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2020年9月 7日 (月)

懐かしいヒット曲を還暦の今にリメイク

Title:感謝還暦
Musician:サンプラザ中野くん

2018年にリリース30周年を迎えた「Runner」のリメイク盤をソロとしてミニアルバムでリリースした、爆風スランプのサンプラザ中野くん。その後、2019年には「大きな玉ねぎの下で」のリメイクをリリースしましたが、本作はその第3弾となるミニアルバムとなります。今回リメイクしたのは「無理だ!」「涙2」「45歳の地図」をリメイクしています。

そんな訳で、例のよって懐かしい気分で聴いてみた今回のアルバム。まず目立つのは「無理だ!決定盤(令和Ver.)」で、全7曲中、第一章から第三章までの3トラックを占めています。現実的にはありえない事象をコミカルに羅列したノヴェルティーソングで、今回はファンや、さらには芸人、有名人を含め様々な人にネタを募集。そのネタが収録されています・・・・・・まあ、若干「水増し」気味な感は否めないのですが(苦笑)、ユニークなネタの連続は聴いていてクスリと笑える部分も。ただ、ネタとして「お賽銭のキャッシュレス」というネタがあるんですが、ただ、結構あるみたいなんですよね、お賽銭のキャッシュレス・・・いいかどうかは別として。

ただ今回のアルバムで一番耳を惹いたのが「涙2(2020青春Ver.)」。シャウト気味で歌い上げるメランコリックなメロディーラインが印象的なのですが、この手の曲はサンプラザ中野くんのボーカルにピッタリしていますね。さらにこの曲、CDとして一般発売された大ヒットしたのは「LOVE Ver.」で、今回カバーした「青春Ver.」は、ヒットの要因となった進研ゼミのCMソングに採用されたのですが、進研ゼミの受講生向けに配賦されたCDにのみ収録され、いままで一切市販されてこなかったヴァージョン。今回、こういう形で聴けたのはうれしいファンも多いのではないでしょうか。

また「45歳の地図(還暦Ver.)」も印象的。「45歳の地図」の主人公が還暦を迎えた設定。ちなみに原曲の方は発表した年、まだサンプラザ中野は20代だったようですが、今回はリアルに還暦。原曲では「私の青春を返せ」と歌っていた主人公は「まだまだバリバリやらせろ」と、ある意味前向きになっているのですが、還暦を迎えた彼が歌うからこそ、原曲よりもリアル感が増しているような感があります。自分は、この45歳という年齢に近づいてきているんですが、ただ正直「青春を返せ」といった感はないですからね・・・・・・そういう意味で、原曲は、20代の若者が見た45歳の勝手な想像だったんですよね・・・。

ちなみ残り2曲は新曲で、彼の芸名の由来となり、解体が決まっている中野サンプラザに捧げるバラードナンバー「中野サンプラザよ」と、タイトル通り、還暦を迎えた自身についてコミカルに歌った「感謝還暦」の2曲。ちなみに「感謝還暦」は爆風スランプの盟友、パッパラー河合が作曲を手掛けており、完全に、事実上、爆風スランプの曲となっています。

そんな感じの全7曲入りのミニアルバム。ネタ曲に近い「無理だ!」がかなりの割合を占めますし、また、基本的には懐古趣味的な企画である点は間違いないのですが、そんな点を含めて、過去にリリースされた2枚のミニアルバムと同様、懐かしく聴くことが出来ました。また、以前の作品ではサンプラザ中野くんの声が全く出ていないことが気になっていたのですが、今回のアルバムは意外と声もはっきり出ていて、安心して聴くことが出来ました。昔、爆風スランプが好きだったのならば間違いなくお勧めできるアルバム。ちなみに、あと爆風スランプのヒット曲でめぼしいところは「リゾ・ラバ」と「旅人よ」くらい。次はこの2曲のリメイクか?

評価:★★★★

サンプラザ中野くん 過去の作品
Runner
大きな玉ねぎの下で

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