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2020年1月29日 (水)

ある種の哀れみすら感じます

今週のHot100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot100には、話題となったジャニーズ系2組がランクインです。

今週1位を獲得したのは本作がデビュー作となるジャニーズ系男性アイドルグループSixTONES「Imitation Rain」。CD販売数、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数で1位、ラジオオンエア数で9位、You Tube再生回数で13位を獲得しています。一方、2位にも同じジャニーズ系男性アイドルグループSnow Man「D.D.」がランクイン。CD販売数、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数で2位、ラジオオンエア数3位、You Tube再生回数15位を獲得しています。

今回、この2組のジャニーズ系アイドルグループが同時にデビュー。ジャニーズ事務所としてはかなりの力の入れようで、テレビでは彼らのCMがバンバン流れ、テレビ番組には数多く出演。露出度を異様なまでにあげた結果、オリコン週間シングルランキングでは初動売上132万8千枚という驚異的な数値で1位を獲得…なのですが、今回、この売上枚数、SixTONESをメインに据えたSixTONES vs Snow Man名義のシングルと、Snow Manをメインに据えたSnow Man vs SixTONES名義のシングルを合算した数値。収録曲は同一なのですが、リリースされるレコード会社も異なり、両者の数値を合算した売上計上には、かなりの批判も出ているようです。

ただ昨今、オリコンチャートの地位が相対的に下がり、一方、ヒゲダンにしろKing Gnuにしろあいみょんにしろ、ここ最近のヒットはストリーミング数やYou Tube再生回数など、CDによる瞬発的な売上ではなく、本当の意味で楽曲が支持されて、末永く聴かれているような曲がヒットしています。しかし、このような形のヒットは、本当にいい曲を地道な形でPRしていくしかなく、大量の資金や人気タレントの存在をバックにテレビ局はじめとするメディアに圧力をかけて、無理やりヒットを売り出そうとするジャニーズ系やAKB系からは生み出されるはずもありません。

そんな中、こういう形でテレビ局をはじめとするメディアに無理やり売込み、無理やりブームを作り出そうとする、旧来依然とするやり方を取らざるを得ないジャニーズ系のやり方は、ある種の哀れみすら感じさせます。今回のSixTONESとSnow Manの同時デビューというやり方は、旧来のメディアにしがみつく時代遅れの人たちによる最期の断末魔かもしれません。もっとも、そういうやり方に、両者合わせてとはいえ、130万人もの人たちが踊らされてしまっている事実もまた、情けなさを感じてしまうのですが…。

その2曲に並んで3位に入ったのはモーニング娘'20「KOKOROA&KARADA」でした。CD販売数3位、ダウンロード数15位、PCによるCD読取数10位、Twitterつぶやき数27位。オリコンでは初動売上12万6千枚で2位初登場。前作「人生Blues」の10万9千枚(3位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、今週の初登場は1曲のみ。6位に韓国の男性アイドルユニット東方神起「まなざし」が先週の46位からCDリリースに合わせてベスト10にランクイン。CD販売数は4位、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数7位ながら、ダウンロード数58位、ほかのチャートはランク圏外となり、総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上6万2千枚で3位初登場。前作「Hot Hot Hot」の5万9千枚(2位)よりアップしています。

今週は上位にアイドル系の新曲が一気にランクインした影響でロングヒット曲がランクダウンしています。まずKing Gnu「白日」は2位から4位にダウン。ただし、ダウンロード数3位、ストリーミング数1位、You Tube再生回数2位は先週から変わらず。まだまだロングヒットは続きそう。一方、同時ランクインの「Teenager Forever」は5位から8位にダウン。ただし、ダウンロード数は16位から9位、You Tube再生回数は6位から5位と軒並みアップ。ダウンロード数も先週から変わらず3位をキープしており、こちらもまだヒットは続きそうです。

Official髭男dism「Pretender」も先週の3位から5位にダウン。ただ、こちらもYou Tube再生回数及びカラオケ歌唱回数の1位、ストリーミング数2位は先週から変わらず。まだまだヒットは続きそう。また先週ベスト10入りしてきた「I LOVE...」も6位からワンランクダウンながらも7位とベスト10をキープしています。しかし今週、先週の「イエスタデイ」に続き「宿命」も11位にダウンとついにベスト10から陥落。昨年8月12日付チャートより25週連続のベスト10ヒットはついに途切れました。

またその他のロングヒット曲もLiSA「紅蓮華」は8位から9位にダウン。菅田将暉「まちがいさがし」も9位から10位にダウン。なんとかベスト10ヒットは続いたものの、厳しい状況になっています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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コメント

ゆういちさん、こんばんは。

今回のジャニーズ2組のデビューですが、間違いなく130万人も買ってないと思います。というのもまず、今回のSiXTONES版及びSnow Man版ともにDVDがついてくるのですが、それぞれ内容が違い2つ買わないと完成しないというよくある阿漕なシステムとなっています。更にCD購入者が参加できるスペシャルイベントがあるのですが、なんと抽選制になっていて、買えば買うほど参加できる可能性が上がるシステムになっています。なのでこれでミリオンアーティストズラされても大抵の人は「はぁ・・・(苦笑)」となるだけだと思います。そういう意味ではデビューからいらん十字架を背負わされた彼らはある意味では可哀想だと思います。でもまあ同情はしませんが。

投稿: 通りすがりの読者 | 2020年1月30日 (木) 00時30分

上のかたも述べてますが、対立構造を煽ったり、イベントやったり、ある種ここ最近のCD販売の悪い部分を寄せ集めたような感じなんですよね。

ジャニーズは嵐のデジタル系の解禁でてっきりそういう舵取りをしていくものだと思ってたんですけどね。彼らのデビューなんてまさにそういう新しい時代のジャニーズをアピールしていくには打ってつけの機会ではあるはずなんですが…。

彼らはジャニーズでもJr.時代が長く遅咲きの部類なので、ファンも販売方法に批判はしつつも結局買わざるを得ないというのも可哀想ではありますよ。
それに今回はミリオンでしたが、結局次のシングルではこのシングルとのギャップが露呈してしまう形になっちゃうと思うんですけどね。果たして今後どうなるのか。

投稿: 亮 | 2020年1月30日 (木) 23時01分

>通りすがりの読者さん
情報ありがとうございます。この手の「抽選制」のイベント参加券は珍しい手法でもなくなっているのですが、本当にかなり水増しした感じですね。もうこういう手法でしか売れないんでしょうね…。

>亮さん
デジタル系へかじ取り…と行きたいのでしょうが、なかなか旧来のビジネスモデルの変更は出来ないんでしょうね。ジュニア時代からのファンにとっては気の毒な感じなのでしょうが…。

投稿: ゆういち | 2020年2月 9日 (日) 23時22分

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