コロナに負けるな!
世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルス。長引く外出規制に鬱々とした気分で過ごしている方も少なくないのではないでしょうか。特に音楽業界においてはライブイベントが軒並み中止になり、特にライブハウスはクラスターの発生源としてバッシングの対象にすらなる事態となりました。CDショップも営業停止となっている店も多く、おそらく事態が長引けば、音源制作にも影響が出てくるかもしれません。
そんな音楽業界の危機と言えるような状況の中でユニークな音源が発表されました。
Title:Sleep Resistance
Musician:Fatal Defect Orchestra
world's end girlfriendがFatal Defect Orchestra名義でリリースされた本作は、静かなアンビエントのインスト。わずか20分程度の内容ながらも全36曲入りという内容になっているのですが、これがなかなかユニーク。コンセプトとしては「寝ながらにしてアーティストサポートができるアルバム」ということで、睡眠時にこれを流して聴くだけで、1晩に約300円~500円程度の売上が見込め、この売上は新型コロナウイルスの影響で経済的に苦境に追い込まれているミュージシャンへのサポートに充てられるそうです。
world's end girlfriend、寝てるだけでアーティストを金銭サポートできるアルバム発売(「音楽ナタリー」より)
寝たまま、ただ音楽を流すだけでミュージシャンへのサポートになるというのは非常にユニークな試み。そんな今回のアルバムの内容は、基本的には睡眠の妨げにならないような、あるいは、普段、部屋のBGMとして流していても邪魔にならないような静かなアンビエント。ただただ、静かなエレクトロサウンドが流れてくる中、時折、ピアノやストリングスも入って美しく聴かせる展開は、world's end girlfriendのほかの楽曲にも通じるドリーミーな雰囲気も感じられます。
同じピッチで長く続きながらも、少しずつ変化していくような構成になっており、確かにBGM的にさらりと流して聴けてしまいそうな反面、ちゃんと聴き始めると、なにげに意外とWEGらしいドリーミーな世界にはまっていきそうな癖も感じられたりして。音楽的にも十分に魅力を感じられるような作品になっており、作品としても十分聴く価値のある内容に仕上がっていました。
ちなみに各サブスクリプションサイトへのリンクは以下の通り。
Spotify Apple Music Amazon Music Unlimited
わずか20分の長さなのでサラッと聴けてしまうのも魅力的。興味があれば、是非。
評価:★★★★★
world's end girlfriend(world's end boyfriend)過去の作品
空気人形オリジナルサウンドトラック
Xmas Song(2009年)
SEVEN IDIOTS
Xmas Song(2010年)
Xmas Song(2011年)
LIVE/10/10/2015
LAST WALTZ
LAST WALTZ IN TOKYO
ほかにも、この新型コロナ関係で、苦境に陥っているライブハウスやミュージシャンを救うべく、プロジェクトが立ち上がっています。
まず、音楽配信サイトOTOTOYでは「Save Our Place」と名付けて、音楽配信でライブハウスを救う企画が立ち上がっています。
また、ロックバンドのlynch.がライブハウスを支援するための新曲を制作し、話題となりました。
lynch.がライブハウスを支援するため新曲制作、売上利益を全額寄付(「音楽ナタリー」より)
ただ正直、東日本大震災のチャリティー企画に比べると、かなりこのような企画は少ないように感じます。やはり手を差し伸べる対象がライブハウスやミュージシャンに限られると賛同する人が少なくなってしまうのでしょうか・・・ただ、間違いなく音楽ファンを楽しませてくれた存在なだけに私も少しでもこのチャリティー企画に協力しようと思います。音楽ファンなら、是非。
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