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2021年8月 8日 (日)

シンプルな歌モノを聴かせる

Title:HOPE
Musician:清水翔太

ミニアルバムだった前作「period」からはわずか8ヶ月というインターバルでリリースされた清水翔太のニューアルバム。ただし、フルアルバムとしては前作「WHITE」から約3年ぶり。少々久しぶりとなった清水翔太のフルアルバムです。

ここ最近、清水翔太の方向性としては、今風のR&B路線にシフトした作品が目立ちました。そのきっかけとなった2016年のアルバム「PROUD」は非常にカッコいい傑作アルバムで、その後の彼の活動に期待していたのですが、残念ながらその後の彼のアルバムは、今どきのR&Bの流行路線をなぞっただけという作品が続いてしまい、正直、清水翔太というシンガーソングライターの良さがあまり出ていない「凡作」が続いていたように感じました。

しかし、今回久々となったニューアルバムでは、ここ最近のR&B路線から脱却。シンプルに「歌」を聴かせる曲が並んでいます。もともとR&B系のシンガーとしてデビューした彼ですが、過去のアルバムを聴く限り、彼自身は必ずしもR&Bのみのシンガーという志向性はなく、むしろ幅広いポップシンガーとしての方向性を感じていました。そういう意味では今回のアルバムは、シンガーソングライター清水翔太の本来の持ち味に取り戻したアルバムと言えるかもしれません。

まずアルバムの中で耳を惹くのはイントロに続く2曲目「Curtain Call」でしょう。この作品ではONE OK ROCKのTakaをフューチャー。非常に前向きのメッセージを込められた力強いナンバーで、R&B系の路線を感じさせつつ、ギターサウンドを取り入れたロック系のサウンドも重なり、なんといってもメランコリックなメロディーラインが耳を惹く、しっかり2人のボーカリストの「歌」を聴かせる曲となっています。

続く「恋唄」も、シンプルに「歌」を聴かせるこのアルバムの方向性を代表する1曲と言えるでしょう。アコギやピアノといったアコースティックなサウンドを主軸に切ない歌を聴かせるラブソング。シンプルでフォーキーな作風な曲は、ここ最近のR&B路線とも異なるポップソングに仕上がっています。

また、「Curtain Call」のTakaをはじめ、今回、様々なミュージシャンとのコラボ作が収録されているのも特徴的。「プロローグ」では女性シンガーのAimerとコラボ。ピアノとストリングスをバックに力強い歌声を聴かせるバラードナンバーになっています。また「Lazy」ではSNSでプロアマ問わずコラボ相手を募集。結果、ASOBiSMとKouichi Arakawaという2人のミュージシャンとのコラボとなっています。

そんな訳で、様々なミュージシャンとコラボしつつ、シンプルな歌モノメインのアルバムとなっており、シンガーソングライターとしての清水翔太の魅力をしっかり出していたアルバムに仕上がっていました。もっとも「Lazy」ではラップやトラップ的なリズムも取り入れたりと、前作までで見せた今どきのR&B路線もいい意味で生かされており、前作以前の路線もしっかりと清水翔太のキャリアとして生かされていることも感じさせます。個人的には「PROUD」以来久々に傑作と言えるアルバムだった本作。あらためて彼の魅力を実感できた1枚でした。

評価:★★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey
COLORS
NATURALLY
MELODY
ENCORE
ALL SINGLES BEST
PROUD
FLY
WHITE
period

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