日本人にとっても懐かしさを感じる
Title:They're Calling Me Home
Musician:Rhiannon Giddens
今回紹介するのは、アメリカのトラッド系ミュージシャンのアルバムです。今回紹介する、Rhiannon Giddensは、もともと、アメリカのルーツミュージックグループ、Carolina Chocolate Dropsのメンバーだった女性ミュージシャン。このCarolina Chocolate Dropsというグループは、グラミー賞のベスト・トラディッショナル・フォーク・アルバムを受賞したこともあるグループなのですが、2014年には活動を休止。本作は、その彼女のソロアルバムということになります。
彼女はボーカリストとしてだけではなく、バンジョー、フィドル、ギターなどを手掛けるマルチインストゥルメタル奏者だそうで、本作は前作に続き、彼女の公私ともにパートナーである、同じくマルチインストゥルメンタル奏者でジャズミュージシャンでもあるFrancesco Turrisiとともに手掛けた作品。2人による主にストリングス系の楽器を中心とした美しい楽器の音色も楽しめるアルバムとなっていました。
そんな今回のアルバムなのですが、アメリカン・トラッドというと日本人にとってはちょっとなじみのない・・・なんて印象も受けそうな作品ですが、しかし本作を聴くと、私たち日本人にとってもどこか郷愁感を覚えるようなメロディーラインが胸に響いてくるような、そんなアルバムに仕上がっていました。まず印象的なのが「I Shall Not Be Moved」。フォーキーな作風は日本人にとってもなじみやすいのですが、メロディーラインも暖かみのあるメランコリックなフレーズが印象に残ります。
さらに印象に残るのが続く「Black as Crow」。まさに日本人にとっても懐かしさを感じさせるような郷愁感たっぷりのナンバー。泣きメロとも言える印象的なメロディーラインを、ギターやストリングスなどのアコースティックな楽器でしんみりと聴かせてくれます。日本人にとっても、涙腺を直撃しそうなメロディーが特徴的な楽曲でした。
そんなフォーキーな作風の曲も目立つながらも、さらに本作がユニークだったのは、トラッド系という一言では収まらないような、幅広い音楽性が楽しめた点でした。例えば続く「O Death」は力強いボーカルに勇壮なパーカッションが響く、トライバルな要素を入れつつ、全体的にはソウルの要素を強く感じさせる作風がユニーク。「Waterbound」は暖かい音色とフィドルが特徴的なカントリー風のナンバー。「Bully for You」は笛の音色がエキゾチックな感触を覚えるインストチューン。さらに「Nenna Nenna」はなんとボーカルのみの重厚なアカペラでもの悲しく聴かせる楽曲に仕上がっています。
さらにユニークなのが本編ラスト。ご存じ有名なゴスペルナンバー「Amazing Grace」のカバーなのですが、力強いパーカッションが鳴り響き、トライバルな雰囲気の作風に。後半になるとここにフィドルの音色が加わり、アイリッシュな雰囲気が加わるというユニークなカバーに。様々な音楽性を感じさせる彼女ならではのカバーと言えるかもしれません。
そんな訳で、アメリカントラッドのアルバムながらも、日本人にとってもどこか懐かしさを感じつつ、さらに様々な音楽性を感じさせる素晴らしいアルバムに仕上がっていました。難しいこと抜きにして、幅広い層が楽しめそうなアルバム。日本では決して知名度は高くないのですが、その実力は間違いありません。お勧めの1枚です。
評価:★★★★★
Pray For Haiti/Mach-Hommy
アメリカはニュージャージーを拠点に活動しているハイチ系ラッパー。かなりダウナーな雰囲気のドープなラップが魅力的。ちょっとレトロな雰囲気だったり、メロウなフレーズなどを挟みつつ、ちょっと怪しげな雰囲気で最後まで一気に聴かせるようなサウンドが魅力的。ちなみに「Makrel Jaxon」では「つまようじをさしたリンゴ」という謎の日本語がサンプリングされています。
評価:★★★★★
A Little Bang (Bigger Bang Tour EP)/The Rolling Stones
DVDでのリリースが予定されている「A Bigger Bang: Live On Copacabana Beach」から5曲をピックアップし、先行配信されたEP盤。わずか5曲とはいえ「Sympathy For The Devil」「Happy」など盛り上がる楽曲や「Wild Horses」のバラード曲も披露。ほどよくストーンズのライブの魅力をつまみぐいした作品になっていて、これだけでも十分楽しめる一方、ライブ映像も見なくては・・・と感じてしまうような作品になっていました。ある意味、プロモーション目的の先行EPとしては非常によく出来た内容かと。
評価:★★★★★
The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES)
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
Ladies & Gentlemen
ON AIR
Voodoo Lounge Uncut
Honk
The Rolling Stones Rock and Roll Circus
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