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2021年6月14日 (月)

懐かしさも感じるキュートなギタポ

Title:Even The Good Days Are Bad
Musician:Last Days Of April

スウェーデン出身のギターポップバンド、Last Days Of April。いわゆる「美メロ系のギターポップバンド」で、本作が約6年ぶりとなるニューアルバムとなります。ほどよくノイジーなギターを中心としたバンドサウンドに胸キュンなメロディーラインということで、タイプ的にはTEENAGE FANCLUBやFountains Of Wayne、あるいはおなじスウェーデンの胸キュン系ギターロックバンドThe Marrymakersあたりが好きなら気に入るかも、といったタイプのバンドでしょうか。

彼らのデビューは1996年で、既に結成25周年目というベテランの域に達するバンド。デビュー以来、2,3年に1度はアルバムをリリースするというコンスタントな活動を続けています。私自身も彼らのアルバムを聴くのはこれがはじめてではなく、2003年にリリースされたアルバム「If You Lose It」が日本でもちょっと話題となり、そのアルバムをリアルタイムで聴いて気に入っていたのですが・・・その後はアルバムがリリースされても、日本ではほとんど情報が入っていなかったこともあって、なんとなく聴いていませんでした。ただ、今回のアルバムのリリースについて、久々にWebメディア上で話題に出てきて、久しぶりに聴いてみたのが今回のアルバム、という流れになります。

そんな久々に聴いた今回のアルバムは、相変わらずの美メロ路線にほどよくノイジーなギターサウンドがとても心地よい逸品、ということになるのでしょうか。以前聴いたアルバム「If You Lose It」も心地よい美メロ路線に当時、結構はまった記憶があるのですが、今回のアルバムに関しても、20年近いスパンが開いていたものの、そのスタイルはほとんど変わっていないように感じます。

もっとも美メロ系ギターロックバンドと一言で言っても、バンドによってそのスタイルが様々に変わりますが、彼らが特徴的なのはメランコリックなメロディーラインと、60年代のガレージロックあたりを彷彿とさせる、ちょっとサイケでレトロなバンドサウンドのスタイルではないでしょうか。アルバムは、1曲目、タイトルナンバーの「Even the Good Days Are Bad」からスタートしますが、ガレージ気味なノイジーなギターサウンドに、ストリングスも入った音色が非常にメランコリック。どこかレトロな懐かしさも感じさせます。「Had Enough」もピアノが加わったメランコリックなサウンドがとても懐かしさを感じさせますし、「Alone」もちょっと懐かしさを感じる軽快なガレージロック風。「Hopeless」も懐かしい60年代ポップの匂いを感じさせる楽曲に仕上がっています。

他にも「美メロ」と言えば、まさに2曲目の「Run Run Run」でしょう。ミディアムチューンのナンバーなのですが、胸がキュンと来るようなキュートなメロディーラインがたまらないポップチューン。これぞ美メロ好きの壺をつきそうなナンバー。また「Anything」の分厚いギターサウンドにキュートなメロディーラインも美メロギタポ好きの胸をうちそう。まさに聴いていて胸がキュンと来るようなポップチューンの並ぶ作品になっています。

ちょっと懐かしさを感じさせつつ、無条件にポップなメロディーを楽しむことが出来るそんな1枚。美メロ好きには文句なしにお勧めできる作品だと思います。久々に聴いたアルバムで、聴き逃していた作品も多いのですが、これを機に、過去に戻って彼らのアルバムを聴いてようかなぁ。そんな気にもさせてくれる傑作でした。

評価:★★★★★

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