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2020年4月21日 (火)

バラエティー富んだ音楽性が魅力

Title:That's What I Heard
Musician:Robert Cray

60代後半になっても積極的にその活動を続けるアメリカのブルースギタリスト、Robert Cray。ただ、純粋にRobert Crayのニューアルバムとしては本作は約6年ぶりの新作となります。とはいえ、その間にはライブ盤のリリースがあったりしましたし、2017年にはROBERT CRAY&HI RHYTH名義のアルバムもリリースしていますので、そんなに「久しぶり」という印象は受けません。

もともと、ブルースを主軸としつつ、幅広い音楽性を聴かせてくれていた彼。今回のアルバムでは、その音楽性の幅広さがより一層際立ったアルバムになっていました。冒頭を飾る「Anything You Want」は軽快なギターを聴かせるブルースナンバーになっているのですが、続く「Burying Ground」はオールディーズな要素の強いソウルナンバー、「You're the One」はしんみりと哀愁感たっぷりに聴かせるソウルバラード、「This Man」と続きます。

その後も60年代あたりの古き良きソウルミュージックを彷彿とさせる「You'll Want Me Back」に、軽快なギターリフを聴かせるロッキンな「Hot」とバラエティー富んだ展開が続いていきます。その後もソウルバラードをしんみり聴かせる「Promises You Can't Keep」「A Little Less Lonely」などと続いていくなど、全体的にはソウルミュージックからの影響の強いアルバムに。そんな中で彼のギターが優しく鳴り響くような楽曲に仕上がっていました。

そんなソウルな曲調でしんみりと聴かせるナンバーが目立つ中で最後を締めくくるのはジェイムス・ブラウンばりのファンクチューン「Do It」で締めくくり。力強いサウンドとボーカルが強く印象に残る楽曲に仕上がっており、パワフルな印象を残しつつ、アルバムは幕を下ろします。

全体的には正直言って目新しさみたいなものはないのですが、全12曲入り47分という長さもちょうどよく、ポップで聴きやすい作品が並んでいるため、バラエティー富んだ作風で飽きさせないような展開も含めて、ここ数作の彼の作品の中でも特に聴きやすいアルバムに仕上がっていたように感じました。特に60代後半に差し掛かりつつも、歌声もギターも全く衰えをかんじさせない点も魅力的。まだまだこれからも積極的な活動が楽しめそうです。

評価:★★★★★

Robert Cray 過去の作品
NOTHIN BUT LOVE
In My Soul

4 Nights of 40 Years Live(The Robert Cray Band)
ROBERT CRAY&HI RHYTH(ROBERT CRAY&HI RHYTH)


ほかに聴いたアルバム

Royal Soldier/Jah Cure

まだ続く2019年の各種メディアベストアルバムのうち、聴き漏らしたアルバムを後追いで聴いた1枚。今回もMusic Magazine誌レゲエ部門の2019年ベストアルバム。ジャマイカのミュージシャンによる3年ぶりとなる新作。全編、ゆったりとした裏打ちのリズムの曲を中心に哀愁感あふれるメロディーとサウンドを聴かせてくれる作品。決して派手さはないのですが、ゆったりとした気分になるレゲエが楽しめる作品です。

評価:★★★★

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