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2021年6月 6日 (日)

グルーヴィーなサウンドがたまりません

Title:Seek Shelter
Musician:Iceage

最近、特に欧米のミュージックシーンでは次々と新しくておもしろいロックバンドが登場してきています。Idlesが全英チャート1位を獲得するなどブレイクしたり、Black Midiが注目を集めたりと、最近はロック復権とも言えるほど活況を呈してきています。そんな中、注目したいロックバンドの傑作がまたひとつ登場しました!今回紹介するのはIceageというデンマークのポストロックバンド。今回、彼らの音源ははじめて聴くのですが、非常に素晴らしいロックアルバムで、また一組、注目のロックバンド誕生の予感がします・・・・・・

・・・・・・

と最初聴いたときに思っていたのですが、すいません、これは完全に私の知識不足でした。このバンドは結成2008年の、結成13年目になるベテランといっていい域のロックバンド。デビュー作は2011年の「New Brigade」で、この作品で既に高い評価を集め、その後もアルバムをリリースする毎に高い評価を受けているバンド。「最近出てきた」のでは全くなく、既に一定以上の評価を集めているロックバンドだったようです。

本作はそんな彼らの約4年ぶりとなるニューアルバム。そんな訳で彼らのアルバムははじめて聴いたのですが、これが冒頭で絶賛している通り、一気にはまってしまいました。まず個人的に壺につきまくったのが前半。もう完全に90年代のブリットポップ、あるいはマンチェスター・ムーブメントの影響を強く感じるグルーヴィーなギターロック。1曲目のタイトルチューン「Shelter Song」なんかもミディアムチューンながらダウナーな歌いっぷりとうねるようなサウンドなんてまさに、といった感じですし、2曲目「High&Hurt」なんかもリズミカルでグルーヴィーなサウンドが心地よい、もろブリットポップやマンチェスター・ムーブメントのサウンドといった感じで心地よさを感じますし、「Vendetta」もグルーヴィーでサイケなサウンドが非常に心地よい作品に仕上がっています。

そんな訳で、ちょっと懐かしさも感じられる前半の作品に一気にはまってしまったのですが、さらにユニークだったのは後半戦。ここからグッと雰囲気がかわってきます。「Drink Rain」は気だるい雰囲気の中でムーディーに聴かせるポップチューンになっていますし、どこかボブディラン的に語るようなボーカルでフォーキーな雰囲気が漂う「Gold City」、さらに疾走感あるギターロックにポップなメロがT-Rexあたりの雰囲気を感じる「Dear Saint Cecilia」とバラエティーある楽曲が続いていきます。ここらへんの、様々な音楽的要素を入り混じったバラエティー富んだ作風は実にユニークに感じました。

ただ、その後半の作品も含めて、気だるさを感じるボーカルやメロディーラインにグルーヴィーなリズムは共通。バラエティー富んだ作風ながらもアルバム全体としての統一感もしっかりと感じられました。デビュー作以降、アルバムをリリースする毎に高い評価を得ているバンドみたいなのですが、確かにその理由も納得。ストーンローゼズあたりが好きなら気に入りそうですし、個人的にもかなりはまってしまいました。今年のベスト盤候補と言える1枚。今回はじめて知ったバンドだったのですが、一気に気になるバンドとなりました。前作以前もチェックしてみようかなぁ。

評価:★★★★★

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