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2021年1月19日 (火)

2020年2作目のサプライズリリース

Title:evermore
Musician:Taylor Swift

昨年7月に、アルバム「folklore」をサプライズリリースしたテイラー・スウィフト。突然のリリースでありながら、当然のように大ヒットを記録。さらに、各種メディアでも大絶賛を受け、様々なところで2020年のベストアルバムの1枚に挙げられるなど、高い評価を受けたアルバムになりました。実際、私もリアルタイムで同作は聴いたのですが、間違いなく、彼女の最高傑作ともいうべき素晴らしい内容になっており、彼女のミュージシャンとしての大きな成長を感じさせる作品となっていました。

そんな前作からわずか5か月というインターバルで、再びサプライズリリースされたのが本作。前作と同様、The Nationalのアーロン・デスナーがプロデューサーとして参加。今回は15曲中14曲までがアーロンが手掛けた作品となっており、前作以上にアーロンからの強い影響を感じさせる作品となっています。前作からわずかな期間でリリースされた新作となりますが、本人はインスタグラムでこれほど短いスパンで新作をリリースした理由として「曲を書くのがやめられなかったから」と語っています。実際、前作「folklore」が傑作として仕上がったことからもわかるように、間違いなくミュージシャンとしてもっとも脂がのっているのでしょう。今回のアルバムも、彼女がミュージシャンとして非常に勢いがあることを強く感じさせる傑作アルバムとなっていました。

今回のアルバムは、「folklore」からの流れとして作成されたいることもあり、前作の姉妹アルバムとして位置づけられる作品となっています。基本的に前作同様、アーロン・デスナーがプロデューサーとして全面的に参加したこともあり、前作と似たような作風、アコースティックやインディーフォークの様相の強いアルバムに仕上がっています。先行シングルともなった「willow」ではアコースティックギターをバックに歌い上げる爽やかなメロディーが印象に残りますし、続く「champagne problems」もピアノのシンプルな弾き語りにより聴かせる、清涼感ある歌声が魅力的な作品に仕上がっています。

ただ一方、リモート主体で作成された前作とは異なり、今回はスタジオ録音がメインとなった作品になっています。そのため、サウンド的には前作よりも分厚さが増し、前作で感じた宅録的な色合いは前作よりも薄くなったように感じます。また、前作よりもゲスト勢の参加は多くなり、まず「no body,no crime」ではHaimが参加。哀愁感の強いマイナーコード主体の悲しげなナンバーに仕上げています。「coney island」ではアーロン・デスナーが所属しているThe Nationalが参加。彼の渋いボーカルが強いインパクトを残す楽曲となっており、アルバムの中でも強いインパクトとなっています。また、前作でも参加したBon Iverが本作でもタイトルチューンの「evermore」で参加。ただ、アルバムの中で強いインパクトを与えていた前作と比べると、本作ではあくまでもテイラーのボーカルのサポートに徹したような作品になっていました。

ちなみにいままでの彼女のアルバムに長く参加してきた盟友ジャック・アントノフは今回は1曲のみの参加。ただ、その1曲である「gold rush」は爽やかなメロディーラインが強いインパクトを残す楽曲になっており、なにげにこのアルバムの中でも両者の相性の良さは感じさせます。そういうこともあり1曲のみの参加はちょっと惜しい感じはするのですが・・・ただ、この流れだど、次回作以降は彼の手助けは求めない形になるのでしょうか?

前作に引き続き、今回のアルバムも間違いなく年間ベストクラスの傑作アルバムだったと思いますし、改めて彼女の実力を強く感じさせる傑作アルバムに仕上がっていました。「folklore」が気に入っている方ならば無条件で聴くべき傑作アルバム。これだけの作品を1年に2枚もリリースできてしまうことにビックリしてしまいますし、それだけ勢いがあるということなのでしょうね。この快進撃はまだまだ続きそうです。

評価:★★★★★

TAYLOR SWIFT 過去の作品
FEARLESS
RED
1989
REPUTATION
Lover
folklore


ほかに聴いたアルバム

Blame It On Baby/DaBaby

本作で2作連続ビルボードチャート1位を獲得するなど、現在、最も人気のあるラッパーの1人、DaBaby。本作に収録されている「Rockstar」も全米のみならず、イギリス、オーストラリア、カナダなどのヒットチャートで軒並み1位を獲得する大ヒット曲となりました。「Rockstar」なんて曲をつくっているのでロック寄りのサウンド・・・かと思いきや、サウンド的にはいかにも今どきなトラップのリズムを入れたリズミカルなもの。ただ、このトラップのリズムにマッチするメランコリックなラップが殊の外メロディアス。リズミカルなリズムと合わせて、いい意味で聴きやすさを感じる内容になっていました。確かに、良くも悪くも「売れ線」といった印象を受けるアルバム。まだまだ彼の人気は続きそうです。

評価:★★★★

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