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2021年7月 4日 (日)

ホルモンらしい最初で最後の配信ライブ

マキシマム ザ ホルモン - 全席・顔面指定席ライブ「面面面~フメツノフェイス~」(オンライン)

会場 オンライン 日時 2021年6月25日(金) 19:30~

先月のZAZEN BOYS/NUMBER GIRLのライブに続く配信ライブ。今回はマキシマム ザ ホルモン初となる配信ライブになります。もともと4月に名古屋・大阪・横浜の3会場で行われていた「全席・顔面指定席ライブ『面面面~フメツノフェイス~』」のベストアクトを編集した配信ライブ。このイベントは、「全席顔面指定席」という試みで、ホルモンが定義した顔のカテゴリーにより場所を指定した彼ららしいイベントライブ。そのライブの模様を編集した模様を配信したもの。個人的に、リアルタイムではなく、過去のライブの編集配信はさほど食指が動かないのですが、それでもあのマキシマム ザ ホルモンの配信ライブ!ということもあり、今回はライブ配信を見てみました。

で、19時半にスタート。最初はメンバー4人が会議室のような場所にあつまってトークからスタート。このライブイベントの概要のVTRが流れた後、まずユニークだったのは今回の配信の構成。マネージャーに復帰したしみゆうが持参した謎の装置をおなじみ便所サンダルに設置すると、会議室の扉がタイムマシンとなって、過去に戻ったメンバーがライブを行うというスタイルでの構成となっていました。

そんな待ちに待ったライブ本編ですが、久々のライブ、かつ特に今回はアルバム等のリリースもない中でのライブということもあり、かなり「ベスト」的な構成になっていました。1曲目の「maximum the hormone」から「F」「maximum the hormoneⅡ」へ最も盛り上がる、かつホルモンの演奏のカッコよさが映える楽曲からスタート。その後も「便所サンダルダンス」「What's up,people?」と一気に疾走感あるナンバーで畳みかけます。

その後も最近は寡作気味なホルモンの久々の新曲となる新曲「Hungry Pride」にポップな「my girl」「falling jimmy」などなど、新旧織り交ぜたナンバーが並びます。後半のおなじみの掛け声「麺カタ コッテリ ズラズラズラ」で声のない中で盛り上がった後は、本編ラストは「恋のスペルマ」。さらにその後はアンコールに突入し、ラストは「恋のメガラバ」でみんなでダンスで盛り上がり、幕を下ろしました。

ちなみにこの日の配信、ライブ映像がそのままではなく、要所要所でエフェクトの映像がライブ映像に重ねられるなど、配信ならではの試みも。ポップな「my girl」では歌謡曲のような字幕が流れたり、「恋のスペルマ」では、「スペルマ」のアニメ映像が流れだしたりと、単なるライブ映像にひと手間が加えられているのもホルモンならではといった感じでしょう。

もちろん肝心な演奏の方も、久しぶりのライブなのですがその力量は全く衰えていません。「上原~FUTOSHI~」で聴かせる上ちゃんの力強いベースといい、ダイスケはんのデス声といい、このライブでもまさに冴えまくっていました。ライブ中、ファンの発声は禁止されていたのですが、その制約を全く感じさせない盛り上がりぶりでした。

この日は彼らが指定した様々な「顔」を持つファンが集まったということで、本編でもおおむね2曲に一度くらいはそんな観客いじり(いじられた観客の多くは仕込み客っぽかったけど)のMCもあり、ファンを盛り上げていました。ただ、この日の配信ライブで特筆すべきは、そんな中で、配信ライブを前提とした演出を入れていたことでした。配信では「6月25日のホルモンが、過去に戻ってライブを行う」というスタイルを取っていたのですが、彼らがタイムトラベルの時に現在から過去、過去から現在に物を持って行ったため、時空のゆがみが起き、地球に隕石が落ちてくるものの、ライブ会場のファンのパワーにより隕石を吹き飛ばす・・・という「物語」が組み込まれていました。ライブ会場に「タイムパトロール隊」を名乗る観客があらわれて、この人が、「6月25日」の会議室も登場してきたりして、「物語」の軸になっていました。これって要するに、4月のライブの段階から、配信を前提とした構成がしっかり考えられていたということなんですよね。ライブに来ていたファンも、後日、配信を見るまで自分たちが何をやらされていたのかはっきりわからなかったということでしょうが、ここらへん、よくよく考えられていて、ホルモンらしいなぁ、という感じがしました。

ただそのため、せっかくリアルタイムでメンバーが揃っての配信となったにも関わらず、リアルタイム感がほぼゼロだったのは残念です(正直、本当にリアルタイムだったのかもかなり疑問)。Twitterのハッシュタグでメッセージを募集していたのですが、それもメンバー本人たちが読むことはほとんどなかったし・・・。ライブ映像のエフェクトといい、非常に手の込んだ演出を行ったのはホルモンらしいこだわりといった感はあります。個人的には変な演出なしのリアルタイムでのライブそのものの配信も見たかった感はあるのですが、そうしないのが彼ら(というか亮君)のこだわりなんでしょうね。

ちょっと「一昔前の民放のバラエティ」っぽい雰囲気もホルモンらしいのですが、その点を差し引いても十分すぎるのほど楽しめた、ホルモンらしい配信ライブでした。基本的にもう配信ライブはやらない、といっていたのでこれが最初で最後になりそう。次はやはりライブ会場で彼らのステージを見てみたい!とはいえ、ライブチケットもなかなか取れないんだよなぁ・・・。

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