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2021年9月

2021年9月30日 (木)

見事2週連続の1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週の1位は先週と変わらず。

今週1位は桑田佳祐ソロ初のEP盤「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat.梅干し」が2週連続の1位を獲得。CD販売数は3位、PCによるCD読取数は2位でしたが、ダウンロード数は先週に引き続き1位を獲得し、総合順位でも1位となっています。

2位初登場はPerfume「ポリゴンウェイヴEP」。こちらも彼女たち初となるEP盤。CD販売数はこちらが1位でしたが、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数5位といずれも桑田佳祐のEP盤を下回り、2位に甘んじました。ちなみに桑田佳祐のEP盤は、6曲入りの事実上のミニアルバムですが、こちらはタイトル曲がミックス違い+インストで4曲並び、プラス新曲3曲という、どちらかというとシングルを無理やりEP化したような感じ。最近、この手の作品が目立ちます。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上2万7千枚で2位初登場。直近作はベスト盤「Perfume The Best "P Cubed"」で同作の初動9万8千枚(1位)よりは大きくダウン。直近のオリジナルアルバム「Future Pop」の8万枚(1位)からも大きくダウンしています。

3位は女性コーラスグループLittle Glee Monster「re-union」がランクイン。こちらも5曲入りのミニアルバム。病気休養中だったメンバーの芹奈が本作で復帰したことからこのタイトルがついたのでしょう。CD販売数2位、ダウンロード数及びPCによるCD読取数15位。オリコンでは初動売上2万枚で4位初登場。直近作はベスト盤「GRADATI∞N」で同作の初動売上3万6千枚(3位)からダウン。また、オリジナルアルバムとしての前作「BRIGHT NEW WORLD」の4万2千枚(1位)からもダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。4位にはバーチャルVtuberグループにじさんじから派生したグループ、Rain Drops「バイオグラフィ」が初登場。CD販売数及びダウンロード数4位、PCによるCD読取数22位。オリコンでは初動売上1万6千枚で5位初登場。前作「オントロジー」の1万4千枚(10位)からアップしています。

5位初登場は「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 02」。競走馬を擬人化した育成ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」から、ゲーム内の楽曲を収録したミニアルバムの第2弾。オリコンでは初動売上1万1千枚で8位初登場。同シリーズの前作「『ウマ娘 プリティーダービー』WINNING LIVE 01」の初動5千枚(16位)よりアップしています。

6位には声優内田雄馬のニューアルバム「Equal」がランクイン。CD販売数6位、ダウンロード数27位、PCによるCD読取数50位。オリコンでは初動売上1万1千枚で7位初登場。前作「HORIZON」の1万5千枚(7位)からダウン。

7位は「アオペラ-aoppella!?-2」が初登場でランクイン。11名の声優が参加する"青春×アカペラ"をテーマとしたプロジェクトだそうです。最近、この手の「人気声優が声をあてたアニメキャラによる音楽プロジェクト」が多すぎますよね。CDのようなグッズ展開が容易だからだと思うのですが、ちょっと安直だよなぁ。CD販売数は5位でしたが、そのほかのチャートは圏外で総合順位は7位。オリコンでは初動売上1万1千枚で6位初登場。同シリーズの前作「アオペラ-aoppella!?-」の初動7千枚(8位)よりアップ。

9位には元関ジャニ∞渋谷すばるのニューアルバム「2021」がランクインしてきました。CD販売数8位、ダウンロード数73位、PCによるCD読取数56位。昨年は、コロナ禍という異常な1年だったということもあり(今年も続いていますが)「2020」というタイトルのアルバムが連発されましたが「2021」というタイトルのアルバムは私が知る限り、これがはじめてのような。オリコンでは初動1万1千枚で9位初登場。前作「NEED」の2万1千枚(4位)よりダウン。

最後10位には黒澤ルビィ(降幡愛) from Aqours「LoveLive! Sunshine!! Second Solo Concert Album ~THE STORY OF FEATHER~ starring Kurosawa Ruby」がランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!サンシャイン!!」より、アイドルグループAqoursソロコレクション第2弾。CD販売数9位、ダウンロード数40位、PCによるCD読取数32位。リリース日が9月21日の火曜日だったため、フライング分の集計のため、オリコンでは今週が2週目となり、4千枚を売り上げて15位にランクインしています。わざわざ9月21日にリリースしたのは、この日が彼女の誕生日という設定だったらしいです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2021年9月29日 (水)

今週も1位はアイドル系

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は秋元系のアイドルグループが1位獲得。

今週1位は乃木坂46「君に叱られた」が先週の31位からランクアップし、CDリリースに合わせて1位獲得となりました。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ダウンロード数9位、ストリーミング数69位、ラジオオンエア数3位、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数67位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上53万5千枚で1位初登場。前作「ごめんねFingers crossed」の初動59万枚(1位)よりダウンしています。

2位はYOASOBI「大正浪漫」が先週と同順位をキープ。ダウンロード数は1位から2位、You Tube再生回数も8位から13位にダウン。一方、ストリーミング数が20位から8位に大きくランクアップしています。現状、YOASOBIの他の曲はベスト10落ちしていますので、新たなロングヒットとなるのでしょうか?

3位はBTS「Permission to Dance」が6位から3位にアップし、6週ぶりのベスト3返り咲き。これで12週連続のベスト10ヒットで、ベスト3ヒットは通算6週目になります。今週はダウンロード数が20位から5位に大幅アップしたほか、ストリーミング数が4位から2位にアップしており、これが大きな要因となっている模様。BTSは他にも「Butter」が5位から7位にダウン、「Dynamite」が9位から8位にアップしています。前者が19週連続、後者が通算56週目のベスト10入り。

さらに今週9位に、大人気のロックバンドCOLDPLAYがBTSと組んで話題となったCOLDPLAY×BTS「My Universe」が9位にランクイン。ダウンロード数で1位を獲得し、ストリーミング数58位、ラジオオンエア数13位、Twitterつぶやき数75位、You Tube再生回数32位で、総合順位でベスト10入り。これでBTS関連が4曲同時ランクインとなっています・・・が、正直なところ、BTSはもういいよ・・・とも思ってしまうのですが・・・(苦笑)。

しかし、ここでも何度か言っているのですが、BTSに限らず、少々ストリーミングに偏りすぎじゃないかなぁ。今週とか、オリコンでポルノグラフィティ「テーマソング」が2万1千枚を売り上げて2位にランクインしているのですが、Hot100だと30位とベスト20にも入っていないのは、さすがに不自然では??以前のオリコンのように、握手券とかでCD販売数を水増しする手法も問題でしたが、今のHot100の集計手法もちょっと微妙な感もあります。まあ、それだけ音楽を供給する媒体が多様化し、「ヒット」をどう捉えるのか、難しいということなのでしょうが。

さて、続けます。4位以下で初登場は上記のCOLDPLAY×BTSのみ。あとはロングヒット曲がメインというチャートとなりました。まずOfficial髭男dism「CryBaby」は今週残念ながら4位から6位にダウン。ダウンロード数が3位から4位、ストリーミング数も2位から4位にダウン。You Tube再生回数も9位から12位とダウンしています。ベスト10ヒットは通算14週目。

一方、相変わらず強いのが優里「ドライフラワー」で、ここに来て7位から5位と再びランクアップ。You Tube再生回数が7位から5位にアップしているほか、ダウンロード数も16位から10位とアップ。カラオケ歌唱回数も1位をキープし、45週連続のベスト10ヒットとなりました。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2021年9月28日 (火)

KREVAの日にサプライズリリース

Title:LOOP END/LOOP START
Musician:KREVA

9月8日はKREVAの日・・・まあ、9(ク)0(レ)8(バ)のごろ合わせなのですが、毎年、何らかの企画が実施され、特に「908 FESTIVAL」と題して、コロナ禍以前は大規模なライブイベントが開催されていたりもしました(昨年もオンラインで実施されたようです)。そんな中、今年は9月8日になんとニューアルバムがサプライズリリースされました。今年は「908 FESTIVAL」は残念ながら実施されなかったのですが、それの代わりとしてはファンとしてはとてもうれしいサプライズリリースとなりました。もっともサプライズリリースとはいえ、先行シングル曲もしっかりと収録されており、そういう意味では、通常のオリジナルアルバムと全く遜色のないフルアルバムとなりました。

楽曲的には、エレクトロサウンドを用いつつ、メランコリックな雰囲気のトラックやラップがメイン。基本的にはメロディアスな作風がメインとなっており、いつものKREVAと同様、いい意味でポップで聴きやすさを感じさせる作風となっています。特に前作「AFTERMIXTAPE」では様々な作風に挑戦しており、若干統一感の欠ける部分は感じさせつつも、それが魅力的だったのに対して、今回のアルバムは全体的に統一感のある内容に。ただ一方で、似たようなタイプの曲が多く、良くも悪くもいつものKREVAといった感じの作風になっていました。

ただ一方で、今回豪華だったのはゲスト陣。これは前作も豪華なゲストが参加していたのですが、先行シングルが多く収録されている点も影響しているのでしょうが、多くの豪華ゲスト陣が参加しています。「って」「素敵な時を重ねましょう」では女性ボーカリストのSONOMIが参加。特に「素敵な時を重ねましょう」はKREVAとのデゥオにようになって清涼感ある歌声を聴かせてくれますし、「タンポポ」では最近人気のラッパー、ZORNが参加。KREVAとは異なる声色、スタイルのラップが楽曲にインパクトを与えています。さらに「Fall in Love Again」では三浦大知が参加。安定感のある、伸びやかな歌声を聴かせてくれています。

さらに今回印象に残ったのがその歌詞。まず印象に残るのは「In the House」で、このフレーズ自体、HIP HOPにおいてよく使うスラングなのですが(「~がここに居る」という感じで使います)、そのフレーズを上手く利用しつつ、このコロナ禍での状態や不安などを読み込んでいる歌詞が印象的。途中「いつか光は差す?」と綴りながら、最後の最後で「いつか光は差すよ」と締めくくる構成も印象に残ります。また「よ ゆ う」も、冒頭、おそらくライブなどのイベントがコロナ禍で全キャンセルになった通知の電話からスタートするのですが、そうやって与えられた暇な時期を「猶予」と表現した上で「並び変えりゃ余裕」と歌い、そんな中でも前向きに進もうというメッセージを発しています。

他にも「変えられるのは未来だけ」というタイトルそのままの前向きな内容の楽曲があったり「『最初から自分から選んで、自分から狙って』」と前向きなメッセージを発する「って」や、同じく昨年コロナ禍の最中に発表されて、閉塞感のある時代の中での前向きなメッセージを綴っている「素敵な時を重ねましょう」のような曲まで、全体的にやはりこの暗い雰囲気が漂う今の状況だからでしょうか、より前向きな歌詞が目立つような感じがしました。

全体的には、上にも書いた通り、良くも悪くも似たような曲も多く統一感があるKREVAらしいと表現できそうなアルバム。シングル曲が並ぶ割りには、メランコリックな作品が多かったせいか、若干地味かな、という印象も受けたのですが、実力のある彼らしい、卒のないアルバムに仕上がっていたと思います。ファンとしてはかなりうれしかったサプライズリリース。コロナ禍の中、ライブもままならない状況で、このようなプレゼントはうれしいですね。でも、来年の9月8日は、満員のライブ会場での「908 FESTIVAL」の開催を強く望むのですが。

評価:★★★★

KREVA 過去の作品
心臓
OASYS
GO
BEST OF MIXCD NO.2
SPACE
SPACE TOUR
KX
嘘と煩悩
存在感
成長の記録 ~全曲バンドで録り直し~
AFTERMIXTAPE

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2021年9月27日 (月)

超豪華なゲスト陣が目を引く

Title:How Long Do You Think It's Gonna Last?
Musician:Big Red Machine

The Nationalのアーロン・デスナーと、Bon Iverのジャスティン・ヴァーノンによるプロジェクト、Big Red Machineの2作目となるアルバム。もともとのプロジェクトの開始は2008年のエイズ撲滅のためのチャリティ・アルバム「Dark Was The Night」への参加がきっかけだったそうですが、そこから10年が経過し、2018年にようやくセルフタイトルによる1枚目のアルバムがリリース。そしてそれから3年というスパンでこの2枚目のリリースに至りました。

この3年間、特にアーロン・デスナーを巡ってはその仕事ぶりが大きな話題となりました。ご存じの通り、今やポップス界を代表するミュージシャンとなったTaylor Swiftのアルバムへのプロデューサーとしての参加。メインカルチャーの中心にいるようなスウィフトへのアルバムに、インディーフォークという、メインカルチャーとは程遠い場所にいるアーロン・デスナーがプロデューサーとして参加したことが大きな話題になりました。

今回のアルバムは、そのスウィフトのアルバムのプロデュース作業の傍ら作成されたそうですが、その縁でしょうか、今回「Birch」「Renegade」の2曲にTaylor Swiftが参加しています。「Birch」はピアノの幻想的な音色に打ち込みのリズムも加わった幻想的な作風で、Bon Iverの楽曲の延長線上に位置するようなインディーフォークな作品。こちらは主にコーラスに参加しているゲスト的な役割になっているのですが、一方、もう1曲の「Renegade」は彼女のボーカルをメインに据えられたフォーキーな作品。スウィフトのファンでも楽しめそうな、ポップな作品になっており、耳を惹きます。

このTaylor Swiftがゲストとして参加しているだけでも目を引くのですが、とにかく豪華なゲスト陣が特徴的な作品になっています。ほかにFleet Foxesも参加しており、こちらも日本の音楽ファンにもおなじみな面子。他には、WEEZERやSam Smithにも楽曲提供を行い、売れっ子になってきているソングライターのIlseyや、イギリスで人気のシンガーソングライター、Ben Howard、グラミー賞を獲得したことあるアメリカのフォークシンガー、Anaïs Mitchellに同じくアメリカのシンガーソングライターSharon Van Ettenなどなど、彼らの人脈の広さを感じさせます。ちなみに今回のアルバムタイトルはTaylor Swiftが名付けたそうです。

さてそんな豪華ゲストを集めた今回のアルバムですが、フォークからエレクトロ、ヘヴィーなロック路線までバラエティー富んだ前作と比べると、全体的にメランコリックなメロディーラインが耳を惹くフォーキーな雰囲気の作品にまとまっており、多彩なゲストが参加しているためあえてでしょうか、逆に全体的には前作より統一感を持った作品に仕上がっていました。

もっとも一言でフォーキーな雰囲気といっても、そこは多彩なゲストが参加した作品なだけに様々な切り口の音楽を楽しませてくれます。前述の通り、Taylor Swiftが参加した「Birch」ではインディーフォーク的な作風に仕上げていますし、同じく「Hoping Then」なども打ち込みも入れて幻想的かつ実験的なサウンドを感じさせるインディーフォーク的な作品になっていますし、かと思えば、Fleet Foxesが参加した「Phoenix」などはノスタルジックな感もあるフォーク路線。「The Ghost of Cincinnati」なども、アコギ一本で哀愁感たっぷりのメロディーラインを聴かせてくれており、まさに70年代フォークをそのまま体現化したような作品になっています。

また「Easy to Sabotage」はギターロック的な作品になっていますし、「Hutch」に至っては、荘厳的でゴスペルの要素も感じさせる作品になっているなど、全体的にフォークな要素で統一されているとはいえ、音楽的なバリエーションを感じさせる作品も楽しむことが出来ます。また「Mimi」みたいな軽快なポップチューンも耳を惹きます。こちらはゲストのIlseyが作家陣としても参加しており、売れっ子ライターの彼女の実力を垣間見れるメロディーラインの妙が楽しめます。

そんな豪華なゲストがフォーキーな作風をベースに、様々な音楽を楽しませてくれる本作ですが、前作に引き続き、やはり特筆すべきはデスナーとヴァーノンの書くメロディーラインの美しさ。とにかくポップで美しく耳を惹くメロディーラインの連続で、多彩なゲスト以上やサウンド以上に、まずは歌とそのメロディーに耳がいく作品になっており、最後まで耳の離せない内容になっています。基本的にはデスナーがメロディーとプロデュースの主体となっているのですが、ヴァーノンも要所要所でその個性を発揮しており、そういう意味では前作同様、2人の持ち味がいい形でバランスされた作品にもなっていたように感じます。前作に引き続きの傑作アルバムですし、今年を代表する1枚とも言えるかも。2人の才能をあらためて実感した作品でした。

評価:★★★★★

Big Red Machine 過去の作品
Big Red Machine

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2021年9月26日 (日)

骨太なロックが魅力のガールズロックバンド

Title:ACHATTER
Musician:Hump Back

大阪出身の3ピースガールズロックバンド、Hump Backの約2年ぶりとなる2枚目のフルアルバム。最近増えてきた女性オンリーのロックバンドの一組で、かついわゆるチャットモンチーのフォロワーの一組。彼女については前作「人間なのさ」ではじめてその音源に触れたのですが、ただ、他のガールズロックバンドと明らかに異なる方向性の骨太なロックサウンドを聴かせてくれており、個人的には一気に注目のバンドの一組となりました。

今回の作品も1分に満たないオープニング的な1曲目「宣誓」も、続く2曲目「番狂わせ」で、往年のブルーハーツを彷彿とさせる疾走感あるノイジーなギターサウンドからスタートするパンクロックチューンで、ギターロック好きなら間違いなくワクワクするようなサウンドが耳に飛び込んできますし、その後も「ヘイベビ」「きみは春」など、疾走感ありパンキッシュなギターロックの作品が続きます。前作「人間なのさ」はもっとブルースロック色が強かったのですが、今回の作品はサウンド的にはパンクロック、あるいはメロコアあたりの影響も強く感じさせる楽曲が多かったように感じます。ただ「遊覧船」などのようにヘヴィーでブルージーなギターサウンドを聴かせる曲もあったりして、前作同様、全体的にバンドとしての足腰の強さを感じさせる曲が並んでいました。

また、前作に引き続き、やはり今回も歌詞の側面でも印象的な曲が並びます。「令和!僕たちは新しい時代の先駆けです」とタイトル通り、今のミュージシャンとしての宣誓を行う、冒頭の「宣誓」からスタートし、続く「番狂わせ」では「しょうもない大人になりたいわ/どうせなら番狂わせ」と言う歌詞も、若々しさを感じさせ、かついかにもロックバンド然とした彼女たちらしさを感じます。また歌詞が印象的という意味では「新しい朝」も若々しい、これからのミュージシャンである彼女たちらしい歌詞。

「今はできないけど 明日にはやってみよう
騒がしいあの頃が 懐かしく思う頃
僕らは少し大人になる」
(「新しい朝」より 作詞 林萌々子)

ある意味、非常に若いということに自覚的かつ前向きであり、その上、地に足がついた歌詞は、おじさん世代から見ても初々しさと同時に、ある種のたくましさも感じます。そんな若々しさを感じる反面、一方では「遊覧船」のようなどこか郷愁感があり、ブルージーな雰囲気すら歌詞には一種の老成さも感じます。ここらへんの若さと、逆に若いだけのバンドではお目にかかれないような意外な老成さが彼女たちの大きな魅力のように感じます。かと思えば、軽快なポップチューンの「マイユー」みたいに、ガールズバンドらしいかわいらしさも垣間見せたりと、アルバムの中にバンドとしての様々な側面を垣間見ることが出来る幅の広さが、彼女たちの大きな魅力に感じました。

個人的には、ガールズバンドという枠組みを超えて、若手では珍しい骨太なロックバンドとして注目株の彼女たち。今回はパンクロック寄りに寄った作品に感じましたが、そんな中でも間違いなく彼女たちの魅力を感じさせてくれる傑作だったと思います。これからがますます楽しみになってくる2枚目でした。

評価:★★★★★

Hump Back 過去の作品
人間なのさ
大阪城ホール単独公演”拝啓、少年少女たちよ”


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2021年9月25日 (土)

プロの仕事

Title:リリシスト 〜山川啓介ソングブック

今回紹介するのは、2017年に72歳で亡くなった作詞家山川啓介が手掛けた作品をまとめたオムニバスアルバム。歌謡曲を中心に、数多くのヒット曲を手掛けてきた彼ですが、そのほかにも特撮モノの主題歌や、さらには井出隆夫名義でNHK教育テレビの「おかあさんといっしょ」や「みんなのうた」の曲も数多く手がけてきており、そのため、世代を超えて彼の曲に親しんだ方も少なくないのではないでしょうか。

今回のこのオムニバスアルバムでは、彼の作品がCD5枚にテーマ別にまとめられ、歌謡曲のヒット曲から、Eテレで慣れ親しんだ子供用の曲までが区別なく収録されています。そのため、私にとっても非常に聴きなじみのある曲も少なくありません。リアルタイムの世代とはちょっと異なるものの、歌謡曲のヒット曲でもおなじみの曲が多く「聖母たちのララバイ」「銀河鉄道999」、中村雅俊の「ふれあい」などは私の世代でもよく知っている曲ですし、特になじみのあるのは青い三角定規が歌った「太陽がくれた季節」。確か中学生の教科書に載っていて、音楽の授業で歌ったナンバーで、ある意味、その当時でもベタベタに感じられた青春ソングが、逆に強く印象に残っていました。

ただ、やはり彼の曲で一番なじみがあるといえば、子供向けの曲の数々で、個人的には特に、懐かしいNHK教育テレビの教育番組「たんけんぼくのまち」の主題歌が収録されているのは、あまりに懐かしくて感涙もの・・・この番組、小学校三年生の時に、大好きな番組だったんだよなぁ。その他にも「北風小僧の寒太郎」や「ありがとう さようなら」「そうだったらいいのにな」「ちょんまげマーチ」や、さらには懐かしい「にこにこぷん」の主題歌も彼が手掛けていたのか、というのにも驚かされました。特に、「おかあさんといっしょ」で使用された曲や、同じくEテレの「にほんごであそぼ」で歌われている「恋そめし」などは自分の娘にもなじみのある曲で、彼の手掛けた音楽が、世代を超えて広く親しまれていることを感じさせる幅広さでした。

しかし、これだけ幅広く、様々なヒット曲を手掛けた彼ですが、実はその作詞家「山川啓介」という名前は、どこかで見た覚えがある・・・という程度で、はっきりとその存在を認識したのはこのオムニバスアルバムがはじめて。ほとんど彼について認識がありませんでした。これだけ多くのヒット曲を手掛けていながら・・・と不思議にも感じるのですが、今回のオムニバスアルバムを聴いて、なんとなくその理由がわかるような気がしました。

もちろん、Eテレ系の曲を中心に、井出隆夫名義で作詞を行っているから、という理由もあるのですが、いまひとつ彼の名前を認識しなかった理由のひとつが、彼が、作詞家として非常にスタンダードで癖のない作風が特徴的だから、と感じてしまいます。例えば有名な作詞家として、松本隆の場合は、ご存じの通り、「風街」という歌詞の大きな特徴がありますし、例えば「木綿のハンカチーフ」のように、特徴的な歌詞に「誰がこれを書いたんだろう」と感じるような曲も少なくありません。また、秋元康の場合には、いかにも今風な単語を選択するセンスが良くも悪くも独特。こちらも歌詞を読めば、なんとなく彼らしさを感じる曲が少なくありません。

一方で、山川啓介の場合は、そのような癖のあるような歌詞はほとんどありません。少なくとも、歌詞を見て「誰が書いたんだろう?」と気になるような曲はほとんどありません。しかし、それは必ずしも彼の書く歌詞が劣っているという訳ではないでしょう。実際に、「太陽がくれた季節」にしろ「北風小僧の寒太郎」にしろ、彼が作詞を手掛けた代表曲を口ずさむと、歌詞も自然に口から出てきます。それだけ歌詞は十分なインパクトを持っている訳です。

ある意味、曲を変に邪魔をしない、癖のない王道路線の歌詞を書いてくるという点、彼のプロとしての仕事ぶりを感じさせます。また、そういう変な癖のない歌詞を書いてくるからこそ、子供用の曲やEテレの曲に彼の歌詞が重宝されたようにも感じます。また、今回のオムニバスアルバムでは、外国曲の訳詞も多く手がけているため、それだけで1枚のCDとして収録されているのですが、外国曲の訳詞が多いのも、曲を下手に邪魔するような歌詞を書かない、彼のプロとしての仕事ぶりがあったからこそ、のような印象を受けました。

そんな彼のプロとしての仕事ぶりを十分に感じられるオムニバスアルバム。おそらく非常に広い世代に耳なじみのある名曲が揃っていますので、広い世代にお勧めできる作品。特にEテレ系の曲には懐かしさを覚える人も少なくないかも?個人的にもはじめて彼の仕事ぶりを触れたのですが、あらためて惜しい作詞家を亡くしたことに気が付かされました。あらためて、ご冥福をお祈りします。

評価:★★★★

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2021年9月24日 (金)

「革命」が起きた時

今回もまた、先日見てきた映画の感想です。

今回見てきたのは、特にブラックミュージックのリスナーで話題となっているドキュメンタリー映画「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」でした。この映画は、1969年の6月から8月にかけて、ニューヨークはハーレムにあるマウント・モリス公園で行われた「ハーレム・カルチュラル・フェスティヴァル」という野外イベントの模様を映画化したもの。監督は、かのHIP HOPグループTHE ROOTSのドラマーであり、プロデューサーでもあるクエストラヴことアミール・トンプソンが手掛けたもの。彼にとっては映画初監督作品だそうです。もともと映像化を予定し、ライブの模様は収録されていたのですが、結局商品化されることなくお蔵入りされていました。そのライブ映像はかなり膨大に及ぶものだったそうですが、そんな貴重な映像をあらためて掘り起こし、再編集。今回、映画として約2時間の作品にまとまりました。

このライブ映像、とにかく豪華な出演者陣が魅力的で、若き日の、どころかある種の「幼さ」すら残しているスティーヴィー・ワンダーをはじめ、脂ののりきったB.B.キング、マヘリア・ジャクソンにステイプル・シンガーズ、ニーナ・シモンやグラヴィス・ナイト&ザ・ヒップス、さらにはスライ&ザ・ファミリーストーンなどなど。まさにその当時を代表するヒットメイカーたちが揃った超豪華なラインナップ。さらにはアフリカ系やラテン系のグループまで加わり、R&B、ソウルに留まらない、幅広いミュージシャンたちが参加していました。

Summerofsoul  時代的にも多くのミュージシャンたちにとって脂ののった時期のパフォーマンスですから、ただただその迫力ある演奏に見入ってしまいます。特に印象的だったのはスライ&ザ・ファミリーストーンで、まさにのりののっている彼らのファンキーなパフォーマンスは、以前聴いたことある彼らのCD音源とは全く比較にならないくらい迫力にあふれているもの。ゴスペルの女王と言われるマヘリア・ジャクソンのパフォーマンスも、既にこの時期は晩年にさしかかっている彼女ですが、ステイプル・シンガーズのメイヴィス・ステイプルズの力を借りつつ、そのパワフルなボーカルに全く衰えはなく、その歌唱力には圧倒されます。

非常に興味深いのは、この日のステージ、比較的ポップ寄りと目されているミュージシャンたちも登場するのですが、オリジナル音源よりもソウルフルなパフォーマンスを聴かせてくれます。フィフス・ディメンションは白人グループに間違われるほどのポップ寄りの路線を普段は取っていながらも、この日のパフォーマンスではよりソウルフルな彼女たちの演奏が楽しめますし、テンプテーションから独立したばかりのデイヴィッド・ラフィンはスタンダードナンバー「My Girl」を聴かせてくれるのですが、こちらもオリジナルよりもソウルなアレンジに。どちらもブラックミュージシャンとしての矜持を感じさせるパフォーマンスを聴かせてくれます。

また、映画として見ていて楽しかったのはブラック系のミュージシャンたちはみんな、非常におしゃれに着飾って、パフォーマンスを含めてしっかりと「魅せる」ステージを演じており、そういう意味で音楽それ自体以上に、見ていてとても楽しめるパフォーマンスだったということでした。

途中にはラテン系やアフリカ系のミュージシャンも加わり、そんな魅力的なパフォーマンスが次から次へと登場してくるわけで、パフォーマンスに魅了されつつ、「次はどんなミュージシャンが出てくるんだろう?」とドキドキワクワクしながら見ることが出来た、あっという間の2時間でした。

ただ一方、純粋にライブ映像のみを期待して見に来たとしたら、少々違和感を覚える構成だったかもしれません。というのも本作は、ライブ映像がメインというよりも、むしろこのライブの成り立ちやライブの背景にある当時のアメリカの黒人社会をめぐる状況などが、関係者のインタビューなどを中心に構成され、その合間にライブ映像が挟まるような構成になっており、映画としては「ライブ映画」というよりは、むしろ「ドキュメンタリー映画」と言える内容になっているからです。

そのためライブ映像が他の映像や関係者の証言と重なるように入っていたり、1曲のパフォーマンスが途中で切れたりと、「ライブ自体をしっかりと見せてくれよ!」と思うこともあるかもしれません。しかし、これはおそらく、そういう音楽ファンの欲求を理解した上で、この野外ライブの意味を考えた時に、しっかりとその背景にある、1969年当時のアメリカの黒人をめぐる状況について解説しないといけない、という考えがあった上での構成だったのではないでしょうか。このライブは、その当時、公民権運動で黒人の社会的意識が変化していく中、彼らが「ブラック」として誇りを持つ中で、自分たちの音楽を演奏する場所を自分たちの手で開催した、まさにサブタイトルの通り、「革命」であった、ということを強く訴えかけてきます。

しかし残念ながら今日、このライブイベントはほとんど「忘れられたイベント」になりつつあります。実際、「ポップス史」を書いた本でこのライブのことが取り上げられたのを読んだ記憶はありませんし、私も今回、この映画になってはじめてこのライブイベントのことを知りました。クロージングの中で「このライブは歴史的に重要なものではないとされた。本当に歴史的に重要なものだからだ」という逆説的かつ皮肉的な言及がされましたが、確かに、こういうイベントが完全に無視されている時点で、ポピュラーミュージックの歴史においても、まだまだ白人視点からの歴史観が強いことを実感させられました。ライブパフォーマンスを心から楽しめた一方、様々なことを考えさせられる映画でもありました。

そんな訳で、ブラックミュージックが好きならば、間違いなくチェックしてほしい映画。ただ、この映画を通じてクエストラヴが訴えたいことは重々理解できたのですが、一方やはりライブパフォーマンスだけをもっと見てみたい!!ここらへん、DVDになった時に、ライブパフォーマンスだけをボリュームたっぷりに収録したボーナスディスクとか発売されないかなぁ。そんな期待もしたくなる、素晴らしいライブ映像の連続でした。

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2021年9月23日 (木)

ベテラン勢が1位2位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は上位にベテラン勢が並ぶチャートとなっています。

まず1位初登場は桑田佳祐「ごはん味噌汁海苔お漬物卵焼き feat.梅干し」。ある意味、彼らしいともいえるユニークなタイトルの本作は全6曲入りの、彼にとって初となるEP盤。CD販売数及びダウンロード数で1位獲得。PCによるCD読取数も2位にランクインし、総合順位でも見事1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上9万7千枚で1位初登場。前作「がらくた」の初動16万8千枚(1位)からはさすがに大きくダウン。ただ、これで彼は「昭和・平成・令和」の3時代及び「80年代、90年代、00年代、10年代、20年代」の5年代連続でアルバム1位獲得になったそうで、3時代は矢沢永吉、竹内まりやに続き3組目、5年代は松任谷由実に次ぐ史上2組目の記録だそうです。5年代連続はさすがにすごい記録ですが「昭和・平成・令和」の3時代は、ミュージシャン寿命が延びている今、比較的続発しそうな感はあります・・・。

2位はスピッツ「花鳥風月+」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数24位、PCによるCD読取数10位。1999年にリリースした、シングルのカップリング曲や他のミュージシャンへの提供曲のセルフカバーを集めたアルバム「花鳥風月」に、1990年にリリースしたインディーズ時代のミニアルバム「ヒバリのこころ」の収録曲を含めたアルバム。オリコンでは初動売上1万9千枚で2位初登場。直近作でオリジナルアルバムの「見っけ」の初動7万7千枚(2位)からはさすがに大きくダウンしていますが、過去作のリメイクにしては十分健闘という感じで、彼らの根強い人気を感じさせる結果となりました。

3位はOfficial髭男dism「Editorial」が先週から同順位をキープ。CD販売数は6位までダウンしているものの、ダウンロード数は4位、PCによるCD読取数は1位を獲得し、総合順位では見事ベスト3入りです。

続いて4位以下の初登場盤。まず4位には「Death Unto Dawn:FINAL FANTASY XIV Original Soundtrack」がランクイン。タイトル通り、「FINAL FANTASY XIV」のサントラ盤ですが、同作は「パッチ5.1 白き誓約、黒き密約」から「パッチ5.5 黎明の死闘」までの5.xシリーズより84曲を収録しているのですが、Blu-ray Audioでのリリースとなっています。CD販売数8位、ダウンロード数2位。オリコンでも1万1千枚を売り上げるあたりに根強い人気を感じさせますが、「FF XIV」関連の音源では「Pulse:FINAL FANTASY XIV Remix Album」の初動7千枚(9位)よりアップしています。

5位には女性声優3人組によるユニットTrySail「Re Bon Voyage」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数13位、PCによるCD読取数23位。オリコンでは初動売上8千枚で5位初登場。前作「TryAgain」の1万3千枚(8位)よりダウンしています。

6位にはお笑いグループのEXITによるデビューアルバム「GENESIS」が初登場。CD販売数及びダウンロード数で7位。オリコンでは初動6千枚で8位初登場。お笑い芸人でネタとしてではなくアルバムを出すケースはたまにありますが、これだけヒットを飛ばすあたりに人気のほどが感じられます。

8位初登場は「ジャックジャンヌ VOCAL COLLECTION」。CD販売数は3位にランクインしたものの、ダウンロード数は圏外、PCによるCD読取数も13位に留まり、総合順位はこの位置に。Nintendo Switchソフト「ジャックジャンヌ」内に登場する楽曲を集めたアルバム。オリコンでは初動売上7千枚で6位初登場。

最後9位には韓国の男性アイドルグループNCT127「Sticker:NCT 127 Vol.3」がランクイン。輸入盤について、配信分のみのランキングとなっており、ダウンロード数3位で、総合順位はベスト10入りとなりました。

一方ロングヒット盤ですが、BTSの「BTS,THE BEST」は11位にダウン。ベスト10ヒットは通算12週でストップとなっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2021年9月22日 (水)

新たなロングヒットの兆しが・・・

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まず今週1位はまたもジャニーズ系が獲得です。

1位はジャニーズ系Kis-My-Ft2「Fear」が獲得。テレビ東京系ドラマ「ただ離婚してないだけ」主題歌。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、Twitterつぶやき数3位、ストリーミング数34位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上13万枚で1位初登場。前作「Luv Bias」の21万4千枚(1位)から大きくダウンしています。

2位にはYOASOBI「大正浪漫」が初登場でランクイン。NATSUMIによる小説「大正ロマンス」を原作とする配信限定のニューシングル。ダウンロード数では見事1位を獲得しているほか、You Tube再生回数でも8位を獲得。ほか、ストリーミング数20位、ラジオオンエア数19位、Twitterつぶやき数16位を獲得しています。YOASOBIは長らく「夜に駆ける」と「怪物」がロングヒットを続けていましたが、両曲ともベスト10落ちしてしまっており、本作が唯一のベスト10ランクイン作。今後、ロングヒットになるのでしょうか?

そして3位にはback number「水平線」が先週と同順位をキープ。ストリーミング数は今週も1位を獲得。ダウンロード数は3位から5位、You Tube再生回数は14位から16位にダウンしたものの、ベスト3をキープしました。まだベスト10入りは通算6週目ですが、今後のロングヒットにつながりそうな予感がします。

今週は、この「新たなロングヒットの兆し」が感じられたチャートになっており、そのうち1曲がその「水平線」。そしてもう1曲が先週と変わらず4位をキープしたOfficial髭男dism「Cry Baby」でしょう。ストリーミング数は先週の4位から3位にアップ。ダウンロード数も2位からダウンしたものの3位にランクイン。You Tube再生回数も10位から9位にアップと強さを感じさせます。これでベスト10ヒットは通算13週目に。ベスト3一歩手前で足踏みしてしまいましたが、来週以降、ベスト3ヒットも十分ありえそうです。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週は1曲のみ。8位に三代目J SOUL BROTHERSのメンバーである岩田剛典の初となるソロシングル「korekara」が獲得。CD販売数2位、ダウンロード数55位、ラジオオンエア数28位、PCによるCD読取数15位、Twitterつぶやき数24位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上4万7千枚で2位に初登場しています。

さて、そのほかのロングヒット曲ですが、まずはBTS。今週「Butter」は2位から5位にダウン。You Tube再生回数の1位、ストリーミング数の2位は先週の同順位をキープしたものの、ダウンロード数が16位から18位にダウンするなど、全体的には下落傾向になりました。これで18週連続のベスト10入り。「Permission to Dance」は先週からワンランクダウンの5位。こちらはストリーミング数が3位から4位にダウンする一方、You Tube再生回数は3位から2位にアップ。これで11週連続のベスト10ヒットに。また「Dynamite」は7位から9位にダウン。こちらは通算55週目のベスト10ヒットとなりました。

優里「ドライフラワー」は先週からワンランクダウンの7位。これで44週連続のベスト10ヒット。さすがに失速気味ですが、ここに来て、ストリーミング数は6位から5位にアップ。カラオケ歌唱回数は今週も1位をキープ。You Tube再生回数は6位から7位にダウンし、ダウンロード数は8位から16位に今週急落しているものの、まだまだ強さを感じます。来週以降、盛り返すのか、それとも?

今週のHot100は以上。一方、残念ながら藤井風「きらり」は12位、Ado「踊」も11位といずれもベスト10からランクダウン。前者は通算10週、後者は通算12週で、とりあえずベスト10はストップです。明日はHot Albums!

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2021年9月21日 (火)

ジャケはおどろおどろしいが・・・

Title:Any Shape You Take
Musician:Indigo De Souza

アメリカ、ノースカロライナ州はアシュビル出身の女性シンガーソングライター、Indigo De Souzaの2枚目となるニューアルバム。最近、徐々に注目を集めているそうで、このアルバムも各種メディアで高評価を獲得し、一気に期待のシンガーソングライターの仲間入りを果たしたそうです。

ただ、まず気になってしまうのは、そのあまりに不気味すぎるジャケット写真。まず100%、ジャケ買い(・・・ってもう「死語」なのかもしれませんが)されなさそうなジャケット。曲名リストにも「Darker Than Death」「Die/Cry」「Bad Dream」などといった、いかにもおどろおどろしいタイトルが並んでいます。人によっては、かなり聴いてみるのを戸惑ってしまうのではないでしょうか(人によっては、むしろ聴いてみたくなる??)。

しかし、このおどろおどろしいジャケット写真に反して、楽曲自体は意外とメロディアスで聴きやすいポップな曲調の作品が並びます。冒頭を飾る「17」もキュートなボーカルとポップなメロディーラインが印象的なエレクトロポップで、ジャケットのイメージからすると、かなり意外な雰囲気の楽曲からスタートします(逆に、ジャケットを見て聴いてみようと思った方には物足りないかも?)。

さらにアルバム全体としては、「エレクトロポップ」という様相の1曲目の方向性ともちょっと違っており、むしろオルタナティブ系のギターロックの王道を行くような作品となっています。上にも書いた「Die/Cry」もメロディアスなギターロックに仕上がっていますし、「Bad Dream」もタイトルの通り、ダウナーな雰囲気の作風なのですが、こちらもヘヴィーなギターを軸に置きつつ、ポップなメロを聴かせるギターロック。終盤の「Way Out」なども、ダイナミックなバンドサウンドを前に押し出しつつ、メロディアスな歌を聴かせるスタイルは、オルタナ系ギターロック好きには、かなり壺にはまるのではないでしょうか。

一方では冒頭の「17」をはじめ、「Pretty Pictures」「Hold U」などでは打ち込みのサウンドも効果的に使用。ちょっとドリーミーな雰囲気も加わったり、曲にバリエーションを持たせたりする効果を出しています。ここらへんのバンドスタイルにこだわらない作風は、いかにもソロのSSWらしい感じもしますし、また、宅録っぽいといった感も受けます。そのジャケットの雰囲気とは異なり、全体的には比較的広い層のリスナーが楽しめるポップなアルバムに仕上がっていました。

また、「Darker Than Death」「Die/Cry」などといったタイトルの曲も、決してデスメタル的なおどろおどろしさのある歌詞ではなく、「Darker Than Death」では死ぬより暗い顔をしている恋人(?)に対して、「私が何か言ってしまったの?私が何かしてしまったの?」と語りかける、どちらかというと非常に悲しい感じの歌詞。「Die/Cry」も「あなたが泣くのを見るくらいならば、私は死んだほうがまし」と歌うような歌詞になっており、ジャケや楽曲タイトルとは少々イメージの異なる作風になっており、そういう意味ではメロディアスで、時としてキュートと感じられる歌にマッチした世界観と言えるかもしれません。

このように、基本的に非常にポップな作風で、いい意味で聴きやすい内容でしてので、ギターロック好きを中心に、広い層に文句なしにお勧めできる作品。特に女性ボーカルのオルタナ系ギターロック好きなら、文句なしに聴いてほしい1枚だと思います。まだ本作が2枚目という、これからのミュージシャン。今後の活躍に期待です。

評価:★★★★★

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2021年9月20日 (月)

貴重なライブ音源

Title:The Capital Session '73
Musician:Bob Marley & the Wailers

主に1970年代に活躍。レゲエ音楽の先駆者として、そのサウンドを世界中に広め、かつ世界的な人気を集めたボブ・マーリー。今なお、レゲエというジャンルを超えてポピュラーミュージックのレジェンドとして、その楽曲が聴き継がれています。本作は、そんなボブ・マーリーが、彼のバンド、ザ・ウェイラーズを率いて1973年10月24日にハリウッドのキャピタル・レコード・タワーで行われた非公開のライブ音源を収録したアルバム。レオン・ラッセルやプロコムハムルなどを手掛けたプロデューサー、デニー・コーデルが4台のカメラを使い撮影したものの、映像はリリースに至らず、映像も長い間、失われたもの思われてきました。しかし、その映像の一部が見つかったことから、20年にも及ぶ調査が開始され、ついに映像が発掘。今回、リリースに至りました。本作はDVDも同時リリースとなりましたが、今回はライブ音源を聴いてみました。

今回、当サイトでボブ・マーリーのアルバムを取り上げるのははじめてとなります。個人的にも1975年にリリースされ、名盤として名高い「Live!」は聴いたことはあるのですが、彼の音源で聴いたことあるのはそのくらいで、今までも積極的に彼のアルバムを聴いてきた訳ではありません。とはいえ、伝説的なミュージシャンである彼の貴重なライブ音源がリリースされた、ということで今回、このライブアルバムを聴いてみることにしました。

まず本作を聴いて感じたことは、予想以上に音が良いということ。70年代に録音されたライブ音源で、なおかついままでその音源が失われていた、という状況にも関わらず、ライブ音源を聴いていると、今、そのライブをリアルタイムで聴いているかのような臨場感ある演奏を楽しむことが出来ます。当時も、それなりの技術を持って録音していた影響か、それとも現在のリマスター技術のすごさか・・・少々驚かされました。

そしてボブ・マーリーの音源を、いままで積極的に聴いてこなかった私ですが、本作は聴いていて予想以上に心地のよい音源であり、すっかりとボブ・マーリーの世界に魅了される結果となりました。

今、おそらく日本でレゲエと言えば、湘南乃風あたりに代表されるような、海辺で、派手でやんちゃな兄ちゃんや姉ちゃんが聴いているような、ネットスラングで言うところの「ウェイ系」が好んで聴く音楽、というイメージがあるのではないでしょうか。ただ一方で、音楽ファンにとっては、Fishmansに代表されるような、「文系的」といってもいいでしょうか、コアな音楽リスナーが好んで聴くジャンルにもレゲエを取り入れたミュージシャンが少なくないことも承知の事実かと思います。

ボブ・マーリーのアルバムを、今回あらためて聴きこんでみると、彼の音楽はそんな「ウェイ系」的な、みんなで楽しめるパーティーのり的な要素も、「文系」的な、コアな音楽リスナーに遡及するような要素も、両方とも兼ね備えているということに今回、あらためて気が付かされました。例えば「Duppy Conqueror」などは、明るくメロディアスで、陽性の強いポップチューンになっており、まさに湘南乃風的な音楽につながるような作風にも感じます。一方では、「Rastaman Chant」はゆるいグルーヴィーなサウンドが心地よく、まずはその音楽的な要素を楽しめる作品になっていますし、「Get Up Stand Up」も社会派な歌詞はもちろん、そのグルーヴィーなサウンドがFishmans的な音楽につながる要素を強く感じます。

あらためてこういった形で彼のライブ音源を聴くと、確かに今につながる様々な音楽的な要素を兼ね備えており、非常に魅力的な内容。レジェンドとして、今なお多くのミュージシャンに影響を与える理由もいやというほど納得させられる内容でした。もちろん、ライブ音源として聴いていて素直に気持ちよさを感じますし、ただただそのグルーヴに身をゆだねていたい、そう感じさせる内容でした。いままであまり彼の音源は聴いてこなかったのですが、これを機に、他の「名盤」と言われる作品も聴いてみようかなぁ。今の世代にも是非聴いてほしい、素晴らしいライブ音源でした。

評価:★★★★★

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2021年9月19日 (日)

驚異の大ヒット作

Title:Certified Lover Boy
Musician:Drake

先日、Kanye Westがリリース後1日の驚異的なストリーミング回数を記録した、というニュースをここでも取り上げました。その時点で、Kanye Westのニューアルバム「Donda」がSpotifyで2021年において24時間で最も再生アルバムと認定されたのですが、それからわずか1週間もしないスパンで、その記録がDrakeにより更新。リリース当日のイギリスのシングルチャートでは1位から21位まで彼の曲で独占されるというとんでもない記録も打ち立てたりしています。

一部のミュージシャンに極端に人気が集中してしまう傾向にはちょっと気になる部分はあるのですが、Drakeのニューアルバムを聴くと、確かにその絶大な人気の理由もわかるように感じます。ジャンル的にはもちろんHIP HOPながらも、アルバム全体に流れるのはメランコリックな歌。JAY-Zをゲストに迎えた「Love All」も、その歌声が耳に残りますし、特に印象的なのがピアノをバックに女性シンガーYebbaがメロウに歌い上げる「Yebba's Heartbreak」。Yebbaの切ないボーカルも印象的ですし、ピアノ1本で美しく奏でるトラックも強く心に残る楽曲に仕上がっています。また、少々不気味な雰囲気を醸し出すエレクトロトラックをバックにメロウに歌い上げる「Fucking Fans」もその歌がまずは印象に残ります。

もちろんDrakeのラップ自体もまるで歌うようなスタイルがメインとなっており、しっかりとポップに聴かせてくれます。そんな「歌うようなラップ」といえば、トラップのリズムをバックに聴かせる「TSU」や哀愁感たっぷりのピアノをバックに哀しげなラップを聴かせる「Knife Talk」あたりでしょうか?またKid Cudiをゲストに迎えた「IMY2」もドリーミーなサウンドをバックにメランコリックに聴かせるラップが印象的です。

また、そんな全体的にポップにまとめあげつつ、トラップのリズムも積極的に取り入れ、特に「Fair Trade」ではTravis Scott、「Way 2 Sexy」ではFutureとYoung Thugとトラップの代表格とも言えるラッパーとも前作に引き続きしっかりとコラボ。まあ、トラップもヒットシーンの中心に躍り出てからもう久しいのですが、そこらへんも今の音の壺はしっかりと押さえた作品に仕上げていました。

正直言って、全体的には決して目新しさもなく、いつものDrakeといった印象も受けます。ただ、メランコリックでポップな作風はいつも以上に冴えわたっており、個人的にはここ最近の作品ではもっとも出来の良い傑作に仕上がっていた印象を受けます。1時間20分というかなりのボリュームだったのですが、最後まで飽きることなく楽しむことも出来ました。もっとも、カニエのアルバムみたいに、あと20分近く長かったら、さすがに飽きてきそうにも思うので、そういう意味ではちょうどよいバランスだったようにも思います。おそらく、特に売上という面では今年を代表する1枚となった本作。しかし、その理由も納得の、いい意味での聴きやすさのあるアルバムでした。

評価:★★★★★

DRAKE 過去の作品
Thank Me Later
TAKE CARE
Nothing Was The Same
If You're Reading This It's Too Late
VIEWS
More Life
SCORPION
Care Package
Dark Lane Demo Tapes


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2021年9月18日 (土)

素性不明の話題のシンガー

Title:the meaning of life
Musician:yama

もともとは動画投稿サイトへの歌唱動画の投稿、いわゆる「歌い手」として注目をあつめ、2020年にリリースした「春を告げる」が大ヒットを記録。ここ最近、急激に注目を集めているシンガー、yama。年齢、出身地、素顔も一切明かしていない「謎の」シンガーなのですが、おそらく声色を聴く限りだと20代の女性シンガーだと思われます。今回はそんな彼女の初のフルアルバム。注目を集めているシンガーということもあって、はじめてアルバムを聴いてみました。

ただ、アルバムの感想として率直に言ってしまうと、特に前半、なんで動画サイト発のミュージシャンって、1から10まで似たようなタイプの曲が多いんだろう・・・と思ってしまいました。彼女の場合は、彼女が作詞作曲を手掛けているわけではないのですが、作詞作曲を手掛けているのはボカロPがメイン。マイナーコード主体のメランコリックなメロディーラインにハイテンポなリズム、歌詞は内省的な歌詞がメインで、似たような方向性を感じてしまいます。今回のアルバムも特に序盤、「ランニングアウト」「血流」と、いかにもボカロ系と感じさせるような曲が続いており、正直なところ、悪くはないけどいまひとつかなぁ、という印象は否めませんでした。

もっとも、比較的中盤以降、なかなか耳を惹く楽曲も並んでいました。まず「カーテンコール」はピアノやシンセを取り入れたメランコリックな作風。マイナーコード主体のメロは他の曲と同様、いかにもな感もあるのですが、ちょっとジャジーな雰囲気もあるピアノの音色によって、AORの雰囲気を感じさせる作風になっています。

同じく「クローバー」もメランコリックで爽快感あり、ちょっとジャジーな要素も加わったサウンドはシティポップ的な要素も感じます。後半に関しても、前半と同様の内省的な歌詞やメランコリックなメロディーラインは目立つものの、AORやシティポップ的な雰囲気を感じさせるような曲調が目立ち、そこは彼女なりの個性のように感じました。

肝心のボーカリストとしての側面ですが、ちょっとかすれた感のあるボーカルも耳を惹きます。冒頭に「女性ボーカル」と書いたのですが、ある意味、中性的にも感じられるボーカルで(さすがに男性ということはないと思うけど)、ちょっとくすんだ寂しげな感のあるボーカルはボカロ的な曲調の世界観にもピッタリとマッチしています。まあ、だからこそ、彼女が人気を集めたのかもしれませんが。

基本的にはSSWではなくボーカリストなだけに、今後、どのような方向性に進んでいくのかは不明確な部分もあるのですが、どのような成長を遂げていくのかは楽しみな部分もあります。もうちょっと「いかにもボカロP」という枠組みからはずれる曲があれば、もっと面白いと思うのですが。

評価:★★★★

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2021年9月17日 (金)

メランコリックな打ち込みの楽曲が目立つ

Title:FATE
Musician:ビッケブランカ

約1年半ぶりとなるビッケブランカのニューアルバム。このアルバムリリースに先立ち、「HEY」「BYE」という2枚のEPをリリースした上での、ある意味、満を持してのリリースとなりました。前作「Devil」は軽快でユニークなポップスが並ぶ傑作アルバムで、昨年の私的年間ベストの8位にもランクインしてきたほど、個人的にも壺にはまった傑作でした。ただ一方、このアルバムリリースに先立って配信された2枚のEPは、「Devil」での楽曲に比べると、物足りなさも感じてしまう作品になっており、そのため今回のアルバムに関しても、正直なところ、期待半分不安半分といった内容になっていました。

そして、まずアルバムの結果としては、先行リリースのEPの「HEY」「BYE」のイメージが、比較的そのまま踏襲された作品になっていたように感じます。先行EPにも収録されていた「夢醒めSunset」「蒼天のヴァンパイア」のような、メランコリックなメロディーラインの軽快なポップチューンがまずは目立ちます。ドラマ主題歌になった先行シングル「ミラージュ」も同じく哀愁感たっぷりのメロディーラインをスケール感を持って歌い上げるナンバーですが、このような哀愁感を覚える楽曲が、アルバム全体として目立ちます。

もう1点、今回のアルバムで目立つのがエレクトロサウンドを前面に押し出した楽曲。こちらもEPに収録された「Death Dance」もリズミカルなエレクトロビートが軽快なメランコリックで怪しげなダンスチューン。「Little Summer」も同じくエレクトロサウンドが前面に押し出されたメランコリックなダンスチューンとなっていり、この2曲を中心としつつ、全体的にも打ち込みによるアレンジが目立つ構成になっていました。

このメランコリックな楽曲が目立つアルバム前半については、ビッケブランカらしいメロディーメイカーとしての実力を感じさせつつ、ただ一方で、似たようなパターンの楽曲も目立ち、メランコリックな味付けは、若干、悪い意味での歌謡曲的な安直さも感じさせ、悪くはないけど・・・という印象も抱いてしまいました。

しかし、個人的に今回のアルバムで一番耳を惹いたのは後半の「ポニーテイル」。こちらも先行シングルとなる作品ですが、切ない印象も受けるメロディーラインが爽快なポップチューンで、ちょっと懐かしさを感じさせるメロディーラインは、どこか90年代の男性シンガーソングライター、具体的には大江千里や槇原敬之あたりからの系譜も感じさせるポップスになっており、私の壺にかなりはまるポップチューンに仕上がっていました。

それに続く「天」も同じく90年代の男性SSW路線を彷彿とさせるナンバーで、軽快で明るく楽しいポップチューンで耳を惹きます。前半、似たようなポップチューンが多く、物足りなさを感じさせていた本作ですが、終盤の2曲の出来で一気に盛り返した、そんな印象を受ける構成になっていました。

そういうこともあってアルバム全体の出来、と言われると評価が難しいなぁ、というのが本作の感想。いままでのフルアルバムの中では一番微妙な出来だったのかな、というのは間違いありません。ただ、前半でもメロディーメイカーとしての彼の実力は発揮されていましたし、それなりのインパクトもあって、アルバムの1曲としては佳作とも言える出来であるのは間違いありません。個人的に最後の2曲の出来が良かった点も合わせて、以下の評価は若干甘めな感じもするのですが・・・。

評価:★★★★★

ビッケブランカ 過去の作品
FEARLESS
wizard
Devil
HEY
BYE

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2021年9月16日 (木)

HIP HOPへのバッシングは無関係?

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

1位はヒプノシスマイクの新作が獲得です。

今週1位はBuster Bros!!!、麻天狼、Fling Posse「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 2nd Division Rap Battle 『Buster Bros!!! VS 麻天狼 VS Fling Posse』」が獲得。CD販売数1位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数2位。声優によるラッププロジェクト、ヒプノシスマイクの最新作。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上6万1千枚で1位初登場。ただし、直近作Bad Ass Temple vs 麻天狼「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 2nd Division Rap Battle『Bad Ass Temple vs 麻天狼』」の初動9万8千枚(1位)からダウン。HIP HOPといえば、Hot100でも書いたとおり、8月に行われた野外イベント「NAMIMONOGATARI」がコロナ禍を無視したかのような密集空間でのイベントだったということで、HIP HOPを巻き込んでイメージダウンの要因となっていますが、今回の初動ダウンは、さすがにそれとは関係ないとは思うのですが・・・。

2位はいわゆる読者モデルを中心に結成された女性アイドルグループ26時のマスカレイド「トルマリン」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数20位。オリコンでは初動売上2万枚で2位初登場。前作「ちゅるサマ!」の初動3万6千枚(1位)からダウン。

3位はOfficial髭男dism「Editorial」が先週からワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。「Cry Baby」がHot100でも上昇基調となっており、アルバムの売上のもプラスの影響を与えそうです。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にクレイジーケンバンド「好きなんだよ」がランクイン。主に70年代から80年代のヒット曲を中心に収録した、CKBらしい選曲の、彼ら初のカバーアルバムとなっています。オリコンでは初動売上1万1千枚で5位初登場。直近のオリジナルアルバム「NOW」の6千枚(14位)よりアップ。オリジナルアルバムにより売上がアップしているのが微妙なところ。ファンがこういうアルバムを待っていたということか、有名な曲が並ぶ本作を、ファン以外の層も手に取ったということか・・・これに味をしめ、カバーアルバムを連発、なんてことには・・・ならないと思うんですが。

6位初登場はジャズピアニスト上原ひろみによる、上原ひろみ ザ・ピアノ・クインテット「シルヴァー・ライニング・スイート」がランクイン。CD販売数6位、ダウンロード数10位、PCによるCD読取数17位。ピアノ+弦楽四重奏という構成による新プロジェクト「ザ・ピアノ・クインテット」名義による新作。オリコンでは初動売上7千枚で9位初登場。上原ひろみ名義でリリースした前作「Spectrum」(8位)から横バイ。

7位にはKREVA「LOOP END/LOOP START」がランクイン。「クレバの日」である9月8日に突如リリースされた配信限定のアルバム。ダウンロード数では本作が見事1位を獲得。配信オンリーですが、総合順位でも7位にランクインしてきました。

8位にはイギリスのヘヴィーメタルバンドIRON MAIDEN「戦術」が入ってきました。CD販売数7位、ダウンロード数29位、PCによるCD読取数22位。オリコンでは6千枚を売り上げて今週10位にランクイン。ただし、輸入盤は国内盤の販売日(9月8日)より早く、9月3日にリリースされたそうなので、ランクインは2週目となります。ちなみに本作、漢字表記は日本盤のみですが、オリジナルのタイトルも「Senjutsu」であり、ジャケット写真にも漢字で「戦術」と書いてあったりと、完全に日本語から取ったアルバムタイトルとなっています。IRON MAIDENといえば、ヘヴィーメタル界の大御所的なバンドですが、ここに来て本作ではアメリカのビルボードチャートで3位を獲得し、自己最高位を更新するなど、人気が再燃してきています。

初登場最後は9位に「REAL⇔FAKE 2nd Stage Music Album 『Huddle Up』」が初登場。CD販売数8位、ダウンロード数53位、PCによるCD読取数64位。TBS系ドラマ「REAL⇔FAKE 2nd Stage」で使用された楽曲を集めたアルバム。オリコンでは初動売上8千枚で8位初登場。

その他、ロングヒット盤ではBTSのベストアルバム「BTS,THE BEST」が先週からワンランクダウンの10位にランクイン。これで通算12週目のベスト10ヒットとなりました。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2021年9月15日 (水)

今週もロングヒットが目立つ

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に引き続き、今週もロングヒット系が目立つチャートとなっています。

そんな中、1位獲得は初登場曲。KAT-TUN「We Just Go Head feat.AK-69」が獲得。CD販売数及びPCによる読取数1位、Twitterつぶやき数3位、ダウンロード数6位、ラジオオンエア数15位。日テレ系「Going!Sports&News」テーマソング及びプロ野球中継「DRAMATIC BASEBALL 2021」下半期イメージソング。人気ラッパーAK-69をフューチャーして、本格的にHIP HOPの要素を取り入れたナンバーですが、AK-69といえばご存じの通り、先日行われた「NAMIMONOGATARI」への出演でバッシングを受けたばかりで、KAT-TUNに何ら責任はないのですが、間の悪さを感じます・・・。オリコン週間シングルランキングでは初動売上20万5千枚で1位初登場。前作「Roar」の初動25万3千枚からダウンしていますが、やはり「NAMIMONOGATARI」の影響でしょうか?

2位はBTS「Butter」が先週の3位からランクアップ。今週、You Tube再生回数が1位にランクアップし、9週ぶりの1位返り咲きとなっています。これで17週連続のベスト10入り。BTSは「Permission to Dance」も先週からワンランクダウンながらも5位にランクインし、10週連続のベスト10ヒットに。また「Dynamite」も先週と変わらず7位をキープし、通算54週目のベスト10ヒットを記録しています。

3位には、「Butter」と入れ替わる形でback number「水平線」がランクイン。ただ、ストリーミング数が1位をキープしたほか、ダウンロード数は4位から3位、You Tube再生回数も15位から14位にアップしており、まだ上昇基調が続いています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週は1曲が初登場。それが先週の13位からランクアップし、10位にランクインしたThe Kid LAROI×Justin Bieber「STAY」。The Kid LAROIは、オーストラリア出身の若干18歳の人気上昇中のラッパー。昨年7月にリリースしたミックステープがアメリカのビルボードチャートで1位を獲得するなど人気を集めていましたが、ご存じジャスティン・ビーバーを客演に迎えた本作でもアメリカのビルボードチャートHot100で見事1位を獲得し、日本でもストリーミング数で8位を獲得するなど上位にランクインし、ベスト10ヒットを記録しました。

続いてロングヒット曲ですが、まずOfficial髭男dism「Cry Baby」が6位から4位にアップ。ストリーミング数は先週と変わらず4位、You Tube再生回数は8位から10位にダウンしてしまいましたが、ダウンロード数が5位から2位にアップ。これで通算12週目のベスト10ヒットを記録しています。来週はついにベスト3入りを果たすのでしょうか。ただし、先週までベスト10ヒットを記録していた「アポトーシス」は16位にダウン。こちらはロングヒットとはならなさそうです。

根強い人気を誇る優里「ドライフラワー」はワンランクダウンの6位。43週連続のベスト10ヒット。ストーミング数6位は先週と変わらず。ダウンロード数は6位から8位、You Tube再生回数も4位から6位と下落傾向。ただし、カラオケ歌唱回数は今週も1位をキープし、これで32週連続の1位となりました。

藤井風「きらり」も今週10位から8位にアップ。通算10週目のベスト10ヒットとなりました。ストリーミング数は8位から7位とジワリとアップ。ダウンロード数も今週23位から14位にアップ。ただYou Tube再生回数は16位から17位とダウンしており、いまひとつ伸びてこないのが気になります。

さらにAdo「踊」もワンランクダウンの9位ながらもベスト10をキープ。これで通算12週目のベスト10ヒットとなりました。ただYou Tube再生回数は7位から11位にダウン。その他、ダウンロード数12位、ストリーミング数11位、Twitterつぶやき数54位、カラオケ歌唱回数12位と、ベスト10入りしている各種チャートがないにも関わらず、総合順位はベスト10入りというちょっと珍しい結果となっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2021年9月14日 (火)

まさかの3枚目!

Title:ジェニースター
Musucian:ジェニーハイ

川谷絵音を中心とした5人組バンドの新作・・・というと、非常に簡単な紹介文になってしまいますが、こちらのバンド、川谷絵音のほか、tricotの中嶋イッキュウに、例のゴーストライター事件で知名度をあげた現代音楽家の新垣隆、さらには小藪千豊、野生爆弾のくっきー!という癖のありまくりな異色メンバーによるバンド。もともとはBSスカパー!で放送されているバラエティー番組「BAZOOKA!!」から誕生したバンドだそうで、いわば「企画モノ」的なバンド。ただ番組自体は2019年に終了しており、番組終了後もバンド自体は継続的に活動を続けています。

そんな企画モノのバンドなのですが、これが前作「ジェニーハイストーリー」は個人的にもビックリするほどの傑作アルバム。川谷絵音がIndigo la Endで聴かせてくれるメランコリックなメロディーラインと、ゲスの極み乙女。で聴かせてくれる実験的なポップスセンスを上手く融合させた上で、自虐ネタも飛び出すユニークな歌詞に、さらには新垣隆の独特なピアノの音色まで加わるという非常に個性的かつ参加メンバーの実力を存分に生かした傑作となっていました。

それに続くニューアルバムということもあって、個人的にもかなり楽しみにして聴いてみた作品だったのですが・・・今回も彼らの才能を生かしたポップスが並んでいるものの、残念ながら前作ほど魅力的な傑作には至っていませんでした。

メランコリックなメロと挑戦的なサウンドがほどよくバランスされていた前作に比べると、今回のアルバムはメランコリックに聴かせるタイプのポップスにグッと寄ってしまっていました。1曲目「華奢なリップ」ではちゃんみなをゲストに迎えているのですが、HIP HOPのテイストはなく、メランコリックなポップ路線になっていますし、その後も基本的には哀愁感漂う歌を強調したポップスが続きます。

もちろん今回のアルバムに関しても「良いんだって」のようにジャジーなベースラインを取り入れ、メンバーが交互にボーカルを取るなど、挑戦的な作品もありますし、「ジェニーハイボックス」のような非常にユニークでコミカルな曲も登場します。また新垣隆のピアノの音色も今回でも健在。そういう意味ではゲスともインディゴとも異なる魅力を持っているバンドであるには間違いありません。

ただ、そういう魅力的な部分は感じつつも、ビックリするような傑作アルバムだった前作と比べると、聴いていて物足りなさは感じてしまったのは事実。あまりよくない意味で守りに入りすぎてしまったのでは?とも思うような作品でした。次回作は、再び前作にような、ある意味「暴走気味」とすら感じさせるような作品を聴いてみたいのですが・・・。

評価:★★★★

ジェニーハイ 過去の作品
ジェニーハイストーリー


ほかに聴いたアルバム

三千世界/yonige

約1年3ヶ月ぶりとなるガールズロックバンドyonigeの新作は6曲入りのミニアルバム。メロディアスなギターロックを主軸としつつ、メロはちょっと悲しげでノスタルジックな雰囲気を醸し出しているのが印象的。全体的にはちょっと地味でインパクトは薄いかな、という印象はあるものの、次の一歩にも期待したい1枚でした。

評価:★★★★

yonige 過去の作品
gilrs like girls
HOUSE
健全な社会

鳩の撃退法(オリジナル・サウンドトラック)/堀込高樹

KIRINJI堀込高樹ソロ名義となる新作は、藤原竜也主演の映画「鳩の撃退法」のサントラ盤。ラテン風の作品があったり、ジャジーな作品があったりと、いつものKIRINJIとは一風変わった作風にも挑戦しているものの、全体的には劇伴ということもあり1曲1曲は短く、堀込高樹のアイディアは出し切れていない印象も。ただそんな中でも耳を惹くのがやはり歌モノ曲。井上陽水の名曲「氷の世界」のカバーはよりファンキーに仕上げているリズムが印象的な他、主題歌「爆ぜる心臓」も軽快な女性ラッパーによるラップにバンドサウンドも加わりスケール感が。この2曲だけでも聴いて損のないアルバムではあります。

評価:★★★

堀込高樹 過去の作品
あの人が歌うのをきいたことがない

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2021年9月13日 (月)

かなり力の入った大作だが

Title:Donda
Musician:Kanye West

いつもアルバムをリリースするたびに大きな話題となり、今や、すっかり時代を代表するミュージシャンとなったKanye West。今回のアルバムに関しても、何度かリリースがアナウンスされつつ延期となり、ファンをやきもきさせていました。しかし、8月29日に突然のリリース。そしてその期待の高さを反映するかのように、Apple Musicでは世界152か国で1位という歴代最高記録を樹立。全世界の初日のストリーミング回数が1億8千万回という桁違いな記録を生み出し、その期待の高さをうかがわせます。

そしてKanye West自身、このアルバムに非常に強い力を入れていることを感じさせます。まずアルバム自体、全27曲1時間48分というフルボリューム。そもそも「Donda」というアルバムタイトル自体、母子家庭の中でカニエを育て上げた母親の名前で、2007年に急逝した彼女に捧げるアルバムともなっています。アメリカの大学教授まで務め、晩年はカニエのマネージャーともなった彼女ですが、今回のアルバムでも「Praise God」とタイトルチューンの「Donda」では彼女の演説が曲の中で使用されています。さらに参加したゲストミュージシャンは30組を数え、まさに力を入れまくって、満を持して発表したアルバムと言えるでしょう。

さて、Kanye Westといえば、ここ最近、キリスト教への帰依が目立っています。特に前作「JESUS IS KING」はゴスペル色の強い作品になっており、ビルボードのゴスペルチャートでも1位を獲得していますし、本作でも、聖書からの引用も目立ち、さらに子供に聴かせられないようなワードは使われていないため、HIP HOPでよくリリースされる、いわゆるFワードを排除した「クリーンバージョン」は作成されていません。ある意味、お子様でも安心して聴けるアルバムと言えるでしょう。

今回のアルバムはさすがにゴスペルな作品はほとんどないのですが、ただその宗教音楽を彷彿とさせるかのような、荘厳な作品も目立ちます。「Hurricane」でも荘厳なエレクトロサウンドの中で、ソウルフルに歌い上げるボーカルが印象的ですし、タイトルそのまま「Lord I Need You」でも荘厳な雰囲気のサウンドの中で、丁寧につづられるラップと歌が印象的な作品に仕上がっています。

全体的にはスケール感を覚えるサウンドとメランコリックなメロディーラインの「歌」が印象に残る作品で、エレクトロビートにダイナミックさを感じる「Jail」に、トラップ風のリズムが印象的な「Off The Grid」やメランコリックな歌モノ「Ok Ok」など、1曲1曲にかなり力を入れており、しっかりと聴かせる佳作が続いていきます。

ただ、そのよく出来た作品にはまってしまうのは前半だけ。正直言うと、聴き進めるうちにちょっとずつ疲れてしまい、最後はさすがに飽きが来てしまいました。全体的によくできた力作が並んでいるとはいえ、楽曲は似たようなパターンが多く、このボリューム感の割には、バリエーションが多いわけではありません。中盤くらいまでは、そのよく出来た作品にグイグイと惹きこまれていったのですが、さすがに中盤を超えたあたりで、聴いていて、その熱がスッと醒めてしまったのを感じました。

力を入れすぎて空回り・・・とまでは思いませんが、正直、ちょっと本人だけが暴走気味なのでは?とすら思ってしまったアルバム。このアルバムから曲をセレクトして、1時間程度にまとめあげれば、かなりの、年間ベストクラスの傑作にもなりえたのでは?とも思えてしまうだけに非常に残念にも感じます。ま、ここらへんの変な暴走しちゃうあたりも、カニエらしいといえばカニエらしいのですが。ただ、いろいろな意味で今年を代表するアルバムになりそうなのは間違いありません。一度はチェックしても損はないかも。その上で、お気に入りの曲だけピックアップするのが良いのかも。

評価:★★★★

KANYE WEST 過去の作品
GRADUATION
808s&Heartbreak
MY BEAUTIFUL DARK TWISTED FANTASY
YEEZUS
The Life Of Pablo
Ye
Jesus Is King

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2021年9月12日 (日)

フリースタイルのパフォーマンス

ストリーム with:環ROY, 角銅真実

会場 オンライン 日時 2021年9月8日(水)20:00~

今年に入り、以前に比べて積極的には参加することが少なくなったオンラインライブ。ただ今回は、リアルタイムで見ることが出来て、かつフリーライブ。角銅真実は注目しているミュージシャンながらも、まだライブを見たことがない、ということもあり、久しぶりにストリーミングライブを見てみることにしました。今回は環ROYが8月にリリースした作品「憧れ(角銅真実 Remix)」に、角銅真実がリミックスで参加したことから実現したライブだそうです。

今回のライブはほぼ8時ピッタリにスタート。どこかスタジオからの配信となりました。最初は機材のセッティング。机の上になぜか梨が置いてあったり、また点滴のような装置から水が垂れ落ち、下のアルミの容器にあたり音が出る不思議な装置がセッティングされました。その後、環ROYが発声練習したり、角銅真実が楽器の試し弾きをしつつ、まずはライブの準備の風景が映し出されました。

ただ、そのリハーサルのような状況から、徐々に環ROYが言葉を紡ぎだし、角銅真実も静かにエレピを引き出し、気が付いたらライブがスタートしていました。最初は環ROYのフリースタイルのラップと、角銅真実の自由に奏でるピアノやギターが絶妙に組み合わさり、即興性の高いパフォーマンスを披露してくれます。

そんな即興性高いパフォーマンスから、気が付くと、2人の会話に突入していたりするのが非常にユニーク。2人とも自由にラップとエレピ+ハミングを奏でながらも、2人が音楽を通じて会話しているような不思議な空間が繰り広げられます。環ROYが「全然曲やらないな、と思っているでしょ(笑)」なんて話をしつつ、フリースタイルなパフォーマンスが続いていきます。

ようやく30分近くが経過して1曲目スタート。テンポよい環ROYのラップと、清涼感ある角銅真実のエレピ+コーラスのみのスタイルが不思議な雰囲気を作り出します・・・といっても、そこまでのフリースタイルなパフォーマンスとあまり変わりはなかったのですが(笑)。

そんな中、角銅真実の「Lullaby」へ。リズムマシーンとギターのみの静かな演奏の中で聴かせます。途中、原曲とは異なる環ROYのラップが重なる楽曲に。微妙に環ROYのラップが楽曲にマッチしていて自然に溶け込んでいるのがユニークでした。

さらに今度は環ROYの「憧れ」へ。今回のライブの元となったコラボを披露。こちらは環ROYのラップをメインにしつつ、角銅真実の美しいピアノとコーラスが楽曲に独特の清涼感が加わります。こちらもついつい聴き入ってしまう、絶妙なコラボとなっていました。

そんな2人の曲を演奏し、ライブは終了。約1時間弱のライブパフォーマンスでした。フリースタイルの演奏やラップの中に2人の会話も絡むという自由なステージ。最初、2人のコラボ曲は1曲しかなくて、どのようなパフォーマンスになるのか不安半分、期待半分だったのですが、予想以上のユニークなライブとなりました。

基本的に2人ともゆるいフリースタイルなラップ&演奏ながらも、そのラップと演奏が絶妙に絡み合い、かつ、微妙な緊張感も間に流れている空気感に、ちょっとドキドキもさせられるステージ。予想以上に楽しい1時間でした。まあ、こういうスタジオライブでの自由なパフォーマンス風景をそのまま流せるというのは、配信ライブならではといった感じでしょう。この2人のコラボ、何気に相性もいいみたいですので、これからも是非、継続的に続けてほしいなぁ。

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2021年9月11日 (土)

意外とポップなメロと幅広い音楽性が魅力的

Title:GLOW ON
Musician:Turnstile

アメリカはボルチモア出身の5人組ハードコアバンド、Turnstile。これが3枚目となるフルアルバム。2018年にリリースした前作「Time&Space」が話題となり、その年の各種メディアのベストアルバムの上位にランクインしてきたそうです。ただ、実は私は2018年にリリースした前作はノーチェック。音源を聴くのも初めてならば、バンドの名前を聴くのも今回がはじめて。どんなミュージシャンか、全く事前の情報なしで聴いてみた作品でした。

で、スタートした冒頭「MYSTERY」は、まずきらびやかなエレクトロサウンドでスタート。最初はエレクトロ主体のバンドかな?と思いきや、いきなりヘヴィーなギターの音が切り裂き、ロック好きとしては否応なくテンションが高まるスタートとなります。基本的にこの1曲目「MYSTERY」はハードコアテイストの強い作品。日本で言えば、eastern youthあたりの哀愁感も兼ね備えたようなサウンドがまず耳を惹きます。

ただこのバンドで耳を惹いたのは、単純にズシリと来るそのハードコアなサウンドだけではありませんでした。印象的だったのは続く「BLACKOUT」。ハードコアというよりもメロコア的な要素も強い疾走感あるサウンドが印象的。ギターサウンドにはどこかPixies的な香りを感じつつ、メロディーラインはかなりポップで、キャッチーという印象すら受けるもので、ちょっとイメージはTHE OFFSPRING??なんてことも感じるほどのポップなメロが大きな魅力に感じました。

その後もハードコアなサウンドをベースとしつつ、「HUMANOID/SHAKE IT UP」は序盤の疾走感あるサウンドがむしろパンクのテイストを感じさせますし、「ALIEN LOVE CALL」ではヘヴィーなサウンドは封印し、メランコリックなメロを聴かせるミディアムチューン。バンドのメロディーメイカーとしての実力が垣間見れる作品になっています。さらに「DANCE-OFF」はカウベルで軽快なリズムを打ち鳴らすリズミカルなナンバー。こちらもハードコアというよりも、オルタナ系のギターロックの色合いが強い楽曲になっています。

最後を締めくくる「LONELY DEZIRES」も疾走感あるパンキッシュなナンバーで、こちらも意外とポップなメロが印象的。どこか80年代のインディーロックの雰囲気も感じさせる楽曲で、最後は冒頭に流れてきたエレクトロサウンドが再び流れ出し、アルバムの締めくくりとなります。

そんな気持ちの良いヘヴィーなハードコアサウンドを軸としつつ、メロディーはポップで、時としてキュートですらある点が非常に魅力的なバンド。サウンド的にもハードコアやメロコア、パンク、インディー系ギターロックの影響まで垣間見れる幅広いもので、勢い一辺倒ではないウィットさも感じさせます。はじめて聴いたのですが、これはすっかりはまってしまいました。今年のベスト盤候補の1枚かも。幅広い層のロックリスナーにお勧めできる1枚。本作も前作に引き続き、大きな話題になりそうです。

評価:★★★★★

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2021年9月10日 (金)

バンドとしての成長も感じる4作目

Title:Screen Violence
Musician:Chvrches

イギリスはグラスゴー出身のエレクトロポップバンドChvrchesの約3年3ヶ月ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムはメンバー3人によるセルフプロデュース作になっているとか。またアルバムタイトルである「Screen Violence」はもともと、彼女たちのバンド名の候補になっていた名前だそうで、セルフタイトル的なアルバムともいえる本作。彼女たちの力の入れ様を伺うことが出来ます。

もちろん、とはいっても基本的に軽快でキュートなエレクトロポップといういつものスタイルに大きな違いはありません。軽快なエレクトロポップチューンの「Asking For A Friend」からスタート。冒頭のサウンドがどこか80年代的な懐かしさも感じさせる「He Said She Said」、伸びやかなエレクトロチューン「California」へと続いていきます。

今回、アルバムの中の一つの核となっているのが「How Not To Drown」でしょう。ザ・キュアーのロバート・スミスが参加したナンバー。ローレン・メイベリーのボーカルともピッタリとマッチし、チャーチズの曲の中では、メランコリックなメロディーラインで、よりスケール感を覚える楽曲。またスケール感といえば、同じくメランコリックなメロが印象的な「Nightmares」もダイナミックなサウンドでスケール感を覚えるナンバー。バンドとしても4作目。4作連続全英チャートでベスト10を獲得し、すっかり人気バンドとしての地位を確立している彼女たちですが、そんな彼女たちの実力と余裕を感じさせる楽曲になっています。

また、以前から彼女たちの音楽の特徴として、J-POP的というか、わかりやすいサビを持つ構造で、いい意味で日本人にとっても聴きやすいポピュラリティーを持った構造になっているという特徴がありました。今回のアルバムも、特に前述の「California」など、サビの部分に長音符を持ってきてインパクトを出すという、わかりやすい展開になっておりJ-POP的。さらに「Final Girl」に至ってはマイナーコード主体のAメロに対して、サビでは転調という、実にJ-POP的な構成になっており、日本人にとっても耳なじみやすい作風と言えるのではないでしょうか。

今回のアルバムも軽快なエレクトロポップというチャーチズらしい作品に。最初から最後までローレン・メイベリーのキュートなボーカルに、ポップなエレクトロサウンドがピッタリとマッチするキュートな作品になっていました。ただ一方ではロバート・スミスが参加した「How Not To Drown」やラストの「Better If You Don't」のような、もうちょっとヘヴィーなギターサウンドが前に押し出されたロック寄りの作品もあったりして、バンドとしての実力も感じさせます。

バンドとしても4作目。いずれもヒットを飛ばして名実ともに大物バンドの仲間入りを果たそうとしている彼女たち。今回のアルバムはスケール感のある作品も併せて、そんな彼女たちの実力と成長が垣間見れる作品だったと思います。これからも彼女たちの活躍が楽しみです。

評価:★★★★★

Chvrches 過去の作品
The Bones Of What You Believe
Every Open Eye
Love Is Dead
The Hansa Session

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2021年9月 9日 (木)

ラストのオリジナルアルバムが1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ラストのオリジナルアルバムが1位獲得です。

今年の11月1日をもって解散が予定されているV6の最後のオリジナルアルバム「STEP」が1位獲得。CD販売数1位、PCによるCD読取数2位。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上13万1千枚で1位初登場。前作「The ONES」の12万9千枚(1位)から若干アップとなりました。10月にはベストアルバムのリリースも予定されており、そちらの動向も気になります。

2位はOfficial髭男dism「Editorial」が先週と同順位をキープ。CD販売数は3位となりましたが、ダウンロード数及びPC読取数は1位をキープしており、3週連続のベスト3ヒットとなりました。

3位には、現在人気上昇中のHIP HOPユニット、Creepy Nuts「Case」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数7位。オリコンでは初動売上2万1千枚で3位初登場。前作「かつて天才だった俺たちへ」の1万4千枚(5位)からアップ。ビルボードでは前作に続くベスト3ヒットで、オリコンでは本作が初のベスト3ヒット。人気急上昇が続いています。

続いて4位以下の初登場です。まず4位にReoNa「月姫-A piece of blue glass moon-THEME SONG E.P.」がランクイン。CD販売数4位、ダウンロード数5位、PCによるCD読取数24位。ゲーム「月姫-A piece of blue glass moon-」の主題歌「生命線」をはじめ新曲4曲+同曲のインスト4曲が収録されているアニソン歌手のEP盤。といっても、事実上、シングルのようなもので、先週のGirls2同様、Hot100では上位に食い込めないのでアルバムチャートに逃げてきたのでしょうか?オリコンでは初動売上1万枚で5位初登場。直近のオリジナルアルバム「unknown」の初動1万3千枚(4位)からダウンしています。

5位にはyama「the meaning of life」が初登場。CD販売数6位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数27位。もともと動画投稿サイトの歌唱動画投稿を中心に活動を開始。2020年にリリースした「春を告げる」がビルボードのHot100入りするなどヒット。本作はデビューアルバムですが、見事ベスト10入りを果たしました。オリコンでも初動売上6千枚で7位にランクインしています。

7位は声優アイドルグループDIALOGUE+「DIALOGUE+1」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数19位、PCによるCD読取数40位。音楽プロデュースはUNISON SQUARE GARDENの田淵智也が務めています。オリコンでは初動売上6千枚で6位初登場。前作「DREAMY-LOGUE」の2千枚(14位)からアップしています。

8位にはジェニーハイ「ジェニースター」が初登場。CD販売数7位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数78位。もともと、BSスカパー!で放送されている「BAZOOKA!!!」の知名度を上げるだけに、番組レギュラーの小藪千豊、野生爆弾のくっきー!、tricotの中嶋イッキュウに、ゲスの極み乙女。やindigo la Endでの活動でおなじみの川谷絵音、現代音楽家の新垣隆というメンバーが集合し結成されたバンド。本作で初となるベスト10ヒットを記録しています。オリコンでも初動売上4千枚で9位初登場。前作「ジェニーハイストーリー」(24位)からは横バイという結果になっています。

今週、初登場は以上ですが、ベスト10返り咲きが1枚。10位に藤井風「HELP EVER HURT NEVER」が先週の57位から大きくランクアップ。5月26日付チャート以来15週ぶりのベスト10返り咲きに。これで通算9週目のベスト10ヒットとなりました。Hot100でも「きらり」がベスト10返り咲きを果たしていましたが、こちらと同様、生配信ライブの影響ということでしょうか。

またロングヒット盤ではBTSのベストアルバム「BTS,THE BEST」が今週は2ランクダウンの9位ながらもベスト10をキープ。これで通算11週目のベスト10ヒットとなっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2021年9月 8日 (水)

ロングヒット系が盛り返し

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

最近は新譜も目立っていたHot100でしたが、今週は初登場は1曲のみ。その結果、ロングヒット系の盛り返しが目立ちました。

今週、唯一の初登場となったのが1位SKE48「あの頃の君を見つけた」。CD販売数で1位を獲得。そのほか、ラジオオンエア数72位、PCによるCD読取数19位、Twitterつぶやき数16位といずれも振るいませんでしたが、CD販売数がモノを言って、総合順位で1位獲得です。オリコン週間シングルランキングでは初動売上18万7千枚で1位初登場。前作「恋落ちフラグ」の19万枚(1位)より若干のダウンとなっています。

2位にはback number「水平線」が先週の3位からワンランクアップ。ダウンロード数は1位から4位にダウンしたものの、代わってストリーミング数がついに1位獲得。You Tube再生回数も15位と順位をあげ、ロングヒットも視野に入ってきました。

3位はBTS「Butter」が先週の6位からランクアップし、3週ぶりにベスト3返り咲き。これで16週連続のベスト10ヒットとなり、通算14週目のベスト3入りとなりました。また「Permission to Dance」は先週と変わらず4位をキープ。こちらは9週連続のベスト10ヒットとなります。さらに今週「Dynamite」が11位から7位にランクアップし、こちらも3週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットはこれで通算53週目を記録しています。

そんな訳で「Dynamite」が再び返り咲いた今週のチャートですが、今週は他にもベスト10返り咲きが2曲ランクイン。まず8位にAdo「踊」が先週の16位からランクアップ。こちらは7月7日付チャート以来9週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算11週に伸ばしています。こちらは8月31日に盆踊りをテーマとしたリミックス音源が配信されたため、その影響でしょうか。

さらに藤井風「きらり」も先週の15位からランクアップし10位にランクイン。こちらは3週ぶりにベスト10返り咲き。通算9週目のベスト10ヒットとなりました。9月4日に日産スタジアムで藤井風生配信ライブを実施したので、そちらの影響もあるのでしょうか。

ロングヒット曲は他に、根強い人気をみせる優里「ドライフラワー」は今週も先週と変わらず5位をキープ。ストリーミング数は先週から変わらず5位。You Tube再生回数は5位から4位とじわりとランクアップ。カラオケ歌唱回数も31週連続の1位。ベスト10ヒットは42週連続となっています。

さらにOfficial髭男dism「Cry Baby」は7位から6位にアップ。先週、ランクアップしたダウンロード数は6位から5位にさらにアップ。これで通算11週目のベスト10ヒットを記録しています。さらに「アポトーシス」も今週はワンランクダウンの9位ながらもベスト10をキープ。今週も2曲同時ランクインを記録しています。

そんな返り咲きも目立った今週のチャートでしたが、唯一振るわなかったのがYOASOBI。今週「怪物」が12位にダウン。残念ながらベスト10返り咲きは1週に留まりました。また「夜に駆ける」はランクアップしたものの惜しくも11位止まり。ベスト10返り咲きはなりませんでした。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2021年9月 7日 (火)

コロナ禍の中で・・・

Title:STILL GOING ON
Musician:竹原ピストル

前作から約2年ぶりとなる竹原ピストルのニューアルバム。もともとギターの弾き語りがメインのフォーキーなサウンドの中に、かなり力強い歌をメインとする構成が特徴的な彼ですが、今回のアルバムはそんな中でもほぼ全編弾き語りというスタイルが特徴的。このコロナ禍の中でバンドスタイルはメンバーが集まりにくかった・・・ということもあるのでしょうか。ただ、結果としてある種の原点回帰的な作品に仕上がっていた、と言えるかもしれません。

そんなアルバムだからこそ、アルバム全体としては実に竹原ピストルらしいアルバムに仕上がっていました。アコギをかき鳴らしつつ歌い上げる「とまき木」からスタート。郷愁感ありつつどこか幻想的な風景描写が印象的な「御幸橋」、さらに恋人の日常を描いた歌詞が印象的な「なにもしないがしたい」など、身の回りの描写が印象的な作品が続きます。

もちろん、ただ単純な弾き語りの作品が続く・・・だけではありません。ヘヴィーでブルージーなギターが入りロッキンに聴かせる「あっかんべ、だぜ故郷」は故郷に対しての決意表明しつつ、自らを鼓舞する彼らしい作品。「Float Like a Butterfly,String Like a Bee!!」もアコギをかき鳴らしつつ、ヘヴィーなブルースギターが入ります。

ラップを入ったHIP HOP風の「ギラギラなやつをまだ持っている」も、まさに彼らしい、自らを鼓舞する、良くも悪くも(笑)暑苦しいナンバー。前半から中盤にかけて、熱いナンバーが続くのですが、ここから終盤は「夏のアウトロ コオロギの鳴く頃」「きーぷ、うぉーきんぐ!!」など比較的爽やかに軽快に聴かせるポップチューンで締めくくり。最後は郷愁感ある「リョウメンシダ」で締めくくります。

全編弾き語りがメインのアルバムながらも、時折、ヘヴィーなギターサウンドを挟みつつ、かき鳴らしつつ歌い上げる作品からゆっくりと聴かせる作品までバリエーションも感じさせる作品。まさに竹原ピストルのコアな部分がより表に出たアルバムと言えるかもしれません。ただ一方、今回のアルバムでひとつ気になったことがありました。それは日常について歌っているにも関わらず、コロナ禍のことが一切触れられていないこと。もちろん、別にミュージシャンが必ずしもコロナについて歌う必要なく、かつ義務もありません。

ただ一方、これだけ日常について歌いつつ、コロナなどまるでなかったような歌詞を書くあたりが、逆に彼らしさも感じます。それは、彼の書く歌詞が、あくまでも自分の世界を歌い上げているという点。ここが彼の大きな魅力であることは間違いないのでしょうが、私にとっては、逆に彼の曲に、いまひとつはまりきれない原因のような印象も受けました。良くも悪くも竹原ピストルらしさが、こんな面でも表に出たアルバム、と言えるかもしれません。いろいろな点からも、実に彼らしいアルバムでした。

評価:★★★★

竹原ピストル 過去の作品
PEACE OUT
GOOD LUCK TRACK
It's my Life

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2021年9月 6日 (月)

矢野顕子の王道路線

Title:音楽はおくりもの
Musician:矢野顕子

純然たるオリジナルアルバムとしては2015年の「Welcome to Jupiter」以来、少々久しぶりとなる矢野顕子のニューアルバム。もっとも、「久しぶりのオリジナルアルバム」といっても、ご承知おきの通り、その間、休んでいた訳では全くなく、その後リリースされた「Soft Landing」はピアノ弾き語りアルバム、さらに前作「ふたりぼっちで行こう」はいろいろなミュージシャンとのコラボ作を集めたアルバムと、逆に意欲的な彼女の挑戦心を感じさせる企画盤が続いていただけ。その他にもTIN PANや上原ひろみとのコラボによるライブ盤のリリースもあったりして、大ベテランでありながらも、若手並のリリーススペースが続く彼女の創作意欲には驚かされるものがあります。

そんな中リリースされた、逆に「久しぶり」となる企画的要素のない久々の純然たるオリジナルアルバムが本作。純然たる企画的要素のない1枚だから、ということがあるからでしょうか、今回のアルバムはある意味、矢野顕子の王道を行くように、実に彼女らしい作品が並んでいました。冒頭を飾る「遠い星、光の旅。」もファンタジックながらどこかユーモラスな自由度の高い歌詞は彼女らしさを感じますし、「魚肉ソーセージと人」も、日常生活に立脚した暖かい雰囲気の歌詞とメロディーラインが彼女らしい感じ。相変わらず食べ物ネタが多い彼女ですが(笑)、「魚肉ソーセージ」という、実に庶民的な食べ物の選択もまた彼女らしさを感じます。

アコギとエレピで郷愁感たっぷりで聴かせる「大家さんと僕」も彼女らしい暖かみを感じさせるナンバー。お祭り的なビートで聴かせる「なにそれ(NANISORE?)」もこのユーモラスな感覚が彼女らしいですし、ラストも「Nothing Is Tow」も英語詞で洋楽テイストの強い楽曲。ここにも矢野顕子の音楽的な深い素養を感じさせます。

アルバムとしては非常に矢野顕子らしい作品であり、間違いなく彼女の魅力が出ているアルバムになっているとは思うのですが・・・率直に言うと、アルバム全体としてはいまひとつピンとこないものがありました。というのは、矢野顕子のアルバムとして予想していたものがそのまま出てきただけの作品であったため。どの曲ももちろん優れた楽曲ではあったのですが、これといってインパクトのあるような作品もなく、意外性のある作品もなく、そういう意味でアルバムとして良作であることは間違いないのですが、若干物足りなさも感じてしまいました。

また、今回「津軽海峡・冬景色」のカバーにも挑戦しているのですが、こちらについても力作ではあるのは間違いないのですが、彼女のカバーとしては石川さゆりのオリジナルに引きずりこまれすぎていて、彼女らしい自由度がいまひとつ出せてないかった感も。こちらも悪くはないけど、矢野顕子のカバーとしては・・・と思ってしまいました。

作品としては間違いなくファンの期待に沿った内容ですし、そういう意味でファンなら安心して楽しめる良作であるとは思います。ただ、個人的にここ数作の意欲作と比べると、彼女としては小さくまとまってしまったかな・・・と感じてしまうような内容でした。もっとも、いつも挑戦作ばかりではなく、こういう彼女らしい王道を行くような作品も必要なんでしょうね。

評価:★★★★

矢野顕子 過去の作品
akiko
音楽堂
荒野の呼び声-東京録音-
Get Together~LIVE IN TOKYO~(矢野顕子×上原ひろみ)
矢野顕子、忌野清志郎を歌う
飛ばしていくよ
JAPANESE GIRL - Piano Solo Live 2008 -
さとがえるコンサート(矢野顕子+ TIN PAN)
Welcome to Jupiter
矢野顕子+TIN PAN PARTⅡ さとがえるコンサート
(矢野顕子+ TIN PAN)
矢野山脈
Soft Landing
ラーメンな女たち(矢野顕子×上原ひろみ)
ふたりぼっちで行こう

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2021年9月 5日 (日)

大御所ソウルグループの14年ぶりの新作

Title:Perfect Union
Musician:Kool&The Gang

1980年にシングル「Celebration」が大ヒットを記録するなど、主に1980年代に数々のヒット曲を飛ばし、アメリカを代表するソウルグループとして一世を風靡したKool&The Gang。その後もグループは解散することなく今日までコンスタントに活動を続けています。もっとも、オリジナルメンバーは既にロバート・"クール"・ベルとジョージ・ブラウンの2人を残すのみ。残りのオリジナルメンバーは既に鬼籍に入ってしまっています。ただ、残った2人もまだ57歳で、全然バリバリ現役の年なんだよなぁ・・・オリジナルメンバーの残りが全員逝去してしまっているのは、あまりにも早すぎる・・・。ちなみに現在では新たにメンバーを加えて、10人以上という大所帯バンドになっています。

そんなすっかり大御所の位置になってしまったアメリカを代表するソウルグループの新作がこちら。リリースとしては2013年のアルバム「Kool for the Holidays」以来。純然たるオリジナルアルバムとしては2007年の「Still Kool」以来、実に約14年ぶりというニューアルバムになります。

楽曲的には、ちょっと一昔前の、懐かしさを感じさせる王道路線のR&B、ソウルといった感じ。美しいハーモニーでメロウなR&Bを聴かせる「Pursuit of Happiness」からスタートし、メロウなファンクチューン「The Weekend」、軽快なファンク「Leave It on the Dance Floor」へと続きます。その後のウェットな感じのサウンドで哀愁感たっぷりの「High」、80年代を彷彿させるファンクチューン「Sexy(Where'd You Get Yours)」などなど、後半に至るほど80年代風のファンクチューンが並び、ある意味、Kool&The Gangの本領発揮といった感じの楽曲が並びます。

ちょっと懐かしい感じのする楽曲が並ぶだけに耳ざわりはよく、広い層が楽しめそうな作品が並びます。もっともその一方で目新しさはほぼゼロ。そういう意味では残念ながら、挑戦心という要素は薄かったように感じます。ただ「目新しさはゼロ」といっても、この王道路線を築き上げたのは彼らなわけで、だれかの模倣ではなく、彼らがいままで演ってきたことを、普通に演ってきただけ、とも言える訳で。長年のファンに対して、ファンが期待するような作品をしっかりと出してきた、とも言えるかもしれません。

また「Pursuit of Happiness」ではラップを取り入れるなど、それなりに今の音楽にアップデートしている点もちゃんと言及しておいた方がよいのかもしれません。ここらへんは大御所の彼らとはいえ、最近の音楽の動向を無視できないということのあらわれかもしれませんが・・・ただ、やっつけ程度にチグハグな感じでラップを取り入れている・・・のではなく、しっかりと違和感なく楽曲の中に組み込んでいるのはさすがとも言えるかもしれません。

全体的には目新しさはないかもしれませんが、ベテランらしい丁寧な仕事ぶりで、難しいこと抜きにしてそのメロウでファンキーな楽曲を楽しめる作品と言えるでしょう。往年の彼らと比べると、確かに勢いの衰えは否めませんが、かつて彼らを好んで聴いていたファンならば、まずは楽しめる作品だったように思います。

評価:★★★★

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2021年9月 4日 (土)

環境に配慮した1作

Title:Solar Power
Musician:Lorde

2012年にリリースされたシングル「Royals」が彼女の本国、ニュージーランドとオーストラリアから火が月、2013年には世界的な大ヒットを記録。一躍、時代の寵児となった歌姫Lorde。早くものでそれから9年。前作「Melodrama」から約4年ぶりとなるニューアルバムがリリースされました。本作では、前作「Melodrama」にも参加し、最近ではテイラー・スウィフトのアルバム「Folklore」にも参加したプロデューサー、ジャック・アントノフとタッグを組んだことでも話題となっています。

今回のアルバム、ちょっと話題となったのがそのリリース方法。本作はCDのリリースはなく、配信とLPがメイン・・・というのは昨今のアルバムでよくあるスタイルなのですが、CDをリリースしないのはそんな昨今の流行にのっかかった訳ではなく、「2年後に埋立地になってしまうようなものを作らない」という環境上の配慮だからだそうで、その代わりにプラスチックを使用しないボックスに、ビジュアルコンテンツや手書きのメモ、限定の写真、高音質のダウンロード+限定のボーナストラック2曲のアクセスチケットなどが入っているそうで、環境への配慮を意識したコンテンツとなっているようです。ただ、amazonでは「CD」表記で販売してしまっているため、レビューで叩かれているようですが、これは本人というよりもamazonの責任のような・・・。海外からのレビューでも「CDが欲しかった」というレビューコメントが書かれており、海外だとCDはもうほとんど廃れたものと思っていたのですが、まだ海外でもCDという物理的アイテムが欲しい方も少なくないのでしょうね。

そんな環境への配慮の結果、異色の形態でのリリースとなった本作ですが、「Solar Power」というタイトルの通り、アルバム自体も「自然への賛美」がテーマとなっていいるようで、彼女は本作リリースにあたって、以下のようにコメントしているそうです。

"このアルバムは、自然への賛美であり、屋外にいるときに感じる深い超越的な感情を不滅にする試み。心痛、悲しみ、深い愛、混乱を感じる時、私は自然界に答えを求めているの。私は息を吐いて、耳を傾けることを学んだ。そうして出来上がったのがこの作品なの。"

ある意味「意識の高いアルバム」となっている本作ですが、基本的にシンプルな歌がメインになっている点は彼女のいままでのアルバムと変わりありません。タイトル曲「Solor Power」もシンプルなアコギをベースとしたサウンドをバックにスタート。途中から伸びやかな歌声が印象的な作品になっていますし、「Stoned at the Nail Salon」もギターの弾き語りというシンプルなサウンドに切ない歌声が魅力的な作品。「Dominos」もギターを中心としたシンプルなサウンドに切ないメロディーが印象的な作品に。「Mood Ring」もシンプルなアコギをバックに、メランコリックなメロディーラインが魅力的な作品に仕上がっています。

そんな感じで、非常にシンプルで良質なポップアルバムという印象を受ける本作。ただ一方で、そこにプラスアルファがなく、デビュー作にような衝撃的な要素も薄く、残念ながら若干「面白みの欠ける」という印象も受ける作品だったように思います。そのため、各種メディアの評価もあまり芳しくないようです。とはいえ、そんな印象から駄作か・・・と思って聴き始めると、Lordeの魅力はしっかりと発揮されており、シンプルな歌は十分魅力的。そんな傑作とまでは絶賛できないけど、十分魅力的と言える良作に仕上がっていた作品でした。

評価:★★★★

Lorde 過去の作品
PURE HEROINE
Melodrama


ほかに聴いたアルバム

King's Disease II/Nas

2020年にリリースし、自身初のグラミー受賞作となった「King's Disease」に続く続編。「EPMD2」ではかのENIMEMと初コラボを果たしたほか、「Nobody」ではローリン・ヒルとのコラボも披露。かなり豪華な大物ゲストが参加している作品となっています。全体的には正直言って目新しさはありません。トラップ的なリズムを入れている曲はあるものの限定的。保守的といえば保守的ですが、一方ではベテランらしい卒のないつくりといった印象を受ける作品。耳を惹きつけてやまない「これ!」といった作品はないものの、最後まで飽きることなく楽しむことが出来た佳作でした。

評価:★★★★

NAS 過去の作品
Untitled
Distant Relatives(Nas&Damian Marley)
Life Is Good
Nasir
King's Disease

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2021年9月 3日 (金)

ロックンロールへの敬愛あふれる

Title:ツイス島&シャウ島
Musician:UNICORN

UNICORNの新作のタイトルは、実に彼ららしいと言えるユニークなものになっています。言わずと知れたビートルズの曲としても有名で、ロックンロールのスタンダードナンバーとしても知られる「Twist&Shout」から取っているアルバムタイトル。いかにも一昔前のアニメのイラストのようなジャケット写真も印象的ですが、今回のアルバムは、ロックンロールやオールディーズを、UNICORN流にユニークに解釈した作品が並んでいました。

1曲目「ZG」は疾走感あるハードロックナンバー。題材として自動車を持ってくるあたりも、古き良きロックンロールらしさを感じさせます。さらに続く「ミレー」はホーンセッションとピアノで軽快なジャンプブルースのナンバー。奥田民生作詞作曲&ボーカル曲なのですが、奥田民生のシャウトも冴えまくっています。

さらに軽快なロックンロールナンバー「紅CAR」、ハードロックチューンの「スペースカーボーイズ」、軽快なEBIのボーカルが曲調にマッチしている「西の外れの物語」に、同じロックンロールナンバーでも手島いさむボーカルで泥臭さを感じさせる「Go Back Is Alright!」という変化も、メンバー全員がボーカルを取る彼ららしさが良く出ている感があります。

その後もヘヴィーなブルースロックながらもユニークな歌詞が耳を惹く「RRQ」やベンチャーズの雰囲気を感じさせるエレキロックの「米米米」など、ロックンロールやオールディーズへの敬愛を感じさせつつも、彼ららしいユニークな解釈をする楽曲が並びます。ラストを締めくくるのはタイトルチューンの「ツイス島&シャウ島」。メンバー全員がコーラスで参加するロックンロールなナンバー。こちらも彼ら独自のユニークな「ロック誕生史」?が語られるのですが、それを含めてロックンロールへの敬愛ぶりが感じられます。

もともと以前から、特に再結成後の彼らは、いい意味でベテランらしい余裕と遊び心を強く感じられるアルバムが続いていましたが、今回もまさにそんなロックンロールへの敬愛を、彼ららしい余裕と遊び心であらわしたアルバムだったと思います。同じロックンロールを題材としながらも、ブルースやハードロック、ロックンロールやブルースロックなど多種多様にわたっているのもユニークですし、またメンバー全員が作詞作曲を手掛けているUNICORNらしい構成と言えるのかもしれません。

そんな訳で、実に彼ららしいユニークな作品で最後まで一気に楽しめる傑作アルバムでした。ここ最近は、大人の余裕と遊び心から自由度が高すぎて暴走気味の作品も続いていましたが、今回のアルバムはロックンロールというテーマがあったからでしょうか、全体のまとまりも十分にあったと思います。ただ・・・ここ最近、UNICORNのアルバムが続いているだけに、奥田民生のソロもそろそろ聴きたいような・・・というのも素直に感じてもしまいました。

評価:★★★★★

ユニコーン 過去の作品
シャンブル
I LOVE UNICORN~FAN BEST
URMX
Z
ZII
Quarter Century Single Best
Quarter Century Live Best

イーガジャケジョロ
ゅ13-14
半世紀No.5
D3P.LIVE CD
UC100V
UC100W


ほかに聴いたアルバム

Star Made/コブクロ

先日、黒田俊介の不倫報道があった中、絶妙のタイミングでリリースされてしまったコブクロの約5年ぶりとなるニューアルバム。別にミュージシャンの不倫なんてニュースは音楽性に全く関係ないので、どうでもいいニュースといえばニュースなのですが、さすがにコブクロのように大上段に構えて純愛を歌うようなタイプのミュージシャンの曲を、不倫報道の後に聴くと、白々しく感じる点は否定できません。

その点を差し引いても、正直、楽曲はどの曲も過去の楽曲の焼き直しのような曲ばかりで、聴いていてかなり厳しい内容に。曲のバリエーションもいまひとつだし、これといってインパクトのあるフレーズも歌詞もありません。不倫報道以前に問題として、ユニットとしてかなり厳しい状況になっているような・・・。いろいろな意味で今後に不安の残る1枚でした。

評価:★★★

コブクロ 過去の作品
5296
CALLING
ALL COVERS BEST
ALL SINGLES BEST2
One Song From Two Hearts
TIMELESS WORLD
ALL TIME BEST 1998-2018

BYE/ビッケブランカ

9月リリース予定のアルバムからの先行配信となる4曲入りのEP盤第2弾。軽快なエレクトロチューンが並んだ第1弾「HEY」から変わり、本作では爽やかながらもちょっと切ない雰囲気のナンバーが並びます。ただ、前作「HEY」と同様、彼の楽曲にしてはちょっとフックが弱いような感じが気になります。ポップスとしてはそれなりの強度もあり、悪いナンバーではないのですが、これが先行配信となると、アルバムの出来が若干気になってしまうのですが・・・。

評価:★★★★

ビッケブランカ 過去の作品
FEARLESS
wizard
Devil
HEY

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2021年9月 2日 (木)

ファンクに傾倒した新作が1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週1位はKinki Kids堂本剛のソロアルバムが1位獲得です。

今週1位初登場は、堂本剛のソロプロジェクトENDRECHERI「GO TO FUNK」。CD販売数及びPCによるCD読取数1位。ENDRECHERI名義では4枚目のアルバムとなる本作。一時期はスピリチュアル系に走ってどうなるかと思っていたのですが、ここ最近はファンクに傾倒。一定の評価も受けるようになり、ソロとしての活動もいい意味で安定してきました。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上5万4千枚で1位初登場。前作「LOVE FADERS」の5万7千枚(1位)から若干のダウンとなっています。

2位は先週1位のOfficial髭男dism「Editorial」がワンランクダウンながらもベスト3をキープしています。

3位にはLDH所属の女性アイドルグループGirls2「Enjoy/Good Days」がランクイン。CD販売数3位、その他は圏外となっています。オリコンでは初動売上1万1千枚で4位初登場。前作「Girls Revolution/Party Time!」の9千枚(5位)からアップしています。こちら、前作もそうだったのですが、収録曲が新曲3曲+カラオケ3曲という、実質的なシングル。なぜか、わざわざ「EP」としてリリースし、アルバム扱いされています。正確な理由は不明ですが、昨今のビルボードだと、CDの売上だけでHot100にランクインさせることが困難であるため、比較的CD売上が反映される割合の高いHot Albumsにランクインされるように調整したのでしょうか?ただ、実質的にシングルともいえる本作を、レコード会社側からの言われるがままにアルバムチャートにランクインさせてしまうオリコンやビルボードの方針にはかなり疑問を感じてしまいます。特にビルボードは、どうも全体的にブラックボックス的な部分も多く、不信感も抱いてしまうのですが・・・。

続いて4位以下の初登場ですが、まず4位にmona(夏川椎菜)feat.HoneyWorks「#名前だけでも覚えてって下さい」がランクイン。CD販売数6位、ダウンロード数21位、PCによるCD読取数26位。動画サイトへの投稿などを中心に活動するユニットHoneyWorksがプロデュースする女性アイドルのデビューアルバム。オリコンでは初動売上8千枚で6位初登場。

5位初登場はブライト&ウィン「2gether Special Album」。CD販売数4位、PCによるCD読取数44位。K-POPのアイドルグループからのソロ作・・・かと思いきや、本作は、今、世界で人気を博しているタイのドラマ「2gether」シリーズに使われた主題歌などを集めたスペシャルアルバム。主人公のタイの俳優2人によるアルバムだそうです。オリコンでは初動売上8千枚で7位初登場。ちなみにオリコンでは、タイ人歌手によるタイ語のアルバムは、いままで2004年のタタ・ヤンによる「アイ・ビリーヴ」が最高位だったそうですが、それを更新したことになります。タイのドラマが世界でブームになるのも驚きなのですが、日本のエンタメは韓国どころかタイにも遅れを取ってしまうのでしょうか?

6位は氷川きよし「You are you」がランクイン。CD販売数5位、PCによるCD読取数97位。本作は昨年6月にリリースした「Papillon-ボヘミアン・ラプソディ-」に続くポップスアルバム。9月8日には彼のアルバムとしては初となる配信リリースも予定されているとか。氷川きよしのファン層の方がどれだけ配信で聴くかは疑問なのですが、それ以外の層へのアピールを視野に入れているのでしょう。オリコンでは初動売上9千枚で5位初登場。前作「南風吹けば」の1万4千枚(4位)よりダウン。

8位には「TVアニメ『鬼滅の刃』オーケストラコンサート~鬼滅の奏~」が初登場。CD販売数7位、ダウンロード数71位、PCによるCD読取数40位。昨年11月14日、15日に東京国際フォーラムで開催された同タイトルのコンサート公演の模様を収録したライブアルバム。オリコンでは初動売上7千枚で8位初登場でした。

今週の初登場盤は以上ですが、今週はベスト10返り咲きも1作。BTSのベストアルバム「BTS,THE BEST」が先週の11位から7位にランクアップ。2週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。これで通算10週目のベスト10ヒットとなります。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2021年9月 1日 (水)

今週も1位2位はアイドル系の新譜

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も先週に引き続き、アイドル系の新譜が1位2位に並びました。

まず1位にはHey!Say!JUMP「群青ランナウェイ」がランクイン。「東海テレビ×WOWOW 共同製作連続ドラマ 准教授・高槻彰良の推察season1」主題歌。CD販売数、PCによるCD読取数1位、ラジオオンエア数3位、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数69位。オリコン週間シングルランキングでも初動売上23万5千枚で1位初登場。前作「ネガティブファイター」の初動21万5千枚(1位)よりアップしています。

2位には、指原莉乃プロデュースによる声優アイドルグループ=LOVE「ウィークエンドシトロン」が獲得。CD販売数2位、PCによるCD読取数24位、Twitterつぶやき数20位。オリコンでは初動売上9万3千枚で2位初登場。前作「青春"サブリミナル"」の初動9万9千枚(1位)からダウンしています。

そして3位にはback number「水平線」が先週からワンランクアップして初のベスト3入り。ダウンロード数が先週の2位から1位にアップ。ストリーミング数も5位から2位にアップするなど、ロングヒットの兆しが見えています。ただ、You Tube再生回数が19位とランクを伸ばしておらず、今後の動向も気になるところです。

続いて4位以下ですが、今週は残念ながら初登場は上位の2曲のみ。ただ、1曲、返り咲き曲がありました。それが今週10位にランクインしたYOASBI「怪物」。先週の11位からワンランクアップし、2週ぶりのベスト10返り咲き。ベスト10ヒットを通算29週に伸ばしています。ただ一方、長らくロングヒットを続けてきた「夜に駆ける」は今週14位までダウンし、残念ながら返り咲きならず。超ロングヒットとなったこの曲もさすがにここまででしょうか?

一方ロングヒット曲ですが、まずBTS「Permission to Dance」が先週の5位から4位、「Butter」が7位から6位とそれぞれワンランクずつアップ。これで「Permission to Dance」は8週連続、「Butter」は15週連続のベスト10ヒットとなりました。ストリーミング数も、それぞれ1位、3位と同順位をキープ。まだまだ強さを感じさせます。ちなみに「Dynamite」は先週の12位から11位にアップしているものの、こちらも返り咲きはならず。

当初の予想を超えてロングヒットを続ける優里「ドライフラワー」は、こちらも6位から5位にワンランクアップ。ダウンロード数がここに来て2位にランクアップしていますし、ストリーミング数もここに来て7位→6位→5位と徐々に上昇中。優里自身は3股交際疑惑が報道されるなど、イメージは決して良くありませんし、この曲以外も全くヒットしていないのですが、「ドライフラワー」だけは異常ともいえるロングヒットを続けています。カラオケ歌唱回数ももちろん今週で30週連続の1位に。これでベスト10ヒットは41週連続となります。

なにげにしぶといヒットを続けるのはOfficial髭男dism「Cry Baby」。先週10位までランクダウンしていたものの今週は7位と再びランクアップ。特に今週はダウンロード数が16位から6位と急激にアップしています。これで通算10週目のベスト10ヒットに。また先週9位にランクインした「アポトーシス」も今週8位にランクアップしており、先週から引き続き2曲同時ランクインとなっています。

今週のHot100は以上。ちなみに先週8位にランクアップしたmillennium parade×Belle「U」は今週13位にダウンしており、残念ながらベスト10返り咲きは1週のみ。ロングヒットとはなりませんでした。明日はHot Albums!

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