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2021年8月20日 (金)

良くも悪くもベテランらしい作品

Title:LOVE PERSON
Musician:徳永英明

今年、デビューから35周年を迎える徳永英明。2010年代に入って「VOCALIST」シリーズのヒットもあり、再び人気が吹き返してきた感もあり、本作もビルボード及びオリコンチャートで3位にランクインされるなど、デビューから30年以上を経てなお、その人気ぶりをうかがわせます。本作はそんな彼の4年ぶりとなるニューアルバム。「身近な人への愛と感謝」をテーマとしている作品だそうで、このコロナ禍だからこそ、あえて身近な人に対して思いをはせる、そんなアルバムと言えるかもしれません。

ただ「LOVE PERSON」というそのままなタイトルもベタですし、ここに来て「身近な人への愛と感謝」というテーマもある意味、ベタ。ある意味、非常にわかりやすいアルバムといった感もあるのですが、楽曲の内容に関しても、いかにも歌謡曲的とも言えるメランコリックなメロディーライン主導の良くも悪くも「わかりやすい」内容になっています。聴いていて安定感もありますし、ベテランの仕事といった感じでしょうか。よく言えば、しっかり壺をついたメロディーラインで安心して楽しむことが出来るアルバムになっていますし、悪く言ってしまうと、目新しさもなく、過去の作品の焼き直し、とも言えるアルバムと言えるかもしれません。

もっともこの傾向は、前作「BATON」もそうでしたし、ここ数作、ずっとこのような傾向が続いています。結果、非常にマンネリ気味のアルバムが続いており、作品としての出来も決して褒められたものではありませんでした。ただそんな中で今回のアルバム、ここ数作の中ではメロディーラインをグッと聴かせる曲も増えて、出来としても比較的よく出来たアルバムに仕上がっていたように思います。

例えば「You and me」など切なくも爽やかさを感じるメロディーラインが印象に残りますし、「ゆずり葉の夢」なども泣きメロとも言えるメロディーラインがインパクト。ラストを締めくくる「tomorrow」も哀愁たっぷりのメロディーラインが耳に残ります。歌謡曲的で保守的という点はここ数作のアルバムと同様であり、残念ながら「新たな挑戦」のようなものは皆無なのですが、そのような中でも比較的今回のアルバムはしっかりとしたインパクトを持った楽曲が並ぶ作品に仕上がっていたように感じました。

ちなみに本作は初回盤のパターンが多くて、写真集付き、MTV unpluggedライブの映像付き、ベスト盤付き、「VOCALIST」シリーズからのセレクト盤付きと5パターン。まあ、ファン層的にはそれなりの年齢となっており、お金に余裕がある方も少なくないのでしょうが、さすがにちょっと露骨すぎるような・・・。ベスト盤にしても何枚目だろう、といった感は否めませんし・・・。その点はちょっと残念でした。

そんな訳で、全体的にデビュー35周年というベテランらしさが出ていたアルバムに。良い意味では安定感ありしっかりとリスナーの壺をついた作品が魅力的でしたし、悪い意味では過去の栄光に留まっており、ミュージシャンとしての挑戦心が皆無だった点がマイナスポイント。ただ、ここ最近、同じような傾向のアルバムが続く中では比較的、良くできた作品だったように感じます。今後もこういう路線が続くんだろうなぁ。

評価:★★★★

徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST

WE ALL
VOCALIST4
VOCALIST&BALLADE BEST
VOCALIST VINTAGE
STATEMENT
VOCALIST 6
ALL TIME BEST Presence
Concert Tour 2015 VOCALIST&SONGS 3 FINAL at ORIX THEATER
ALL TIME BEST VOCALIST
BATON
永遠の果てに~セルフカヴァー・ベストI~
太陽がいっぱいPlein Soleil~セルフカヴァー・ベストII/徳永英明

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