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2020年10月20日 (火)

やはりTHE HIVESは最高!!

Title:Live At Third Man Records
Musician:THE HIVES

THE HIVESというバンド、ちょっと懐かしい名前なのですが覚えておられますでしょうか。スウェーデン出身のガレージロックバンドで、2002年にリリースされた、それまでの彼らの楽曲をまとめたコンピレーションアルバム「Your New Favorite Band」が世界中で大きな話題となりました。このアルバムがリリースされた2000年初頭は、世の中でいわば「ガレージロックリバイバル」と呼ばれたムーブメントが起きている最中。彼らはまさにそのリバイバルの波に乗って注目を集めたバンド、ということになります。

「ガレージロックリバイバル」というと、今、よく話題に上るのがThe StrokesやArctic Monkeys、さらにはThe White Stripesといったバンドでしょうか。THE HIVESも一時期、かなり人気を集めたバンドだったのですが、今となっては半分くらい忘れかけられているバンドといった感じもします。「Your New Favorite Band」リリース後のアルバム「Tyrannosaurus Hives」はイギリスのナショナルチャートでベスト10ヒットを記録したほか、世界的にもヒットを飛ばしたもののその後は失速。2013年にはベーシストのDr. Matt Destructionが健康上の理由から脱退。新メンバーThe Johan and Onlyが加入するものの、その活動は停滞気味となりました。

しかし、2019年には久々のシングルをリリースするなど、その活動が徐々に再開。そしてこのたび、彼らのキャリアにおいて初となるライブアルバムがリリースされました。本作は、昨年5月16日、アメリカはナッシュビルのBlue Roomというライブハウスで録音された音源を収録したもの。そのライブ音源を、同じガレージロックリバイバルの盟友(?)だった元The White Stripesのジャック・ホワイトが主宰するインディーレーベルThird Man Recordsからリリースされました。

個人的に、このガレージロックリバイバルで話題になったバンドの中で、一番はまったバンドが彼ら。特に「Your New Favorite Band」は2002年の私的洋楽ベストアルバムの2位とするなど、繰り返し聴いた大のお気に入りのアルバム。一時期はかなりはまりまくっていました。それだけに今回のライブアルバムも、最初は懐かしい・・・という感覚で聴き始めたのですが、聴いているうちに、また再びTHE HIVESにすっかりはまってしまいました。

あらためて感じるのですがTHE HIVESの魅力は徹底したキャッチー。メロディーラインのポピュラリティーも、同時期のガレージロックバンドの中ではずば抜けていましたし、ギターリフのフレーズも非常にポップで耳に残るキラーフレーズを連発していきます。今回のライブ盤でも「Main Offender」「Hate to Say I Told You So」など代表曲が収録されているのですが、一度聴いたら完全に耳に残り、思わず口ずさんでしまう・・・そんな楽曲でした。

また、ガレージロックバンドとしてシンプルでエッジの効いたサウンドを迫力たっぷりに聴かせる点も彼らの大きな魅力なのですが、ライブ音源ということもあり、そんな彼らのバンドとしても冴えまくった演奏を聴かせてくれています。このBlue Roomという会場はわずかキャパ250人という小さいライブハウスのようですが、そんな観客との距離も近い環境だからでしょうか、最近、さほど活動していなかったはずの彼らですが、メンバー全員、非常に息の合った迫力ある演奏を聴くことが出来ます。観客の歓声もしっかりとらえられており、その場の空気感がしっかりとおさまったライブアルバムになっていました。

ちなみに収録曲の中には「I'm Alive」という昨年発表した新曲も収録。かなりへヴィーなギターリフで迫力たっぷりに聴かせるミディアムチューンのナンバー。正直、疾走感のある彼らのかつての代表曲に比べると若干地味なのは否めないのですが、なにげにメロもギターリフも知らず知らずに耳に残る、彼ららしいキャッチーさはしっかりと備えた曲になっています。THE HIVESの魅力の健在さを示す曲だったと思います。

当日は全10曲演奏したみたいですが、今回はうち7曲を収録。7曲でわずか33分という長さなだけに、正直言って、全曲収録してほしかったなぁ・・・とも思うのですが・・・。ただ、THE HIVES最高!!!と叫びたくなる、久しぶりにTHE HIVESの魅力を再認識できたアルバムになっていました。本格的に活動を再開したのなら、次は是非、久しぶりとなるニューアルバムを、と強く期待してしまいライブアルバム。とりあえずはかつてTHE HIVESにはまった方にも久しぶりに思い出して聴いて欲しいアルバムです。

評価:★★★★★

THE HIVES 過去の作品
The Black and White Album
LEX HIVES


ほかに聴いたアルバム

What You Gonna Do When The Grid Goes Down?/Public Enemy

約3年ぶりになるPublic Enemyのニューアルバムは、トランプ大統領を痛烈に批判した「State Of The Union」など、相変わらず強烈な社会派のHIP HOPを、昔からの彼らのスタイルと変わらない強烈なビートにのせて綴るスタイル。良くも悪くも昔からの彼らのスタイルが貫かれている感じで、強烈なインパクトを受けるのは間違いありません。ある意味、ファンなら間違いなく安心して楽しめる1枚です。

評価:★★★★

Public Enemy 過去の作品
Nothing Is Quick In The Desert

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コメント

ゆういちさん、こんばんは。今回のレビューとは関係ない話で申し訳ないですが・・・

昨日の赤い公園の津野米咲の件が1日たっても未だにショックです・・・正直そこまで深いファンではない僕でもこんなにショックなのだから、ファン、スタッフ、ご家族、そしてメンバーの気持ちを考えると胸が張り裂ける想いです。特に新ボーカルの石野理子はまだ19歳なので周りの大人がしっかり支えてあげてほしいです。彼女達がこのあとどうなっていくかはわかりませんが、どんな内容であれ彼女達が下した決断を僕はしっかり受け止めたいと思います。

津野米咲さん。心よりお悔やみ申し上げます。

投稿: 通りすがりの読者 | 2020年10月21日 (水) 00時16分

>通りすがりの読者さん
津野米咲の1件については、私もかなりショックなニュースです。間違いなく「天才」と言えるソングライターだっただけに、彼女の喪失は日本の音楽界にとっても、非常に痛い損失だと思います。心からご冥福をお祈りします。

投稿: ゆういち | 2021年2月 1日 (月) 23時58分

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