「異常空間Z」にて
THE MATSURI SESSION
ZAZEN BOYS/NUMBER GIRL
会場 日比谷野外音楽堂(オンライン) 日時 2021年5月4日(火)
最近、ちょっとご無沙汰になっていたオンラインでのライブ観戦。昨年末のライブまとめでも書いた通り、正直、オンラインライブはやはり物足りなさが否めず、ちょっと気持ちが遠のいていました。また、コロナ禍の中での対策も取られるようになり、徐々に客数を減らしつつ、ライブが行われるようになり、そのためオンラインライブが少なくなってきた、という影響もあります。
そんな中、久々に「これは見なくては!」と思ったのがNUMBER GIRLとZAZEN BOYSの対バンライブ!当初は観客を入れてのライブを予定していましたが、東京での非常事態宣言発令に伴い、急遽無観客でのライブとなった本公演。久しぶりのオンラインライブ観戦となりました。
スタート前、映像は観客が誰もいない日比谷野音が映し出されます。やはり誰もいない野音はあまりにも寂しい・・・・・・。やがてスタートの時間になると、向井秀徳の鼻歌が流れ、そしてまずはNUMBER GIRLのメンバーが登場。ライブがスタートとなります。
NUMBER GIRL
メンバーが集結すると、「異常空間Z」と叫んだかと思えば、まずは「日常を生きる少女」からスタート。無観客とはい、通常のライブとは全く変わらない非常に迫力のある演奏からスタート。さらに「鉄風 鋭くなって」「タッチ」とおなじみのナンバーが続きます。無観客の寂しさを吹き飛ばすかのような、かなり力の入った演奏。特に向井秀徳のボーカルはいぜんにましてドスが強くなったような感じすらします。
さらに「ZEGEN vs UNDERCOVER」で圧倒した後、誰もいない客席に向井秀徳が軽く一礼。再び「異常空間Z」と叫んだあと「透明少女に逢ったら伝えてくれ。必ず迎えに行く、って」という短いMCから、おなじみ「透明少女」へ!!この展開にはゾクゾク来るものがあります。観客が入ってたら大歓声だったんだろうなぁ・・・でも、観客の歓声が聴こえてくるようでした。
曲の後に、「提供は異常空間Z!」という謎のコメントを残し、力強い向井秀徳のギターソロと鼻歌からゆっくりスタートし、「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」へ。ノイジーなギターを前面に押し出したサウンドで、中尾健太郎が飛びまくるステージも印象的。その後、向井秀徳の「water color girl」という紹介から、「水色革命」へ。
その後、また「異常空間Z!」と叫んだあと、軽くMCで「私の映画の師匠であります塩田明彦監督が新作をつくりました」という紹介から、なんと新曲を披露!おそらく「排水管」というタイトルだと思われるのですが、ミディアムテンポの重低音がを聴かせつつ、しっかりと歌を聴かせる楽曲に。塩田明彦監督の新作映画の主題歌なのでしょうか?ついに発表されたナンバガの新曲。これはかなりうれしいニュースでした。
さらにチャコちゃんのおなじみのギターリフからスタートする「TATOOあり」へ。そしておなじみの「福岡市博多区からやってまいりましたNUMBER GIRLです。ドラムス、アヒトイナザワ」から「OMOIDE IN MY HEAD」へ!また観客の大歓声が聴こえてくるようでした。そしてそのままラストの「I don't know」へ。これまた無観客になってしまったうっぷんを叩きつけるような力強い演奏に。いつもながら、その演奏に圧巻されてしまいます。
そして最後に簡単なメンバー紹介があり、全員で深く一礼をすると、静かにステージを去っていきます。約1時間強のステージ。無観客という状況でしたが、いつもと全く変わらない迫力あるステージに終始圧巻された1時間でした。
ZAZEN BOYS
その後は普通にライブ配信のためセットチェンジに。20分近くかけてようやく終了。ZAZEN BOYSのステージがはじまります。まず「自問自答」からスタート。メロウな雰囲気のギターサウンドに向井秀徳のラップがのるスタイルでNUMBER GIRLのステージの雰囲気とはガラッと変わります。
またここで再び「異常空間Z!」と叫ぶと「Honnoji」へ。サイケでファンキーなサウンドにより、また会場の空気感がグッと変わります。さらに「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」「COLD BEAT」とファンキーなリズムのナンバーが続きます。NUMBER GIRLのステージと異なり、メンバーはステージ中央部に集まり、向井秀徳を除く3人は中心部で対峙するように演奏を行っていました。サウンドはよりエッジが効いており、NUMBER GIRL以上に緊迫感のあるステージングを聴かせてくれます。
さらにジャムセッション的な「泥沼」から「weekend」へ。そしていつものようにビールを手にすると、再び「提供は異常空間Z」と謎のMCを残すと、今後はギターを置き、ポケットに手をつっこみながら「ポテトサラダ」さらには「はあとぶれいく」を聴かせてくれます。
その後は「杉並の少年」と曲紹介をすると、NUMBER GIRLに続きZAZEN BOYSも新曲を発表!エッジの効いたサウンドでファンキーさも感じれるセッションはZAZEN BOYSらしく、向井秀徳の歌が加わるスタイル。さらに「破裂音の朝」へ。こちらも同じく向井秀徳の歌が前に出てくるスタイルに。歌モノ・・・というとちょっと違和感はあるのですが、歌を主体にした曲が続きます。
本編ラストは「Abosi」へ。またジャムセッション的な迫力ある演奏を聴かせてくれます。日もすっかり沈み、真っ暗な中、緑色のライブで浮かび上がるメンバーが非常に妖艶で印象に残ります。最後はジャムセッションが続くのかと思いきや、比較的シンプルに本編は終了。最後は向井秀徳の「乾杯」の一言で、とりあえず本編は終了となります。
さらにアンコールも。アンコールでは向井秀徳1人だけ登場。ご存じ向井秀徳アコースティック&エレクトリックのスタイルで、なんとサカナクションの「忘れられないの」をカバー。ちょっと意外な選曲にビックリ。こちらはうってかわってギター1本のみのスタイルで聴かせますそしてラストは「KIMOCHI」へ。これで最後とばかり、ダイナミックで激しいバンドサウンドを響かせます。さらに途中からなんとLEO今井が登場。LEO今井のボーカルにより「KIMOCHI」を聴かせてくれました。最後はアカペラで歌いながら、向井秀徳とLEO今井が肩を組んで会場から去り、ライブは幕を下ろしました。
NUMBER GIRLで1時間強、ZAZEN BOYSで1時間強、途中のセットチェンジ合わせて約3時間弱のライブでした。昨年はコロナ禍の中でライブに一切足を運べず、オンラインでのライブだけ見てきました。結果として正直なところ、通常のライブに比べるとオンラインライブの物足りなさにここ最近はオンラインライブから遠のいていました。ただ、久しぶりにこうやってライブ映像を見ると、やはり映像を通じてとはいえライブはいい!!特にNUMBER GIRL、ZAZEN BOYS共に、音源以上にライブに定評のあるミュージシャンなだけに、どちらもその演奏に圧倒されました。
また轟音で圧倒するNUMBER GIRLとエッジの効いた、ファンキーさも感じさせるサウンドで聴かせるZAZEN BOYS。同じ向井秀徳のバンドでもあらためて、その違いの大きさに実感しました。確かに、ZAZEN BOYSとしての活動だけだったら、NUMBER GIRLみたいな音も出したくなるよなぁ・・・今回の再結成の訳もなんとなくわかったように思います。
この日はとにかく向井秀徳が気に入ったみたいで「異常空間Z」と叫びまくっていました。おそらく、コロナ禍で無観客となり、夜、人通りも少なくなってしまった今の東京を表現しているのでしょう。あらためてNUMBER GIRLとZAZEN BOYSのカッコよさを思い知ったライブ。早く「異常空間Z」が終わって、彼らのライブを見ていたい・・・そう強く感じたオンラインライブでした。
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