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2021年8月28日 (土)

当然の如く、全英1位

Title:Pressure Machine
Musician:The Killers

欧米では(特にイギリスでは)絶大な人気を誇りつつ、なぜか日本ではいまひとつブレイクに至らないThe Killers。本作では、ついに7作連続の1位を獲得しました。これがどのくらいすごい記録かというと、かのoasisが1994年のアルバム「oasis」から、ラスト作となる2008年「Dig Out Your Soul」までの14年間で記録したのが7作連続1位。彼らはそれを2004年の「Hot Fuss」から本作までも17年間で達成しています。確かに彼らの作品は売上は最高でも「Hot Fuss」の全世界規模で7百万枚であり、oasisが「(What's the story)Morning Glory」で記録した23百万枚に及ぶべくもありませんが、それでも正直、oasisの7作連続は一時期の熱狂的な人気の余波をかっての感はありますが、一方、彼らの場合は持続的に人気を維持しており、その人気のほどを感じさせます。

そんな彼らの作品は、特にここ最近、ポップなメロのインパクトとスケール感が増し、名実ともにイギリスの国民的バンドとしての風格が備わっていた感があります。そんな中で前回のアルバムはニューウェーブ風なサウンドも加わり、いい意味でより耳なじみやすいポップなアルバムに仕上がっていた感もあります。それに続く今回のアルバムもまた、非常にポップでスケール感あるメロがいい意味でインパクトがありました。特に前半「Sleepwalker」はスケール感あるポップなメロディーラインがU2を彷彿とさせる作品。国民的バンドとしての彼らの実力を感じさせます。

ただ、今回のアルバムについては、メランコリックなメロに、より泥臭さやフォーキーな雰囲気を感じせる作風になっていたように感じます。1曲目「West Hills」から哀愁たっぷりのピアノやストリングスをバックに哀しげなメロディーを歌い上げる作品になっていますし、「Terrible Things」もアコギで哀愁たっぷりに聴かせるフォーキーな作品に。その後も同じくアコギを爪弾きながらフォーキーに聴かせる「Runaway Horses」やファルセットボイスを交えて感情たっぷりに聴かせる「Pressure Machine」など、メランコリックなメロディーラインを聴かせるフォーキーな作品が目立ちます。

ポップなメロで比較的広いリスナー層を狙ったような前作に対して、今回のアルバムは郷愁感を覚える曲調も多く、どちらかというとノスタルジーな要素を狙ったのかもしれません。実際に、彼らのふるさとであるアメリカはユタ州のネフィにインスパイアされた曲も多く、さらにボーカルでありバンドの作詞作曲を担当するブランドン・フラワーズの故郷の人々の声を取ったテープを楽曲の冒頭に挟んでくるなど、よりノスタルジーな印象を与えるような作風に仕上がっています。

そういう意味では前作に比べると若干「内向き」な要素も強いのかもしれません。また逆に欧米のリスナーにとっては、むしろこのノスタルジックな要素が、日本人にとって民謡を聴くような感じで、心の琴線に触れるのかもしれません。そういう意味では日本人にとって若干の違和感を覚える部分はあるかもしれませんが、今回のアルバムに関してもメロディーラインについてはしっかりとしたインパクトがあり、決して日本人にとっても取っつきにくさはありません。むしろ、スケール感を備えつつも、比較的シンプルなメロディーが多く、彼らのメロディーメイカーとしての才がより発揮されたアルバムと言えるかもしれません。

前作以上に泥臭さは感じられ、確かに決してRADIOHEADのような先駆的な作風も、oasisのような誰もが一度で歌を口ずさむくらいのわかりやすいメロディーもないため、日本人受けしないというのは理解できなくはありません。ただ、そういった部分を差し引いても、日本でももっと受け入れられるべき歌を奏でているバンドであることは間違いないと思います。個人的には前作の方がお勧めなのですが、是非もっと聴かれるべきという意味を込めて、下の評価に。ロケノンやミューマガ近辺も、もうちょっと取り上げていいんじゃない?

評価:★★★★★

The Killers 過去の作品
Day&Age
Wonderful Wonderful
Imploding the Mirage


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