あけましておめでとうございます
本年も当ゆういちの音楽研究所をよろしくお願いします。
さて、年度はじめは昨年を振り返る簡単な音楽に関しての雑感を書いているのですが、昨年のレコード大賞、Foorinの「パプリカ」の受賞、おめでとうございます。このニュース、かなりビックリしたのですが、ただ昨年のヒットシーンを考えると当然かな、という印象も受けます。特にこの曲、未就学児や小学生の低学年あたりに対する訴求力はすさまじいものがあります。昨年、家族でレゴランドへ遊びに行って、その時にレゴランドホテルに泊まったのですが、レゴランドのエレベーターって、子どもを楽しませるために音楽が流れているんです。もっとも基本的に外資系なので洋楽がメインなのですが、なぜかそんな中、唯一邦楽で「パプリカ」が流れていたのですが、「パプリカ」が流れ出した途端、エレベーターの中にいた幼児5、6人が一斉に「パプリカ」を歌い出した、という出来事がありまして・・・あらためて「パプリカ」の人気のほどを感じさせました。
しかし昨年のこのコーナーにも書いたのですが、この「パプリカ」もそうですが、ここ数年、ようやく音楽シーンに「ヒット曲」と言えるものが戻って来たように思います。昨年も「パプリカ」以外にもOfficial髭男dism「Pretender」「宿命」「イエスタディ」、King Gnu「白日」、米津玄師「馬と鹿」などヒット曲が多く誕生しました。
ただ、それらがCDの売上と結びついていないのは共通項で、この「パプリカ」にしても、CDもそこそこヒットしたとはいえオリコンの年間シングルランキングでこの曲は52位と、昔だったら「スマッシュヒット」という程度の小ヒットと認識されそうな程度の売上しかあげていません。そういう曲がしっかりとヒットとして認識され、レコード大賞までとってしまうあたり、もうCDの時代は完全に終わったんだな、という印象を受けます。そういえば今年のオリコン年間シングルランキングはここ数年の傾向通り、AKB系やジャニーズ系が上位を独占する結果となったのですが、もう誰もそのことを話題にすらしなくなりましたよね・・・。
この「パプリカ」もそうですし、「Pretender」もそうですが、ここ最近のヒット曲はしっかりと歌と曲を聴かせるような曲が増えているように思います。今年もヒットを続けた、米津玄師の「Lemon」なんかもそうですしね。ただその一方で、「Pretender」なんかはその背景にブラックミュージック的な要素をしっかりと織り込んだり、米津玄師の楽曲は複雑な構成をさらっとポップにまとめあげたり、決して単純な売れ線J-POPとは異なるよく出来たポップスがしっかりと売れているように思います。今年の「Music Magazine」のJ-POP/歌謡曲部門の年間ランキングでヒゲダンやあいみょんを取り上げて、過去のJ-POPの縮小再生産で、今の日本の不景気を象徴している、なんていう全くわかっていないコメントをのせた評論家もどきのコメントがありましたが、あまりにポピュラーミュージックの本質を理解していなくて頭が痛くなります。だからミューマガって、ただ奇抜さだけを売りにするようなつまんないアイドルポップを妙に高く持ち上げたりするんですよね。今後、この人は一切、ポピュラーミュージックを語る資格はないでしょう。
・・・・・・すいません、正月早々毒を吐いてしまいましたが、全体的に見て、今、日本のポップスシーンは良い方向に向かっているのは間違いないと思います。今年もヒゲダンや「パプリカ」、米津玄師やあいみょんに続くヒット曲を期待できそうです!
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コメント
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ゆういち様のコメントにもあるように、純粋な意味での「ヒット曲」というものが復活しているという事には私も頷けました。米津玄師の「Lemon」やあいみょんの「マリーゴールド」は一昨年の曲ですが、昨年もロングヒットしていた事も思えば、多くの人に長きにわたって支持される楽曲が出てきていて、それこそCDの売上だけでは測れないものも感じられました。
これもゆういち様のコメントにもなりますが、Foorinの「パプリカ」のレコード大賞受賞がCDの時代の終わりが完全に終わったとの印象がある事についても同感だったりします。年間ヒットチャートを知る上で参考にしているMOMA様のサイト「Beautiful Dreamer」からはその年一年の売上やDL数等を確認していますが、昨年の紅白に出場したLiSAの「紅蓮鼻」もCDの売上では5万枚を越える程度(年間シングルチャートで92位)でしたが、ラジオはともかく色々な所で聴いたという印象があります。
とはいっても、シングルCDの売上に関してはアイドル、アニメ、EXIL TRIBE、K-POP、演歌が年間トップ100を占めていてそれ以外のロック・ポップス系はほとんど見かけないという有様に他なかったりします。AKB48やジャニーズ系は2010年代のシングルCD売上に関しては10年間通して年間トップ100の上位を独占していたものの、2010年代の前半あたりは50位~100位(年によっては30位台あたりから)のゾーンはまだバラエティに富んでいたという印象がありますが、2010年代の終わりにはすっかりそういったバラエティ感すら無くなってしまったとしか思えません。
2016年のSMAP解散、2018年の小室哲哉氏並びに安室奈美恵さんの引退、2019年のCHAGE&ASKAの事実上の解散、まだ予定ですが2020年一杯での嵐の活動休止といったCDというメディアで一時代を築いてきたグループや個人が活動にピリオドを打つニュースがここ数年続いていますが、こういった事もCDの時代の終焉を感じたりもします。ただ個人的にはこの中の何件かは釈然としないものもありますが。それとは逆に近年飛躍しているアーティストはCDのセールスに頼らない形で人気を獲得しているのはゆういち様もおっしゃられている通りです。
80年代の終わり頃にシングルCDは8cmサイズで短冊形のケース入りで発売され、それから数年後にはミリオン・ダブルミリオン当たり前のCDバブルの時代に突入し、シングルCDが世に出で10年が経過した世紀の変わり目にはアルバムと同じスタンダードなサイズになったものの、その頃には売上はシングル・アルバムともにピークを過ぎてしまい、さらにそこから10年以上が経過した2010年代にはイベント招待券付きや特典のバージョン違いといったどちらがメインかおまけなのかが分からないような売り方が常態化し、現在ではCDの売上はヒットの指標と見なされなくなって久しくなった、という歴史になるのでしょうか。
個人的には近年はCDを年に1枚にも買えばいい方で大抵は図書館での無料レンタルで済ますようになって久しいという事を以前にコメントしましたが。久方ぶりに最寄りのTSUTAYAに行ってみたらCDレンタルのコーナーが2010年代半ばよりもさらに縮小されてコミックレンタルやカードゲームコーナーの方が大きくなっており、あとちょっとしたらCDレンタルの消滅の可能性すら帯びるようにもなりました。まだセルの方が頑張っているようにも見えますが。他にもCDショップに関しては20歳前後の約20年前には個人営業やローカルチェーンを含めても自分の生活圏にはそれなりの数があったように記憶していますが、今では2店舗くらいしか存在していません(一つは最寄駅の駅ビルの中の店舗で、もう一つは前述のTSUTAYA)。都内の有名ショップはまだ頑張っている印象があるものの、個人的には昔のようにぶらぶらとウィンドウショッピングしていても楽しいと感じる店舗がほとんど無くなってしまい、かつてほど足を延ばす事が少なくなりました。まだ書籍に関しては実店舗に行ってみてこんな面白い本があるんだという発見があるものの(電子書籍が普及したといっても紙の書籍でしか出ていないものもあったりするので)、音楽ソフトや映像ソフト等に関しては配信関係はともかくもYouTubeを使えばそれなりのものが視聴可能という事もあり、それが生活の一部となって久しい現在となっては実店舗で買うという行動に意味が感じられなくなっているのかもしれません。単品のソフトはともかくボックスセット等を集めている人でも今では店舗よりも通販サイトで買うという方が圧倒的なのではないでしょうか。
CD に関する雑感が長くなりましたが、昨年の音楽関係のニュースではCHAGE&ASKAの事実上の解散(ASKA氏の脱退による)と電気GROOVEのピエール瀧氏の逮捕はもとよりそれに伴う過去作品の処遇を巡る様々な意見が出た事がインパクトがあった出来事だったと思います。しかしながら前者はデビュー40周年、後者は結成30周年というメモリアルイヤーにも関わらずあまりメモリアルとは言い難い事態になってしまったのは残念以外に他なりません。というか『しくじり先生』のような反省バラエティ番組の候補者リストに載るような事をしてどうするんだというようにも思えてならなかったりしますが。
周年関係でいえば、デビュー45周年のTHE ALFEEは新作アルバムをリリースし精力的なライブ活動を展開していましたし、デビュー40周年の竹内まりや氏は当ブログでも取り上げられていたように3枚組のデビュー40周年記念盤をリリースし紅白はともかくも『ミュージックフェア』出演のように積極的にメディアにも登場していました。またデビュー35周年のTM NETWORKは三人揃っての活動は無かったものの、ライブ映像作品のBlu-rayBOXのリリースや1994年の東京ドームライブの完全版の上映会を行ったりするという形での活動を展開し、デビュー30周年のDREAMS COME TRUEはドリカム史上最大規模のアリーナ・スタジアムツアーを展開と、ベテランといってもいいアーティストも存在感ある活動をしている人もいるんだなぁという印象がありました。個人的には昨年はライブに行く事が出来なかったのは残念で他ならなかったりしますが。
長い文章になってしまいまいたが、今年も当ブログにて面白い作品との出会いがあればと願っております。
投稿: MoTo | 2020年1月 4日 (土) 01時40分
>MoToさん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。CDに関しては、もう完全に終焉を迎えようとしていますね。最近はリリースがレコードと配信のみというミュージシャンすら少なくなくなってきましたし、大物ミュージシャンもシングルリリースが配信のみというケースがほとんどになってきました。CDを爆買している私ですら、おそらく全盛期に比べると、CDを買っている量は半分以下か、下手すれば4分の1程度になっています。まあ、もうすぐアイドル勢ですら、CDをリリースしない、という時代がやってくるかもしれません・・・。
投稿: ゆういち | 2020年1月 5日 (日) 00時00分