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2021年9月26日 (日)

骨太なロックが魅力のガールズロックバンド

Title:ACHATTER
Musician:Hump Back

大阪出身の3ピースガールズロックバンド、Hump Backの約2年ぶりとなる2枚目のフルアルバム。最近増えてきた女性オンリーのロックバンドの一組で、かついわゆるチャットモンチーのフォロワーの一組。彼女については前作「人間なのさ」ではじめてその音源に触れたのですが、ただ、他のガールズロックバンドと明らかに異なる方向性の骨太なロックサウンドを聴かせてくれており、個人的には一気に注目のバンドの一組となりました。

今回の作品も1分に満たないオープニング的な1曲目「宣誓」も、続く2曲目「番狂わせ」で、往年のブルーハーツを彷彿とさせる疾走感あるノイジーなギターサウンドからスタートするパンクロックチューンで、ギターロック好きなら間違いなくワクワクするようなサウンドが耳に飛び込んできますし、その後も「ヘイベビ」「きみは春」など、疾走感ありパンキッシュなギターロックの作品が続きます。前作「人間なのさ」はもっとブルースロック色が強かったのですが、今回の作品はサウンド的にはパンクロック、あるいはメロコアあたりの影響も強く感じさせる楽曲が多かったように感じます。ただ「遊覧船」などのようにヘヴィーでブルージーなギターサウンドを聴かせる曲もあったりして、前作同様、全体的にバンドとしての足腰の強さを感じさせる曲が並んでいました。

また、前作に引き続き、やはり今回も歌詞の側面でも印象的な曲が並びます。「令和!僕たちは新しい時代の先駆けです」とタイトル通り、今のミュージシャンとしての宣誓を行う、冒頭の「宣誓」からスタートし、続く「番狂わせ」では「しょうもない大人になりたいわ/どうせなら番狂わせ」と言う歌詞も、若々しさを感じさせ、かついかにもロックバンド然とした彼女たちらしさを感じます。また歌詞が印象的という意味では「新しい朝」も若々しい、これからのミュージシャンである彼女たちらしい歌詞。

「今はできないけど 明日にはやってみよう
騒がしいあの頃が 懐かしく思う頃
僕らは少し大人になる」
(「新しい朝」より 作詞 林萌々子)

ある意味、非常に若いということに自覚的かつ前向きであり、その上、地に足がついた歌詞は、おじさん世代から見ても初々しさと同時に、ある種のたくましさも感じます。そんな若々しさを感じる反面、一方では「遊覧船」のようなどこか郷愁感があり、ブルージーな雰囲気すら歌詞には一種の老成さも感じます。ここらへんの若さと、逆に若いだけのバンドではお目にかかれないような意外な老成さが彼女たちの大きな魅力のように感じます。かと思えば、軽快なポップチューンの「マイユー」みたいに、ガールズバンドらしいかわいらしさも垣間見せたりと、アルバムの中にバンドとしての様々な側面を垣間見ることが出来る幅の広さが、彼女たちの大きな魅力に感じました。

個人的には、ガールズバンドという枠組みを超えて、若手では珍しい骨太なロックバンドとして注目株の彼女たち。今回はパンクロック寄りに寄った作品に感じましたが、そんな中でも間違いなく彼女たちの魅力を感じさせてくれる傑作だったと思います。これからがますます楽しみになってくる2枚目でした。

評価:★★★★★

Hump Back 過去の作品
人間なのさ
大阪城ホール単独公演”拝啓、少年少女たちよ”


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