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2020年2月18日 (火)

ただただ残念です。

Title:The Best of Listen To The Music
Musician:槇原敬之

当サイトで取り上げるアルバムは、基本的には私ゆういちが聴いた順番に取り上げています。そのため、このタイミングでこのアルバムを取り上げるのは全くの偶然。例の事件が起きる前に、ちょうどこのアルバムを聴いていたからであって、決して、例の事件が起きたからあえて取り上げた訳ではありません。ただ、やはりこのタイミングでこのアルバムを取り上げるからには、例の事件について言及しないわけにはいきません。そう、槇原敬之、覚せい剤所持で逮捕。21年前に彼がおなじく覚せい剤所持で逮捕された時も、非常に強い衝撃を受けました。特にあの時は、槇原敬之といえば覚せい剤というイメージとはかけ離れたイメージを持っていたミュージシャンだっただけに、ショックは今以上でした。ちなみにその直後に予定されていたライブツアーも中止になったのですが、実はその時のライブチケットを事前に確保しており、中止により払い戻しの憂き目に会いました…。

それから21年。田代まさしやら岡村靖幸やら、何度も覚せい剤で逮捕される芸能人が相次ぐ中、槇原敬之はその後、逮捕というニュースもなく、無事更生したもの・・・・・・と思っていただけに今回の逮捕は非常にショックでしたし、また非常に残念に感じます。前回の逮捕から20年以上の月日がたっているだけに、依存症だったのかどうなのかは今の段階ではわかりませんが、再び手を出してしまったあたりに月並みな言い方ですが覚せい剤の怖さも感じてしまいます。今回のニュースに関しては、ただただ残念…その一言です。

ただ、今回の槇原敬之逮捕のニュースに合わせて、Twitterのトレンドに岡村靖幸の名前があがってきたのにはただただ苦笑いしてしまいました。もうね、岡村ちゃんのファンは、いつニュース速報に「岡村靖幸、逮捕」の文字が出てきてしまうか、ヒヤヒヤしながら過ごしているんですよね(苦笑)。Twitterのトレンドに彼の名前が登場すると「まさか!」と思ってしまいますし…。でも、彼も最後の逮捕からもう10年も経つんですよね。今度こそ立ち直ってほしいのですが・・・・・・。

そんなニュースがありつつも、このアルバムも感想も。本作は、彼がいままで3作リリースしてきたカバーアルバム「Listen To The Music」の中から代表曲を取り上げたベスト盤。山下達郎や松任谷由実、中島みゆきや大江千里など、シンガーソングライター系のミュージシャンのカバーが多く、ある意味、彼と同じような系統のミュージシャンの曲が目立ちます。基本的には彼が敬愛してきたミュージシャンたちのカバーが多いだけに、原曲をおおきくいじることなく、素直に歌い上げた、(あの事件の後にこういう言葉を使うのは違和感はあるのですが)「真面目な」カバーが目立ちます。

ただ、一方でちょっと爽やかすぎる印象を受けてしまうカバーもあり、それが特に顕著だったのが美輪明宏の「ヨイトマケの唄」のカバー。社会の底辺について歌った曲にしては、あまりに彼の歌声は軽すぎます。それでちょっと思い当ってしまうのは、彼が最初の覚せい剤事件の逮捕後に手掛けてきた「ライフソング」と言われる人生をテーマとしたような楽曲群。正直言って、人間性の表の部分だけにスポットがあてられている薄っぺらくて説教臭い曲が多く、個人的には好きじゃない曲が多いのですが、ただ、この「ヨイトマケの唄」の軽いカバーにしてもそうなのですが、彼のスタンスとしてどうも人間性の影の部分から目を背けている…というか「否定」しているような印象を受けてしまいます。そんな彼が覚せい剤に手を染めているあたりに、槇原敬之もどうしもようもない「闇」をかんじてしまって仕方ないのですが…今回の逮捕を受けての印象になってしまうのですが、どうもこの軽い雰囲気のカバーが気になってしまいました。

逆に非常に彼のカバーがマッチしていたのが大江千里の「Rain」、そして今回のカバーベストにあらたに収録されたフジファブリックの「若者のすべて」。どちらも非常に切ない楽曲なのですが、槇原敬之のボーカルは、間違いなくこの手の切ない雰囲気の曲に合っているんですね。どちらも素晴らしいカバーに仕上がっていました。カバーという観点からも、彼に合っているのはやはり切ないラブソングなんだな、ということを再認識しました。

3月には、セルフカバーも予定されていましたが、残念ながら販売中止でしょう。彼の次の作品はいつになるのか、全くわかりませんし、残念ながらいまはまだ期待する段階ではないでしょう。ただいまはしっかりと罪を償い、もし依存症になっているのならばしかるべき治療を受けて欲しいと願うばかりです。本当に今回のニュースはただただ残念で仕方ありません。

評価:★★★★★

槇原敬之 過去の作品
悲しみなんて何の役に立たないと思っていた
Personal Soundtracks
Best LOVE
Best LIFE

不安の中に手を突っ込んで
NORIYUKI MAKIHARA SYMPHONY ORCHESTRA CONCERT CELEBRATION 2010~SING OUT GLEEFULLY!~
Heart to Heart
秋うた、冬うた。
Dawn Over the Clover Field

春うた、夏うた。
Listen To The Music 3
Lovable People
Believer
Design&Reason


ほかに聴いたアルバム

熊木杏里 LIVE “ホントのライブベスト版 15th篇" ~An's Choice~/熊木杏里

2018年3月24日に行われた東京国際フォーラム ホールCでのライブ「熊木杏里 LIVE “ホントのライブベスト版 15th篇"」より、厳選された14曲を収録したライブアルバム。アコースティックなサウンドをベースとした暖かいポップソングが魅力的。CD音源で聴いてしまうと、若干、楽曲の幅の狭さが気になる部分はあるのですが、ライブで聴いたら、その歌声の魅力に没頭できるんだろうな、とは感じます。個人的にはMCを含めた完全収録で聴きたかったような印象も受けるのですが。

評価:★★★★

熊木杏里 過去の作品
ひとヒナタ
はなよりほかに
風と凪
and...life
光の通り道

飾りのない明日
群青の日々
殺風景~15th Anniversary Edition~
人と時

HEART/a flood of circle

a flood of circleの新作は、新曲5曲+ライブ音源10曲入りの「ミニアルバム」。今回、新たな試みとして、いままで彼らの曲の作詞作曲を担当してきた佐々木亮介含めメンバー全員が曲を持ち寄り、それぞれ1曲づつを担当。最後の1曲はメンバー全員によって曲を作成した、という意欲作になっています。ただ、その意欲は買いたいのですが、楽曲の出来としては正直言っていまひとつ。a flood of circleの良さを生かし切れていない、平凡なポップソングになってしまっています。まあ、今回は新たな試みだった、ということで割り切ってしまうのが良いのでしょうが…a flood of circleの熱心なファン以外には少々おすすめしにくいアルバム。次はフルアルバムの中の1曲、みたいな形で、徐々に他のメンバーも曲も収録する形の方が良いように思うのですが。

評価:★★★

a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
ベストライド
"THE BLUE"-AFOC 2006-2015-
NEW TRIBE
a flood of circle
CENTER OF THE EARTH

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アルバムレビュー(邦楽)2020年」カテゴリの記事

コメント

ゆういちさん、こんばんは。

このサイトではマッキーの新譜は、リリースから1、2ヶ月くらいと早めにレビューが書かれることが多いですが、今回は比較的レビューが遅かったことが皮肉にもタイムリーな話題になってしまうとは・・・

確かに僕もマッキーに関しては、もう薬から立ち直ったものとばかり思っていたので今回の逮捕はとてもショックでした。でもその一方で、「ああまたやっちゃったか・・・」と冷静に受け止めれた自分もいて正直最初の逮捕の時よりはショックを受けませんでしたが。あと僕もマッキー逮捕の報を受けて、岡村靖幸やピエール瀧をツイッターで検索したりしました・・・

とりあえずまずは、マッキーはしっかり反省して依存性ならばしっかりと治療してほしいです。

投稿: 通りすがりの読者 | 2020年2月20日 (木) 00時23分

長年のファンとしては、「ショック:やっぱり=8:2」ぐらいの感じです。ちょっとどこかで覚悟をしていた自分がいたのには驚いています。
今後については、更生というより治療のために最善の方法をとってほしいです。治療のために、社会と接点を持つことがいいのなら、彼には音楽しかもうないんですよね。
どちらにしても、しばらく先の話ですが。

僕自身、普通ならメロディに載るはずのないぐらいに積極臭い歌詞を剛腕で聴かせてくるスタイルも結構好きですが、こうなると気になるのは彼の私生活と歌詞のギャップ。最近の彼の歌詞は、極めて性善説的な歌詞が多いのですが、歌詞の節々から感じる槇原本人のイメージは「ダメ人間」だったんですよね。彼がなりえない理想像を歌詞にして歌っていたではないかと思うと、なかなか辛いものがあります。

でも、これで槇原の歌詞世界がどう変化するのか見てみたい気持ちもあって、こえれはもうファンの業ですね…。

投稿: げどー | 2020年2月20日 (木) 14時00分

今回の槇原氏の覚せい剤所持による逮捕のニュースには私も驚くばかりでした。1月頃に紅白出場経験のあるミリオン歌手に薬物絡みで警察が内偵をかけているというネットニュース(どうやら情報元は東京スポーツだったようですが)に出ていたみたいで、その時は真偽不明のゴシップ記事としか思っていませんでしたが、まさかこのような形で現実になるとは・・・・・。最初に逮捕された時も衝撃は大きかったのですが、その事件以降の活躍を鑑みると薬物からは更生したものとは思っていたのと同時に、それから20年以上の年月の中で有名人による薬物絡みによる逮捕事件での様々なリスク
(法的な処罰はもとより違約金という損害賠償を請求される等)が生じる事が白日のものとなっているのに、こういう事になってしまったのは残念で他なりません。
確かマッキーは今年がメジャーデビュー30周年という事もあって、ゆういち様も書かれているようにセルフカバーアルバムのリリースをはじめ、メモリアルイヤーにふさわしい活動が予定されていたという事を報道を通して聞きましたが、このような事態になってはそういった事も白紙になってしまい、今後の予定は全て未定という事なのでしょうか。

ASKA氏の場合のように結果的には40年もの歴史のあるグループを結果的に瓦解してしまった事を見ると、依存症もさる事ながらこれまでに築き上げてきた歴史や業績をも破壊してしまう事を含めても薬物のリスクはつくづく大きいと思えてなりません。過去のコメントでも申し上げましたが、昨年も大河ドラマのキャストの2名(一人は放送中でもう一人は放送前)が薬物絡み不祥事をやらかした事もあってか(『いだてん』に関しては薬物以外の事の不祥事をやらかしたキャストがもう1名いますが)、NHKが来年度スタートのレギュラー番組の出演者にそれこそ法に触れるような事を証明する誓約書の提出を義務付けるといった事をするとの事ですが、音楽界を含むエンターテイメント界もこういう措置を取る事になっていくのでしょうか。2022年大河ドラマを手掛けられる脚本家の三谷幸喜氏が冗談とはいえオファーを受ける俳優に対して「脛に傷があるとお考えの方は断って下さい」といった事を制作発表の場で語ったとの事ですがそれも致し方ないのかもしれません。

しかしながらミュージシャン、アーティスト、クリエイターと呼ばれる職業の方々はお金、薬物、異性関係といったものでキャリアに泥を塗ってしまう人達が少なからず目立っているようにも見受けられます。私も年齢を重ねていくうちに、上記の職業の方々はその才能と人格は別物という事を幾度も認識させられるような例を見て来ましたが、思想的なもので相容れなかったりするならまだしも、法に触れる事をやらかしてしまうと全くもって何やっているんだと言いたくもなります。

岡村靖幸氏に関しても薬物事件で最後に逮捕されてから10年以上が経過したのを聞いて、「もうそんなに経つのか」と年月の経過を改めて実感しましたが、2000年代の岡村ちゃんはそちらの話題ばかりが取り上げられていてグダグダなイメージすらありました。2010年代はその当時と比べても吹っ切れた印象もあるだけに、きちんと更生した事を自身の活動を通して証明して頂きたいと思う次第です。これに関してはASKA氏も同様なのですが、CHAGE&ASKAの結末を思うとしばらくは茨の道にも思えてならなかったりします。これについてはマッキーはもとよりも、ピエール瀧氏や沢尻エリカさんも同様なのでしょうね・・・・・・。

投稿: MoTo | 2020年2月24日 (月) 01時00分

>通りすがりの読者さん
本当に残念なニュースです。私も彼はもう薬から立ち直ったのかと思っていたのですが・・・。依存症ならしっかりと治療してほしいですね・・・。

>げどーさん
>これで槇原の歌詞世界がどう変化するのか見てみたい気持ちもあって、こえれはもうファンの業ですね…。
いや、その気持ち、とてもよくわかります。というか、私もどこか、そんな心境もあったりするところが素直な気持ちです・・・。また彼もミュージシャンならば、今回の経験も歌詞に転嫁してほしい、とも思ってしまったりして・・・。

>MoToさん
そう、なにげに岡村ちゃんは最後の逮捕から10年も経つんですよね。月日が流れるのは早いものです。彼も今度こそ更生した、と思いたいのですが、今回のマッキーのニュースを見る限り、まだまだ油断は出来なさそうです。それだけクスリは怖い、ということなのでしょう・・・。

投稿: ゆういち | 2020年2月28日 (金) 00時27分

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