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2020年7月17日 (金)

結成10周年の企画盤2枚

今回紹介するのは、一般的な知名度もすっかり高くなった、頭は狼、身体は人間という「究極の生命体」の5人で結成されているロックバンドMAN WITH A MISSIONの、結成10周年を記念してリリースされたアルバムです。

Title:MAN WITH A "B-SIDES & COVERS" MISSION
Musician:MAN WITH A MISSION

まずこちらはシングルのカップリング曲と、トリビュートアルバムやコラボレーションアルバムなどに収録されていたカバー曲を集めた1枚。いわゆる「裏ベスト」的なアルバムです。

ただ、基本的にそんなカップリングやカバーを集めたといっても、そんなに普段のMAN WITH A MISSIONのイメージから大きく異なる・・・といった感じの楽曲は多くはありません。ただ、カバーの中でちょっとユニークなのは、和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」。ゆっくりと、ピアノの音色を入れつつスケール感を持たせたサウンドと、歌いあがるボーカルが特徴的なカバー。普段の彼らのイメージとは少々異なる作風が、カバー曲らしくユニークです。

シングル「Dark Crow」のカップリングだった「Reiwa」もカップリングらしい独特な作品。女性ボーカリストのmiletをフューチャーした楽曲で、幻想的な雰囲気を持つ彼女のボーカルが強く印象に残ります。英語詞でありつつ、「令和」という年号が歌われるというスタイルもユニーク。洋楽的でありつつも、なぜか日本的でもある、不思議なインパクトを持った楽曲でした。

そんなカップリングやカバー曲ならではの独特な曲がありつつも、基本的にはMAN WITH A MISSIONらしい疾走感あるロックチューンがメイン、というのは前に書いた通り。普通のアルバム感覚で楽しめるアルバムだと思います。ファンならずとも彼らが気になる方はチェックして損のないアルバムでしょう。

評価:★★★★

Title:MAN WITH A "REMIX" MISSION
Musician:MAN WITH A MISSION

で、こちらは10周年企画アルバムの第2弾。いままで発表されたリミックス作品を中心に収録したリミックスアルバムとなっています。

まず1曲目2曲目は今回のリミックスアルバムに初収録となった新作。1曲目は「Take Me Under」をAA=の上田剛士がリミックスした作品。ダイナミックなエレクトロビートが彼らしい、ロッキンでエレクトロでカッコいい楽曲になっています。そして2曲目「FLY AGAIN」は「Hero's Anthem」と題されたリミックスになっており、「ヒーロー」というリミックスタイトルらしい、よりスケール感があって盛り上がるミックスに仕上げられています。

ほかのリミックスも、ケンイシイやBOOM BOOM SATELLITES、海外勢からはスリップノットのDJ Starscreamなどの豪華なメンバーが顔を揃えます。BOOM BOOM SATELLITESのリミックスによる「evils fall」はドラムのリズムを前に押し出しつつ、疾走感あるエレクトロサウンドを取り入れた、いかにもBOOM BOOM SATELLITESらしいリミックスになっているのですが、これがまたMAN WITH A MISSIONの楽曲とピッタリとあっています。

そしてラストを締めくくるのが、おなじみ石野卓球のリミックスによる「Raise your flag」。こちらも楽曲がはじまるとすぐに石野卓球だとわかるような、彼の個性が全面に出ているテクノリミックスに仕上がっています。そんないかにも石野卓球なサウンドが前に押し出されているリミックスになっており、MAN WITH A MISSIONよりも石野卓球ファンが喜びそうなアレンジに。勢いあるテクノチューンでアルバムは幕を下ろしています。

MAN WITH A MISSIONというよりも、それぞれのリミキサーのファンが喜びそうなそんなアルバムで、それぞれMAN WITH A MISSIONの楽曲を素材にしつつ、思いっきりいじくりまわしている印象もあるアルバムでした。また、やはり彼らの楽曲はこういうエレクトロベースのリミックスに非常にマッチしますね。そういう意味ではMAN WITH A MISSIONらしい、ともいえるそんな1枚でした。

評価:★★★★

MAN WITH A MISSION 過去の作品
Trick or Treat e.p.
MASH UP THE WORLD
Beef Chicken Pork
Tales of Purefly

5 Years 5 Wolves 5 Souls
The World's on Fire
Out of Control(MAN WITH A MISSION x Zebrahead)
Dead End in Tokyo European Edition
Chasing the Horizon


ほかに聴いたアルバム

The Very Best of PIZZA OF DEATH III

もともとはHi-STANDARDのレーベルとしてスタートし、いまや日本を代表するパンク系のインディーレーベルとなったPIZZA OF DEATH。本作はそんなPIZZA OF DEATHに所属するミュージシャンの曲を収録したオムニバスアルバムの、約10年ぶりとなる第3弾。第2弾の時もパンク系を中心としつつバラエティー豊かな楽曲が楽しめたのですが、今回の作品も同様。シングアロング系のいかにもフェス向けなパンクのBURL「Fuckin' Voice」からスタートし、ハードコア系のMEANING「CUT THROUGH THE DARKNESS」、SLANG「WAR IS BUSINESS」、和風なメロが印象的なMID LOW HIGH HIGH「FIGHT AGAINST」にSHADOWS「Drifting」のようなパワーポップ計。さらにはムーディーなSuspended 4th「オーバーフロウ」などなど、おそらくロック系が好きなら、1、2曲はお気に入りに出会えそう。

評価:★★★★★

The Very Best of PIZZA OF DEATH II

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