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2020年10月 3日 (土)

久しぶりにスキマの曲三昧

今回は、比較的同時期にリリースされたスキマスイッチの2組のアルバムの紹介。久しぶりに続けざまにスキマスイッチの曲をたくさん聴いた「スキマ三昧」に浸れました。

Title:スキマスイッチ TOUR 2019-2020 POPMAN'S CARNIVAL vol.2
Musician:スキマスイッチ

まずは毎度おなじみ、スキマスイッチのライブアルバム。なぜか毎回、ライブツアー毎にライブアルバムをリリースする彼ら。これで実に11枚目となるライブアルバムとなります。こちらは昨年12月25日に東京・中野サンプラザで行われた「スキマスイッチ TOUR 2019-2020 POPMAN'S CARNIVAL vol.2」のライブ音源を収録されています。

「なぜか毎回」という書き方をするのは、彼らは基本、ポップスグループであるため、ライブアレンジとして原曲を大きく崩すようなことはしませんし、また、ロックバンドのようにライブによってはバンドの息がピッタリ合い、奇跡のようなステージを見せてくれる…とうタイプでもありません。ライブ毎に、それほど大きく状況が変わるわけでもなく、そういう意味でも若干、ここまで毎回のようにライブアルバムをリリースする必要はあるのか??とは思ってしまいます。

ただ、それでも今回のライブ音源に関しては原曲に比べて、よりホーンセッションが前に押し出されているアレンジが目立ちました。「ガラナ」もホーンセッションでより軽快な雰囲気になっていましたし、「ズラチナルーカ」もホーンセッションが響くことにより切なさがよりましたように感じました。

選曲的にはアルバムリリース直後のツアーではないこともありベスト盤的な選曲に。特に12月25日のライブということで「クリスマスがやってくる」なんていかにもな選曲や「冬の口笛」といった季節性を感じさせる選曲もありつつ、基本的にはスキマスイッチの魅力をしっかり伝えつつ、はじめての方でも楽しめるような選曲になっていたように感じます。

ちなみにラストには「MC集」として5トラック分のライブツアーでの厳選MCが収録。ちょっとしたコントみたいなMCも楽しい感じ。特にOfficial髭男dismに言及した部分があり、「スキマスイッチはかつては今のヒゲダンのような人気が…」といったところでは確かにそうだよなぁ…ということを懐かしく感じます。当時は今のビルボードチャートのような混合チャートがなかったのですが、もし当時に混合チャートがあったら、「全力少年」とか「ガラナ」あたりはもっとロングヒットになっていたんじゃないかなぁ…なんてことを想像してしまいました。

そんな訳で今回もライブ盤としては十分楽しめたのですが…ただMC集を厳選して収録するよりは、ライブ音源をMC含めて1つの会場で完全収録にしてほしいなぁ、なんて感じたり。逆に、各会場の音源を厳選して収録という形にしてほしいなぁ、なんてことを感じました。ま、比較的ファンズアイテム的な要素も強い、いつものライブ盤ですが、彼らの魅力は十分感じられる作品でした。

評価:★★★★

Title:スキマノハナタバ ~Smile Song Selection〜
Musician:スキマスイッチ

で、もう1枚が2018年にリリースされた「スキマノハナタバ ~Love Song Selection~」に続くコンセプトアルバム第2弾。今回は「スキマスイッチのエネルギッシュな音楽で"楽しさ"と"笑顔"を届ける」をテーマにセレクトした楽曲を収録した企画盤となります。

そのため比較的アップテンポで軽快な曲が多かった今回のアルバム。素直にスキマスイッチのポップなメロの楽しさを感じられるアルバムになっていたようにも感じます。ただ、逆にアップテンポな曲が多かっただけに目立ったのは、「片想い」をテーマとした曲。「青春」「ガラナ」「かけら ほのか」のような片想いを歌ったような曲が、曲調が爽やかでアップテンポなだけに逆に目立つようにも感じます。ただ、今回のアルバムには収録されていませんが「アイスクリームシンドローム」のような、「片想い」をテーマとした優れた曲がスキマスイッチの曲に多いですよね。そこがまた彼らの大きな魅力でしょう。

また、「楽しさ」と「笑顔」というテーマだからこそ前向きな曲が多いのも特徴なのですが、そんな中でもラストの「あけたら」は今回、コロナ禍の中で制作された新曲なのですが、その歌詞が印象的。歌詞は、おそらくコロナ禍の中で換気のため窓を「開ける」という意味と、このコロナ禍が「明けたら」というダブルミーニングになっているのですが、まさにコロナ禍での閉そく感を織り込みつつ、その後に向けてのメッセージを込めた、今だからこそ歌われるべき曲になっていました。

楽曲的には文句なしの内容で、スキマスイッチの魅力を再認識できたのですが、ただ、「あけたら」以外は既存曲をまとめただけで(「全力少年」についてはリマスターはされていますが)やはりファンズアイテム的な要素の強いアルバム。楽曲の良さだけなら5つなのですが…もっとも「あけたら」1曲だけでも聴く価値のあるアルバムという点は間違いないでしょう。そういう意味ではファンなら要チェックのアルバムです。

評価:★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ
TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL
POPMAN'S ANOTHER WORLD
スキマスイッチTOUR2016"POPMAN'S CARNIVAL"
re:Action
新空間アルゴリズム
スキマノハナタバ~Love Song Selection~
SUKIMASWITCH TOUR 2018"ALGOrhythm"
SUKIMASWITCH 15th Anniversary Special at YOKOHAMA ARENA ~Reversible~


ほかに聴いたアルバム

駄々録~Dadalogue/No Lie-Sense

ムーンライダーズのリーダーとしてもおなじみの鈴木慶一と、ナゴムレコードの主宰で、劇作家としても活躍しているKERAのユニット、No Lie-Senseによる3枚目のアルバム。レトロ歌謡曲にコミックソングを織り交ぜた、ユニークな作風が特徴的。Music Magazine誌ではかなりの大絶賛だったのですが…個人的には、そこで褒められるほどには正直楽しめなかった部分も。どうも全体に、音楽的な意図が先ばしってしまって頭でっかちに感じてしまいました。

評価:★★★★

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