今年はオンラインで開催
京都音楽博覧会2020
会場 京都拾得(オンライン) 日時 2020年9月20日(日)19:30~
新型コロナの影響で、2020年の音楽フェスが軒並み中止またはオンライン開催となった中、くるりが主催で毎年開催している京都音楽博覧会もオンライン開催となりました。そんな訳で、ずっと参加できなかった京都音博ですが、オンラインということで今年は参加。オンラインとはいえ、2010年以来、2度目の京都音博となりました。
岸田繁楽団
まず時間となり最初にスタートしたのは「岸田繁楽団」なる、今回の京都音博を機に結成されたグループ。
「1.誰でも入れる楽団
2.どこでも演奏する楽団
3.なんでも演奏する楽団」
がコンセプトのようで、バイオリンやピアノ、コントラバス、クラリネットなどといった管弦楽的な編成の楽器に、岸田繁のギターやドラムセットも加わるポピュラーミュージックと管弦楽を融合させたようなスタイル。最初は京都拾得からの演奏で、岸田繁作曲による管弦楽の楽曲を優雅、というよりもメロディアスに、そして軽快に聴かせてくれます。
1曲が終了した後は、別撮で岸田繁への簡単なインタビューがあり、続いて2曲目は…これは意外な感じ!THE BOOMの「島唄」のカバー!伸びやかなストリングスをバックに岸田繁のボーカルが楽曲に妙にマッチしていました。さらにHomecomingsの畳野彩加を迎えてユーミンの「ひこうき雲」のカバー。こちらも畳野彩加のボーカルがユーミンっぽいボーカルスタイルとなっている、ストリングスも絶妙にマッチしたカバーに仕上がっていました。さらにHomecomingsの「白い光の朝」という曲へ。こちらもストリングスをバックとした爽やかな曲調が印象に残ります。
さらにUCARY & THE VALENTINEをゲストに「ドンじゅらりん」へ。この曲は岸田繁が作詞作曲を手掛けたEテレ「み~つけた!」で使用されている楽曲のカバーですね。「み~つけた」の曲らしいユニークでとても楽しい曲になっていました。さらに佐藤征史がベースで登場し「
琥珀色の街、上海蟹の朝」へ。こちらはバンドサウンドメインのファンキーなアレンジは変わらずに、ストリングスやUCARY & THE VALENTINEのボーカルが加わり、より爽やかさが加わりました。続く「ブレーメン」はもともとストリングスアレンジの曲ですが、今回はゲストボーカルとして小山田壮平が参加。トランペットでファンファンも加わり、また原曲とは少々変わった雰囲気になっていたのがユニークでした。
岸田繁へのインタビューでandymoriへの賛辞が述べられた後、小山田壮平をゲストに迎えたままandymoriの懐かしい「1984」へ。さらにはナポリ民謡の「サンタ・ルチア」のカバー、さらには再び短い岸田繁のインタビュー映像を挟みアウトロ的なインストナンバーに。ストリングスバックの優雅な雰囲気で1時間弱のライブは幕を下ろしました。
くるり
配信ライブはそのままくるりへ。一転、バンドサウンドが全面に押し出された演奏に切り替わり、最初は「愉快なピーナッツ」からスタートとなりました。さらに「さよならリグレット」「京都の大学生」とポップな曲が続きます。「京都の大学生」は岸田繁がマイク1本で歌う、歌謡曲風なステージになりました。さらにちょっとユーモラスな「Liberty&Gravity」、さらにはここで新曲。「益荒男さん」という曲らしく、日本の民謡やレトロ歌謡の影響も感じさせるユニークな楽曲が、今の岸田繁の興味のありかを感じさせます。
序盤は比較的、ポップな方向性の作品が並びましたが、さらに続けて披露された新曲「潮風のアリア」はバンドサウンドを前に出したミディアムチューン。郷愁感あるメロがくるりらしい楽曲に。そしてちょっと懐かしい「虹」、レア曲の「鍋の中のつみれ」、さらに「太陽のブルース」とミディアムテンポのギターロックナンバーが続きます。
で、ここで一転「トレイン・ロック・フェスティバル」とアップテンポなロックチューンに。さらにこれまた懐かしい「東京」「ロックンロール」と、緩急つけたロックチューンが展開します。アウトロではバンドメンバーみんなでジャムった後、そのままブルージーな岸田のギターにのって、ブルージーなバンドサウンドに。そしてそのままくるりとしては珍しいブルースナンバー「怒りのぶるうす」へと流れていきます。
さらにインストナンバー「Tokyo OP」で息の合った演奏を聴かせてくれた後は、そこまでの雰囲気から一転、岸田繁がアコギをかかえて「Bremen」へ。ファンファンのトランペットもメンバー3人のみの演奏となりしんみりと響かせながら聴かせます。さらに同じくメンバー3人のみの演奏で「キャメル」、そして「宿はなし」をしんみりと聴かせライブは幕を下ろしました。
最後はこの日の出演メンバーの写真が流れ、「来年は梅小路公園でお会いしましょう」というメッセージも流れライブは終了。くるりのステージは約1時間強。合計2時間強のライブでした。
今回は配信ライブでしたが、生ライブの形式ではなく、岸田繁楽団では途中、インタビュー映像が挟まったり、くるりのステージではMCもなく淡々とライブが展開していくような内容で、ライブというよりは映像作品という色合いの強い「配信ライブ」になっていました。ただ、岸田繁楽団はクラシック志向の強い岸田繁らしい試みで、ゲストも参加しているなど、ある意味「フェス」っぽい企画に。くるりのステージもサポートメンバーを迎えてのステージと、メンバー3人だけのステージという構成になっていて、新曲も含め、しっかりくるりの魅力を伝えたステージになっており、聴き応えのある内容になっていました。
今年はこういう形になってしまった京都音楽博覧会。まあ、ただそのお陰で久しぶりに「参加」できた、ということはあるんですけどね。もっとも来年は何の憂いもなく、以前にように梅小路公園で開催できるようになっていることを切に願っています。次、いつ行けるかどうかはわかりませんが・・・。
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