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2021年8月 2日 (月)

2021年上半期 邦楽ベスト5

昨日に引き続き、上半期私的ベストアルバム。本日は邦楽編です。

5位 天才の愛/くるり

聴いた当時の感想は、こちら

このアルバムを最後に、トランペットのファンファンが脱退し、再び2人組バンドとなったくるりの新作。かなりバラエティー富んだ作風で、挑戦的な作品にも挑んだ作品といった印象。若干岸田繁暴走気味か?という部分もあるのですが、確かにファンファンの影は薄くなり、脱退やむなしだったのかなぁ、という感じもします。そんな意欲的な挑戦作を含めて、相変わらずくるりのすごさを感じさせる傑作アルバム・・・なのですが、若干頭でっかちという印象も受けてしまいました。それでも年間ベストクラスの傑作なのは間違いありませんが。

4位 FRUITFUL/堀込泰行

聴いた当時の感想は、こちら

兄堀込高樹率いるKIRINJIが次々と傑作をリリースする中、弟堀込泰行はなかなか「文句なしの傑作」に出会えずにいましたが、キリンジ脱退後ソロ3枚目にして文句なしの傑作アルバムがようやくリリースされました。清涼感あふれるシティポップ、AORの楽曲が並ぶ魅力的なポップチューンの連続。メロディーラインも素晴らしいですが、シンプルな優しい言葉を使いつつ、独特な言い回しでその世界観を作り上げている歌詞の世界も実に魅力的。堀込泰行の才能がフルに発揮された傑作アルバムに仕上がっていました。

3位 NOISE CANCEL/ANARCHY

Anarchy

聴いた当時の感想は、こちら

もともとアンダーグラウンドシーンで「下流社会」のリアルをつづっていた彼が2014年になんとavexに移籍。一気に知名度が増したものの、ただavex時代の作品は、決して駄作ではないものの、中途半端にマスを狙いすぎて、それまでの作品に比べると今一つ感のある作品が続いていました。しかし、今回、avexを離れ、配信オンリーでリリースしたのが本作。それがまさに、かつてのANARCHYが戻ってきた!と叫びたくなるような、彼の身の回りのリアルをストレートに表現したラップが魅力的な作品に。かなり胸に突き刺さるようなリリックが連続するような傑作アルバムに仕上がっていました。

2位 よすが/カネコアヤノ

聴いた当時の感想は、こちら

個人的に、今、もっとも注目している女性シンガーソングライター、カネコアヤノの新作。前作「燦々」も傑作でしたが、それに続く本作は、前作を上回る文句なしの傑作に。暖かさを感じる郷愁感あふれるフォーキーなメロに、人のぬくもりを感じさせるような、ある意味、「肉感」とても表現できそうな生々しさを感じる歌詞の世界も独特。そんな中でも本作は、サイケやロック、さらにカントリーやハワイアン、トラッドとサウンドのバリエーションもグッと増し、彼女の音楽性の広がりをより感じさせる傑作に仕上がっていました。注目度も現在上昇中の彼女ですが、その勢いはまだまだ続きそうです。

1位 MOOD/本日休演

今年の上半期邦楽1位は、京都在住のロックバンド、本日休演のニューアルバム。本作ではじめて彼らのサウンドを聴いたのですが、アングラ系フォークロックバンドというイメージがピッタリくるような、フォーキーな雰囲気を感じさせるサウンドながらも、そこにガツンとヘヴィーなバンドサウンドが加わる独特のスタイル。どこかゆらゆら帝国やORGE YOU ASSHOLEと同じ方向性を感じさせる空間を生かしたサウンドメイキングも大きな魅力。意外とポップなメロディーラインも大きな魅力ですが、それと同時に感じる、ある種の「やばさ」が大きな魅力である傑作アルバムでした。

ほかのベスト盤候補としては・・・

THE MILLENNIUM PARADE/millennium parade
朝顔/折坂悠太
接続/AJICO
FREAK/ネクライトーキー
新しい果実/GRAPEVINE

正直なところ、邦楽シーンも、洋楽と同様、際立った傑作もなく、全体的には不作気味だったような感じも・・・。ライブ活動が制限され、通常の活動がままならなくなったコロナ禍の影響・・・なのかなぁ??くるりのアルバムもベスト5には入れたものの、正直、期待していたほどではなかったし、期待のCHAIの新作もいまひとつだったし・・・。物足りなさを感じてしまった上期ベストアルバムでした。

あらためてベスト5を振り返ると

1位 MOOD/本日休演
2位 よすが/カネコアヤノ
3位 NOISE CANCEL/ANARCHY
4位 FRUITFUL/堀込泰行
5位 天才の愛/くるり

下期は文句なしの傑作アルバムを期待したいところです。そして、このコロナ禍が少しでも落ち着きますように。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 年間1  
上半期

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コメント

ゆういちさん、こんばんは。

今年はまだ洋楽も邦楽も現時点ではこれって作品に出会えてないなっていうのは、なんか寂しいですよね。年間ベストの大本命だったCHAIも微妙でしたし・・・とりあえず下半期に期待って感じですかね。個人的には髭男とUNICORNの新作には期待しているんですが。

投稿: 通りすがりの読者 | 2021年8月 4日 (水) 00時21分

>通りすがりの読者さん
上半期はちょっと寂しい結果だったように思います。個人的には下半期はもっと名盤に出会えるといいのですが・・・。

投稿: ゆういち | 2021年8月 4日 (水) 22時18分

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