。そして、その後、メンバーが学生会館に入っていく映像が流れた後、第2部スタートとなりました。
そうしてスタートした第2部は、第1部とは一転、くるりの2人+ドラム+キーボードというシンプルな編成での「ロック」な側面を押し出したステージ。まずライブでは比較的定番ともいえる「尼崎の魚」からスタート。さらに「窓」「ハローグッバイ」とちょっと懐かしいナンバーが続きます。
「GO BACK TO CHINA」で軽快なリズムを聴かせてくれた後、「花の水鉄砲」へ。アルバム「アンテナ」からの曲なのですが、ちょっとライブでは珍しい選曲のような。ただ、ダイナミックなバンドの演奏に、ロックバンドとしてのくるりを感じさせる曲だっただけに、この日の選曲となったのでしょうか。
その後もインディーズ時代の曲「続きは夢の中」や懐かしい「ランチ」など、バンドくるりの形式にマッチした比較的レアな曲も含む構成が続きます。レアな曲も含む自由な選曲なのは、京都音楽博覧会ならでは、といった感じでしょうか。それとも、その場でのファンの対応に頼らなくてもよいオンラインイベントならではの自由な選曲とも言えるのでしょうか。
ステージは至ってシンプルな演奏の曲が続きます。後半では「ハイウェイ」や「東京」のような、彼らの代表曲とも言える曲も登場。そしてラストは「宿はなし」へ。彼ららしいメランコリックなメロディーラインをシンプルなバンドサウンドで力強く聴かせます。
ライブ本編はこれで終了。最後は参加したバンドメンバーの簡単なインタビューがあり、終了。全2時間程度のオンラインライブが終了しました。
2年連続のオンラインでの開催となった京都音楽博覧会。2部構成となった今回の京都音楽博覧会では、大勢のメンバーでのライブとシンプルなロック色が強いステージと、2つの異なるくるりの側面が楽しめるステージに。オンラインならではの試みといったステージになっていました。これで2年連続楽しめることとなった京都音楽博覧会。ただ、来年はやはりオンラインではなく、通常のライブスタイルでの開催を望みたいところ。そうなったら足を運べるかどうかは不明なのですが・・・。
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