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2021年9月20日 (月)

貴重なライブ音源

Title:The Capital Session '73
Musician:Bob Marley & the Wailers

主に1970年代に活躍。レゲエ音楽の先駆者として、そのサウンドを世界中に広め、かつ世界的な人気を集めたボブ・マーリー。今なお、レゲエというジャンルを超えてポピュラーミュージックのレジェンドとして、その楽曲が聴き継がれています。本作は、そんなボブ・マーリーが、彼のバンド、ザ・ウェイラーズを率いて1973年10月24日にハリウッドのキャピタル・レコード・タワーで行われた非公開のライブ音源を収録したアルバム。レオン・ラッセルやプロコムハムルなどを手掛けたプロデューサー、デニー・コーデルが4台のカメラを使い撮影したものの、映像はリリースに至らず、映像も長い間、失われたもの思われてきました。しかし、その映像の一部が見つかったことから、20年にも及ぶ調査が開始され、ついに映像が発掘。今回、リリースに至りました。本作はDVDも同時リリースとなりましたが、今回はライブ音源を聴いてみました。

今回、当サイトでボブ・マーリーのアルバムを取り上げるのははじめてとなります。個人的にも1975年にリリースされ、名盤として名高い「Live!」は聴いたことはあるのですが、彼の音源で聴いたことあるのはそのくらいで、今までも積極的に彼のアルバムを聴いてきた訳ではありません。とはいえ、伝説的なミュージシャンである彼の貴重なライブ音源がリリースされた、ということで今回、このライブアルバムを聴いてみることにしました。

まず本作を聴いて感じたことは、予想以上に音が良いということ。70年代に録音されたライブ音源で、なおかついままでその音源が失われていた、という状況にも関わらず、ライブ音源を聴いていると、今、そのライブをリアルタイムで聴いているかのような臨場感ある演奏を楽しむことが出来ます。当時も、それなりの技術を持って録音していた影響か、それとも現在のリマスター技術のすごさか・・・少々驚かされました。

そしてボブ・マーリーの音源を、いままで積極的に聴いてこなかった私ですが、本作は聴いていて予想以上に心地のよい音源であり、すっかりとボブ・マーリーの世界に魅了される結果となりました。

今、おそらく日本でレゲエと言えば、湘南乃風あたりに代表されるような、海辺で、派手でやんちゃな兄ちゃんや姉ちゃんが聴いているような、ネットスラングで言うところの「ウェイ系」が好んで聴く音楽、というイメージがあるのではないでしょうか。ただ一方で、音楽ファンにとっては、Fishmansに代表されるような、「文系的」といってもいいでしょうか、コアな音楽リスナーが好んで聴くジャンルにもレゲエを取り入れたミュージシャンが少なくないことも承知の事実かと思います。

ボブ・マーリーのアルバムを、今回あらためて聴きこんでみると、彼の音楽はそんな「ウェイ系」的な、みんなで楽しめるパーティーのり的な要素も、「文系」的な、コアな音楽リスナーに遡及するような要素も、両方とも兼ね備えているということに今回、あらためて気が付かされました。例えば「Duppy Conqueror」などは、明るくメロディアスで、陽性の強いポップチューンになっており、まさに湘南乃風的な音楽につながるような作風にも感じます。一方では、「Rastaman Chant」はゆるいグルーヴィーなサウンドが心地よく、まずはその音楽的な要素を楽しめる作品になっていますし、「Get Up Stand Up」も社会派な歌詞はもちろん、そのグルーヴィーなサウンドがFishmans的な音楽につながる要素を強く感じます。

あらためてこういった形で彼のライブ音源を聴くと、確かに今につながる様々な音楽的な要素を兼ね備えており、非常に魅力的な内容。レジェンドとして、今なお多くのミュージシャンに影響を与える理由もいやというほど納得させられる内容でした。もちろん、ライブ音源として聴いていて素直に気持ちよさを感じますし、ただただそのグルーヴに身をゆだねていたい、そう感じさせる内容でした。いままであまり彼の音源は聴いてこなかったのですが、これを機に、他の「名盤」と言われる作品も聴いてみようかなぁ。今の世代にも是非聴いてほしい、素晴らしいライブ音源でした。

評価:★★★★★

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