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2021年2月21日 (日)

ハイライフの魅力を現在に伝える

Title:Alewa
Musician:Santrofi

今回紹介するアルバムも、2020年のベストアルバムとして取り上げられた作品のうち、未聴のアルバムを後追いで聴いたアルバム。今回もMUSIC MAGAZINE誌ワールドミュージック部門。今回は第5位にランクインしたアルバムです。19世紀に登場し、ガーナやナイジェリアなどに広がった、アフリカ音楽と西洋音楽を融合させた音楽、ハイライフ。今回紹介するSantrofiというバンドは、そんなハイライフを現在によみがえらせたガーナのバンドだそうです。

ハイライフという音楽自体は、このサイトでも何度か紹介したことがあります。ただ、いままで「ハイライフ」として紹介したアルバムは、ベテランミュージシャンや過去の音源のアンソロジー的な作品。しかし今回のアルバムは、ガーナの若手バンドで、まさに現在進行形の「ハイライフ」を奏でるバンド。イメージ的には、一昔前に流行ったジャンルのようですが、このアルバムを聴くと、今なお、しっかりと音楽のジャンルとして通用することがはっきりとします。

もともとハイライフという音楽は西洋音楽とアフリカ音楽の融合というのが大きな特徴のようですが、彼らの作品に関しては、その傾向がかなり顕著な内容となっています。1曲目「Kokrokoo」は、コールアンドレスポンスによる合唱とパーカッションのみという、まさにアフリカの音楽をそのまま収録したような内容に。続く「Alewa(Black and White)」はホーンセッションも入り、ジャズの要素も強く、いかにもハイライフといったイメージの曲なのですが、まだトライバルな雰囲気も強く感じる曲になっています。

しかし、続く「Kwaa kwaa」はギターサウンドがソウルテイストの作風になっていますし、ある意味タイトルそのまま「Africa」はアフロビート的なリズムが楽しめる反面、ギターに関しては、かなりロックのテイストの強く作品になっており、まさにアフリカ音楽と西洋のポピュラーミュージックの融合という作品に仕上がっています。

さらに彼らの音楽的な要素の幅広さはそれだけにとどまりません。「Odo maba」は陽気なラテンテイストのサウンドにジャズを融合させたような、心地よいポップチューンに。「Konongo kaya」も哀愁感たっぷりのサウンドはラテンの要素を感じさせます。もともとハイライフにはルンバやカリプソなどラテン音楽的な要素を強く感じる特徴があるのですが、まさにそんなラテンフレーバーを強く感じさせる心地よいポップソングに。そこに加わるポリリズムやコールアンドレスポンスなどのアフリカ的な要素が心地よく、まさにハイライフの魅力を現在に伝えているといっても間違いない作品が並びます。

そしてラストを飾る「Mobo」は非常にブルージーな作品に。ギターの音色もブルースの影響を感じさせますし、しんみりと歌い上げるボーカルもまさにブルース。このブルースとの融合というのは、個人的にはあまりハイライフとしてのイメージは強くないのですが、ただ、最後までしっかりとアフリカ音楽と西洋音楽の融合というハイライフの特徴をしっかりと踏まえた作品にまとめあげていました。

そんなまさにハイライフの魅力を現在に伝えた今回のアルバム。アフリカ的なトライバルな魅力と、洗練された西洋音楽のポピュラリティーを同時に感じるという、非常に優れた作品になっており、意外とポップな作風がゆえに、普段、ワールドミュージックに聴きなれていない方にもおすすめできる作品だったかもしれません。ベストアルバムの上位にランクインしてくるのも納得の傑作アルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Un Canto Por Mexico,Vol.1/Natalia Lafourcade

本作も2020年ベストアルバムを後追いで聴いた1枚。Music Magazine誌の、こちらはラテン部門で1位を獲得したアルバム。メキシコのシンガーソングライターによるアルバムだそうですが、ラテン調の作品ながらもポップでメロディアス。爽快で心地よいナンバーが並んでおり、日本人にとっても耳なじみやすい、いい意味でわかりやすいメロディーラインと、美しい彼女のボーカルが実に魅力的なナンバー。どこか感じさせるノスタルジックな雰囲気も実に魅力的な傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

What To Look For In Summer/Belle and Sebastian

コロナ禍により、ライブツアーやレコーディングが白紙になってしまったベルセバが、その代わりとしてリリースされたライブアルバム。2019年のワールドツアーからベストアクトを収録した2枚組のアルバムになっているのですが、彼ららしくメロディアスなポップチューンが並ぶ作品で、ライブならではの多幸感を作品から強く感じることの出来るアルバムに。ベルセバのベスト的な感覚でも楽しめるアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★★

Belle and Sebastian 過去の作品
Write About Love(ライト・アバウト・ラヴ~愛の手紙~)
Girls in Peacetime Want To Dance
How To Solve Our Human Problems
Days of The Bagnold Summer

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