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2021年2月 6日 (土)

2020年年間ベストアルバム(邦楽編)その2

昨日に引き続き、2020年私的年間ベストアルバムの邦楽編。今回は5位から1位までの紹介です。

5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン

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毎回、その時代時代の社会現象に対応するアルバムをリリースし続けるソウルフラワーユニオン。今回のアルバムも、まさにコロナ禍の中、社会状況が厳しいからこそ抑圧されがちな弱者に対する力強いメッセージを載せたアルバムとなっています。前作「バタフライ・エフェクツ」では、ニューエストモデル期を彷彿とさせるようなロック回帰な作品を見せたのですが、今回のアルバムは、前作の方向性に、いままでのソウルフラワーユニオンの特色だったトラッド色を加味。大ベテランの彼らがここに来て、新たな一歩を踏み出すような傑作に仕上がっていました。

位 ボイコット/amazarashi

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「令和二年、雨天決行」に続き、2作目となるベストアルバム入り!上期ベストアルバムでも紹介したのですが、デビュー当初は「中二病」的なイメージの強かった彼らもここ最近ではすっかり地に足をついたような歌詞を聴かせてくれるようになり、間違いなくミュージシャンとしての成長を感じさせます。本作でも都会の中での地方出身者の孤独を綴る歌詞は強いインパクト。もともと青森出身という秋田ひろむの出自を強く反映されたアルバムになっています。個人的にはもっと評価されていいバンドだと思うのですが。

3位 狂(KLUE)/GEZAN

こちらはアルバムレビューでは未紹介の1枚。サイケ、ダブ、ハードロック、パンクなどをごちゃまぜにした圧巻のサウンドがリスナーの耳に襲いかかる1枚。サウンド的には、むしろ70年代、60年代的な雰囲気を感じる懐かしさも感じつつ、アンダーグランド的なヤバさも覚える作品。一方で歌詞の世界は、現在社会の病理を鋭く切り取るような歌詞が展開され、歌詞の世界でもサウンドの世界でもリスナーの心をダイレクトにつかみ取る、衝撃的な作品に仕上がっています。まさに「圧巻」という一言がふさわしい傑作アルバムです。

2位 STRAY SHEEP/米津玄師

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2020年最も売れたアルバムが、年間ベストクラスの傑作というこの幸せな事実!今、もっとも話題かつ人気のミュージシャン米津玄師のニューアルバム。ここ最近のオリジナルアルバムも、ミュージシャンとしての脂がのっていることを感じさせる勢いのある作品が続いていましたが、まさにその頂点とも言えるような傑作アルバム。いままで若干、過剰気味だったサウンドがそぎ落とされ、よりタイトとなったサウンドに大きな成長を感じつつ、一方で社会から疎外された人たちの視点という、初期の彼の歌詞のスタイルはそのまま。ミュージシャンとして大きな進歩を感じさせる文句なしの傑作アルバムでした。

1位 Passport&Garcon/Moment Joon

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本作を聴いた段階で「暫定1位」と称した本作が、結果として年間ランキングでも文句なしの1位。作品的にあまりに時代性をキャッチしすぎたがゆえに、コロナ禍の前にリリースされた本作は、今聴くと、既に古いとすら感じさせる表現もあるのですが、ただ本作で訴えたい、日本人の中にある外国人に対する差別的精神は、残念ながら今なお全く変化はありません。コロナ禍の中で国境を閉ざす国が多くなってきた中、彼が訴えるナショナリズムは今後さらに酷くなる可能性もあるでしょう。そういう意味でも間違いなく2020年を代表する1枚です。

ほかのベスト盤候補は・・・

202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。
民謡クンビエロ(フロム・トーキョー・トゥ・ボドタ)/民謡クルセイダーズ&フレンテ・クンビエロ
THE THIRD SUMMER OF LOVE/ラブリーサマーちゃん
ROVO/ROVO
You need the Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
23歳/KAN

非常に数多くの傑作がリリースされた洋楽と比べると、逆の意味で10枚を選ぶのに迷った感もあるのですが、それでもベスト10入りした10枚は文句なしの傑作アルバムになっていました。なによりも、コロナ禍に襲われ、社会の状況が大きく変化した2020年の現状を大きく反映したアルバムが並んだ、「今の時代」を反映した、まさにポピュラーミュージックらしいベストアルバムと言えるのではないでしょうか。

そんな訳で、今年のベスト10をあらためて振り替えると

1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 STRAY SHEEP/米津玄師
3位 狂(KLUE)/GEZAN
4位 ボイコット/amazarashi
5位 ハビタブルゾーン/ソウルフラワーユニオン
6位 操/岡村靖幸
7位 令和二年、雨天決行/amazarashi
8位 Devil/ビッケブランカ
9位 oar/角銅真実
10位 Loveless Love/曽我部恵一

今年はコロナもおさまり、もっと明るいアルバムが並ぶ1年であってほしいのですが…

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 年間1  上半期
2019年 年間1  上半期
2020年 上半期

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