アラフィフおじさんが楽しそう
Title:カーリングシトーンズ デビューライブ! ~カーリング・シトーンズと近所の石~
Musician:カーリングシトーンズ
以前にもアルバムを紹介しましたが、寺岡呼人のソロ25周年を記念して結成されたバンド、カーリングシトーンズ。メンバーは寺岡呼人を中心に、奥田民生、斉藤和義、トータス松本、YO-KING、浜崎貴司という超豪華メンバーがそろっています。全員、年齢が52歳~54歳という同世代。みんな長く音楽シーンの中心で活躍してきたメンバーばかりで、全員の息もピッタリ。これがはじめてだとは思えないような、一体感のある「新人バンド」となっています。
先日、初となるオリジナルアルバムをリリースしたばかりの彼らですが、本作は昨年の9月にZepp Tokyoで行われた彼らのデビューライブの模様を収録したライブ盤。オリジナルアルバムに続いて、早くもライブ盤のリリースとなりました。もちろん、基本的に演奏するのは先日リリースされたオリジナルアルバムに収録されているカーリングシトーンズのオリジナル曲ばかり。比較的ルーツ志向の強いロックを中心とした構成。ただその中でもトータスシトーンことトータス松本が中心となった曲はブルース色が非常に強く、彼の好みがダイレクトに反映された曲になっています。
そして今回のライブ盤での一番の聴きどころは、間違いなくライブのMCがほぼすべて収録されているという点でしょう。メンバー紹介はもちろん、ライブ結成の話やライブ名の由来なども語られており、聴きどころも多いトークが満載。そしてなんといっても、カーリングシトーンズの豪華なメンバーがそれぞれ仲良くトークしているシーンが、聴いていてうれしくなってしまいます。
さらに聴きどころとなるのは中盤。ゲストとして世良公則が登場。直前のトークで曰く、このバンドは60年代から70年代にかけて活躍したTHE BANDのように、自身たちが単独でも活躍する一方、誰かのバックバンドとしても活躍することを意図したそうで、今回のライブでは世良公則のバックバンドとして、その望みが早くもかなった形となりました。ちなみに世良公則は代表曲の「銃爪」と「宿無し」の2曲を披露。若干、世良公則のファン層とこの5人のファン層が重ならないような気もしないではなかったのですが、会場を沸かせていました。
また当日はMCでメンバーそれぞれのオリジナル曲は演らない、と言っていたにも関わらず、後半、コントのような展開からウルフルズの代表曲「ガッツだぜ!!」へ!これには会場も大盛り上がり。もちろん、当初の予定通りだったようですが、おそらく会場に詰め掛けたファンにとってはうれしいサプライズだったのでしょう。
そんな感じで全2枚組17曲。2枚組としては曲数が少な目でしたが、ほぼ1曲毎にトークが展開されるという構成になっており、そしてそのトークがみんな妙に楽しそう(笑)。オリジナルアルバムでも感じたのですが、アラフィフのおじさんたちが、本当に音楽を楽しんでいるな、ということが心からわかる素敵なステージでした。途中のトークでも言っていたのですが、豪華なメンバーなので、今後、なかなか集結するのはスケジュール的に厳しいのかもしれませんが…是非、今後も断続的に活動を続けてほしいな。ライブも一度、行ってみたいです。
評価:★★★★★
カーリングシトーンズ 過去の作品
氷上のならず者
ほかに聴いたアルバム
ハレルヤ-The Final Season-/AK-69
AK-69の新作は「罪と罰、そして愛」をテーマとした5曲入りのミニアルバム。トラップを取り入れた「See You Again-Season 1-」をはじめとして悲しげな雰囲気な楽曲が並ぶ作品に。ただ、仰々しいテーマなのですが、「I Don't Wanna Know - Season 2-」は少々時代錯誤的というか、いかにも上昇志向のヤンキー的なバブリーな歌詞が鼻につきますし、全体的にテーマからすると歌詞の内容は非常に浅い印象が。一般受けのためには「この程度の内容」がちょうどよい、ということなのでしょうか。
評価:★★★
AK-69 過去の作品
THE CARTEL FROM STREETS
THE RED MAGIC
The Independent King
Road to The Independent King
THE THRONE
DAWN
無双Collaborations -The undefeated-
THE ANTHEM
north view/MONKEY MAJIK
2005年にリリースした「eastview」、2011年リリースの「westview」、2016年リリースの「southview」に続く東西南北シリーズの完結編。今回は自分たちのルーツであるカナダでアルバムを制作。カナダから日本を見るというテーマの下で作成されたアルバムだそうです。
さて、前々作「southview」前作「enigma」と脂ののりまくった傑作が続いた彼ら。続く本作も前作を超えるだけの傑作…を期待していたのですが、残念ながら前2作を超えるほどの傑作とまでは至りませんでした。ただ、前半はシティポップ風の洋楽テイストの強い楽曲を、後半は和風な作品を並べ、洋邦混合バンドとしての彼ららしさを示したアルバムに仕上がっていました。前々作、前作のような傑作ではありませんでしたが、バンドの状態は決して悪くないことを示した良作だったと思います。いい意味でアルバムのクオリティーが安定してきたようにも感じます。今後も楽しみです。
評価:★★★★
MONKEY MAJIK 過去の作品
TIME
MONKEY MAJIK BEST~10years&Forever~
westview
SOMEWHERE OUT THERE
DNA
Colour By Number
southview
enigma
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