2020年上半期 邦楽ベスト5
火曜日に引き続き、少々遅くなってしまいましたが邦楽ベスト5です。
5位 oar/角銅真実
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今、話題の女性シンガーソングライターによるデビュー作。妙に惹きつけられるウィスパー気味のボーカルが魅力的で、どこか幻想的な感じがする点も大きなポイントに。特にFishmansの「いかれたBaby」のカバーは絶品。また、ボーカルを生かしたシンプルなサウンドメイキングも絶妙で、彼女の魅力を最大限引き出しているアレンジに仕上げています。決して派手な作品ではないのですが、これからの期待にも大いに期待のできる傑作アルバムに仕上がっていました。
4位 Devil/ビッケブランカ
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おそらくこの上半期、私個人の最大の「はまりソング」が本作に収録される「Ca Va?」でしょう。フランス語で「元気?」を意味する単語をタイトルとした曲なのですが、その発音を生かした非常にユーモラスなポップチューンとなっており、You Tubeで公開しているMVも何度も見てしまいました。もともと非常に美しいメロディーラインが印象的な彼ですが、本作ではそれにユーモアセンスが加わり、さらなる進化を遂げた印象も。もともと、ピアノやストリングスを入れた美メロという、私にとっては壺な曲を書いてくるシンガーでしたが、その中でもさらに魅力的な傑作アルバムでした。
3位 操/岡村靖幸
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本格復帰2作目となるオリジナルアルバム。前作に引き続きの会田誠によるジャケットも印象的な作品なのですが、50代半ばにより全盛期が再来したか、というほどの傑作アルバムに。かつての全盛期ともいえる、彼の80年代の頃の作風を取り入れつつも、例えばDAOKOとのコラボなどにより「今の音楽」をしっかりと取り入れて、結果、多くのファンが求めるであろう、かつての彼のスタイルをしっかりと残しつつ、ただ、しっかりと2010年代の岡村ちゃんにアップデートしている、そんなバランスのよい傑作に仕上がっていました。ここに来て、再び脂ののった活動を行っている彼。まだまだ傑作アルバムは続きそうです。
2位 ボイコット/amazarashi
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独特な歌詞世界が魅力的だったamazarashi。ただ、以前は歌詞から、いわゆる「中2病」的な印象を受けていたのですが、ここ最近、その歌詞の世界観が深化。いい意味で地に足をつけた歌詞になってきており、バンドとしてさらなる進化を感じさせます。もともとメインライターである秋田ひろむは青森出身ということもあって、そんな彼の出自の特徴はしっかりと歌詞の世界にも反映。都会の中での地方出身者の孤独を感じさせるような歌詞も大きな魅力となっています。叙情感たっぷりのダイナミックなサウンドも大きな魅力。彼らの成長を強く感じさせる傑作アルバムになっていました。
1位 Passport&Garcon/Moment Joon
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本作はアルバムを紹介した段階で「暫定年間1位」と既に書いていましたが、その後、本作を越えるような傑作はなく、文句なしに上半期1位となりました。韓国出身大阪在住によるラッパーによるアルバムで、日本人の抱える韓国人に対する差別意識という病巣に対して鋭く切り込んだラップ。それにどこかユーモアセンスをまぜつつ、かつ、韓国人のみに留まらず、日本人の持つ外国人に対する差別意識全般を切り込んだ作品に。作品自体はコロナ禍を反映されたものではないものの、コロナによって各国、事実上、国を閉ざしたような状況となり、ナショナリズムがより台頭してきそうな危険性のある中でこそ、より響くような作品になっています。そういう意味でも2020年という年を代表するアルバムと言えるかもしれません。文句なしの傑作です。
ほかのベスト盤候補としては・・・
202020/斉藤和義
THE KEBABS/THE KEBABS
ROCK/ベッド・イン
いいね!/サニーデイ・サービス
Triptych/Shohei Takagi Parallela Botanica
ストリーミング、CD、レコード/ゲスの極み乙女。
洋楽同様、良作は少なくなかったものの、際立った傑作は少なかった今年。邦楽に関して言えば、4位以下とほかのベスト盤候補の作品は、ほぼどんぐりの背比べ的だったように思います。ただ、逆に1位のMoment Joonはそんな中で2020年を代表する際立った傑作と言える作品。洋楽を通じても、これだけ今の世相を反映された作品は本作だけだったようにも思います。
あらためてベスト5を振り返ると
1位 Passport&Garcon/Moment Joon
2位 ボイコット/amazarashi
3位 操/岡村靖幸
4位 Devil/ビッケブランカ
5位 oar/角銅真実
下期もまた、多くの傑作に出会えますように。
ちなみに過去のベストアルバムは
2007年 年間1 2
2008年 年間1 2 上半期
2009年 年間1 2 上半期
2010年 年間1 2 上半期
2011年 年間1 2 上半期
2012年 年間1 2 上半期
2013年 年間1 2 上半期
2014年 年間1 2 上半期
2015年 年間1 2 上半期
2016年 年間1 2 上半期
2017年 年間1 2 上半期
2018年 年間1 2 上半期
2019年 年間1 2 上半期
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