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2020年7月 7日 (火)

どちらがどちらか、時々わからなくなります・・・。

正直、よく個人的に時々ごちゃまぜになるようなバンドがいて、その最もどっちがどっちだかわからなくなるのがインストバンド、SPECIAL OTHERSとYOUR SONG IS GOOD(笑)。両方とも軽快で楽しい楽曲を奏でるインストバンドで、時々、両者がごっちゃになって、どちらがどちらだったか、わからなくなってきます。ちなみに何年か前までは、これにSAKEROCKが加わったりしたのですが・・・。

もちろん、どちらも日本を代表する人気のインストバンドなわけですが、そんな2バンドがわずか1週間の違いでアルバムを相次いでリリースしてので、ますます混乱してしまっています。

Title:Sessions 2
Musician:YOUR SONG IS GOOD

まずは5月13日にリリースされたYOUR SONG IS GOODの新作。本作はRe-Recordingsシリーズとして、過去の彼らの曲を再録したアルバム。初期の彼らの曲から比較的最近の曲まで、ライブアレンジで一発録りした楽曲が収録されています。

彼らの楽曲の大きな特徴としては、ラテン調のアレンジで陽度の強い非常に明るい楽曲が並んでいるという点。スカなリズムで軽快に聴かせる「Move or Die」にパーカッションのリズムで明るく楽しく聴かせる「GOOD BYE」、疾走感あるラテン風のリズムにちょっとユーモラスなシンセのスペーシーな音も楽しい「Pinapple Power」など、ラテン調の非常に明るい楽曲が並びます。

特に今回のアルバムはライブアレンジの一発録音ということで、彼らの持ち味である明るく楽しいライブの雰囲気がグッと凝縮されたようなアルバムになっていました。もちろん、一方では「Hot Grapefruit」のような、しんみり聴かせるミディアムチューンの曲もあるものの、そんな曲でも、基本、ラテン調の明るさがベースとなっており、ライブアレンジという本作の方向性も相まって、一貫して明るさを感じさせるアルバムになっていたと思います。

とにかく、ライブバンドとしての彼らの魅力がしっかりとつまった1枚。ある意味、ベスト盤的な要素もある作品なだけに、ユアソン初心者にもおすすめできそうな1枚。彼らのライブを次、いつ見れるのか、今の状況では全く不明なのですが・・・いつか、彼らのライブをまた見てみたいなぁ、そう感じる作品です。

評価:★★★★★

YOUR SONG IS GOOD 過去の作品
THE ACTION
B.A.N.D.
OUT
Extended
Sessions

Title:WAVE
Musician:SPECIAL OTHERS

で、こちらが同じインストバンド、SPECIAL OTHERSの約5年ぶりとなるアルバム。SPECIAL OTHERS名義としては久しぶりとなるアルバム・・・なのですが、その間にはコラボ作品集「SPECIAL OTHERS II」やSPECIAL OTHERS ACOUSTIC名義でのアルバム「Telepathy」のリリースなどもあり、コンスタントな活動は続けており、あまり久しぶりといった印象はありません。

基本的にポップなメロディーラインのしっかり入った軽快で楽しいインストチューン、という点でYOUR SONG IS GOODもSPECIAL OTHERSも、ある種の共通項の多いバンドだったりします。実際、このアルバムも「Puzzle」のような軽快な楽曲からスタート。お祭りような軽快なリズムが楽しい「Courage」や軽快でメロディアスな「JAM」といった明るい楽曲も目立ちます。

ただ一方、ラテン風の底抜けな明るさが魅力なユアソンに比べると、スペアザはメロディーラインにメランコリックな部分が目立ち、それがまた彼らの魅力になっています。今回のアルバムで言うと、「Quiz」などは、そんなメランコリックなメロディーがより表に出たような楽曲になっていたでしょうか。「Good Song」も軽快なリズムの中に感じるちょっと物悲しげなメロディーラインが大きな魅力となっていました。

また、もともと「ジャムバンド」を名乗る彼ら。今回も「SERI&RYOTA 1」「SERI&RYOTA 2」のような、よりアグレッシブにジャムるインストナンバーもあり、ジャムバンドとしての本領発揮となっています。また、ラテン風でみんなで楽しく音楽を奏でるユアソンに比べると、彼らはジャムバンドらしく、バンド演奏の中にもそれぞれが対峙している一種の緊迫感のようなものを感じる瞬間があり、それがまた大きな魅力にも感じました。

そんな訳で、個人的にごっちゃになりがちなインストバンド2バンドの作品。ただ、どちらのアルバムもそれぞれのバンドの魅力をしっかりと伝えて、とても素晴らしいアルバムになっていました。また、こうやって続けて2枚聴くと、当たり前ですが、それぞれが個性を持っていて、しっかりと違ったタイプの音を鳴らしているんですね。ただ、どちらもライブが楽しそうだな、というのは共通点。そういう意味で、スペアザも、いつの日か、ライブを見に行きたいなぁ・・・。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day
Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~
LIGHT(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)
WINDOW
SPECIAL OTHERS II
Telepathy(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)


ほかに聴いたアルバム

SUCK MY WORLD/THE ORAL CIGARETTES

本作で、前作「Kisses and Kills」に続いてチャート1位を獲得したTHE ORAL CIGARETTES。ただ、非常にウェットかつメランコリックな歌謡曲テイストの強いメロディーラインと、比較的シンプルでよくありがちなギターロックをベースにしつつも、本作ではディスコサウンドやエレクトロ、ゴスペルやラップの要素を取り込んだ楽曲などバラエティー豊かな作風を聴かせてくれます。そのため、それなりに聴き入ってしまうアルバムの構成となっており、確かに、数多いギターロックバンドの中で、タイミングの問題もあるとはいえ、2作連続1位を獲得できるだけの人気になるのはなんとなくわかるような感じも。いままでは比較的、似たようなタイプの楽曲が多かった彼らでしたが、本作ではグッとバンドとしての幅を広げてきており、これからが楽しみに感じられる1枚でした。

評価:★★★★

THE ORAL CIGARETTES 過去の作品
FIXION
UNOFFICIAL
Kisses and Kills
Before It's Too Late

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