oasisが絶頂だった日
先日に引き続き、また音楽系で見たい映画があるので足を運んできました。
「オアシス:ネブワース1996」。これは、今なお伝説のライブとして語り継がれているoasisのネブワースで行われたライブの模様を収録したライブドキュメンタリー。1996年8月10日、11日に行われたこのライブは、2日間で25万人を動員。予約の段階で250万件の申し込みが殺到し、実に全イギリス人の2%が申し込みを行ったという、今でも数多くの興行成績の記録を持ち続けているイベントです。1996年というと、前年にかのアルバム「(What's The Story)Morning Glory」をリリースし、全世界で2,500万枚を売り上げるという大ヒットを記録。まさに彼らにとって絶頂期に実施されたライブイベントとなっています。
今回は、その彼らの伝説とも言えるライブの模様を、oasisやRADIOHEADのプロモーションビデオも手掛けている映画監督のジェイク・スコットがメガホンを取り制作。未公開映像も数多く収録したほか、メンバー本人のコメントももちろん収録されたライブドキュメンタリーと仕上げています。
まずライブ自体の方は申し分ありません。彼らが脂にのりまくっていた全盛期のライブであり、この2日間で25万人という莫大な広さを持つ会場のスケール感でも違和感のない大物然とした雰囲気を既に兼ね備えています。選曲も、この時点のライブなので当たり前ですが、基本的に彼らの最高傑作といわれる1枚目、2枚目のアルバムからの選曲がほとんどなので捨て曲が全くない名曲揃い。さらに今となっては、やはりリアム、ノエルのギャラガー兄弟が同じ舞台で仲良くたっているというのが何とも言えず感無量な感も・・・。この2人が仲直りして、oasisが復活する日は来るのでしょうか・・・??
さて今回の映画ですが、ただ、今回の映画は単なるライブ映像を公開した映画ではなく、基本的にはドキュメンタリー仕立てとなっています。そのテーマが、ファン視点からのoasis。映画の中には数多くのファンのインタビューが登場し、それを中心に映画は構成されています。さらに映画のスタートは、このライブの開催が発表された段階からスタート。まだインターネットが普及していなかった当時、チケットを取るために電話をかけまくったというエピソードも披露されるなど、徹底的にファンの視点から描かれるドキュメンタリーとなっており、ある意味、私たちにとっても、ネブワースを追体験できるような、そんなドキュメンタリーになっていました。
そのため、あらためて感じるのは、oasisの音楽が生み出すファンの一体感でした。もちろん、この2日間で25万人という会場にファンが集まり、一緒に盛り上がるという点で大きな一体感を生み出しているのですが、加えて、インタビューでも述べられていましたが、みんながみんな、oasisの曲の歌詞を覚えていて歌えているという事実。確かにoasisの曲は、映画を観ていても一緒に歌いたくなるような、そんな衝動にかられるような曲がほとんど。そんな曲だからこそ、ファンはより一体感を覚え、この一体感の強さこそが、oasisがあれだけ歴史的な人気を獲得した大きな要因だったのではないでしょうか。今回の映画を観て、あらためてそんなことを強く感じました。
ただ今回の映画、そんなことを気が付かせてくれた一方、構成的に気になる部分もありました。それは、ドキュメンタリー仕立てにするために、ライブ映像にファンのインタビューを重ね、かつほとんどフルでの演奏がなかって点でした。確かに先日見たばかりの「サマー・オブ・ソウル」もそのような構成になっており、演奏の部分はブツ切れになっていました。ただそれは、あのライブをめぐる社会的状況を説明するために、限られた時間の中に情報を詰め込んだ結果、仕方なくライブ映像がブツ切れかつナレーションをかぶせた結果のようにも感じました。しかし、この映画に関しては、正直、ライブ映像に重ねるほどのインタビュー音源が必要とは思えません・・・。ファンからのインタビュー部分はしっかりとライブ映像とわけて、もっとライブ自体をしっかり見たかったなぁ、とは強く感じました。
そういった点は気になり、ライブ映像の部分では物足りない、もっと見たかったなぁ・・・と思う部分はありましたが、それを差し引いても、やはりoasisの最盛期のライブには、あらためて見入ってしまいました。あらためてすごいバンドだったんだなぁ、と再認識できた映画。これはDVDも買わなくては!あと、ライブアルバムのリリースも予定されているので、そちらも間違いなく買う予定です!DVDで見ると、また新しい感想も生まれてくるのかも。そちらも楽しみです。
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