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2021年9月10日 (金)

バンドとしての成長も感じる4作目

Title:Screen Violence
Musician:Chvrches

イギリスはグラスゴー出身のエレクトロポップバンドChvrchesの約3年3ヶ月ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムはメンバー3人によるセルフプロデュース作になっているとか。またアルバムタイトルである「Screen Violence」はもともと、彼女たちのバンド名の候補になっていた名前だそうで、セルフタイトル的なアルバムともいえる本作。彼女たちの力の入れ様を伺うことが出来ます。

もちろん、とはいっても基本的に軽快でキュートなエレクトロポップといういつものスタイルに大きな違いはありません。軽快なエレクトロポップチューンの「Asking For A Friend」からスタート。冒頭のサウンドがどこか80年代的な懐かしさも感じさせる「He Said She Said」、伸びやかなエレクトロチューン「California」へと続いていきます。

今回、アルバムの中の一つの核となっているのが「How Not To Drown」でしょう。ザ・キュアーのロバート・スミスが参加したナンバー。ローレン・メイベリーのボーカルともピッタリとマッチし、チャーチズの曲の中では、メランコリックなメロディーラインで、よりスケール感を覚える楽曲。またスケール感といえば、同じくメランコリックなメロが印象的な「Nightmares」もダイナミックなサウンドでスケール感を覚えるナンバー。バンドとしても4作目。4作連続全英チャートでベスト10を獲得し、すっかり人気バンドとしての地位を確立している彼女たちですが、そんな彼女たちの実力と余裕を感じさせる楽曲になっています。

また、以前から彼女たちの音楽の特徴として、J-POP的というか、わかりやすいサビを持つ構造で、いい意味で日本人にとっても聴きやすいポピュラリティーを持った構造になっているという特徴がありました。今回のアルバムも、特に前述の「California」など、サビの部分に長音符を持ってきてインパクトを出すという、わかりやすい展開になっておりJ-POP的。さらに「Final Girl」に至ってはマイナーコード主体のAメロに対して、サビでは転調という、実にJ-POP的な構成になっており、日本人にとっても耳なじみやすい作風と言えるのではないでしょうか。

今回のアルバムも軽快なエレクトロポップというチャーチズらしい作品に。最初から最後までローレン・メイベリーのキュートなボーカルに、ポップなエレクトロサウンドがピッタリとマッチするキュートな作品になっていました。ただ一方ではロバート・スミスが参加した「How Not To Drown」やラストの「Better If You Don't」のような、もうちょっとヘヴィーなギターサウンドが前に押し出されたロック寄りの作品もあったりして、バンドとしての実力も感じさせます。

バンドとしても4作目。いずれもヒットを飛ばして名実ともに大物バンドの仲間入りを果たそうとしている彼女たち。今回のアルバムはスケール感のある作品も併せて、そんな彼女たちの実力と成長が垣間見れる作品だったと思います。これからも彼女たちの活躍が楽しみです。

評価:★★★★★

Chvrches 過去の作品
The Bones Of What You Believe
Every Open Eye
Love Is Dead
The Hansa Session

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