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2020年7月

2020年7月31日 (金)

神よ、敵を倒す方法を100通り以上も与えてくれたことに感謝します

Title:THANK GOD, THERE ARE HUNDREDS OF WAYS TO KiLL ENEMiES
Musicain:SiM

レゲエパンクバンドSiMの約4年ぶりとなるニューアルバム。ちょっと久々といった感のあるニューアルバムですが、ビルボード、オリコン共にチャートでは2位を獲得し、その人気のほどを感じさせる結果となっています。SiMといえば、以前はフェス受けしやすい、よくありがちなヘヴィーロックバンドといったイメージもあったのですが、前作「THE BEAUTiFUL PEOPLE」では楽曲のバリエーションがグッと増し、非常におもしろいバンドに変貌を遂げた、といった印象があります。

そして今回のアルバムでまず目を惹くのがそのアルバムタイトル。直訳すると「神よ、敵を倒す方法を100通り以上も与えてくれたことに感謝します」といった感じでしょうか。過去に候補にあがったTシャツのデザインに使われていた言葉から取ったそうですが、SiMの幅広い音楽性を象徴させるような言葉ということもあってアルバムタイトルに採用となったそうです。

今回のアルバムに収録された楽曲についても、アルバムタイトル通り、バラエティー富んだ作風の楽曲が魅力。それも1曲の中に様々な音楽性を取り込みつつ、緩急つけて展開していく楽曲がユニークで、耳を惹かれる楽曲が並びます。まず1曲目の「No One Knows」はシンセを取り込み、デジタルな作風からスタートさせつつ、疾走感あるリズミカルテンポで展開。さらにデス声を入れて、へヴィーな印象も強く受ける作風となっています。

さらに「Devil in Your Heart」では裏打ちでテンポよいリズムから、どこかコミカルなメロも耳を惹きます。「BASEBALL BAT」はレゲエのリズムとハードコアなサウンドを取り込みつつ、サビではみんなで声を揃えて歌い上げられそうな、メロディアスパンクの要素も強く感じられるような作風になっていますし、続く「Smoke in the Sky」はレゲエの要素を強く打ち出し、タイトル通り、スモーキーな雰囲気も強く感じさせます。

その後も「CAPTAiN HOOK」ではファンキーなリズムを取り入れていますし、「SAND CASTLE」はレゲエのリズムをベースに、あっこゴリラもゲストに迎え、ラップの要素を前におしだした楽曲になっています。そして本編ラストになる「FATHERS」ではミディアムテンポでスケール感のある、聴かせるナンバーに。曲中、ファイナルファンタジーっぽいサウンドが流れるのは気のせいでしょうか?

そんな感じで、レゲエとハードコアをベースにしつつ、バラエティー富んだ作風を感じさせるのが前作同様大きな魅力となっている本作。ただ前作に比べると、よりへヴィーロックの色合いを押し出したため、「緩急つけた」というイメージはちょっと弱くなってしまった感もありますし、メロディーラインについても前作に比べるとフックが弱く、個人的には前作の出来には至らなかったかな、というのが正直な感想となってしまいます。

ただ、前作ほどの出来ではなかったにしろ、SiMというバンドの実力と魅力をしっかりと感じることが出来たアルバムになっていたことは間違いありません。「敵を倒す100通りの方法」が確実に彼らが持っていることを、あらためて実感できる1枚でした。

評価:★★★★★

SiM 過去の作品
PANDORA
i AGAINST i
THE BEAUTiFUL PEOPLE

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2020年7月30日 (木)

新譜は少な目

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot Albumsは新譜は少な目。初登場はわずか3枚のみでした。

今週、初登場1位を獲得したのは女性アイドルグループBiSHのニューアルバム「LETTERS」。CD販売数及びダウンロード数1位、PCによるCD読取数4位。もともと表題曲がシングルとしてリリースされる予定だったのですが、新型コロナの影響でライブツアーが中止になったことを受け、新曲4曲を追加し、7曲入りのアルバムとしてリリースされたそうです。オリコンの週間アルバムランキングでは初動売上5万4千枚で1位初登場。先々週ランクインしたベストアルバム「FOR LiVE-BiSH BEST-」の4万9千枚(1位)よりアップ。オリジナルアルバムの前作「CARROTS and STiCKS」の3万6千枚(4位)からもアップしています。ちなみにその「FOR LiVE-BiSH BEST-」も今週10位にランクインしています。

2位には先週1位を獲得したBTS「MAP FO THE SOUL:7~THE JOURNEY~」がワンランクダウンながらも2位をキープ。3位にはMAN WITH A MISSIONのベスト盤「MAN WITH A"BEST"MISSION」が、こちらもワンランクダウン。先週の1位2位がそのまま2位3位にスライドする結果となっています。

続いて4位以下の初登場盤となります。まず5位にはSTARDUST REVUE「年中模索」がランクイン。デビュー40周年を迎える大ベテランバンドの彼らによる、約2年ぶりのニューアルバム。CD販売数4位、ダウンロード数21位、PCによるCD読取数34位。オリコンでは初動売上8千枚で4位初登場。前作「還暦少年」(16位)から横バイ。CD売上がメインなのは、ファン層的に中高年世代が多いからなんでしょう。良くも悪くも固定ファンに支えられた根強い人気を感じます。

初登場最後は8位にアメリカで絶大な人気を誇る女性シンガーソングライターTaylor Swift「folklore」がランクイン。リリースのわずか1時間前に公表され、突如のリリースとなった、前作「Lover」からわずか11ヶ月のスパンでのリリースとなった新作。ちなみにCDは8月7日リリースを予定しているようです。ダウンロード数3位のみのランクインで見事ベスト10入りです。

今週の新譜は以上。一方、ロングヒット盤としては、Official髭男dism「Traveler」。Hot100ではついに今週、ベスト10から姿を消してしまったヒゲダンですが、Hot Albumsでは先週の9位から4位に跳ね上がりました。CD販売数、ダウンロード数もそれぞれ9位、10位からいずれも7位にアップ。PCによるCD読取数も再び1位に返り咲いており、まだまだ人気健在なところを見せつける結果となっています。

そして先週10位にランクインしていたmilet「eyes」は今週9位にランクアップ。通算8週目のベスト10ヒットとなっています。CD販売数は13位から12位、PCによるCD読取数も6位から5位にアップ。ただしダウンロード数のみ7位から8位にダウンしています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年7月29日 (水)

ついに、あの超ロングヒット曲が!

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

まず今週はやはりこのニュースから取り上げないといけないでしょう。今週、Official髭男dism「Pretender」が11位にランクダウン!昨年の5月20付チャートから1年2ヶ月、実に62週にわたりベスト10をキープし続けた、驚異のロングヒット曲がついにベスト10陥落です。先週、ベスト10入りしてきた「Laughter」も今週14位にダウンしてしまいましたので、今週はなんとベスト10圏内にヒゲダンがゼロというチャートとなってしまいました。しかし、いつまでベスト10入りを続けるんだろう…と思っていた同曲でしたが、やはりいつかは終わりが来るんですね…。とはいえ、ストリーミング数では5位、You Tube再生回数は6位とまだ上位にランクインしているだけに、今後、返り咲きは十分にありそうですが。

さて、そんな今週に1位を獲得したのはジャニーズ系アイドルグループ、SixTONES「NAVIGATOR」でした。テレビアニメ「富豪刑事 Balance:UNLIMITED」オープニングテーマ。SixTONES2枚目となるシングルで前作「Imitation Rain」はSnow Manとのスプリットシングルでしたので、単独名義では本作が初。先週の37位からCDリリースにあわせてランクアップ。CD販売数、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数1位、ラジオオンエア数4位、You Tube配信回数26位となっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上62万1千枚で1位獲得。そのSonw Manとのスプリットシングルとなったデビュー作の初動132万8千枚(1位)から大きくダウンという結果となっています。

2位は先週1位のYOASOBI「夜に駆ける」がワンランクダウン。ただストリーミング数及びYou Tube再生回数の1位は先週から変わらず。そして3位は瑛人「香水」から先週から同順位をキープ。こちらもストリーミング数は2位をキープ。カラオケ歌唱回数も1位。ただYou Tube再生回数は5位から7位にダウンしているのが気にかかります。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まずは悲しいランクインです。4位に三浦春馬「Night Diver」がランクイン。人気絶頂の中、今月18日、わずか30歳という若さでこの世を去った俳優の2枚目となるシングル。8月26日リリース予定のCDからの先行配信で、ダウンロード数3位、ストリーミング数23位、Twitterつぶやき数5位、You Tube再生回数4位で、総合順位もこの位置にランクインしています。

4位初登場は新潟を拠点に活動をするAKB48の姉妹グループ、NGT48「シャーベットピンク」。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数89位、PCによるCD読取数21位、Twitterつぶやき数39位。NGT48というと、昨年1月にメンバー山口真帆の暴行被害事件が発生。運営会社側の対応も大きな問題となりました。NGT48もその後、活動休止となっていましたが、このたび約1年9カ月ぶりにシングルリリース。正直言って、事件の内容からして、個人的には活動再開にはかなりの疑問を思っています。その久々のシングルの歌詞に「元気だったかい?何をしてたの?久しぶり」と活動休止を能天気に反映させた歌詞を書いてくるあたり、秋元康は今回の件について何も考えていないんだろうなぁ、ということが顕著にあらわれています。オリコン初動売上は前作「世界の人へ」の14万3千枚から8万枚へとさすがに大幅減となっているものの、それでも8万枚も売れてしまうという事実が、「あれだけの事件を起こしても本質的にはほとんど影響を受けない」という既成事実を生み出してしまったような感じすら受けます。それなので、これからもアイドル界隈での同様の事件は続くんでしょうね、きっと。

6位にはの配信限定シングル「IN THE SUMMER」がランクイン。ダウンロード数1位、ストリーミング数75位、Twitterつぶやき数10位、You Tube再生回数18位。

最後10位には乃木坂46の配信シングル「Route246」が初登場。ダウンロード数4位、ストリーミング数43位、ラジオオンエア数63位、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数69位。2018年に引退を表明した小室哲哉が、2年3ヶ月ぶりに復活ということで話題となった作品。イントロからいきなり転調するあたりから、小室哲哉らしさが満載なのですが、楽曲自体も小室節を全く隠そうとしない曲調となっており、小室先生のファンとしては思わずにやけてしまうような曲調になっていました。

一方、ロングヒット曲ではあいみょん「裸の心」が先週の6位から9位にダウンするも、これで8週連続のベスト10ヒットとなっています。ダウンロード数9位、ストリーミング数4位、PCによるCD読取数5位と上位につけていますが、You Tube再生回数が91位に留まっている点は厳しい感じが。あいみょんとしては久々のロングヒット曲となりましたが、来週以降はちょっと厳しいかも。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2020年7月28日 (火)

突き抜けたアルバム

Title:彩脳
Musician:TK from 凛として時雨

凛として時雨のボーカリスト、TKこと北嶋徹のソロアルバム。凛として時雨としての活動とほぼ平行してソロ活動を継続的に続けている彼。ソロとしては約3年7ヶ月ぶりとなるアルバムですが、その間に凛として時雨のアルバムもリリースしているので、まさに交互に活動を続けているといった感じなのでしょうか。ある意味、バンドとソロとしてのバランスを上手く取りつつ活動を続けているといった感じがあります。

もともと、以前からソロとしてはダイナミックで分厚いバンドサウンドで感情たっぷりにぶつける楽曲がメインとなっており、そのメランコリックさを前面に押し出したメロディーラインと、そんなメロをバックアップするように音を詰め込んだ分厚いサウンドは、良くも悪くも「ベタベタ」という印象がありました。ただ、一方、ともすれば躊躇しそうなそんな路線ながらも、彼の楽曲は完全にその方向性に迷いはなく、ある種、「突き抜けている」といった印象も持つような楽曲が並んでいます。

まさに今回のアルバムに関してもそれ。これでもかというほどのメランコリックなメロディーラインに、これでもかというほどの分厚いバンドサウンドの曲が並んでおり、楽曲として完全に突き抜けているといった印象を受けるアルバムになっています。いままでの作品も同じようなベクトルのアルバムが多かったのですが、今回の作品は、そんな中でも特に突き抜けた感のあるアルバムになっていたように感じました。

1曲目を飾るタイトルチューンの「彩脳-Sui Side-」などはまさにその典型例。ピアノやストリングスがこれでもかというほどダイナミックに、かつメランコリックにサウンドを奏でる楽曲となっており、タイトルチューンであるからこそ、このアルバムの方向性を決定づけている楽曲となっています。

ただ基本的にそのようなサウンドがベースになりつつ、「インフィクション」ではピアノでしんみりと聴かせるナンバーになっていたり、「melt」は打ち込みのサウンドが大きなインパクトとなっており、かつヨルシカのsuisがゲストボーカルとして参加。女性ボーカルがひとつのインパクトとして機能しています。

その後も泣きメロが印象に残る「片つ」、ボーカルがシャウトし、パンキッシュなサウンドがさく裂するロッキンな「凡脳」などバリエーションのある展開に。最後はピアノでしんみり聴かせる「copy light」でほどよい後味を残しつつ、アルバムは幕を下ろします。

サウンド的にはメランコリックなピアノやストリングスの音が、ひとつひとつ聴くと繊細さを感じるものの、全体的にはそのようなサウンドが重なるダイナミックに展開する構成になっているため、正直なところ若干「大味」といった印象を受けてしまいます。ただ、哀愁たっぷりのメロディーラインを含めて、このある種の「わかりやすさ」が大きな魅力。最初にも書いた通り、「ベタベタ」といった印象を受ける部分もあるのですが、ある意味、サウンドに迷いはなく突き抜けており、最初はちょっとあまりにもベタなサウンドに食傷気味になるかと思いきや、いつのまにか、すっかりサウンドにはまっている、妙な中毒性のあるアルバムになっていました。

ここ最近のTKのアルバムは、彼の方法論が確立され、ある種の「大いなるマンネリ」を感じる部分が少なくありませんでした。今回のアルバムに関してもそういった部分がある点は否定できません。ただ、この路線を突き抜けることにより、マンネリすら吹き飛ばした、そんな作品になっていたように感じました。このまま、さらに突き抜けるのか?また、次にリリースされるであろう、凛として時雨にどのように反映されるのか?とても楽しみです。

評価:★★★★★

TK from 凛として時雨 過去の作品
flowering
contrast
Fantastic Magic
Secret Sensation
white noise

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2020年7月27日 (月)

B'zの間の箸休め的な?

Title:Maximum Huavo
Musician:INABA/SALAS

ご存じB'zのボーカリスト、稲葉浩志とアメリカのギタリスト、スティーヴィー・サラスによるユニット、INABA/SALAS。以前からお互いのアルバムに参加し合っていた旧知の仲だった2人ですが、2017年にその両者がコラボアルバム「CHUBBY GROOVE」をリリース。ハードロック志向のB'zと比べると、シンセの音色を入れたポップな作風は、初期のB'zを彷彿させる部分もあり、B'zと類似性を感じつつ、今のB'zでは出来ない、ある意味、ソロアルバムらしい作品になっており、非常によく出来た傑作に仕上がっていました。

それから約3年3ヶ月。やはりこの両者の相性はよかったのでしょうか。INABA/SALAS名義の第2弾アルバムがリリースされました。そんな新作も、前作と同様、ギターサウンドをメインにしつつ、シンセの音色やリズムを取り入れポップにまとめたアルバムとなっています。冒頭を飾る「Mujo Parade ~無情のパレード~」はリズミカルなチューンで若干ファンクの要素を取り入れ楽しいポップチューンに仕上げていますし、続く「U」などは疾走感あるギターサウンドに稲葉浩志のボーカルが載ると、まさに初期B'zを彷彿とさせる楽曲になっていました。

ただ今回のアルバムは、以前と比べるとよりポップに、かつ良くも悪くも「軽い」という印象が先に立つアルバムになっていたように感じます。「KYONETSU ~狂熱の子~」も稲葉浩志らしいシャウトを聴かせつつ、シンセを前に押し出したポップなサウンドが印象的ですし、「Demolition Girl」もエッジの効いたギターサウンドがのりつつも、それ以上に軽快なシンセの音が印象に残ります。「You Got Me So Wrong」にしても軽快なシンセとギターが印象的なポップなナンバーになっています。

その結果、ポップで聴きやすいアルバムではあるものの、全体的に薄味で、良く言えば、肩の力を抜いて、軽い気持ちで聴けるアルバム、ただ悪く言ってしまうと、印象が薄くてあまりにあっさりと聴けてしまうアルバムになっていたように感じます。ギタリストとのコラボで間違いなくギターサウンドが入っているのですが、聴き終わった後に、ギターの音色が恋しくなってしまうような、そんなアルバムだったようにも感じました。

出来としては決して悪くはありませんし、前作同様、初期B'zを彷彿とさせる部分もあり、いつものB'zと比べると格段にポップにまとまった作品は十分に楽しむことが出来ました。ただ、ポップな作風をとにかく楽しめた前作と比べると、ちょっと薄味な点が気になってしまったアルバムでした。もっともB'zの箸休め的に聴くにはピッタリなアルバムといった感じも。そういう意味では何年かに1度はアルバムを聴いてみたい、そんなユニットかもしれません。

評価:★★★★

稲葉浩志 過去の作品
Hadou
Singing Bird
CHERRY GROOVE(INABA/SALAS)

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2020年7月26日 (日)

「目」のアルバム3枚

これは完全に「偶然」の話なのですが、ほぼ同時期に、ほぼ同一のタイトルのアルバムが3枚、リリースされました。

Title:eyes
Musician:milet

まず、最近話題となっている女性シンガーソングライターのデビューアルバム。「生年月日が不詳」という「謎めいたミュージシャン」という売り方をしつつ、デビュー作から多くのドラマ、アニメのタイアップをつけるなど、レコード会社及び事務所であるソニー資本のかなり力の入れた販売戦略を感じます。さらにサマソニやフジロックなどにも参加。フジロックもお金の力に弱いのか…と残念な印象も受けなくはないのですが…ただ正直ここ数年、あきらかに来客数を増やす目的と思われる「売れ線系」のミュージシャンが多く出ているんで、その流れなんでしょうね…。

ただ、印象的なのがボーカルで、ちょっとくすんだ雰囲気のスモーキーなボーカルを聴かせてくれます。ここ20年ほどの女性ミュージシャンの潮流というと、90年代の小室系ブームあたりから端を発して、ハイトーンボイスのキンキン声のボーカリストがメイン。ここ最近の女性ボーカリストも、やはりハイトーン気味の女性ボーカルが多いだけに、こういうスモーキー系なボーカリストを売ろうとするスタンスはちょっと意外な印象もあります。ここ最近、SUPERFLYやGlam Spankyみたいなタイプのミュージシャンのブレイクも相次いでいるからでしょうか。

一方、肝心な楽曲自体については、洋楽テイストも強く悪くはないものの、全体的に薄味気味かな、ということを強く感じてしまいます。ミディアムテンポな楽曲に打ち込みとアコースティックなサウンドを融合させて聴かせるポップチューン。アリアナ・グランデやらテイラー・スウィフトやらといった、今時の洋楽系女性シンガーソングライターの影も感じつつ、ただ、楽曲として目新しさはなく、全体的にmiletらしい独自性はちょっと薄いように感じてしまいます。ボーカルにしても、そのボーカルスタイルには一種の独特な味は感じさせつつも、それだけを売りにするには正直、物足りなさは否めません。

決して悪い訳ではありませんし、次回作も聴いてみてもいいかな、程度には楽しむことが出来たのですが、チャート1位を取った本作について、ここまで人気が高くなったのは正直、タイアップなどによるかさ上げによる側面が多いという印象は否めません。ある意味、人気がちょっと落ち着いて、タイアップもいままでのように大型タイアップばかりとは限らなくなってからが彼女の本当の勝負なんだろうなぁ。

評価:★★★★

Title:
Musician:さユり

「酸欠少女さユり」という(ちょっと痛い)キャッチコピーでも活躍している、こちらも若干謎めいた雰囲気を醸し出している女性シンガーソングライター。こちらも偶然ですが「め」という、もっとストレートな日本語のタイトルを用いたアルバムで、本作はアコギでの弾き語りアルバムという企画盤。彼女の過去の代表曲を弾き語りというスタイルで聴かせる作品になっています。

まあ、そのキャッチコピーからして察することが出来ますし、以前のアルバムからも強く感じていたのですが、良くも悪くも自意識過剰な中2病系シンガー。そういうこともあって、歌詞にしてもインパクトありますし、メロディーラインに関しても耳に残るものはあります。ただ、今回、アコースティックアレンジということで、その歌詞やメロディーがかなり前面に押し出されているのですが、歌詞については、正直、聴いていてちょっと辛いものも…。「本当の声で言葉で話がしたいの」「アノニマス」より)だとか「今日は誰かの誕生日で そして同時にあたなの命日です」(「birthday song」より)だとか、確かに10代半ばあたりの若者が心に持つ、鬱屈した感情をストレートに表現している、という言い方も出来るのですが、あまりにもストレートがゆえに痛々しく、もうちょっとひねったり、もう一歩、突っ込んだ歌詞を書いた方がおもしろいのでは?と素直に思ってしまいます。

それと同時にメロディーラインについてもインパクトはあるものの、正直言って似たようなメロディーがちらほら散見され、アコースティックアレンジだからこそ、そういった粗い部分が目立ってしまったような感じもします。個人的にはこのままだと厳しい部分を感じてしまうのですが…まあ、この方向性で突き抜けてしまうという手もあるにはあるのでしょうが…。

評価:★★★

さユり 過去の作品
ミカヅキの航海

Title:EYES
Musician:WONK

で、今回完全に色合いが異なりながらも、偶然、同じようなタイトルのアルバムを同時期にリリースしたのがソウルバンドWONKの最新作。今回は、CDでのリリースは完全受注生産のみというリリース形態で、基本は配信オンリーというスタイルとなっています。

今回のアルバムは「“高度な情報社会における多様な価値観と宇宙”をテーマ」というコンセプトアルバムになっています。「多様な価値観」という部分はちょっと不明なのですが、「宇宙」というテーマ性に関してはサウンド的にスペーシーな楽曲が多いため、強く感じることが出来ます。

そんな今回の作品はエレクトロサウンドをベースとしたアレンジのメロウなAORチューンがメイン。なによりも「歌をしっかりと聴かせる」という印象の作品になっているのは、いままで聴いたWONKの作品と変わらず。途中のスキットも含めて全22曲75分というかなりのボリューム感ある作品になっているのですが、ポップな歌を楽しめる作品が多いため、さほどダレることなく聴き切れるアルバムになっていました。個人的には、もうちょっとバリエーションがあった方がより面白いとは思うのですが。

評価:★★★★

WONK 過去の作品
BINARY(WONK×THE LOVE EXPERIMENT)
Moon Dance

そんな訳で偶然並んだ「目」というタイトルのアルバム3枚。ま、共通項は全くなく、同時期にこのようなアルバムが並んだのは偶然以外の何物でもないんですけどね。

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2020年7月25日 (土)

日本での話題となったチャリティーライブ

Title:One World: Together At Home

今なお、終息の気配すら見えない、全世界を覆う新型コロナウイルス。日本でも再拡大の様相を呈しており、本当に鬱々とした気持ちを感じてしまいます。そんな中…というよりもヨーロッパを中心に新型コロナが猛威を奮いはじめたころに開催され、日本でも話題になったオンラインライブイベント「One World:Together At Home」。世界保健機関を支援するためにGlobal Citizenが主催したこのイベントは、かのLady Gagaのキューレイトを基に実施。この手のイベントでは珍しく、日本でも地上波でテレビ放送されたこともあり大きな話題となりました。さらに、そのライブ音源が配信でもリリースされ、さらに多くのリスナーが音源でもその日のライブを楽しむことが出来ます。

しかしあらためて感じるのですが、「We Are The World」や「ライブエイド」などの例にもれず、欧米のミュージシャンたちは本当にこの手のチャリティーイベントが好きですし、またそれに対する行動力もすさまじいものがあります。今回のイベントに関しても、キューレイターのLady Gagaをはじめ、ポールマッカートニー、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー、ローリングストーンズといったレジェンドたちをはじめ、ジェニファー・ロペス、GREEN DAYのビリー・ジョー・アームストロング、最近話題のビリー・アイリッシュ、テイラー・スウィフトなどといった豪華ミュージシャンたちがズラリと並んでいます。こういうイベントを開催するのは、寄付に対する文化の違いということもあるのですが、チャリティーであってもミュージシャンとしてリスナーを楽しませようとする姿勢も感じます。それと比べて日本は、正直言って、なぜかこの手のイベントが大物ミュージシャンから出てくることが残念ながらほとんどありません。正直、もうちょっと見習ってほしい感じもするのですが…。

今回のイベントはオンラインでの開催、かつコロナ禍いおいて「自宅からの参加」を求められていることもあり、基本的に宅録でのスタイルがベースとなっています。例えばポールマッカートニーはビートルズのおなじみのナンバー「Lady Madonna」をカバーしているのですが、自宅からエレピのみの演奏でのカバーとなっており、普段とはまた一風異なる演奏に。ローリングストーンズも「You Can't Always Get What You Want」のライブ演奏を披露しているのですが、メンバーそれぞれ自宅から、リモートでの演奏となっており、これもこれで現状だからこそのスタイル。おそらくこのようなスタイルは、現状だからこその貴重な演奏形態であり、コロナ禍が終わった後ではまずお目にかかれないスタイルでしょう。そういう意味では、非常に貴重なライブ音源と言えるかもしれません。以前、くるりのアルバムを紹介した時に、コロナだからこそ生まれた副産物という紹介をしましたが、このライブ音源も、ある意味、副産物のひとつと言えるかもしれません。

ほかにもこのライブアルバムではビリーアイリッシュとテイラースウィフトの音源が並んでおり、ある意味、「今、もっとも人気のある歌姫対決」になっていますし、ジェニファー・ハドソンのほぼアカペラのカバー「Memory」も印象的。また、南アフリカのラッパーSho Madjoziの未発表曲「Good Over Here」は自宅からの録音なのですが、祝祭色あふれる楽曲となっており、コロナ禍で鬱々とした気分をぶっ飛ばすような音源になっており、聴いていてウキウキしてきます。

あと、今回はじめて聴いて、楽曲自体が非常にユニークだったのがSofi Tukkerの「Drinkee」。今回はじめて聴いたのですが、ループするサウンドに淡々としつつリズミカルなラップのようなボーカルが非常に印象的。トラップ感のあるサウンドで、聴きながら思わず拍子を取ってしまうインパクトがありました。

最後を締めくくるジェニファー・ハドソンの「Hallelujah」も強く印象に残ります。その優しくも力強い歌声に涙腺が緩むほど。最後を締めくくるにふさわしい、素晴らしいパフォーマンスとなっています。

全79曲4時間強にも及ぶライブ音源なのですが、間違いなく聴く価値ありの作品。ちなみにYou Tubeでも動画がアップされていますので、そちらを追って行ってもいいかもしれません。このイベント自体、間違いなく音楽史に残るものでしょう。ただ、一日も早く、こういうオンラインではなく、実際のライブとしてこういうイベントが開催出来ればいいのですが…そんな日が少しでも早く訪れることを願っています。

評価:★★★★★

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2020年7月24日 (金)

ボーカリストとしての自信

Title:MTV Unplugged(Live At Hull City Hall)
Musician:LIAM GALLAGHER

今年1月、配信限定でアコースティックアレンジアルバムをリリースしたリアム・ギャラガー。本作はある意味、その前作にリンクする部分もあるかもしれません。昨年8月、イギリスはキングストンのハル・シティ・ホールで収録された「MTVアンプラグド」を音源化した作品。当日は、全15曲披露されたそうですが、そのうちソロ曲とoasisの楽曲5曲がそれぞれ選曲されて収録されたアルバムになっています。

まず、1月にリリースされたアコースティックアレンジアルバム「Acoustic Sessions」でも同じようなことを感じたのですが、まず本作を聴いて、リアム・ギャラガーのミュージシャンとしての、あるいはボーカリストとしての自信を感じるアルバムになっていました。まずは「Acoustic Sessions」同様、oasis曲とソロ曲がそれぞれ対等に収録されている点。並べて聴かせることにより、ソロ時代の曲もoasisの曲と比べて劣っていないということを、強く主張しているように感じる選曲になっていました。

特に選曲では「Acoustic Sessions」と被る部分ではあるのですが、oasisの大名曲「Stand By Me」を披露しているほか、ノエルボーカル曲の「Sad Song」も選曲。ここらへんは露骨に、ノエルに対して半分喧嘩を売っているような感じもします(笑)。ノエルボーカルゆえに落ち着いた印象を受けるoasisバージョンと比べると、リアムの特徴的なボーカルもあり、より迫力の増した感のある作品になっており、ここらへん、どちらが上か、と言われると、好き嫌いがあるかなぁ…といった感じでしょうか。

もっとも、「Acoustic Sessions」の時も感じたのですが、ソロ曲とoasis曲を並べると、確かにソロ曲が健闘しているというのは間違いないと思う反面、聴き慣れているという側面は否定できないものの、そんなソロ曲の中にまじってoasis曲がスタートすると、やはり耳を惹きますし、思わず一緒に歌ってしまうようなメロディーのキャッチーさはずば抜けたものがあります。ここらへんはどうしても仕方ない部分ではあるんでしょうが。

ただ、今回のアルバムで最もリアムのミュージシャンとしての、というよりもボーカリストとしての自信を感じられたのは、それ以上にその歌い方でした。今回はアコースティックセッションでミディアムテンポの曲がメインだったから、という点もあるのですが、今回のライブでの彼の歌い方は非常に落ち着いています。昔の彼のボーカルといえば、若さゆえのふてぶてしさと、ロックンロールスターとして自分を大きく見せようとする姿勢がボーカルに反映されていましたが、今の彼のボーカルは、いい意味で肩の力が抜けたように感じます。

特にラストの「Champagne Supernova」などはストリングスやピアノの演奏をバックに非常に落ち着いた雰囲気で、感情もこもったボーカルが魅力的な作品に。彼のボーカリストとしての力量がより増して、また包容力も感じさせる、そんなステージを感じることが出来ました。

今回はMTVアンプラグドで15曲披露して、そのうち10曲のみということで、残り5曲についても是非とも聴いてみたい感じがするのですが…何年かしたら「完全版」とかリリースされそうだなぁ。選曲について1月にリリースされた「Acoustic Sessions」と被る部分が少なくなく、その点だけはちょっと残念な部分は否定できないのですが、それを差し引いても、彼の現在の立ち位置がしっかりと示されたライブアルバムだったと思います。ボーカリストとしてもミュージシャンとしても、oasis時代からさらに成長し続ける彼。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

Liam Gallagher 過去の作品
AS YOU WERE
Why Me?Why not.
Acoustic Sessions


ほかに聴いたアルバム

Pick Me Up Off The Floor/Norah Jones

前作「Begin Again」から約1年2ヶ月。早くもノラのニューアルバムがリリースされました。その前作はWILCOのジェフ・トゥイーディーとの制作も話題となった非ジャズの要素の強いアルバムでしたが、今回のアルバムも1曲目「How I Weep」ではエキゾチックな雰囲気を入れたり、さらに2曲目「Flame Twin」は完全なブルースロックのナンバーになっていたりと、前作から続き、彼女の挑戦心が感じられる展開となっています。ただ一方、それ以降はムーディーでジャジーな作風の曲が並び、ある意味、ノラらしい曲調に。前作ではその作風ゆえに若干拍子抜けにあったファンも少なくなかったようですが、今回のアルバムはそんなファンでも満足できそうなアルバムになっていたのではないでしょうか。その一方、序盤のような彼女の音楽的な幅を感じさせる曲もあり、ノラのミュージシャンとしての実力をしっかりと感じられるアルバムになっていました。

評価:★★★★★

NORAH JONES 過去の作品
THE FALL

...FEATURING NORAH JONES(ノラ・ジョーンズの自由時間)
LITTLE BROKEN HEARTS
COVERS(カヴァーズ~私のお気に入り)
foreverly(BILLIE JOE+NORAH)
DAY BREAKS
First Sessions
Begin Again

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2020年7月23日 (木)

今週は人気のK-POPグループ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週は人気のK-POPアイドルグループが1位獲得です。

今週1位を獲得したのはK-POPのアイドルグループBTS「MAP OF THE SOUL:7~THE JOURNEY~」。CD販売数、ダウンロード数及びPCによるCD読取数でいずれも1位を獲得しています。2月にリリースされたアルバム「MAP OF THE SOUL:7」収録楽曲の日本語版などを収録した日本仕様のアルバム。アメリカなどでも人気を獲得している彼らですが、それでも「日本語版」を作るあたり、まだまだ日本の市場が大きいということなのでしょうか。まあ、「CD」という形態で売れて、ガバガバ利益を稼げるのは、世界中で日本くらいなのかもしれませんね。オリコンでは初動売上56万4千枚で1位獲得。同作のオリジナル「MAP OF THE SOUL:7」の初動37万6千枚(1位)からアップ。日本盤の前作「FACE YOURSELF」の28万2千枚(1位)よりもアップしています。

2位にはMAN WITH A MISSIONのベストアルバム「MAN WITH A"BEST"MISSION」がランクイン。彼らもCD販売数、ダウンロード数及びPCによるCD読取数でいずれも2位を獲得。活動開始10周年を迎える彼らによる10周年企画アルバムの第3弾で、2015年にリリースされた「5 Years 5 Wolves 5 Souls」以来の2枚目となるベストアルバムとなります。オリコンでは初動売上7万1千枚で2位初登場。10周年企画アルバム第2弾となる前作「MAN WITH A"REMIX"MISSION」の1万7千枚(1位)よりアップしています。

3位はRoselia「Wahl」が初登場。漫画やアニメからなるプロジェクト「BanG Dream!」から誕生した声優によるバンドユニットによる2枚目となるアルバム。CD販売数3位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数5位を獲得。オリコンでは初動売上3万9千枚で3位。前作「Anfang」の2万5千枚(3位)よりアップ。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に坂本真綾「シングルコレクション+アチコチ」がランクイン。デビュー25周年を記念してリリースされたシングルコレクションで、2012年にリリースされた「シングルコレクション+ミツバチ」以降にリリースされたシングル曲を中心に収録されているアルバムとなっています。CD販売数4位、ダウンロード数14位、PCによるCD読取数13位。オリコンでは初動売上1万5千枚で5位初登場。前作「今日だけの音楽」の1万枚(11位)よりアップ。また、シングルコレクションとしての前作「シングルコレクション+ミツバチ」の1万9千枚(9位)よりダウンしています。

初登場最後は8位に「Fate/Grand Order Original Soundtrack IV」がランクイン。CD販売数6位、PCによるCD読取数23位。スマホ向けゲーム「Fate/Grand Order」の楽曲をまとめたオリジナルアルバムトラックの第4弾。オリコンでは初動売上8千枚で6位初登場。同シリーズの第3弾「Fate/Grand Order Original Soundtrack III」の初動1万5千枚(4位)からダウン。

一方、ロングヒット盤ですが、Official髭男dism「Traveler」は今週9位までダウン。今週、4月13日付チャート以来、15週連続で1位を獲得していたPCによるCD読取数がついに3位までダウン。CD販売数9位、ダウンロード数10位といずれも上位にランクインしていますが、徐々に後がなくなってきました。

そしてKing Gnu「CEREMONY」は今週、ついに11位にランクダウン。6月8日付チャートでのベスト10返り咲き以来、7週連続ベスト10ヒットを続けてきましたが、今週、ついにベスト10から陥落してしまいました。ベスト10ヒットも通算25週で、とりあえずは一区切りです。

その一方でmilet「eyes」が今週10位にランクインし、7週連続でベスト10入りとなっています。CD販売数13位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数6位。ただ、ここ3週、6位→10位→10位と推移しており、来週以降は厳しい状況かも。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年7月22日 (水)

ロングヒット系が上位に

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

最近はアイドルグループの1位獲得が続いていましたが、今週は久しぶりにロングヒット系の楽曲が1位獲得となりました。

まず今週1位はYOASOBI「夜に駆ける」が6月15日付チャート以来、6週ぶりに1位返り咲き。これで通算4週目の1位獲得となりました。ストリーミング数及びYou Tube再生回数は先週から変わらず1位を獲得。ダウンロード数は5位から7位にダウンしていますが、今週は強力曲がなかった影響か、相対的に順位を上げ、1位獲得となっています。

2位は米津玄師「感電」が先週から変わらず2位をキープ。ダウンロード数及びラジオオンエア数は先週から変わらず1位。You Tube再生回数は5位から2位にアップ。本作もロングヒットが期待されます。

3位は瑛人「香水」が先週の5位からランクアップし、3週ぶりのベスト3返り咲きとなりました。ダウンロード数は先週から変わらず3位。ストリーミング数は3位から2位にアップ。You Tube再生回数は3位から5位にダウンしましたが、カラオケ歌唱回数は2位からアップし、ついに1位獲得となりました。

今回、ベスト3のうち2曲はロングヒット曲が並びました。「夜に駆ける」「香水」に加えて米津玄師の「感電」も新たなロングヒットになりそうな予感も。今後、この3曲の三つ巴の順位争いが見られるのでしょうか。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず4位にジャニーズ系男性アイドル、山下智久「Nights Cold」がランクイン。Huluオリジナルドラマ「THE HEAD」エンディングテーマ。CD販売数1位、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数3位と上位につけながら、ダウンロード数23位、ラジオオンエア数19位に留まり、総合順位はこの位置に。オリコン週間シングルランキングでは初動売上7万3千枚で1位初登場。前作「CHANGE」の8万3千枚(1位)からダウンしています。

8位には韓国の男性アイドルグループBTS「Your eyes tell」が初登場でランクイン。ダウンロード数6位、ストリーミング数5位、Twitterつぶやき数4位、その他はランク圏外となっています。7月15日にリリースされたアルバム「MAP OF THE SOUL:7~THE JOURNEY~」の収録曲で、映画「きみの瞳が問いかけている」主題歌となっています。

10位はOfficial髭男dism「Laughter」が先週の12位からランクアップし、ランクイン2週目にしてベスト10にランクイン。ダウンロード数5位、ストリーミング数12位、ラジオオンエア数2位、Twitterつぶやき数68位、You Tube再生回数28位。映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」主題歌で、8月5日リリース予定の「HELLO EP」からの先行配信となります。全体的な順位はまだ上位に食い込んでいませんが、今後、徐々に順位をあげていくのでしょうか。

さて、また1曲、新曲がランクインしてきたヒゲダンですが、今週、ついに「I LOVE...」が13位にダウン。連続ベスト10記録は1月27日付チャートから26週連続で、とりあえずは幕を下ろしました。また今週、「Pretender」も8位から9位にダウン。さすがにこちらも後がなくなってきています。

そして今週、ついにLiSA「紅蓮華」が11位にダウン。こちらも昨年12月16日付チャートから維持してきて連続ベスト10記録が、32週で終了。通算ベスト10記録も35週で、いったん、幕を下ろしています。

一方、あいみょん「裸の心」が先週の7位から6位にアップ。通算7週目のベスト10ヒットとなっています。TBS系ドラマ「私の家政夫ナギオさん」主題歌。ダウンロード数及びストリーミング数4位、さらにCD販売数も18位と比較的好調。「マリーゴールド」「今夜このまま」以降、ロングヒットに恵まれなかった彼女ですが、久々のヒットとなりそう。ただYou Tube再生回数は72位と低迷しており、今後のロングヒットのためには、You Tube再生回数がキーになってきそう。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2020年7月21日 (火)

自宅でロックンロール!

THE BAWDIES「DON'T STOP ROLLIN!」

会場 新宿red cloth(オンライン) 日時 2020年7月11日(土)20:00~

非常事態宣言も解除され、徐々に人を入れてのライブもスタートしつつある現状。ただ、実際はかなり限られた人数でのライブに留まっており、さらにそんな中、感染者数が再度増加してきたなど、今後の見通しが全く立っていない状況になっています。そんな中で、どんどん多くのミュージシャンが実施しているのが無観客ライブ。この日はTHE BAWDIESが無観客ライブ、ということでさっそく「参加」してみました。時間になると、まず新宿の風景が映し出され、会場である新宿のred clothへ。

ししてライブはROYの「それでははじめて行きましょうか!」のシャウトから「DON'T SAY NO」。いきなりのスタートとなり、さらにテンションはいきなりマックスからのスタートに。さらに勢いそのままに「LET'S GO BACK」へと「Section#11」からの曲が続きます。さらには「遅れないようについてきてきてくださいね」とファンを煽り「IT'S TOO LATE」へと序盤からハイペースで飛ばしまくります。

ここで一度目のMCに。この日は「5ヶ月ぶりのライブ」ということ。「昔red clothでやった時は2、3人くらいの観客で無観客みたいなものだったよな」という話をしたりしたのですが、ちょっとグダグダなMCでJIMから「MCのやり方、忘れちゃったんじゃない?」という突っ込みも飛ぶシーンも。久々のライブらしい風景でしょうか。

さらに今回、アルバム「Section#11」からのツアーが途中で中止になったため、現状のTHE BAWDIESを見せたいとことで、「Section#11」からの曲が「SHE'S MY ROCK'N'ROLL」「HIGHER」と続きます。

そして2度目のMC。ここで無観客ライブを新宿red clothで実施した意味を語ります。ここは彼らがインディーズでデビューする前にライブを実施した場所。数多くのロックバンドが巣立った場所でROY曰く「日本のロックの聖地」だそうで、そのため今回あえてこの場所での無観客ライブを選んだそうです。そしてそんな場所から、彼らのデビューシングル「I BEG YOU」へ。このシングルを出した直後のツアーもred clothからスタートしたそうで、彼らのこの場所への思い入れを強く感じます。

さらには「I'M IN LOVE WITH YOU」を軽快に聴かせ、TAXMANボーカルで「EASY GIRL」へと軽快なナンバーが続きます。その後に3度目のMCへ。「ライブ前に円陣を組んだ一番最初はどこ?」(答え 2009年の神戸のライブだそうです)という若干盛り上がらなかったクイズが行われた後、なんと新曲へ。新曲のタイトルを動画サイトのコメント欄で募集する(?)という配信ライブらしい試みも行われ、そして新曲へ。彼ららしい軽快なロックンロールナンバーになっており、音源のリリースも楽しみです。

新曲から今度はいきなり「HOT DOG」へ。ハイテンポなナンバーで再びテンションは最高潮にあがっていきます。そこからまた一転、ミディアムチューンの「LEMONADE」でクールダウン。ここは食べ物繋がりでしょうか?さらに再びTAXMANボーカルで「RAINY DAY」に、モータウンビートを取り入れた「KEEP YOU HAPPY」と軽快でポップなナンバーが続きます。

その後のMCでは簡単なメンバー紹介。また「Section#11」のツアーが途中で終わってしまったという話から「ポジティブに言うと、この最高のアルバムをまだみなさんに伝え続けられる」という非常に前向きな発言も。そしてライブは後半戦。カメラ越しに、コールアンドレスポンスを求めた後、「SKIPPIN'STONES」、さらに「BLUES GOD」「JUST BE COOL」とロッキンなナンバーが続いていきます。

ここで一転、雰囲気が変わりROY一人だけがステージに残り「STARS」を弾き語りで披露。配信ライブらしく、字幕もついた演出で歌詞の内容も含め、しっかりと聴かせる演出となりました。

そしてラスト。視聴者に「イエー!」と叫ばせた後に、「KEEP ON ROCKIN'」へ。バラードチューンから一気にアップテンポでロッキンなナンバーになり、テンションは一気にあがりまくります。最後まで思いっきり盛り上がり、最後はTAXMANが法被を着て登場。みんなで「ワッショイ!」と盛り上がり(ライブの最後の定番のようです・・・)約1時間40分程度。ライブは幕を下ろしました。

そんな訳で無観客配信ライブ。なにげに実はTHE BAWDIESのワンマンライブを見るのはこれがはじめてだったのですが、終始ロッキンな曲で盛り上がる、非常に楽しいライブでした。コロナが終息したら、是非とも彼らのワンマンライブにも足を運ばなくては!オンラインだったのですが、自室で思いっきりロックできた、そんな配信ライブでした。

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2020年7月20日 (月)

ちょっと懐かしいギタポが印象的

Title:DOOR
Musician:Czecho No Republic

Czecho No Republicの約2年3ヶ月ぶりとなるニューアルバム。武井優心とタカハシマイという男女ツインボーカルをうまく生かした楽曲が特徴的な彼らですが、2019年7月に、この2人が結婚を発表。公私ともにパートナーとなった両者。一方、前作リリース後にシンセサイザーを担当していた八木類が脱退。また、メジャーレーベルからインディーレーベルに移籍し、4人組Czecho No Republicの第1弾となるニューアルバムとなりました。

そんな今回のアルバム、間違いなくシンセサイザーの八木類の脱退がかなり大きな影響を与えています。以前の彼らの楽曲は、シンセによる打ち込みのサウンドを前面に押し出したシンセポップの色合いの強い楽曲がメインだったのですが、今回のアルバムに関しては明らかにギターポップがメイン。いままでの楽曲は80年代90年代のちょっと懐かしい雰囲気を醸し出す楽曲がメインだったのですが、今回のアルバムで言えば、あきらかに渋谷系やそれに連なるギターポップ、いわゆる「ネオアコ」と呼ばれたジャンルからの影響を強く感じる楽曲が目立ちます。

例えば「Forever Summer」などはギターサウンドなどはまさに渋谷系のギターポップの雰囲気を感じますし、「Dong Dong」も同様に、ちょっと懐かしさを感じるギターポップに仕上がっています。「Bye Bye Summer」なども、その歌詞も含めて、完全にネオアコ系のそれ。個人的にはストレートな渋谷系というよりも、ポスト渋谷系と呼ばれたCymbalsやadvantage Lucyといったバンドを思い起こさせるような楽曲になっていたようにも感じます。

ただ一方、その結果として、バラエティーの増した前作に比べると、全体的に楽曲のバリエーションは少なくなってしまったようにも感じます。トラッド的な要素も感じる、リズミカルな「摩訶不思議」や、シンプルで軽快なピアノポップの「Hi Ho」、さらにはサイケロックの要素を入れた「土曜日」のような楽曲もあり、音楽的な懐の深さを感じる部分もあるのですが、全体的にはシンプルなギターポップがメインの作風になっています。

また、ギターポップの色合いが強くなったことよるのですが、前作までのあか抜けた雰囲気はなくなり、楽曲的には「インディーポップ」という表現がピッタリと来るような作品になっていました。それはそれで好き嫌い別れそうな感じなのですが、個人的には前作まででせっかく彼らが獲得した楽曲のインパクトが弱くなってしまったかな、といった印象を受けてしまいました。

一方、以前から彼らの大きな特徴だった男女ボーカルの特質をうまく生かした楽曲構成は本作でも健在。公私ともにパートナーとなった2人なだけに、例えば「Hello New World」でも息の合ったデゥオを聴かせてくれていますし、「Baby Baby Baby Baby」でも同様、男女のボーカルをうまくいたしたポップチューンに仕上げています。

良くも悪くも新生Czecho No Republicの第1弾となった今回の新作。前作までバンドとして勢いがあっただけに、メンバー脱退によるシフトチェンジはちょっと残念な感じもします。ただ、魅力的でポップなメロディーラインは要所要所聴かせてくれますし、男女デゥオを生かした作風も健在。インディーに戻ってしまった彼らですが、新たな編成でのさらなる成長を期待したいところです。

評価:★★★★

Czecho No Republic 過去の作品
MANTLE
Santa Fe
DREAMS
旅に出る準備

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2020年7月19日 (日)

昭和ノスタルジーを感じる

Title:シン・スチャダラ大作戦
Musician:スチャダラパー

前作「あにしんぼう」から約4年。今年、彼らのデビュー作で「名盤」の誉れ高いアルバム「スチャダラ大作戦」から30年という記念すべき年にニューアルバムがリリースされました。その名も、その30年前のアルバムにちなんだ「シン・スチャダラ大作戦」。「シン・ゴジラ」からスタートした、往年の作品のリメイクあるいは続編的な作品に「シン~」と名付けるスタイルがちょっとした流行りみたいになっているのですが、今回のアルバムもそれにちなんだタイトルになっており、30年という区切りの年、まだまだ最前線で活躍し続ける彼らのあらたな一歩といった感じのアルバムになっています。

そんなアルバムということもあってか、今回の作品、いままでのアルバム以上にレトロな「昭和」感が全面に押し出された作風になっていました。まずジャケット。今回のアルバムは特典CDの異なる3種類のジャケットが用意されています。上で表示しているのは「S盤」のジャケットなのですが、懐かしいSFドラマを彷彿とさせるようなジャケットが特徴的。他には

P盤は完全にウルトラマンをイメージしていますし

D盤は昭和感あふれるサスペンスドラマをイメージしたジャケットとなっています。

ほかにも17歳の頃を描いたリリックが特徴な、「セブンティーン・ブギ」では「DCブランドは数万円/むさぼるドムドムバーガー」だの、「春マゲドン」「あの頃 流行した大予言/なんつったっけ?ほら ゴシマベン?」だの、昭和レトロ的な「単語」が印象的。フルアルバムとして前作となる「1212」でもこのような顕著がはっきりしていたのですが、今回のアルバムに関しては、特に30年の彼らの活動を総括するような、ノスタルジックな雰囲気のあるリリックが目立ったように感じます。

さらに今回のアルバムの聴きどころといえば、やはり彼らと同様、日本のHIP HOPシーンの黎明期を築き上げ、かつ今なお第一線で活躍し続けているRHYMESTERとのコラボ「Forever Young」でしょう。まさに日本のHIP HOP界の「リビングレジェンド」とも言うべき2組のグループがコラボ。タイトル通り、いまなお現役で続ける彼らの決意・・・というほどの堅苦しいものではないのですが、彼ららしい、タイトル通り、いまなお「若く」活動を続ける彼らのスタイルをリリックに綴った楽曲となっています。

トラック的にはレトロでムーディーな「セブンティーン・ブギ」やサマーソング風の「ヨン・ザ・マイク」、ファンキーなリズムが特徴的な「マイ レギュレーション」などバラエティー豊富。全体的に「今風」といった感じはないものの、ビート感などはそれなりに今風にアップデートしており、そういう意味ではベタで陳腐といった印象も感じさせません。

ただ、今回のアルバムで若干賛否がわかれそうなのが、上記の通り、ジャケットの異なる3種類のバージョンがリリースされているのですが、特典CDがそれぞれ別についてくる点。それぞれ、彼らの過去の楽曲を様々なアレンジをほどこしたインストカバーになっているのですが、S盤は和楽器、D盤はオルゴール、P盤はボッサ風のカバーになっており、全部聴くにはアルバムを3枚買う必要が出てきてしまいます。正直、ちょっとあざといやり方に感じてしまい、否定的な意見も少なくないようです。このインストカバーについて聴いてみたのですが、こちらはおなじみの彼らの楽曲に意外なアレンジをほどこしているという点ではユニークなのですが、いずれも喫茶店などのBGMで流れてきそうな「無難なインスト」といった感じで、3枚わざわざ買い集めるほどの出来ではないかも・・・。ちなみに、こちらはサブスプなどで配信は行われていないのですが、レンタルはされているようなので、よほど熱心なファンではない限り、レンタルで借りて聴いてみるのがよいのかもしれません(・・・ってあまり推奨できるやり方ではないのかもしれませんが・・・)。

そんな点、「売り方」にちょっと残念な部分はありつつも、本体の部分はスチャダラの良さがしっかり出た、ちょっとノスタルジックな雰囲気もあわせて傑作なアルバムだったのは間違いありません。デビューから30年以上が経過しても、まだまだ現役感あふれる彼ら。その活躍はこれからも続きそうです。

評価:★★★★★

スチャダラパー 過去の作品
THE BEST OF スチャダラパー 1990~2010
11
CAN YOU COLLABORATE?~best collaboration songs&music clips~
1212
あにしんぼう


ほかに聴いたアルバム

十色定理/Plastic Tree

オリジナルアルバムとしては約2年ぶりとなるPlastic Treeの最新作。この「十色定理」というタイトルは「平面上のいかなる地図も、隣接する領域が異なる色になるように塗り分けるには4色あれば十分」とする四色定理から取られているそうです。そういう意味では、本作に収録されている10色でPlastic Treeは塗分けられる、という意味でしょうか。基本的にメランコリックなメロディーラインと、ノイジーで分厚いギターサウンドという、彼ららしい曲の中に、エレクトロサウンドやディスコチューン風の楽曲もあったりして、確かにいろいろな側面からPlastic Treeを表現したアルバムであり、なおかつ、彼ららしさも強く感じれる作品となっていました。

評価:★★★★

Plastic Tree 過去の作品
B面画報
ウツセミ
ゲシュタルト崩壊
ドナドナ
ALL TIME THE BEST
アンモナイト
インク
echo
剥離
doorAdore
続 B面画報

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2020年7月18日 (土)

かなりのボリューム感

正直、いままで何度もベスト盤をリリースしているだけに、「またか」といった感も多いのですが、それでもついついチェックしてしまうTM NETWORKのベストアルバム。今回は彼らのデビュー35周年を記念して、全3枚組のアルバムを2組同時リリースという、かなりのボリュームのあるベスト盤となっています。

Title:Gift from Fanks T
Musician:TM NETWORK

TItle:Gift from Fanks M
Musician:TM NETWORK

今回のアルバムの特徴は、ソニーとavexが共同でファン向けの人気投票を実施。その上位70曲を収録したのが今回のアルバム。かなりの収録曲数となっているベスト盤なだけに、いままでリリースされたベスト盤とは少々違った傾向の選曲となっています。まず1点目が、いままでのベスト盤にほとんど収録されることがなかった1999年の再活動後の楽曲が収録されているという点。いままでリリースされたベスト盤のほとんどが、かつて所属していたエピックレコード(エピックソニー)からのリリースだったこともあり、再活動後の楽曲は収録されていませんでした。今回は人気投票の上位にランクインしてきた楽曲の中に、活動再開後の楽曲も何曲かあり、それが収録されています。正直、再結成後の楽曲は当初の活動時期の曲と比べるといまひとつ…というイメージがあっただけに、順位的に決して高くはないものの、意外とランクインしていたのは意外。そんな中で「I am」はファン投票6位だったのはかなり意外。確かに、活動再開後の楽曲でどの曲か、と言われると、この曲が一番良かったように思うのは間違いないのですが。特にPVの中でメンバー3人がソファーに並んで座るシーンがあるのですが、そこはやはり、あの3人が並んで座っている!とゾクゾクするくらいうれしくなってしまいましたし。

もう1点が、彼らの当初の活動の際のラストアルバムとなった「EXPO」の曲が比較的多く収録されている点。比較的バラエティー色が豊かとなったため、TM=デジタルロックというイメージで聴くと、少々拍子抜けしてしまうこのアルバム。いままでアルバム収録曲がベスト盤に収録されているケースはほとんどなかったように思うのですが、今回は2曲(といっても2曲だけなのですが・・・)収録されています。うち1曲「Crazy For You」は、宇都宮隆と恋人の女の子の会話という形態をとっている異色のナンバー。リアルタイムで聴いた時も、かなり異様な楽曲でビックリしたのですが、その分、かなりインパクトある曲。久しぶりに聴いて、やはりいろいろな意味で面白い曲だな、とあらためて感じました。しかし、聴いていてふと感じたのですが、「恋人の女の子」役の女性は、いかにも(当時としては)「今時の」若い女の子といった雰囲気なのですが、どう計算しても、いまやもう50歳を過ぎている「おばちゃん」なんですよね・・・時代の流れを感じてしまいます。もっとも、宇都宮隆ももう還暦を過ぎてしまったんですけどね・・・。

さて、この大ボリュームのアルバムでみっちりとTM NETWORKの曲をあらためて聴いたのですが、うーん、なんだかんだ言ってもやはり私はTMが好きだなぁ・・・とあらためて感じました。ほどよく未来的なエレクトロサウンドに、ほどよくへヴィーなロックチューン。なんといっても楽曲全体に「明るさ」があり、「未来への希望」も感じられる作風は、80年代という時代を反映しているように感じます。

ただ、そんな中でも今聴いてもTM NETWORKの曲が非常に魅力的に感じる大きな要因は、やはりなんといってもメランコリックなメロディーラインが胸に響くような曲が多いからではないでしょうか。個人的に、TM NETWORKで一番好きな曲は何か、と言われれば、迷うことなく「STILL LOVE HER(失われた風景)」を選ぶのですが、まさに胸をかきむしられるようなメロディーが魅力的なナンバー。この曲、今回のファン投票で1位を獲得したそうですが、その事実は納得です。また個人的には「Time Passed Me By (夜の芝生)」も大好きで、キネバラの最高峰だと思っているのですが、今回のファン投票では22位。うーん、高い順位といえば高い順位なのですが、ベスト10入りしてきても不思議ではない名曲だと思うのですが・・・。

そんな訳で、何回目かわからないTM NETWORKのベスト盤ですが、今回もなんだかんだいっても非常に楽しむことが出来ました。現在、TM NETWORKは宇都宮隆と木根尚登は精力的に活動を続けているものの、ご存じの通り、小室先生が引退状態で、再活動は望めません。でも正直言って、小室先生に高潔な人格なんてファンは誰も求めてないから(笑)、是非、早く復活して、この3人でまた活動してほしいなぁ。いつの日か、というか出来るだけ早く、そういう日が来ることを願って。また40周年あたりでベスト盤をリリースするのかな?TM復活もその頃までには!(追伸→といっていたら乃木坂46への楽曲提供という形で復活だそうです。予想以上に早くないか?という感じもするのですが、個人的にはやはりうれしい!次は是非、TM復活を!)

評価:どちらも★★★★★

TM NETWORK 過去の作品
SPEEDWAY
TM NETWORK THE SINGLES 1
TM NETWORK THE SINGLES 2
TM NETWORK ORIGINAL SINGLES 1984-1999
DRESS2
QUIT30
GET WILD SONG MAFIA
GET WILD 30th Anniversary Collection - avex Edition


ほかに聴いたアルバム

Texture Web/Koji Nakamura

ナカコーこと中村弘二(Koji Nakamura)が2014年からスタートさせていたTextureシリーズ。CDRのみのリリースということもあり、知る人ぞ知る的アルバムだったのですが、その全20作235曲にも及ぶTextureシリーズの中から20曲をピックアップしてアルバムとしてリリースしたのが本作。20枚のCDR作品からそれぞれ1曲ずつをピックアップしたこともあり、それぞれ曲調はバラバラ。スペーシーな作品、AOR風なメロウな曲、トライバルなビート、ダイナミックなエレクトロなどなど、それぞれ彼のアイディアがつまった作品が並んでおりユニーク。これだけでも76分にも及ぶボリューミーな作品になっているのですが、ついつい聴き入ってしまいます。TextureシリーズのCDR、次回作が出たら買ってみようかなぁ。

評価:★★★★★

Koji Nakamura 過去の作品
Masterpeace
Epitaph

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2020年7月17日 (金)

結成10周年の企画盤2枚

今回紹介するのは、一般的な知名度もすっかり高くなった、頭は狼、身体は人間という「究極の生命体」の5人で結成されているロックバンドMAN WITH A MISSIONの、結成10周年を記念してリリースされたアルバムです。

Title:MAN WITH A "B-SIDES & COVERS" MISSION
Musician:MAN WITH A MISSION

まずこちらはシングルのカップリング曲と、トリビュートアルバムやコラボレーションアルバムなどに収録されていたカバー曲を集めた1枚。いわゆる「裏ベスト」的なアルバムです。

ただ、基本的にそんなカップリングやカバーを集めたといっても、そんなに普段のMAN WITH A MISSIONのイメージから大きく異なる・・・といった感じの楽曲は多くはありません。ただ、カバーの中でちょっとユニークなのは、和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」。ゆっくりと、ピアノの音色を入れつつスケール感を持たせたサウンドと、歌いあがるボーカルが特徴的なカバー。普段の彼らのイメージとは少々異なる作風が、カバー曲らしくユニークです。

シングル「Dark Crow」のカップリングだった「Reiwa」もカップリングらしい独特な作品。女性ボーカリストのmiletをフューチャーした楽曲で、幻想的な雰囲気を持つ彼女のボーカルが強く印象に残ります。英語詞でありつつ、「令和」という年号が歌われるというスタイルもユニーク。洋楽的でありつつも、なぜか日本的でもある、不思議なインパクトを持った楽曲でした。

そんなカップリングやカバー曲ならではの独特な曲がありつつも、基本的にはMAN WITH A MISSIONらしい疾走感あるロックチューンがメイン、というのは前に書いた通り。普通のアルバム感覚で楽しめるアルバムだと思います。ファンならずとも彼らが気になる方はチェックして損のないアルバムでしょう。

評価:★★★★

Title:MAN WITH A "REMIX" MISSION
Musician:MAN WITH A MISSION

で、こちらは10周年企画アルバムの第2弾。いままで発表されたリミックス作品を中心に収録したリミックスアルバムとなっています。

まず1曲目2曲目は今回のリミックスアルバムに初収録となった新作。1曲目は「Take Me Under」をAA=の上田剛士がリミックスした作品。ダイナミックなエレクトロビートが彼らしい、ロッキンでエレクトロでカッコいい楽曲になっています。そして2曲目「FLY AGAIN」は「Hero's Anthem」と題されたリミックスになっており、「ヒーロー」というリミックスタイトルらしい、よりスケール感があって盛り上がるミックスに仕上げられています。

ほかのリミックスも、ケンイシイやBOOM BOOM SATELLITES、海外勢からはスリップノットのDJ Starscreamなどの豪華なメンバーが顔を揃えます。BOOM BOOM SATELLITESのリミックスによる「evils fall」はドラムのリズムを前に押し出しつつ、疾走感あるエレクトロサウンドを取り入れた、いかにもBOOM BOOM SATELLITESらしいリミックスになっているのですが、これがまたMAN WITH A MISSIONの楽曲とピッタリとあっています。

そしてラストを締めくくるのが、おなじみ石野卓球のリミックスによる「Raise your flag」。こちらも楽曲がはじまるとすぐに石野卓球だとわかるような、彼の個性が全面に出ているテクノリミックスに仕上がっています。そんないかにも石野卓球なサウンドが前に押し出されているリミックスになっており、MAN WITH A MISSIONよりも石野卓球ファンが喜びそうなアレンジに。勢いあるテクノチューンでアルバムは幕を下ろしています。

MAN WITH A MISSIONというよりも、それぞれのリミキサーのファンが喜びそうなそんなアルバムで、それぞれMAN WITH A MISSIONの楽曲を素材にしつつ、思いっきりいじくりまわしている印象もあるアルバムでした。また、やはり彼らの楽曲はこういうエレクトロベースのリミックスに非常にマッチしますね。そういう意味ではMAN WITH A MISSIONらしい、ともいえるそんな1枚でした。

評価:★★★★

MAN WITH A MISSION 過去の作品
Trick or Treat e.p.
MASH UP THE WORLD
Beef Chicken Pork
Tales of Purefly

5 Years 5 Wolves 5 Souls
The World's on Fire
Out of Control(MAN WITH A MISSION x Zebrahead)
Dead End in Tokyo European Edition
Chasing the Horizon


ほかに聴いたアルバム

The Very Best of PIZZA OF DEATH III

もともとはHi-STANDARDのレーベルとしてスタートし、いまや日本を代表するパンク系のインディーレーベルとなったPIZZA OF DEATH。本作はそんなPIZZA OF DEATHに所属するミュージシャンの曲を収録したオムニバスアルバムの、約10年ぶりとなる第3弾。第2弾の時もパンク系を中心としつつバラエティー豊かな楽曲が楽しめたのですが、今回の作品も同様。シングアロング系のいかにもフェス向けなパンクのBURL「Fuckin' Voice」からスタートし、ハードコア系のMEANING「CUT THROUGH THE DARKNESS」、SLANG「WAR IS BUSINESS」、和風なメロが印象的なMID LOW HIGH HIGH「FIGHT AGAINST」にSHADOWS「Drifting」のようなパワーポップ計。さらにはムーディーなSuspended 4th「オーバーフロウ」などなど、おそらくロック系が好きなら、1、2曲はお気に入りに出会えそう。

評価:★★★★★

The Very Best of PIZZA OF DEATH II

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2020年7月16日 (木)

活動休止前の初のベストアルバムが1位獲得

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

初のベスト盤が1位獲得です。

今週1位を獲得したのはロックバンドMrs.GREEN APPLE「5」。デビュー5周年となる7月8日に「フェーズ1」が完結し、活動休止及び事務所からの独立と「フェーズ2に向けた新たなプロジェクト"Project-MGA"」を開始した彼ら。「活動休止」というよりも、事務所を独立するので「大人の事情」で一時期、活動できなくなるだけじゃないの?といった気もするんですが、それはともかく、初のベストアルバムが見事1位を獲得しました。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数4位で総合順位で1位を獲得。Hot Albumsでは直近のオリジナルアルバム「Attitude」に続いて、2作連続で1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでは初動売上4万8千枚で2位初登場。「Attitude」の2万6千枚(4位)より大幅にアップしています。

2位は女性アイドルグループBiSHの、こちらもベストアルバム「FOR LiVE-BiSH BEST-」がランクインです。CD販売数1位、PCによるCD読取数3位。こちら、BiSHの急きょリリースされたベストアルバムなのですが、コロナ禍で営業停止を余儀なくされているライブハウスやCDショップへの支援を意図してリリースされたアルバムで、発売はCDオンリーで、かつCDショップ及びCDショップの運営するECサイトのみで販売され、かつ収益全額がライブハウスに寄付される形となっています。

個人的にBiSHはその「売り方」などからはっきりいってしまって「嫌い」なグループなのですが、このベスト盤リリースに関しては手放しで絶賛したいところです。というのも、日本の、特にライブハウスに関しては、クラスターの発生源ともされ非常事態宣言が解除された中でも、いまだに以前のような本格的な営業再開の目途が見えていません。ただ、このコロナ禍にあって、特に大物ミュージシャンたちが実施するチャリティー系の寄付の相手先は医療機関ばかりが目立ちます(もちろん、ライブハウス救済活動を行っているミュージシャンたちも少なくありませんが、インディー系がメインとなってしまっています…)。個人的にはこれにはすごい疑問に思っていて、確かに医療機関に対する寄付も重要ですが、日本のポピュラーミュージック文化の基盤と言えるライブハウスが、今、非常に苦境に立たされています。そんな中、本来、ミュージシャンたちが真っ先に救うべき相手はライブハウスなのでは??と常々疑問に思っていました。そんな中、こういう形でしっかりとライブハウスを支えようとする彼女たちのスタンスは、あるべき姿だと個人的には思います。ほかももっと大物ミュージシャンたちによるライブハウス支援活動が続けばよいのですが…。

ちなみにオリコンでは初動売上4万9千枚で1位初登場。前作「CARROTS and STiCKS」の3万6千枚(4位)からアップしています。

3位にはTUBE「日本の夏からこんにちは」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数5位、PCによるCD読取数9位。デビュー35周年を迎える彼らの約5年ぶりとなるオリジナルアルバム。まるで演歌のようなタイトルなのですが、そんなユーモラスも彼ららしい感じ。オリコンでは初動売上1万9千枚で3位初登場。直近作はノンストップMIX盤「35年で35曲"夏と恋"~夏の数だけ恋したけど」「35年で35曲"涙と汗"~涙は心の汗だから」のそれぞれ1万枚(7位)9千枚(8位)で、それよりはアップ。オリジナルアルバムの前作「Your TUBE+My TUBE」の3万枚(4位)からダウン。

続いて4位以下の初登場盤です。まず5位に女性アイドルグループももいろクローバーZのメンバー、佐々木彩夏のソロデビューアルバム「A-rin Assort」がランクイン。CD販売数5位、ダウンロード数12位、PCによるCD読取数21位。オリコンでは初動売上9千枚で6位初登場。

6位には人気上昇中のパンクロックバンドハルカミライ「THE BAND STAR」が初登場。CD販売数4位、ダウンロード数43位、PCによるCD読取数16位。オリコンでは初動売上1万枚で5位初登場。前作「永遠の花」の5千枚(11位)よりアップしています。

9位には宮川大聖「Symbol」がランクイン。いままで「みやかわくん」名義で活動を行ってきた男性シンガーソングライターが、本作より名義を本名に変更し、初のミニアルバムリリースとなりました。オリコンでは初動売上5千枚で8位初登場。前作「REBECCA」の1万2千枚(8位)よりダウンしています。

続いてロングヒット盤ですが、まずOfficial髭男dism「Traveler」。先週は3位にランクアップした本作ですが、今週は7位まで再度ランクダウン。ただ、PCによるCD読取数は今週も1位をキープ。またいずれもランクダウンしたものの、CD販売数8位、ダウンロード数7位といずれもベスト10をキープしており、まだまだロングヒットは続きそうです。

King Gnu「CEREMONY」も4位から8位にダウン。CD販売数は5位から11位、ダウンロード数も4位から8位にダウン。ただこちらもPCによるCD読取数は2位をキープしています。

一方、先週10位にランクアップしてきたあいみょん「瞬間的シックスセンス」は10位から11位にダウン。残念ながらベスト10返り咲きは1週で終了しています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年7月15日 (水)

女性アイドルが上位を占める中、米津玄師が奮闘

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

ここ何週か、ジャニーズ系の1位が続いていましたが、今週はK-POPの女性アイドルグループが1位獲得です。

今週は韓国の女性アイドルグループTWICE「Fanfare」が、CDリリースに伴い、先週の12位からランクアップし、1位獲得となりました。CD販売数1位、ダウンロード数16位、ストリーミング数28位、ラジオオンエア数4位、PCによるCD読取数3位、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数12位。オリコン週間シングルランキングでは初動売上17万6千枚で1位初登場。前作「Breakthrough」の22万枚(2位)よりダウンしています。

3位は指原莉乃プロデュースによる声優アイドルグループ=LOVE「CAMEO」がランクイン。CD販売数は2位でしたが、ダウンロード数87位、ラジオオンエア数52位、PCによるCD読取数18位、Twitterつぶやき数12位とそのほかのランキングが奮わず、総合順位は3位に留まっています。オリコンでは初動売上15万5千枚で2位初登場。前作「ズルいよ ズルいね」の14万2千枚(1位)よりアップしています。

そんな日韓の女性アイドルグループに挟まれる形で2位にランクインしてきたのが米津玄師「感電」。TBS系ドラマ「MIU404」エンディングテーマ。8月にリリース予定のアルバム「STRAY SHEEP」からの先行配信シングル。配信オンリーながら、ダウンロード数、ラジオオンエア数、Twitterつぶやき数でいずれも1位を獲得。You Tube再生回数でも5位と軒並み上位にランクインし、見事2位にランクインしています。ホーンセッションを入れてムーディーな雰囲気を感じるナンバーで、今回もロングヒットを記録するのでしょうか。

続いて4位以下の初登場曲…と行きたいのですが、今週は初登場はこのトップ3のみ。そして今週も強いロングヒット曲ですが、まずデッドヒートを繰り広げるYOASOBI「夜に駆ける」瑛人「香水」は今週も4位5位と、先週からいずれもワンランクずつダウンしていますが、今週のロングヒットを続けています。ストリーミング数及びYou Tube再生回数ともに「夜に駆ける」が1位を獲得。「香水」はいずれも3位に留まっているものの、今週、カラオケ歌唱回数で2位を獲得。その強さを見せつけました。

Official髭男dism「Pretender」が6位から8位、「I LOVE...」が9位から10位にダウンし、さすがに後がなくなってきました。ただストリーミング数は「Pretender」が8位から6位、「I LOVE...」が10位から7位と盛り返してきており、You Tube再生回数も「Pretender」はまだ4位をキープするなど、まだまだ根強い人気も感じさせます。

一方、LiSA「紅蓮華」は今週5位から9位に一気にダウン。ただCD販売数は14位から9位とベスト10に返り咲いているほか、ストリーミング数も12位から9位にアップ。カラオケ歌唱回数も1位をキープしており、こちらもまだまだ粘りそう。

先週、ベスト10に返り咲いたKing Gnu「白日」は今週、11位にダウン。残念ながらベスト10返り咲きは1週で終わりました。ただストリーミング数はまだ8位にランクインしており、まだまだ今後の巻き返しも期待できます。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2020年7月14日 (火)

楽しいポップソングが7曲

Title:Lost Songs(Found)
Musician:TWO DOOR CINEMA CLUB

突如、配信限定でリリースされたTWO DOOR CINEMA CLUBの7曲入りのEP。今回のアルバムは初期の未発表曲やBサイド曲といったレア音源を集めた作品。突然のリリースだったのですが、ファンにとってはちょっとうれしいプレゼント的なEP盤となっています。

作品的には全7曲21分というあっさりとした短さ。そういう意味でも聴きやすい内容だったのですが、一方で収録された7曲、それぞれ軽快で聴いていて楽しくなってくる明るいポップチューンが並んでいました。まず非常に強いインパクトを受けるのが1曲目「Not In This Town」。疾走感あるシンセを入れたバンドサウンド。マイナーコード主体のメランコリックなメロディーは強いインパクトを受けますし、なによりもわかりやすいキャッチ―なサビが展開されるという、わかりやすく、インパクトのある楽曲。大サビまで登場して、ある意味J-POP的な構成になっている曲なのですが、それゆえに心に強く残る1曲となっています。

ちょっと軽快なリズムにエレクトロビートが心地よい「Tiptoes」も印象的。もともとアルバム「Tourist History」に収録される予定だった曲だそうですが、なぜ収録されなかったのか不思議になるほど、軽快で楽しくポップな楽曲に仕上がっています。続く「19」もメロディアスなギターサウンドが印象的なポップチューン。優しくメロディアスな曲調が印象に残ります。こちらも日本人にとってはわかりやすさを感じるはっきりとしたサビを持つ構造の楽曲になっており、強いインパクトを持ったポップチューンとなっています。

「Hands Off My Cash Monty」もトライバルな雰囲気を持った軽快なリズムとギターサウンドが印象的。サウンド的には若干Vampire Weekendあたりを彷彿とさせつつ、メランコリックなメロディーラインが後に残る彼ららしいポップチューンに仕上げられています。また、最後を締めくくる「Too Much Coffee」も、やはりトライバルなビートに、ちょっとチープさを感じるエレクトロサウンドが心地よいポップチューンに。こちらも軽快で楽しいポップチューンになっています。

基本的には初期の彼ららしいドラムレスのエレクトロサウンドに、比較的スカスカなサウンドが印象的な楽曲。ただ、初期の彼らの楽曲は典型的なインディーポップらしいあか抜けなさを感じたのですが、今回収録されている楽曲に関しては、ポップソングとしてもインパクト十分でかなり魅力的な作品になっており、逆になぜ未発表だったのか不思議に感じてしまいます。

わずか21分という短さもあり、ポップで楽しい曲をワクワクしながら一気に聴けてしまう内容になっている今回のアルバム。本当に彼らからのうれしいプレゼントといった感じのEPでした。昨年リリースされたアルバムも素晴らしい傑作アルバムでしたし、次のアルバムも今から楽しみです。

評価:★★★★★

TWO DOOR CINEMA CLUB 過去の作品
Tourist History
Beacon
Gameshow
False Alarm


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2020年7月13日 (月)

ロックリスナー寄り?

Title:RTJ4
Musician:Run the Jewels

アルバムがリリースされる都度、高い評価を得ているHIP HOPデゥオ、Run the Jewels。約3年半ぶりとなるニューアルバムとなった本作でも、PitchforkでBEST NEW MUSICに選出されるなど各所で絶賛。さらにビルボードチャートでも見事、初となるベスト10入りを果たすなど、人気面でも確実にそのすそ野を広げてきています。

ただ、彼らについては以前から、どのような層に支持されてきたのか、若干気になる部分はあります。なぜならば、ご存じの通り、今のHIP HOPシーンといえばトラップが主流。最小限のビートを強調したトラックにメランコリックでメロディアスなラップが受けています。そんな中、彼らのスタイルはそういった主流とは大きく異なります。彼らの奏でるトラックはダイナミックなビートをロッキンに聴かせるスタイルで、イメージとしてはむしろロック寄りのスタイル。そういう意味でも昨今の流行のスタイルとは大きく異なります。

実際に、1曲目を飾る「yankee and the brave(ep.4)」はリズミカルなビートが印象的なナンバーで、雰囲気としてはむしろオールドスクールの色合いすら感じる楽曲で、ある種のなつかしさも感じてしまいます。続く「ooh la la」も先行シングルとなった楽曲なのですが、軽快ながらも力強いロッキンなビートが印象的なナンバー。隠し味のように加えられた、ループするピアノのトラックも若干不気味さを感じつつ、心地よさを感じます。

その後も力強いラップも大きなインパクトとなっている「holy calamafuck」やギターサウンドも入ってロックな要素も強いトラックの「the ground below」など、ロッキンなビートの曲が続いています。正直言って、HIP HOPよりもロックを好んで聴いているような、私のようなリスナー層にとっては、耳なじみのあるサウンドで聴きやすく、非常にインパクトを感じる楽曲が並んでいます。

そんな中でも、ファレル・ウィリアムズをフューチャーした「Just」は、トラップからの影響を感じるようなリズムが特徴的なナンバーになっており、今風な要素を感じます。ただ、この曲には、なんとかのRAGE AGINST THE MACHINEのZack de la Rochaがボーカルとして参加。その特徴的なボーカルは一発でわかりますし、やはりロックリスナーとしては非常にうれしくなってくるナンバーになっています。

そんなこともあって、今風のHIP HOPというよりは、むしろロック寄りな部分を感じらせるRun the Jewelsのアルバム。もちろん、以前からその傾向が強かったものの、今回のアルバムでは、よりその方向性も明確になったように感じます。特に先日、アメリカで発生した黒人男性ジョージ・フロイドの死亡事件から端を発するブラック・ライブズ・マターのデモ活動の中で、Run the Jewelsのメンバー、キラー・マイクが「暴動はやめて選挙に行こう」と呼びかけたスピーチが大きな話題となっています。そのこともあって今回のアルバムでは、以前のようなふざけたジョーク的なトラックはなくなり、社会派な色合いの強い楽曲が並ぶアルバムとなっていました。ある意味、ロッキンなトラックも彼らの怒りをあらわしている、と言えるのかもしれません。また、内省的な要素の強いトラップとは一線を画するのも当たり前なのかもしれません。

今のHIP HOPの方向性とは一線を画するアルバムかもしれませんが、その主張からしても、間違いなくアメリカの今を象徴するようなアルバムと言えるでしょう。ある意味、ロックリスナー層にも聴きやすいアルバムだからこそ、日本でも多くのリスナーを確保しそうな作品かも。ブラック・ライブズ・マターは日本でも話題となりましたが、新型コロナが蔓延する現状と相成り、世界はますます混沌とした状況に陥っていく恐れもあります。そんな中、今後も彼らは楽曲を通じてメッセージを発生させていくのでしょう。今回のアルバムは間違いなく今年を代表する傑作アルバムになりそうですが、次のアルバムはもっとジョーク的な要素が多い作品がリリースできるような状況になるように願わざるを得ません。

評価:★★★★★

Run the Jewels 過去の作品
Run the Jewels 2


ほかに聴いたアルバム

Chromatica/Lady Gaga

Lady Gagaの単独名義としては約3年半ぶりとなるニューアルバム。その前作「Joanna」はシンプルなサウンドのカントリーを基調としたアルバムになっていましたが、本作は一転。以前の彼女らしいエレクトロダンスポップに戻っています。正直、以前の彼女の曲同様、目新しさは皆無なのですが、それでも最後まで全く飽きることなく、一気に聴き切れてしまうあたり、彼女の楽曲のポピュラリティーの高さを感じさせます。いい意味でLady Gagaらしい、ファンにとっては安心して聴ける1枚です。

評価:★★★★

LADY GAGA 過去の作品
The Fame
BORN THIS WAY
ARTPOP
Cheek to Cheek(Tony Bennett & Lady Gaga)
Joanna
A Star Is Born Soundtrack(アリー/ スター誕生 サウンドトラック)(Lady Gaga & Bradley Cooper)

Access Denied/Asian Dub Foundation

約5年ぶりとなるAsian Dub Foundationのニューアルバム。今回のアルバムでもいつもの彼らと同様、強烈なジャングルのビートやレゲエ、ダブなどの要素を取り入れた強烈なサウンドメイキングが印象的。ただ、中には「Realignment」のようなストリングスを取り入れた繊細なナンバーもあったりして、アルバムの中で良いインパクトとなっているほか、パレスチナのジャムステップ・グループ47Soulやチリのラッパー、Ana Tijoux、オーストラリアのDub FXなども参加し、多国籍な陣容となっているのも彼ららしい感じ。また、かのグレタ・トゥーンベリの演説もサンプリング(・・・って、この間のThe 1975のアルバムでも同じことしていたけど)。彼ららしい強烈なメッセージがサウンドからも伝わってくるようなアルバムになっていました。

評価:★★★★★

ASIAN DUB FOUNDATION 過去の作品
Time Freeze 1995/2007
PUNKARA
A History Of Now
THE SIGNAL AND THE NOISE


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2020年7月12日 (日)

新進気鋭の19歳

Title:strobo
Musician:Vaundy

今回紹介するのは、これで「バウンディ」と読む、リリース時点で若干19歳(誕生日が6月6日なので20歳となったようですが…)という新進気鋭のシンガーソングライターによるアルバム。昨年11月にリリースした配信シングル「東京フラッシュ」がSpotifyの日本バイラルチャート3位に2週連続ランクインし、大きな話題となったほか、本作にも収録されている「灯火」がFODドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌に起用されるなど大きな話題に。そして本作はデビュー作でありつつもアルバムチャートでベスト10入りするなど、いきなり大ヒットを記録し、今、最も注目を集めているシンガーソングライターの一人となっています。

楽曲のタイプとしては、ここ最近、ヒットシーンの中で一定の支持を集めている、シティポップの系列につながるようなAORがメインといった印象でしょうか。その話題となったデビュー作「東京フラッシュ」は、まさに軽快でメロウなAORチューンになっていますし、「life hack」「不可幸力」などもラップの要素を入れつつ、気だるさを感じられるシティポップ風のメロウなサウンドが印象的な楽曲に仕上げられています。

ただ一方、アルバム全体としてはAORというジャンルに留まらない作風を聴かせてくれています。例えばドラマ主題歌で話題となった「灯火」などはアコギのサウンドで爽快にまとめた、カントリー的な要素を感じるポップになっていますし、「怪獣の花唄」などは、疾走感あるギターロックのサウンドになっており、むしろオルタナ系のギターロックの要素の強い楽曲になっています。

そのため概していえばバラエティー富んだ作風のポップアルバム、と言えるかもしれません。ただ、一方ではバラエティー富んだ作風に、良くも悪くもJ-POP的な要素、もっと言えば、いかにも日本のヒットシーンで「売れ線」となりそうなタイプの楽曲の方向性を感じます。具体的に言うと、ほどよく複雑だけどポップにまとまっている音楽性、洋楽テイストを感じつつも、確固たるルーツが見える訳ではないサウンド、音数を比較的多くしてダイナミックにまとめた楽曲・・・良くも悪くもいかにもJ-POP的に感じます。

日本の音楽シーンって、エッジの効いたサウンドや海外からの流れを取り込んだ楽曲を奏でるミュージシャンたちが登場し、ブレイクした後、それをJ-POP的に咀嚼したミュージシャンたちがあらわれてブレイクし、その後は良くも悪くもどんどんベタに、「歌謡曲的」になっていく、という流れが良く見受けられます。シティポップという流れの中でもSuchmosやceroなどといったミュージシャンたちがブレイクした後、先日紹介した藤井風や、今回紹介したVaundyなどが、その流れをJ-POP的に咀嚼してブレイクしている、という印象を受けます(King Gnuもそうかもしれません)。それが悪い、という訳ではないのですが、それだけシティポップというムーブメントも一般化してきたのかな、という印象を、今回のVaundyのブレイクからは受けました。

多彩な音楽性を持つ新進気鋭のミュージシャンという紹介をされている彼。確かに幅広い音楽性と実力は感じますし、本作が魅力的なポップアルバムであることは間違いないと思います。ただ、新しい流れを生み出すミュージシャンかと言われると、そういうタイプよりも既存のフォーマットの中で、よりJ-POP寄りに解釈しているミュージシャンという印象を受けました。それだけに、より広い層に支持されてさらなるブレイクも予想されるのですが・・・さて、これからどんな活躍を見せるのでしょうか。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

WONDERLAND/Novelbright

こちらも最近話題となっている新進気鋭のロックバンド、Novelbright。ライブ動画をSNSにアップし、それを機に人気を獲得していったという、ある意味、今どきな人気の獲得を見せているバンド。楽曲的にはメランコリックなメロディーラインも印象的なギターロックバンド。SNSでも話題となった歌声も魅力的なバンドといえばバンドなのですが・・・ただ正直言って、別に以上でも以下でもないという印象で、これといったスバ抜けたメロを書いている訳でもおもしろい歌詞があるわけでも、サウンドも特徴的な訳でもなく・・・楽曲は悪いわけではなく、ポップスとしての訴求力は確かにあるとは思うのですが・・・と煮え切らない感想になってしまいます。良くも悪くも「万人受け」するようなタイプのバンドといった感じでしょうか。個人的にはもうちょっと彼らしかないような独特な癖があった方がおもしろいと思うのですが・・・。

評価:★★★

夢の骨が襲いかかる!/長谷川白紙

こちらも今話題の新進気鋭の男性シンガーソングライターによる新作。今回の作品は全7曲入りのミニアルバムとなるのですが、全曲、カバーとなる作品。基本的にエレクトリックピアノの演奏でシンプルに聴かせるスタイル。相対性理論の「LOVEずっきゅん」やサンボマスターの「光のロック」のような楽曲でも、彼の手にかかるとメロウに聴かせるポップチューンになっているのがユニーク。唯一のオリジナル「Sea Change」もピアノのシンプルな弾き語りなのですが、彼のメロウな歌声が映える、ほかのカバー曲に勝るとも劣らない傑作のナンバーに。ラストのアラジンのテーマ曲「Whole New World」も、ダイナミックな原曲からガラリと変わって繊細なソウルナンバーに仕上げており、この曲の意外な魅力にも気が付かされます。シンガーとしての長谷川白紙の魅力を存分に発揮した傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

長谷川白紙 過去の作品
エアにに

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2020年7月11日 (土)

コロナ禍の副産物

Title:thaw
Musician:くるり

世界的にも、また日本においても、残念ながらいまだに終息の気配が見えない新型コロナウイルス。音楽シーンにおいても、ライブが軒並み中止になったほか、夏フェスもほぼ全滅。大きな影響を受けているのはご承知の通り。ただ一方で必ずしもネガティブな影響ばかりではなく、例えば先日もここで紹介したサザンの配信ライブなどが典型例ですが、このような事態になったからこそ楽しめることも出来たイベントなどもあったりします。

ある意味、この時期だからこそ体験できる貴重な配信ライブなど、まさにこの「コロナ禍の副産物」とも言える訳ですが、今回紹介するくるりのアルバムも、そんな「コロナ禍の副産物」と言える1枚でしょう。今年3月から予定していたくるりのライブツアー「特Q」。実は私も参加する予定でチケットも抑えていたのですが、残念ながら新型コロナの影響で中止に。そのライブツアーが中止になった見返りにリリースされたのが今回のこのアルバムで、「解凍」を意味する「thaw」というタイトルがつけられた今回のアルバム。まさにこのコロナ禍が発生したからこそ手にすることが出来た、未発表音源集となっています。

古くはメジャーデビューの時期の1998年頃の曲から、2018年頃の曲までが収録された今回のアルバム。くるりといえばご存じの通り、アルバム毎に楽曲のスタイルが大きく変化するミュージシャンなのですが、本作に収録された曲も、制作された時期のくるりの…というよりも岸田繁の音楽の興味のベクトルが強く反映されたような楽曲が並んでおり、いわばバラバラ。ただ、それがある意味、くるりの歩みを未発表曲から示した作品集とも言えるアルバムになっています。

例えば「Giant Fish」「Only You」はメジャーデビュー時に制作された曲ですが、ギターサウンドを主導としたバンドサウンドに郷愁感あるメロは、確かにメジャーデビュー作「さよならストレンジャー」の時期をイメージされる曲に。佐久間正英により交通整理された感の強かった「さよならストレンジャー」の収録曲に比べると、荒っぽさを感じさせる点が未発表曲らしさと言えるでしょう。

「さっきの女の子」「Midnight Train(has gone)」などは軽快でポップ色の強い楽曲になっているのですが、こちらは2005年の「NIKKI」の頃にレコーディングした曲だとか。この頃は軽快なメロディアスなポップ色の強い曲が多かった時期なだけに、そんな時期のくるりらしい楽曲になっているように感じました。

また今回、2011年に一瞬だけ在籍した田中佑司が参加した楽曲も収録。それが「ippo」「Wonderful Life」で、ここらへんは5人くるりでみんなでワイワイやっていそうな、楽しさを感じさせる明るく、フォーキーな要素も感じさせるポップチューンとなっています。「Wonderful Life」は「チオビタドリンク」のCMソングとして放送されたことがありながらも未発表になっていた曲なだけに、今回、うれしい「解凍」と言えるでしょう。

ただ逆にこの時期にこんな曲を録音していたのか、とちょっと意外に感じる曲もあったりして。例えば「怒りのぶるうす」などは、彼らにしては珍しいヘヴィーなブルースロックなのですが、時期としては「THE WORLD IS MINE」の直後。確かにエレクトロ志向だったこの時期から、ロック志向に回帰する次作「アンテナ」の間の曲なだけに、エレクトロサウンドに飽きてロック志向に思いっきり振り切ったのかな、という印象を受けます。

また「Hotel Evrope」は「ワルツを踊れ」の時期の作品。サンプリングした音源をループする実験性の高いインストチューンなのですが、クラシック志向の強い時期に、こういう曲が作成されていたというのもちょっと意外。ただこちらは岸田繁のナンバーではなく、佐藤征史作曲・アレンジの楽曲なのですが。

そんな訳で未発表曲からくるりの歩みを知れる、ある意味くるりの「裏歴史」とも言えるアルバムになっている本作。良くも悪くもバラバラでまとまりない構成になっているのですが、それもまたくるりらしさを感じさせます。また、未発表らしいデモ的な曲もあるのですが、ほとんどの曲がしっかりと曲として完成しており、確かにその時期にリリースされたアルバムのイメージに合っていなかったり、あるいは録音メンバーが脱退してしまったりと、なんとなく未発表の理由もわかる曲も多いのですが、ただ、未発表のまま終わらせるにはあまりにも惜しい名曲ばかり。そういう意味でコロナ禍の副産物という形とはいえ、世の中に出てきてちゃんとアルバムとして聴けるというのはファンとしては非常にうれしい1枚でした。

早く新型コロナが終息して、私たちの日常が1日も早く昔のように戻ることを心から祈念しており、早くくるりのライブにも安心して足を運べる日が来ることを願っているのですが、それまでこのアルバムを聴きつつ、そんな日が早くやってくることを願いたいところです。

評価:★★★★★

くるり 過去の作品
Philharmonic or die
魂のゆくえ
僕の住んでいた街
言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER 2
奇跡 オリジナルサウンドトラック
坩堝の電圧
くるりの一回転
THE PIER
くるりとチオビタ
琥珀色の街、上海蟹の朝
くるりの20回転
ソングライン


ほかに聴いたアルバム

We Are the Sun!/TAMTAM

約2年ぶりとなるTAMTAMのニューアルバム。前作「Modernluv」ではソウルやAORの要素の強いアルバムをリリースしてきた彼女たちですが、今回のアルバムはレゲエやアフロビートといった、よりTAMTAMらしさを感じさせる楽曲を前面に押し出し、メランコリックなメロが目立つ中でも、陽気な爽快さを感じさせるアルバムに。新型コロナの影響で鬱屈した雰囲気となっている今の時代には、逆にあえて聴きたいようなアルバムになっていたように感じます。個人的には前作の方が好みではあるものの、本作も間違いなくTAMTAMらしさを感じる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

TAMTAM 過去の作品
For Bored Dancers
Strange Tomorrow
Newpoesy
Modernluv

健全な社会/yonige

女性2ピースバンドyonigeのニューアルバム。コロナ禍のためCDリリースが遅れたり、このアルバムのライブツアーが中止になったりと、そういう現状に対してタイトルが皮肉めいているのが偶然とはいえ興味深い感じもします。ただ楽曲的にはメロディアスなギターロック。「ここじゃない場所」のラストがダウナーに締めくくられたり、「往生際」ではヘヴィーでダイナミックなサウンドを聴かせたりと、所々でおもしろい要素を感じさせつつ、ただ全体的にはインパクトが弱く、いまひとつアルバム全体としての印象が薄味だったのが残念な感じ。「girls like girls」以降、いまひとつ小さくまとまってしまっている感があるのが気になります・・・。

評価:★★★★

yonige 過去の作品
gilrs like girls
HOUSE

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2020年7月10日 (金)

バラバラな作品が並んだ作品

Title:Notes On A Conditional Form(邦題 仮定形に関する注釈)
Musician:The 1975

本作で4作連続全英チャートで1位を獲得。日本でも高い人気を獲得しつつあるロックバンドThe 1975。特に前作「A Brief Inquiry Into Online Relationships」は各所で絶賛を集め、個人的にも2018年の洋楽私的ベストアルバムの1位として選ぶなど、かなりはまったアルバムになりました。それから約1年6ヶ月という比較的短いスパンで、彼らの待望のニューアルバムがリリースされました。

本作、1曲目は恒例となっている「The 1975」というバンド名を題した楽曲からスタート。今回の1曲目はかの環境活動家として知られるグレタ・トゥーンベリの演説を、ピアノをベースとしたメランコリックなサウンドにのせるという、ポエトリーリーディング的な楽曲に。アルバムの冒頭を飾る楽曲をこのようなスタイルで構成するあたり、非常に挑戦的な姿勢を感じると共に、バンドとしてのスタンスも明確に感じられる1曲になっています。

ただ、この1曲目の雰囲気をガラリと変えるのは2曲目の「People」。いきなりノイジーなギターサウンドを前面に押し出したパンキッシュでへヴィーなギターロックナンバーになっており、The 1975のイメージからすると、かなり意外な展開となります。個人的には、かなり好きなタイプの楽曲なのですが、1曲目とのギャップも大きく、アルバムのど初っ端から度胆を抜かれたリスナーも少なくないのではないでしょうか。

今回のアルバムは、この1、2曲目の展開からもわかるように、非常に様々な作風の曲が並んだアルバムになっています。エレクトロポップチューンの「Frail State Of Mind」「Yeah I Know」「Jesus Christ 2005 God Bless America」ではアコギでフォーキーに聴かせたかと思えば、「Shiny Collarbone」ではにリズミカルでフロア志向のテクノチューンになっています。

後半に出てきた「If You're Too Shy(Let Me Know)」は、ようやく以前のThe 1975を彷彿とさせるような80年代風のエレクトロアレンジのAORチューンといった感じでしょうか。ラストを締めくくる「Guys」もシンセを用いた80年代風なアレンジで、The 1975らしい美メロを聴かせるポップチューンになっており、こちらも、実にThe 1975のイメージに沿ったような楽曲で締めくくられています。

アルバム通じてバラバラな作風は歌詞の世界でもそのような傾向があるようで、冒頭にグレタの演説を使用したり、2曲目「People」では人々の連帯を歌っているように、社会派なメッセージ性の強いアルバムになっているかと思いきや、「Me&You Together Song」では甘い恋の思い出を歌として読み込んでいるそうで、曲調と同様、歌詞にも振れ幅を感じさせるアルバムになっていました。

そんな訳で、アルバム全体を通じて非常にバラエティー富んだ作品となった本作。各種メディアなどでは概ね高い評価を得ている反面、このバラバラな音楽性については賛否両論を呼んでいるようです。ただ、個人的には確かに最高傑作だった前作と比べると一歩劣ってしまうアルバムだったかもしれませんが、その点を差し引いても年間ベストクラスの傑作に仕上がっていた、といって過言ではないでしょう。

特に今回のアルバムは、全22曲80分という非常に長尺のアルバムになっています。にも関わらず、全くダレることなく最後まで一気に聴き切ることが出来たのもこのバラエティー富んだ作風があったからではないでしょうか。エレクトロベースな作品やアコースティックな作品、バンドテイストの強い作品をほどよいバランスで交互に配置しているアルバム構成にも、最後まで飽きさせないような工夫を感じます。そしてなにより、どの曲にもThe 1975らしい美しいメロディーラインが流れていた点、魅力的なアルバムになっていた大きな要因でしょうし、バラバラになりそうな今回のアルバムが決して「散漫」にならなかったのは、このメロディーラインの力に寄る部分が大きいようにも思いました。

The 1975がまたリリースしてきた傑作アルバム。まだまだその活躍は続きそう。まずはこの80分にも及ぶフルボリュームの本作をじっくりと味わいたいところ。まさにバラエティー富んだ作風でお腹いっぱいになったアルバムでした。

評価:★★★★★

The 1975 過去の作品
The 1975
I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it(君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。)
A Brief Inquiry Into Online Relationships(ネット上の人間関係についての簡単な調査)

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2020年7月 9日 (木)

こちらもアイドルグループが1位2位に

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週に続いて女性アイドルグループのアルバムが1位2位に並びました。

ただ、今回は1位2位も配信限定のアルバム。1位はHot100でも上位にランクインしてきたNiziU「Make you happy」。Hot100でも書いたのですが、ソニー・ミュージックと、韓国の大手芸能プロダクション・JYPエンターテインメント日韓合同のグローバル・オーディションプロジェクト「Nizi Project」により選抜された、日本人女性9人によるアイドルグループ。配信限定ながらもダウンロード数1位で、見事総合順位も1位となりました。

2位初登場はこちらも女性アイドルグループももいろクローバーZ「TDF LIVE BEST」がランクイン。こちらは結成12周年を記念して行われたファン投票に基づくライブベストアルバム。こちらも配信限定ながらもダウンロード数2位で総合順位も2位となっています。

さらに3位にはOfficial髭男dism「Traveler」が先週の8位からランクアップ。3週ぶりのベスト3返り咲きとなっています。ここに来てCD販売数が10位から4位にアップ。ダウンロード数も6位から5位にアップしているほか、PCによるCD読取数は14週連続1位という驚異的な記録を続けており、驚くべきロングヒットとなっています。

続いて4位以下の初登場盤ですが、まず5位にハラミちゃん「ハラミ定食~Streetpiano Collection~」がランクイン。ストリートピアノでの演奏動画を中心としたYou Tubeの動画投稿などで人気を博した女性ピアニストによるデビューアルバム。B'zの「LOVE PHANTOM」やプリプリの「M」など、懐かしい90年代のJ-POPを中心とした楽曲のピアノカバーが収録されたアルバム。CD販売数1位だったもののダウンロード数25位、PCによるCD読取数は50位に留まり、総合順位はこの位置となっています。オリコン週間アルバムランキングでは総合売上6千枚で2位初登場です。

そして7位には渡辺美里「harvest」がランクイン。こちらはデビュー35周年を記念したベストアルバムで、CD販売数は2位ながらもダウンロード数32位、PCによるCD読取数84位に留まり、総合順位はこの位置に。オリコンでは初登場3位で、彼女のアルバムのベスト3入りは1995年11月27日付チャートの「Live Love Life」以来24年8ヶ月ぶりと、非常に久々のヒットとなりました。ただ、初動売上はわずか6千枚・・・。直近作であるオリジナルアルバム「ID」の4千枚(16位)からはアップしているのですが、わずか6千枚の売上でベスト3入りしてしまうあたり、CD市場の著しい縮小を感じてしまいます。とはいえ、なんだかんだいっても彼女の根強い人気も感じる結果ではあるのですが。

8位には4人組ピアノロックバンドSHE'S「Tragicomedy」がランクイン。CD販売数3位、ダウンロード数16位、PCによるCD読取数44位で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上4千枚で5位初登場。前作「Now&Then」の2千枚よりアップしています。

また今週はベスト10返り咲き組も。9位には浜崎あゆみのベストアルバム「A COMPLETE~ALL SINGLES~」が先週の16位からランクアップ。5月25日付チャート以来7週ぶりのベスト10返り咲きとなりました。彼女の自伝的小説をドラマ化したテレビ朝日系「M 愛すべき人がいて」の最終回が7月4日に放送された影響でしょう。特にダウンロード数が5位から3位にアップしています。

さらにあいみょん「瞬間的シックスセンス」が先週の14位から10位にランクアップ。こちらも5月18日付チャート以来、8週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。特にCD販売数が31位から14位に大きくアップ。Hot100で上位にランクインしている「裸の心」リリースの影響でしょうか。通算18週目のベスト10ヒットとなっています。

またロングヒット盤ではKing Gnu「CEREMONY」が先週の5位から4位にアップ。ダウンロード数が3位から4位にダウンしたもののCD販売数は8位から5位にアップ。PCによるCD読取数も2位をキープしており、まだまだロングヒットが続きそうです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年7月 8日 (水)

また今週もジャニーズ系

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

新型コロナ自粛明けの新譜リリースが相次いでいますが、今週もジャニーズ系が1位獲得。

今週1位はHey!Say!Jump「Last Mermaid...」。テレビ朝日系ドラマ「家政夫のミタゾノ」主題歌で、作詞作曲は同ドラマの主演であるTOKIO松岡昌宏が手掛けています。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ラジオオンエア数19位、Twitterつぶやき数10位。オリコン週間シングルランキングでも初動売上20万5千枚を獲得。前作「PARADE」の18万9千枚(1位)からアップ。

2位にはNiziU「Make you happy」が初登場でランクイン。ソニー・ミュージックと、韓国の大手芸能プロダクション・JYPエンターテインメント日韓合同のグローバル・オーディションプロジェクト「Nizi Project」により選抜された、日本人女性9人によるアイドルグループ。本作はデビューミニアルバムの表題曲。配信オンリーながらもダウンロード数2位、ストリーミング数1位、ラジオオンエア数5位、Twitterつぶやき数2位、You Tube再生回数1位と軒並み上位にランクインし、ベスト3入りとなりました。

そして3位にはおなじみのロングヒット曲、YOASOBI「夜に駆ける」が先週からワンランクダウンながらもベスト3をキープ。ちなみに瑛人「香水」もワンランクダウンで4位にランクインしています。ストリーミング数及びYou Tube再生回数いずれもNiziUに1位を奪われたため、2位3位となったのですが、今週はいずれも「夜に駆ける」が2位、「香水」が3位となっています。

続いて4位以下の初登場曲です。といっても今週は4位以下の初登場曲は1曲のみ。8位に韓国の女性アイドルグループBLACKPINK「How You Like That」が先週の17位からランクアップしてベスト10入り。7月17日に韓国盤がリリース予定のシングルからの先行配信。ストリーミング数及びYou Tube再生回数5位、ダウンロード数18位、ラジオオンエア数16位、Twitterつぶやき数57位を獲得しています。

さて、続いてはロングヒット曲ですが、まずLiSA「紅蓮華」は今週6位から5位にアップ。カラオケ歌唱回数は今週も1位を獲得。根強い人気を見せています。

Official髭男dism「Pretender」が8位から6位に再度ランクアップ。「I LOVE...」も先週から変わらず9位をキープしています。ストリーミング数が「Pretender」3位⇒8位、「I LOVE...」4位⇒10位と大きくダウンしてしまいましたが、You Tube再生回数で「Pretender」3位⇒4位、「I LOVE...」7位⇒8位と根強い人気を維持。特に「Pretender」はダウンロード数が13位から10位とベスト10返り咲きを果たしているほか、カラオケ歌唱回数も2位と、まだまだロングヒットが続きそうです。

さらに今週はKing Gnu「白日」が先週の11位から10位にアップし、2週ぶりにベスト10に返り咲いています。各種個別チャート的には目立った動きはないのですが、ダウンロード数及びYou Tube再生回数9位、カラオケ歌唱回数5位とまだまだ人気を維持しており、今後の動向も注目です。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2020年7月 7日 (火)

どちらがどちらか、時々わからなくなります・・・。

正直、よく個人的に時々ごちゃまぜになるようなバンドがいて、その最もどっちがどっちだかわからなくなるのがインストバンド、SPECIAL OTHERSとYOUR SONG IS GOOD(笑)。両方とも軽快で楽しい楽曲を奏でるインストバンドで、時々、両者がごっちゃになって、どちらがどちらだったか、わからなくなってきます。ちなみに何年か前までは、これにSAKEROCKが加わったりしたのですが・・・。

もちろん、どちらも日本を代表する人気のインストバンドなわけですが、そんな2バンドがわずか1週間の違いでアルバムを相次いでリリースしてので、ますます混乱してしまっています。

Title:Sessions 2
Musician:YOUR SONG IS GOOD

まずは5月13日にリリースされたYOUR SONG IS GOODの新作。本作はRe-Recordingsシリーズとして、過去の彼らの曲を再録したアルバム。初期の彼らの曲から比較的最近の曲まで、ライブアレンジで一発録りした楽曲が収録されています。

彼らの楽曲の大きな特徴としては、ラテン調のアレンジで陽度の強い非常に明るい楽曲が並んでいるという点。スカなリズムで軽快に聴かせる「Move or Die」にパーカッションのリズムで明るく楽しく聴かせる「GOOD BYE」、疾走感あるラテン風のリズムにちょっとユーモラスなシンセのスペーシーな音も楽しい「Pinapple Power」など、ラテン調の非常に明るい楽曲が並びます。

特に今回のアルバムはライブアレンジの一発録音ということで、彼らの持ち味である明るく楽しいライブの雰囲気がグッと凝縮されたようなアルバムになっていました。もちろん、一方では「Hot Grapefruit」のような、しんみり聴かせるミディアムチューンの曲もあるものの、そんな曲でも、基本、ラテン調の明るさがベースとなっており、ライブアレンジという本作の方向性も相まって、一貫して明るさを感じさせるアルバムになっていたと思います。

とにかく、ライブバンドとしての彼らの魅力がしっかりとつまった1枚。ある意味、ベスト盤的な要素もある作品なだけに、ユアソン初心者にもおすすめできそうな1枚。彼らのライブを次、いつ見れるのか、今の状況では全く不明なのですが・・・いつか、彼らのライブをまた見てみたいなぁ、そう感じる作品です。

評価:★★★★★

YOUR SONG IS GOOD 過去の作品
THE ACTION
B.A.N.D.
OUT
Extended
Sessions

Title:WAVE
Musician:SPECIAL OTHERS

で、こちらが同じインストバンド、SPECIAL OTHERSの約5年ぶりとなるアルバム。SPECIAL OTHERS名義としては久しぶりとなるアルバム・・・なのですが、その間にはコラボ作品集「SPECIAL OTHERS II」やSPECIAL OTHERS ACOUSTIC名義でのアルバム「Telepathy」のリリースなどもあり、コンスタントな活動は続けており、あまり久しぶりといった印象はありません。

基本的にポップなメロディーラインのしっかり入った軽快で楽しいインストチューン、という点でYOUR SONG IS GOODもSPECIAL OTHERSも、ある種の共通項の多いバンドだったりします。実際、このアルバムも「Puzzle」のような軽快な楽曲からスタート。お祭りような軽快なリズムが楽しい「Courage」や軽快でメロディアスな「JAM」といった明るい楽曲も目立ちます。

ただ一方、ラテン風の底抜けな明るさが魅力なユアソンに比べると、スペアザはメロディーラインにメランコリックな部分が目立ち、それがまた彼らの魅力になっています。今回のアルバムで言うと、「Quiz」などは、そんなメランコリックなメロディーがより表に出たような楽曲になっていたでしょうか。「Good Song」も軽快なリズムの中に感じるちょっと物悲しげなメロディーラインが大きな魅力となっていました。

また、もともと「ジャムバンド」を名乗る彼ら。今回も「SERI&RYOTA 1」「SERI&RYOTA 2」のような、よりアグレッシブにジャムるインストナンバーもあり、ジャムバンドとしての本領発揮となっています。また、ラテン風でみんなで楽しく音楽を奏でるユアソンに比べると、彼らはジャムバンドらしく、バンド演奏の中にもそれぞれが対峙している一種の緊迫感のようなものを感じる瞬間があり、それがまた大きな魅力にも感じました。

そんな訳で、個人的にごっちゃになりがちなインストバンド2バンドの作品。ただ、どちらのアルバムもそれぞれのバンドの魅力をしっかりと伝えて、とても素晴らしいアルバムになっていました。また、こうやって続けて2枚聴くと、当たり前ですが、それぞれが個性を持っていて、しっかりと違ったタイプの音を鳴らしているんですね。ただ、どちらもライブが楽しそうだな、というのは共通点。そういう意味で、スペアザも、いつの日か、ライブを見に行きたいなぁ・・・。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day
Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~
LIGHT(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)
WINDOW
SPECIAL OTHERS II
Telepathy(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)


ほかに聴いたアルバム

SUCK MY WORLD/THE ORAL CIGARETTES

本作で、前作「Kisses and Kills」に続いてチャート1位を獲得したTHE ORAL CIGARETTES。ただ、非常にウェットかつメランコリックな歌謡曲テイストの強いメロディーラインと、比較的シンプルでよくありがちなギターロックをベースにしつつも、本作ではディスコサウンドやエレクトロ、ゴスペルやラップの要素を取り込んだ楽曲などバラエティー豊かな作風を聴かせてくれます。そのため、それなりに聴き入ってしまうアルバムの構成となっており、確かに、数多いギターロックバンドの中で、タイミングの問題もあるとはいえ、2作連続1位を獲得できるだけの人気になるのはなんとなくわかるような感じも。いままでは比較的、似たようなタイプの楽曲が多かった彼らでしたが、本作ではグッとバンドとしての幅を広げてきており、これからが楽しみに感じられる1枚でした。

評価:★★★★

THE ORAL CIGARETTES 過去の作品
FIXION
UNOFFICIAL
Kisses and Kills
Before It's Too Late

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2020年7月 6日 (月)

今風?なシンガーソングライター

Title:HELP EVER HURT NEVER
Musician:藤井風

先日のHot Albumsでいきなりチャート1位を獲得。今回紹介するのは、今、注目されているシンガーソングライターのニューアルバムです。名前は藤井風(ふじいかぜ)。非常にユニークな名前なのですが、ある意味、「今風」な名前と言えるかもしれません。デビューの経緯に関しても「今風」と言えるシンガーで、実家の喫茶店で撮影したピアノカバー動画をYou Tubeにアップ。その後のカバー動画をアップし続け、その動画が大きな話題となりデビューまで至っています。

デビュー作についても、ある意味非常に今風で、配信限定のシングルのデビュー作が「何なんw」とネットスラングも用いたタイトル。2ndシングルも「もうええわ」と口語調。いずれも今回のアルバムに収録されているのですが、いずれもとても今風を感じるタイトルとなっています。そんな訳で、You Tubeでの動画配信からスタートというデビュー形態。口語をそのままタイトルにした楽曲タイトルといい、「今時」のミュージシャンをイメージ。そのため、当初はいかにも今風らしい、ハイテンポなリズムとハイトーンボイスの楽曲、とイメージしていました。

しかし、実際に聴いてみると「何なんw」はファンキーなリズムを入れたメロウなメロディーラインが印象的なAORチューン。「もうええわ」もミディアムチューンのメロウなシティポップナンバーと、当初のイメージからすると大幅にイメージとは異なる、大人の雰囲気のシティポップが並んでいます。基本的にはSuchmosやKing Gnuなどの流れに通じるようなサウンドとも言えますので、そういう意味では「今風」と言えるかもしれません。ただ、いわゆるボカロPや、動画投稿サイトに「歌ってみた」音源をあげるようなタイプのミュージシャンと明らかに一線を画するミュージシャンと言えるでしょう。

楽曲的には、その先行シングルとなっている2曲以外もメロウに歌い上げるAORチューンが並んでいます。サウンド的にもエレクトロサウンドを入れつつも、基本的には必要以上に凝ったものではないシンプルで、「歌」のイメージを壊さないような楽曲が並びます。そういう意味でも変な飛び道具に頼らずに、シンプルに「歌」で勝負するスタイルを感じられ、シンガーソングライターとしてのある種の誠実性も強く感じます。

また、一方でこれは賛否両論もありそうなのですが、洋楽的にシフトしているSuchmosやKing Gnuなどと比べると、例えば「罪の香り」「特にない」などで聴かせるように哀愁感たっぷりのメロディーラインとなっており、タイプ的には歌謡曲の色合いが比較的濃い内容となっています。

ある意味、この手の哀愁ベッタリの歌謡曲的という意味で最も顕著なのが、タイトルそのまま「死ぬのがいいわ」でしょう。

「わたしの最後はあんたがいい
あなたとこのままおサラバするより
死ぬのがいいわ
死ぬのがいいわ」
(「死ぬのがいいわ」より 作詞 藤井風)

と、このとっぶりと使ったウェットな世界観はまさに歌謡曲的。この歌謡曲的な世界観は、まさに藤井風の大きな特徴と言えるでしょう。

ただ、この歌謡曲的でウェットな曲調というのは正直言って良しあしな部分も多分にあり、個人的にはアルバム通じて聴くと、目新しさに欠ける部分や歌謡曲風すぎて、面白みに欠ける部分も多分にあるのがマイナスポイント。悪い意味でJ-POP過ぎる部分はあるかな、とも感じてしまいます。

ここらへん、今後どうするのか。メロディーの良さをもっと押し出して、「歌謡曲的」な良さを押し出していくのか、それともまた新たな音楽性にチャレンジするのか・・・いろいろな課題はありそうです。ただポップスセンスはありそうですし、今後、注目していきたいミュージシャンなのは間違いないでしょう。これからの彼の活躍に注目です。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Answer/家入レオ

表題曲+カバー5曲が収録された彼女初となるEP。表題曲は哀愁感たっぷりに聴かせる楽曲なのですが、どうも彼女のボーカルはこの手の楽曲が合っているようで、その後のカバーの中では「秋桜」が特に秀逸。感情たっぷりのボーカルで聴かせるカバーは胸に迫るものがあります。一方で、「悲しみの果て」は原曲に比べてボーカルの弱さが目立ってしまいかなり違和感も。「POP STAR」も軽快なエレクトロポップは彼女の声に合っていない感じも。もうちょっと彼女に合いそうな楽曲を選んでもよかったのでは?とも感じてしまったのですが。

評価:★★★★

家入レオ 過去の作品
LEO
a boy
20
WE
5th Anniversary Best
TIME
DUO

スターダスト☆レビュー ライブツアー「還暦少年」/スターダストレビュー

昨年実施されたスターダストレビューのライブツアー「還暦少年」から、11月に実施した中野サンプラザ公演の模様を収録したライブアルバム。もともとライブに定評のある彼ら。特に前回リリースしたライブアルバム「STARDUST REVUE 楽園音楽祭 2018 in モリコロパーク」ではその楽しさが実に伝わってくるライブ盤になっていましたが、今回のアルバムはアルバムリリースツアーで、最新アルバムからの選曲がメインということもあってか、それなりに楽しそうな雰囲気になっているものの、比較的無難にまとまっていた感も。スタレビのライブの楽しさ、という点では、前作ほど伝わってはこなかった点、少々残念でした。

評価:★★★★

スターダストレビュー 過去の作品
31
ALWAYS
BLUE STARDUST
RED STARDUST

太陽のめぐみ
B.O.N.D
Stage Bright~A Cappella & Acoustic Live~
SHOUT
スタ☆レビ-LIVE&STUDIO-
還暦少年
STARDUST REVUE 楽園音楽祭 2018 in モリコロパーク


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2020年7月 5日 (日)

静と動のサウンドのバランスが素晴らしい

Title:Set My Heart On Fire Immediately
Musician:Perfume Genius

アメリカはシアトルに拠点を置くシンガーソングライター、マイク・ハドレアスのソロプロジェクトPerfume Genius。毎回、アルバムが高い評価を受けている彼の約3年ぶりのアルバム。個人的には名前は知っていたものの、実はいままで、アルバム単位で彼のアルバムをチェックしてきませんでした。そんな彼の本作も高い評価を得ているため、今回はじめてチェックしてみたのですが・・・非常に美しいメロディーとサウンドの音世界に一発ではまってしまうアルバムになっていました。

まずアルバム冒頭「Whole Life」は彼の美しいハイトーンボイスでゆっくりと荘厳な雰囲気でスタート。と思えば、途中からピアノのアルペジオが静かにスタートし、その後にはバンドサウンドも入り、一気に分厚く、そして幻想的な雰囲気に。この展開にまずはゾクゾクと来ます。

かと思えば続く「Describe」はゆっくりとギターノイズが覆いつくすダウナーな楽曲に。ポップな歌のバックに流れるホワイトノイズはどこかシューゲイザーの雰囲気も感じさせる楽曲になっており個人的にはかなり壺。まずは冒頭の2曲だけでグッと彼の楽曲にはまってしまいました。

アルバムは、基本的にファルセット気味のハイトーンボイスがポップな歌を歌い上げる、ポップな楽曲がメイン。「Leave」「Moonbend」といったように、比較的静かな雰囲気のサウンドと美しいメロディーラインで幻想的な楽曲を聴かせてくれます。ただ一方、かと思えば分厚いサウンドを聴かせるダイナミックな楽曲が所々に入っており、アルバムの中でのちょうどよいインパクトとなっています。例えば「Your Body Changes Everything」などは、打ち込みのサウンドにストリングスを織り込んだダイナミックなサウンドが魅力的な楽曲に。「Nothing at All」もノイジーなサウンドを主軸に据えたテンポよい楽曲が非常に魅力的になっています。

さらに終盤の「Some Dream」も楽曲の序盤はファルセットボイスと静かなサウンドで幻想的にスタートしつつ、途中から分厚くダイナミックなバンドサウンドが入り込み、アバンギャルド風な展開に。終盤は一転、ピアノやストリングスで荘厳な雰囲気となり楽曲を締めくくるという、ユニークな構成の楽曲となっており、アルバムに大きなインパクトを与えています。

最後の「Borrowed Light」は、どこか不穏な雰囲気をかかえながらもファルセットボイスで静かに締めくくり。ストリングスの音色も非常に美しい楽曲に仕上がっており、アルバムの締めくくりにふさわしい楽曲になっています。

そんな訳で、非常に美しいメロディーラインとボーカル、そしてダウナー気味なサウンドに対して、所々入るダイナミックなサウンドがバランス良くとても心地よい、そんな理想的なポップアルバムになっていた本作。今回、はじめて彼のアルバムを聴いたのですが、すっかりはまってしまいました。まさに「静」と「動」のサウンドのバランスが実に素晴らしい作品だったと言えるでしょう。年間ベストクラスの素晴らしい傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2020年7月 4日 (土)

王道J-POP

Title:REVIEW II ~BEST OF GLAY~
Musician:GLAY

全4枚組となるGLAYのベストアルバム。タイトルになった「REVIEWII」ですが、このタイトルの元となる第1弾「REVIEW」は1997年にリリースされたGLAYのベストアルバム第1弾。あの当時、GLAYといえば、まさにこの世の春を謳歌した人気バンドで、この「REVIEW」も初動売上で200万枚を突破するなど、社会現象ともいう大ヒットを記録していました。特に「REVIEW」がリリースされた1997年といえば翌年1998年と並んでCDセールスが過去最高を突破した時期。1997年はミリオンヒットがシングルで16枚、アルバムで22枚も記録しており、今の時代からすると隔世の感のある時期でもあります。

それから23年。本作は見事1位を記録したものの、初動売上は6万枚と売上枚数は「REVIEW」の20分の1以下という記録は、20年以上の歳月を経ているもののCDの売上をめぐる状況の大きな変化を感じざるを得ません。ただ、とはいうもののオリコン週間アルバムチャートで1位を記録しており、20年以上にわたって人気を持続しているというのは驚き。正直、20年前に「REVIEW」が大ヒットしていた頃には、この人気は10年持続できるかどうか・・・と思っていただけに、GLAYの人気がこれだけ持続できているというのは予想外でした。

さて、そんなGLAYのオールタイムベストとも言うべき本作。4人のメンバーそれぞれが選曲した形でのベスト盤となっています。そしてあらためて彼らの曲を聴いて感じるのは良くも悪くも、彼らがまさに90年代のJ-POPというイメージを代表するミュージシャンなんだ、という点でした。

彼らの楽曲はパッと聴いた感じだとバンドサウンドを前面に押し出したギターロック。少し聴いた感じだと洋楽からの流れを受け、歌謡曲的要素は薄いように感じます。ただ、その中身と言えば、その向こうにある音楽的ルーツがほとんど見えません。あえて言えばBOOWYをスタートとするビートロックの影響を強く受けているのですが、BOOWYの音楽では感じられる洋楽的要素をGLAYの曲からはほとんど感じられません。一方、メロディーラインはと言うと、実は非常にウェットな、歌謡曲的要素を強く感じられるメロディー。リズム主導の洋楽と比べて、あくまでもメロディー主導という楽曲の作り方も実に歌謡曲的。バンドサウンドという「洋楽的な様相」を持っていながらも、その中にあるのはルーツレスなサウンドに歌謡曲的なメロという点が、実にJ-POP的という点を強く感じます。

それが悪い方向に出てしまっているのが、特に今回のベストアルバムの後半、Disc3,4。特に2000年代以降のGLAYは良くも悪くもロックバンド然とした方向を目指している部分があって、バンドサウンドをより前面に押し出した「ロック」な作風を作り出そうとしているのですが、正直、いまひとつルーツの部分が弱い点が否めず。ただギターサウンドをヘヴィーにしただけの陳腐なJ-POPの曲が少なくありません。特に「反省ノ色ナシ」のように、社会派を目指している曲が特に陳腐で、一応「反体制」的なノリを作ろうとしている割りには、曲の中身は何の批判もしておらず、無難にまとめており、いかにも売れ線バンドといった感じの非常にカッコ悪い曲に仕上げられてしまっています。

そういう意味では彼らの持ち味が最も感じられるのは、やはり売れ線のヒット曲を並べたDisc1,2でしょう。特にDisc2は彼らの全盛期の大ヒット曲揃いで、トータルセールス数は何万枚になるんだ?と言った感じのミリオンヒットが並びます。リアルタイムで体験した世代としては、やはり聴いていて純粋に楽しかったですし、今、聴いても思わず一緒に歌ってしまうような、なじみやすいメロディーラインがやはり大きな魅力。特に90年代ヒット曲はサビだけは異様にインパクトがあるものの、それ以外の部分はやっつけという楽曲が少なくないのですが、少なくとも彼らの曲に関しては、楽曲全体でメロディーをしっかりと聴かせる構成になっており、このメロディーメイカーとしてはやはりその実力を強く感じます。

他にもバンドサウンドがメインなのにストリングスなどをいれて妙にボリューム感を出しているアレンジだとか、いかにも90年代J-POPらしさがつまっているGLAY。というよりも、彼らのようなスタイルを、今、「90年代のJ-POP風」と感じるのでしょう。そんなミュージシャンがいまでも全盛期には大きく及ばないものの一定以上の人気を確保しているというのは・・・ある意味、90年代以降、日本の音楽シーンに大きな変化がない、というネガティブな要素も感じてしまうのですが・・・。

4枚組でボリューム感のあるベスト盤なだけに、どちらかというと熱心なファンや90年代にリアルタイムではまっていたかつてのファン向けのアイテムといった感じでしょうか。ストリーミング配信も行われているだけに、今の若い世代はかつてのヒット曲だけでもピックアップして聴いてみるのも悪くないかもしれません。良くも悪くもあの時代を思い出すような、そんなベスト盤でした。

評価:★★★★

GLAY 過去の作品
GLAY
JUSTICE
GUILTY

MUSIC LIFE
SUMMERDELICS
NO DEMOCRACY


ほかに聴いた作品

Happy Ending/大滝詠一

また出てしまった…といった感の強い大滝詠一の「ニューアルバム」。今回は彼が「はっぴいえんど」としてデビューして50周年を記念してリリースされたアルバムだそうで、主にテレビドラマのために書き下ろされた作品などを中心に、いままで未収録だった曲をおさめたアルバム。初回盤では「Niagara TV Special Vol.1」と題して、テレビスポット用のバージョン違いやTVサイズへのエディット版などを収録した音源集になっています。

彼の逝去後、次々と登場する「未発表音源」を収録したアルバムには、かなり疑問を抱きつつ、この作品にしても楽曲によってはデモ音源に近いものもあったりして、これは完璧主義の彼が世に出すことを望んだのか?と考えるといささか疑問。もちろん彼のような偉大な音楽家が残した作品はどのようなものでも価値があり、それを発表することを一概に否定できるものではないのですが・・・そういった点を差し引いても、基本的には熱心なマニア向けな作品に近く、「ニューアルバム」的に取り扱うのはちょっと疑問が残る作品に。デモ的な音源が多いとはいえ、珠玉のポップソングが並び、それなりに魅力的な点は間違いないのですが。

評価:★★★★

大滝詠一 過去の作品
EACH TIME 30th Anniversary Edition
Best Always
NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-
DEBUT AGAIN
NIAGARA CONCERT '83

GOOD VIBRATIONS 2/堀込泰行

様々なミュージシャンとのコラボで話題を集めた堀込泰行のEP「GOOD VIBRATIONS」の第2弾。本作でもSTUTSやLITTLE TEMPOといった様々なミュージシャンたちとのコラボに挑戦しています。ただ、どの曲もミディアムテンポで聴かせる作品が並んでおり、堀込泰行らしいゆったりと聴かせるポップソングが並んでいるのですが、コラボとして堀込泰行のイメージを大きく刷新するような作品はなく、堀込泰行のイメージが先行して、コラボ相手の色が薄く、若干インパクトは弱かったような印象も。良質なポップアルバムであることは間違いないのですが。

評価:★★★★

堀込泰行 過去の作品
River(馬の骨)
"CHOICE" BY 堀込泰行
One
GOOD VIBRATIONS
What A Wonderful World

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2020年7月 3日 (金)

大御所のライブもオンラインで!

サザンオールスターズ特別ライブ2020「Keep Smilin'~皆さん、ありがとうございます!!」

会場 横浜アリーナ(オンライン) 日時 2020年6月25日(木)20:00~

新型コロナの影響でライブが次々と中止になっています。ようやくここに来て、徐々にライブは解禁されてきたものの、それでも本格的な再開には程遠いもの。そんな中、数多くのオンラインライブが開催され、私もその中のいくつかを見て、紹介してきました。そして、そんな中でも飛びぬけて大物のグループがオンラインライブを開催!それがサザンオールスターズ!今回は横浜アリーナで無観客でのライブを開催し、その模様を配信するというスタイル。こういう大御所がオンラインライブを率先してやってくれるというのはうれしいですね。サザンのライブはなかなか見ることが出来ないだけに、これは非常にうれしいニュースでした。ちなみにチケット代は3,600円とこの手の配信ライブにしてはちょっとお高め。とはいえ、普段のサザンのライブは1万円近いだけに、破格な価格設定と言えるでしょう。

20時10分くらいに配信がスタート。最初は無人の横浜アリーナが映し出され、ライブの最初に流れるアナウンスがそのまま流され、まるでリアルなライブのようなスタートとなっていました。そしてメンバー全員が登場。客席にむかって手を振るなど、まさにライブそのもののスタートとなります。

まず1曲目は「You」からスタート。さらに「ミス・ブランニューデイ」「希望の轍」と代表曲が続きます。「希望の轍」ではこのコロナの中で閉塞感のある現状に対する応援歌的なメッセージを入れてきたりもしました。その後はMC。無観客の会場に向け、「スタンド」「アリーナ」!と呼びかけ、まさにライブそのままの雰囲気を醸し出します。配信では「拍手」の音も重ねて、まさにライブの雰囲気そのままにライブは続いていきます。この日はちょうど42年前に彼らが「勝手にシンドバッド」でデビューした日だそうで、デビュー42周年を記念したステージとなっていました。

簡単なMCを挟んでは「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」「フリフリ'65」で盛り上がった後は、「朝方ムーンライト」「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」「海」「夕陽に別れを告げて~メリーゴーランド」「シャ・ラ・ラ」とミディアムチューンでしんみり聴かせます。序盤の代表曲連続とは変わり、比較的「知る人ぞ知る」的曲も多く。ここらへんはアルバムリリース後のツアーではない今回の配信ライブならではの自由な選曲といった感じでしょうか。

その後はいきなり画面に向かって「画面越し~~!」と呼びかけ、MCへ。今回のライブの公式アンバサダーとなったさま~ずについて言及した後はメンバー紹介へ。メンバーそれぞれがアップとなり、それぞれのパフォーマンスを披露します。そして、「ヘソピアス」からはじまるちょっとしたコント(?)。さらに「天井棧敷の怪人」「愛と欲望の日々」と哀愁感たっぷりの楽曲を聴かせます。

「Bye Bye My Love (U are the one)」に続き、「真夏の果実」へ。ここでは無観客の客席にペンライトが灯るという演出も行われ、雰囲気たっぷりにしんみりと曲に聴き入ります。さらに会場内に設置された聖火に火がともり「東京VICTORY」でエールを送った後は、「匂艶 THE NIGHT CLUB」で会場は一転、ムーディーな雰囲気が漂います。そのムーディーな雰囲気そのままに「エロティカ・セブン」「マンピーのG☆SPOT」と世代的に非常に懐かしいエロ系ナンバーが続きます。さすがに配信ライブなだけにエロ演出は控えめでしたが、水着の女性ダンサーがエロチックに踊っていました(笑)。そしてアゲアゲな雰囲気のままに「勝手にシンドバッド」に。観客席にもダンサーが出てきて、大盛り上がり。歌詞の一部を「いつになったらコロナが終息するのかな。それまでは我慢の暮らしを続けましょう」なんて変えたりもして。とにかく、無観客の会場だからこそ出来る、横浜アリーナ全体を使った大盛り上がりのステージ演出となっていました。

これで本編は一度終了。SEでアンコールの拍手が流されます。やがてメンバーが登場し、アンコールスタート。アンコールではまず「太陽は罪な奴」からスタート。「ロックンロール・スーパーマン」で盛り上がります。最後に短いMCであいさつしあた後、ラストは「みんなのうた」へ。紙吹雪も舞い、気分的にも一気にハイテンションとなります。最後にふさわしい、大盛り上がりのエンディングになりました。

最後はコロナの最中らしく、手をつながずにみんなであいさつ。「やっぱりみんながいないと寂しいです!」という最後のMCにちょっとグッと来るものもありました。そして最後はサザンのメンバー5人だけがステージ上に立ち挨拶。約2時間20分弱という、通常のライブと同じくらいの長さの、ボリューム感あるライブを楽しむことが出来ました。

新型コロナの影響でライブが行えない状況の中、こういう形でもサザンのライブを見れるというのは非常にうれしい試みでした。パソコンの前で、まるでライブ会場の最前席にいるような感覚の味わえるライブで、最初から最後までとても楽しめました。でも、やはり次は文字通りの「生」でライブを見てみたい・・・そうも感じたステージ。早くコロナが終息して、一日も早く昔の生活が戻ってくるように。

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2020年7月 2日 (木)

二次元のアイドルか、三次元のアイドルか??

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週の上位は女性アイドルグループが1位2位を占めました。

ただし1位を獲得したのは「二次元」のアイドルグループ。アニメやゲームなどをリンクさせたプロジェクト、「BanG Dream!」から生まれたキャラクターによるユニット、Poppin'Party「Breakthrough!」が獲得しました。CD販売数1位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数4位。オリコン週間アルバムチャートでは初動売上2万1千枚で3位初登場。前作「Poppin'On!」の1万7千枚(4位)からアップしています。

一方、2位に初登場したのは、現実のアイドルグループ。mirage2「MIRAGE☆BEST~Complete mirage2 Songs~」がランクイン。CD販売数2位、ダウンロード数40位、PCによるCD読取数60位。テレビ東京系の女児向けヒーローものドラマ「ひみつ×戦士 ファントミラージュ」の出演メンバーによるユニットによる、タイトル通り、彼女たちが歌った曲がすべて収録されたアルバム。オリコンでは初動売上1万4千枚で4位初登場。前作「キセキ」の1万3千枚(8位)から微増。

3位も、こちらは韓国の男性アイドルグループ、SEVENTEEN「Heng:grae」がランクイン。こちら、オリコンでは初動売上で10万枚を記録し、今週のチャート1位となっているのですが、Hot Albumsでは輸入盤のためCD販売数が対象外に。ダウンロード数は1位、PCによるCD読取数は37位を記録したものの、総合順位では3位となっています。ちなみにオリコンの初動売上は、同じく輸入盤だった前作「An Ode」の5万2千枚(2位)よりアップ。

続いて4位以下の初登場盤です。まず今週、TUBEのデビュー35周年を記念した企画盤が2枚同時にランクインしています。それが4位にランクインした「35年で35曲"夏と恋"~夏の数だけ恋したけど」と6位にランクインした「35年で35曲"涙と汗"~涙は心の汗だから」。それぞれ「夏と恋」「汗と涙」をテーマで選曲したTUBEのヒット曲を、かのDJ和がMIXを手掛けたノンストップMIX盤。「夏と恋」がCD販売数3位、PCによるCD読取数29位、「汗と涙」がCD販売数4位、PCによるCD読取数31位でそれぞれランクインしています。オリコンでは「夏と恋」が初動1万枚で7位、「汗と涙」は初動9千枚で8位。直近作はベスト盤の「Best of TUBEst~All Time Best~」で、同作の5万5千枚(2位)よりはダウン。ただ、ファン向けの企画盤的要素の強いMIX盤で、この初動売上はかなり立派な感じがします。35周年の企画モノだから、という要素も強かったのでしょうか。

9位には人気声優田村ゆかり「Candy tuft」がランクイン。CD販売数5位、PCによるCD読取数16位。オリコンでは初動売上8千枚で9位初登場。前作「Strawberry candle」(3位)から横バイ。

最後10位には「機動戦士ガンダム 40th Anniversary Album~BEYOND~」が入ってきています。SUGIZOを監修に迎え、GLIM SPANKY、水曜日のカンパネラのコムアイ、LUNA SEAなどといった豪華なミュージシャンがガンダムの曲をカバーした企画盤。CD販売数6位、PCによるCD読取数40位で、ベスト10入りしています。オリコンでも初動売上7千枚で10位初登場となりました。

一方、ロングヒットですが、今週Official髭男dism「Traveler」は6位から8位にダウン。CD販売数は再び5位から10位にダウン。ただPCによるCD読取数は1位をキープしており、これで13週連続の1位を記録しています。

King Gnu「CEREMONY」は先週から変わらず5位をキープ。CD販売数8位、ダウンロード数3位、PCによるCD読取数2位といずれも上位にランクインし続けています。Hot100で「白日」がついにベスト10から陥落してしまいましたが、アルバムの方はまだロングヒットが続きそうです。

また先週ベスト10に返り咲いたUru「オリオンブルー」は今週19位までダウン。こちらは少々厳しい結果となっています。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2020年7月 1日 (水)

今週もジャニーズ系が1位獲得

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

新型コロナによる自粛が明けて、待ってましたとばかりにCDが売上の中心であるアイドル系のリリースが続いていますが、今週もジャニーズ系が1位を獲得しました。

今週1位を獲得したのはジャニーズ系アイドルグループ、ジャニーズWEST「証拠」。CD販売数及びPCによるCD読取数1位、ラジオオンエア数21位、Twitterつぶやき数4位。日テレ系ドラマ「正しいロックバンドの作り方」主題歌。主題歌に起用されたドラマが、若者たちがロックバンドをつくって「フェス」を目指すというストーリーらしく、この曲も、完全にいかにも「夏フェス」向けの今時のギターロックバンドらしいポップスロックな曲になっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上21万2千枚で1位獲得。前作「Big Shot!!」の16万6千枚(1位)よりアップしています。

そして2位3位はおなじみのロングヒット曲。2位にはYOASOBI「夜に駆ける」、3位に瑛人「香水」が今週も2曲並んでランクイン。ストリーミング数及びYou Tube再生回数はこの2曲が1位2位を占めているのですが、ストリーミング数が1位「夜に駆ける」2位「香水」になっている一方、You Tube再生回数は1位「香水」2位「夜に駆ける」とまさにデッドヒート。また、ダウンロード数では「夜に駆ける」が3位から5位にダウンしたのに対して、「香水」が4位から3位に再び順位をあげています。ただ、今週から久しぶりに再開したカラオケ歌唱回数は「夜に駆ける」4位に対して「香水」がランク圏外。さすがに感情たっぷりに歌われるタイムの「香水」はみんなの前ではカラオケで歌いにくいのでしょうか(⇒カラオケ配信開始が7月5日のため、まだ対象外ということだそうです。「通りすがりの読者」さん、情報ありがとうございました)。

続いて4位以下の初登場曲です。4位に刀剣男士 formation of 葵咲「約束の空」がランクイン。CD販売数2位、PCによる読取数3位、Twitterつぶやき数49位で総合順位はこの位置。ゲーム「刀剣乱舞」から派生したミュージカルの登場人物による楽曲。オリコンでは初動売上8万5千枚で2位初登場。同シリーズの前作、刀剣男士 team三条 with加州清光名義「Lost The Memory」の4万8千枚(4位)からアップしています。

5位にはTwenty★Twenty「Smile」がランクイン。Twenty★Twentyはジャニーズ事務所のアイドルグループによる期間限定グループで、新型コロナウイルス復興プロジェクトとしてリリース。収益は新型コロナウイルス医療対策支援に寄付するというチャリティーシングルになっています。8月12日にCDリリースが予定されていますが、まず先行配信が行われ、ダウンロード数で1位を獲得。ほか、ストリーミング数32位、ラジオオンエア数18位、Twitterつぶやき数で20位を獲得。参加メンバーは嵐やV6、Kinki Kidsをはじめ、ジャニーズ系の主だったグループが全員参加しているグループとなっており、作詞作曲もミスチルの桜井和寿という非常に豪華な内容になっています。

最後10位にSEKAI NO OWARI「Umbrella」が先週の91位からCDリリースに合わせてランクアップしベスト10入りしてきました。フジテレビ系ドラマ「竜の道 二つの顔の復讐者」主題歌。彼らにしては珍しい歌謡曲テイストの強い哀愁たっぷりのナンバーになっています。オリコンでは初動売上3万3千枚で3位初登場。前作「サザンカ」の2万7千枚(4位)からアップしています。

今週の初登場曲は以上。一方、ロングヒット曲では、まずLiSA「紅蓮華」が先週から変わらず6位をキープ。今週から集計が再開されたカラオケ歌唱回数では同作が見事1位を獲得。確かに、カラオケでは盛り上がりやすいタイプの曲ですからね。

そしてOfficial髭男dism「Pretender」は7位から8位、「I LOVE...」は8位から9位とじわりじわりと順位を下げています。さらに今週、なんとKing Gnu「白日」が11位にランクダウンし、ついにベスト10陥落!昨年10月28日付チャートから続いたベスト10記録は連続36週でストップ。ベスト10入りは通算53週で一度ストップです。とはいえ、この曲、ベスト10初登場は昨年の3月ですので、かれこれ1年3ヶ月以上ヒットを続けていることに。驚異的なロングヒットとなっていますが、さらに巻き返しはあるのでしょうか。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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