3時間超えのお家フェス
カクバリズムの家祭り
会場 オンライン 日時 2020年6月6日(土)20:00~
先日に引き続き、再びオンラインでのライブレポートとなります。今回は、今を輝くceroやYOUR SONG IS GOOD、キセルなど、音楽ファンから高い注目を集めるミュージシャンを数多く抱えるインディーレーベル、カクバリズムが主催したオンライン音楽フェス。非常事態宣言が解除されても、ライブ再開の目途が全く立たない中、配信でのライブフェスという形での開催となりました。
その「フェス」は、土曜日の8時過ぎ、まずMCのYOUR SONG IS GOODのサイトウ“JxJx”ジュンが登場。様々な映像を集めたら、3時間超えになったということ。そのため、アーカイブスが放送されるので自分のペースで見てほしいという話をした後、ライブがスタートとなりました。
在日ファンク
今回は「嘘」をアレンジした「ファンキー嘘ドラマ」という曲を披露。メンバそれぞれの自宅からの演奏とな、ハマケンは家の中(押し入れの中?)からの歌となったのですが、いつも通りファンキーなボーカルで力強く聴かせてくれていました。最後はハマケンはベランダに飛び出し、みんなも庭に出たりと、Stay Homeらしからぬ(?)部分も。在日ファンクならぬ「在宅ファンク」ながらも、ある意味、いつも通りのファンキーなライブを聴かせてくれました。
スカート
自宅からアコギ1本で。バックにはレコード棚となっていたのが彼らしい感じ。「CALL」「ストーリー」「駆ける」「ずっとつづく」「静かな夜がいい」と5曲も聴かせてくれるボリューム感ある配信ライブ。非常に体格のよい彼ながらも、爽やかなメロと歌声で、思わず聴きほれてしまうようなライブでした。
高城晶平
この日は落書きの書かれたコンクリート塀をバックにギター1本で。「ロープウェイ」「ミッドナイトランデブー」の2曲を披露してくれます。ギターにはおもいっきりエフェクトもかけられており、彼らしい独特のサウンドでムーディーに聴かせてくれたライブでした。
辻村友晴(キセル)
ご存じキセルの弟。久しぶりに見たのですが、お兄さんにそっくりになってきましたね・・・。ミュージックソーを使った静かなインストチューンや、キセルの曲をアコギ1本でカバーした曲など4曲程度を披露。キセルらしい独特の空気感は配信を通じてもしっかりと伝わってくるステージでした。
イルリメ
アコギ1本での歌モノ。語るような歌がちょっとラップ的な雰囲気も醸し出していました。アコギのアルペジオでしんみりフォーキーで暖かく聴かせる曲となっており、2曲のみdしたが、暖かく聴かせる。
Hei Tanaka
はじめて知ったのですが、元SAKEROCKの田中馨率いるバンドなんですね。この配信ライブのために新曲を披露。メンバーみんな別々の場所で。にぎやかで、ちょっとお祭りっぽい曲調のジャムロックなのがユニーク。1曲だけだがとても楽しい雰囲気のステージになっており、SAKEROCKからの流れも感じます。ライブは楽しそうだなぁ。
MEI EHARA
今回、初耳の女性ミュージシャン。部屋の机の前でアコギ1本。透明感のある歌声でしんみりとフォーキーに聴かせてくれます。「群れになって」「ギャンブル」「午後には残って」「鉄の抜け殻」と4曲も披露。美しい歌声が印象に残るミュージシャンで、しっかりとその歌が印象に残るライブでした。
辻村豪文(キセル)
松本市にある宅録部屋から。窓の外からは林も見え、道を歩く人の姿も見えているような場所。GW明けから、配信ライブ「寝言の時間」を実施しており、そこで披露した曲からのライブだそうです。最初の「山を下る」と言う曲からスタート、いつもながらも脱力感あるフォーキーなサウンドでまったりとした雰囲気のライブだたのですが、途中、非常事態宣言解除の時の安倍総理の演説をサンプリングさせた曲があり、楽曲の中に強烈な違和感を生み出していました。その後「楽しい明日」「たまにはね」という曲と続き、計3曲を披露。子供が外で遊んでいるように、「静かに」と呼びかけるシーンも(笑)あったりとして、キセルらしいまったりとした雰囲気のライブとなっていました。ちなみに「寝言の時間」は最低10回はやりたいそうで、一度見てみたいなぁ。
VIDEOTAPEMUSIC
シンセの音色にパーカッションやテルミンを加えて、ちょっとウェットでムーディーな雰囲気のインストと、同じくちょっとエキゾチックで軽快なインストチューンの2曲、それもどちらも新曲を披露。本人が演奏するバックにVJ的に映像も流しており、家から配信ながらもライブらしい雰囲気も感じるステージでした。
yamomo(吉澤成友、野村卓史、辻村豪文、辻村友晴)
今回登場する新バンド。ネット環境の影響のため朝6時から録音しているらしい、配信らしいスタイルとなっていました。最初はメンバー4人でまったりトークからスタート。やはりみんななかなか会えないだけにトークが楽しいみたい。そんなダラダラした雰囲気からライブスタート。ギター、ベースにピアノ、ドラムというスタイルで、辻村豪文がドラムに挑戦していました。「プカ」「ローンズ」(カバー曲だそうです)「yamamo」の3曲を披露。ジャジーな曲調でちょっと大人の雰囲気を聴かせるセッションとなっており、(朝の収録なのですが)夜、まったり楽しむにはピッタリのナンバー。途中、会話などをはさみつつ、まったりとした空気の流れるライブセッションでした。
思い出野郎Aチーム
名前は知っていたのですが、音はこれがはじめて聴く彼ら。今回、配信ライブのためにメンバー全員が機材をそろえたようで、気合いも感じます。ホーンやピアノも入って軽快で楽しいファンクソウルチューン。楽曲も、まるで新型コロナで家にいなければいけないみんなへのメッセージのような歌詞の曲だったのが印象に残ります。ネットでつないだバンド形式だっただけに、非常に楽しいライブでした。
二階堂和美
オオトリは二階堂和美。今は広島在住みたいですので、広島のお寺の講堂からのステージでしょうか?いきなり踊りだしたり、彼女らしいフリーキーなパフォーマンスなのですが、その美しい歌声には、やはり強く惹きつけられるものがあります。実質上、3曲のみのステージでしたが、笑顔いっぱいのパフォーマンスでとても楽しそう。最後はアンコールで「夏のお嬢さん」のカバーという非常に明るい曲で締めくくり。このコロナで暗い雰囲気になりがちな中、とても明るさのあるパフォーマンスを見せてくれました。
そんな訳でトータル3時間強。かなり豪華な「フェス」でした。数多くのカクバリズム所属が途中、サイトウ“JxJx”ジュンのMCを挟みつつ、それぞれ在宅で貴重なパフォーマンスを見せてくれたライブでした。どのミュージシャンもいつか生で見てみたいなぁ、と思いつつ、これはこれで貴重な映像の連続で、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。でも、次はこの「フェス」、是非、生で。その日が出来るだけ早く来ることを願って…。
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