ライブレポート2019年

2019年12月30日 (月)

2019年ライブまとめ

今年も残るところはあと2日。恒例のライブまとめです。

1/23(水) Superorganism JAPAN TOUR 2019(名古屋CLUB QUATTRO)
2/5(火) TEENAGE FANCLUB JAPAN TOUR 2019(名古屋CLUB QUATTRO)
2/21(木) ZUKUNASI LAST ONEMAN SHOW!!!~ズクナシ出し尽くし大感謝祭~(渋谷CLUB QUATTRO)
3/8(金) the pillows REBROADCAST TOUR(名古屋ダイアモンドホール)
5/16(木) NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS JAPAN TOUR 2019(愛知県芸術劇場大ホール)
6/4(火) 斉藤和義 弾き語りツアー2019 "Time in the Garage"(名古屋国際会議場センチュリーホール)
7/2(火) 長島温泉 歌謡ショウ 大石まどかショウ(長島温泉 湯あみの島)
8/1(木) 湯~とぴあ宝 夏祭り(湯~とぴあ宝駐車場(笠寺))
8/8(木) あいちトリエンナーレ2019 サカナクション 暗闇-KURAYAMI-(愛知県芸術劇場大ホール)
8/22(木) あいちトリエンナーレ2019 Chilla: 40 Days Drumming&円頓寺デイリーライブ(butaji)(なごのアジール/円頓寺駐車場)
9/5(木) ベッド・イン TOUR 2019「男女6人秋物語」(名古屋JAMMIN')
9/6(金) あいちトリエンナーレ2019 Chilla: 40 Days Drumming&円頓寺デイリーライブ(奇妙礼太郎)(なごのアジール/円頓寺駐車場)
9/13(金) あいちトリエンナーレ2019 円頓寺デイリーライブ(環ROY)(円頓寺駐車場)
9/27(金) TOUR「NUMBER GIRL」(名古屋ダイアモンドホール)
10/4(火) フラワーカンパニーズ presents DRAGON DELUXE DELUXE(名古屋国際会議場センチュリーホール)
10/11(金) あいちトリエンナーレ2019 円頓寺デイリーライブ(七尾旅人)(円頓寺駐車場)
11/25(月) COALTAR OF THE DEEPERS 25TH ANNIVERSARY "THE VISITORS FROM DEEPSPACE"TOUR 2019(名古屋アポロベイス)
12/10(火) レキシTOUR2019 アナザーレキシ~あなたの知らないレキシの世界~(名古屋国際会議場センチュリーホール)

今年は結構、ライブに通ったなぁ・・・と感じた1年。特にいろいろと話題となったあいちトリエンナーレの関連イベントでなかなかお得なライブが何度も見れたのはうれしかったです。そんな中でベスト3は・・・

3位 レキシ@アナザーレキシ~あなたの知らないレキシの世界~

なにげに2年連続の3位(笑)。開催日当日の、それも午後3時にチケットを確保して急きょ見ることの出来たライブ。「あなたの知らないレキシの世界」ということで、昨年のライブと比べるとネタは抑えめ。「音楽」の側面に重点を置いたステージだったのですが、それでもやはりネタは要所要所に仕込まれており、最後はやはりレキシらしいライブだったなぁ、というエンタテイメント性豊富のとても楽しめるステージでした。

2位 NUMBER GIRL@TOUR「NUMBER GIRL」

やはり今年、最も楽しみにしていたライブといえば間違いなくこれでしょう。NUMBER GIRLのまさかの復活ツアー。リアルタイムでは何度も足を運んだナンバガのライブでしたが、復帰後初のライブも、かつての彼らに比べて全く見劣りのしない迫力のステージに圧巻されました。ナンバガの後追いのファンの方も、なぜ彼らがあれほど多くのフォロワーを生み出し、「伝説」のような扱いをされているか、このライブでその理由がわかったのではないでしょうか。素晴らしいステージでした。

1位 ベッド・イン@男女6人秋物語

以前から一度は見てみたかった「地下セクシーアイドル」、ベッド・インのステージ。予想通りだったのですが、昭和バブルネタや下ネタ系含めて、終始ネタ満載のエンタテイメント色強いステージ。ただ一方、もともとはロックバンド出身の彼女たちだけにライブバンドとしての基礎体力は十分すぎるほど持っており、予想以上にロック色の強い迫力あるパフォーマンスを見せてくれました。最初は、1度は見たいけど、1度で飽きるかな、と予想していたのですが、これが予想外にネタ的な部分だけではなく音楽的な部分でも十分に楽しめたステージで、また彼女たちのライブを見てみたい、そう強く感じさせてくれる内容でした。

今年も多くの素晴らしいライブを見ることが出来た1年でした。さて、来年はどんな素晴らしいステージに出会えるか・・・また多くのライブに足を運びたいです。

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2019年12月21日 (土)

いつも違うレキシ…?

レキシTOUR2019 アナザーレキシ~あなたの知らないレキシの世界~

会場 名古屋国際会議場レインボーホール 日時 2019年12月10日(火) 18:30~

昨年のライブツアーに引き続き、レキシのワンマンライブに足を運んできました!といっても、実は今回、レキシのライブに行こうと決めたのは当日。事前にソールドアウトしていたので今回のライブは行くのをあきらめていたのですが、14時くらいに機材席・見切席解放による当日券販売を知り、当日券販売開始の15時ちょうどにチケットを確保したところ、見事に確保成功。ライブ開始わずか3時間半前にチケットを確保したのですが…発券してみてビックリ!前から3列目という超特等席!!会場に足を運ぶと、ちょうど下手側のステージを外れた場所だったのですが、1、2列目はなく、事実上の最前列!おそらく「見切り席」という扱いなのですが、問題なくステージ全体を見渡すことが出来る席で、池ちゃんもバンドメンバーも至近距離で堪能してきました!

で、開始予定時間を5分程度まわった時点でライブがスタートとなったのですが、いきなり最初は意外な選曲の「Takeda'」からスタート。原曲はU-zhaanのタブラのみをフューチャーした珍曲(?)なのですが、これがこの日は歌詞をステージ前のスクリーンに映し出しつつ、非常におしゃれな雰囲気の曲調に。そしてそのまま「SHIKIBU」へ。登場したメンバーはなんと全員が革ジャンというスタイルで、「ロック風」を醸し出したステージに。今回のライブツアー、コンセプトが「アナザーレキシ」ということで、いつものネタ満載のレキシのライブとは異なり、真面目なロック風のステージとなっていました。

そのまま「甘えん坊将軍」と続きます。「真面目なステージ」というコンセプトらしく、ネタは少な目…なのですが、続くMCではロックなステージということで池ちゃんが氷室京介のセリフをパロったり、矢沢永吉のセリフをパロったりと、やはりそこはネタ満載なんですね…(^^;;というユーモラスなMCを展開していきます。

続く「Good bye ちょんまげ」でも会場のファン全員に、頭の上で手でちょんまげのポーズをさせたりと、やはりいつも通りのネタはそれなりに組み込んだ展開に。「KATOKU」で盛り上げた後の「妹子なぅ」では、歌詞に登場する「『Don't Look Back 飛鳥』じゃなくてロックなら『Don't Look Back In Anger』でしょう!!」といきなりoasisの「Don't Look Back In Anger」を歌い出したりと、ここらへんはいつも通りのレキシのステージになっていました(笑)。

そして続いては「チルドレンにも寄せて行く」ということで、NHK Eテレの幼児向け番組「みいつけた」に提供した「ひみつのヒミコちゃん」のセルフカバーへ!実はちょうど子供が「みいつけた」を見ている世代で、この曲も何度も聴いたことがあり、秘かに名曲だと思っていただけに、まさかこの日のステージで聴けたのはかなりうれしく、心の中でガッツポーズしてしまいました(笑)。その後、「出島で待ってる」と続き、ムーディーでアダルトな雰囲気ということで、「どげんか遷都物語」「僕の印籠知りませんか?」をかなりムーディーでアダルティーな雰囲気で聴かせてくれました。さらにその後は一転「salt&sugar」で観客を盛り上げます。このあたりの展開もネタは少な目。あくまでも曲で盛り上げていくスタイルでどんどんと進んでいきます。

とはいえ、その後のMCでは、またメンバーをいじって楽しませるユーモアなMCに。ベースのヒロ出口こと山口寛雄には「コブクロの方ですか?」と話しかけたり、トランペットの元妹子こと村上基には「エドシーランですか?」と話しかけたりしつつ、この元妹子とサックスのTAKE島流しこと武嶋聡のシンセでいきなりYMOの「Rydeen」を弾かせ、さらにはここに「あなた~あなた、私なの?~♪」なんていう奇妙な替え歌載せて歌ったりと、相変わらずのネタ満載のMCとなっていました。

さらに「君がいない幕府」「旧石器ベイベ」「憲法セブンティーン」をメドレー形式で聴かせた後は、再びステージ前に幕が下ります。インターリュード的なインスト「レキシ ト ア・ソ・ボ」をバンドメンバーのみの演奏で奏でる中、スクリーンには「レキシ、変わらなきゃいけないの?」と問いかけるナレーションが、エヴァンゲリオンの最終回を彷彿とさせるような映像をバックに語られます。

そして再び登場したレキシは、前半のロッキンな衣装から一転、いつも通りの袴スタイルで登場!ここからはいつも通りのレキシのステージといった感じで、おなじみ「きらきら武士」で盛り上げた後、おなじみ「KMTR645」へ。最初、「今日はロックだからイルカの風船はなし」と語っていたのですが、予想通り、おなじみのイルカのビニール風船が登場。イルカのビニール風船のよしお君は「ロック」ということでなぜか目の部分にサングラスが書かれていました。そして恒例、「KMTR645」にのせてイルカのビニール風船が客席を舞います。この日は一番前の席ということで、しっかりイルカのよしお君にタッチすることが出来ました(笑)。

さらに「KMTR645」の途中では、パンクロック風?ということでブルーハーツの「リンダリンダ」が歌われたり、さらにはX JAPANの「紅」が突然間に挟んできたりと、ここらへんのネタ満載なのは相変わらず(笑)。そして大盛り上がりのうちに本編終了…という雰囲気なのですが、池ちゃん含んでメンバーはステージ上から去らず。アンコールの拍手を観客に求めて、少しだけアンコールの声が飛んだかと思うと、そのままアンコールに突入しました。

アンコールでは…何もやらないうちに客席からは、ライブグッズの稲穂のレプリカをみんな掲げます。この日は新商品ということでLEDを組み込んで光る稲穂が登場。暗い観客席の中で非常にきれいに光っていました。私も最前列の特権で後ろの客席をふり向いたのですが、客席全体が非常にきれいに輝いていました…稲穂なのに(笑)。

そしておなじみ「狩りから稲作へ」に突入。またいつものノリで、「たかゆかしき~♪」から「たかおかさき~♪」に変わって、さらには「げきだんしき~♪」となり、最後は「げきだんしき~キャッツ!」と叫ぶというお決まりの展開に…と思うと、なぜか池ちゃん、「キャッツ!」の後に突然怒り出してステージから去って行ってしまいます。急な展開にあわてふためくバンドメンバーたち。池ちゃんを呼び戻すべく、メンバー全員がステージを去っていきます。

…とおもむろにスクリーンが下がり、コント(?)がスタート。楽屋に戻った池ちゃんは「変わらなきゃいけないのに結局一緒じゃないか」といら立ちが隠せない様子。そこに登場したのがキャッツにちなんでか猫の格好をしたやついいちろう(笑)。なぜか悪いのはいつまでも変われないバンドメンバーということになり、「行くところまで行って戻れないようにしなくちゃ駄目だよ」という話になぜかなり…

そしてメンバー全員が再びステージに登場するのですが、最後のコスプレはなんと全員、セーラー服の女装という格好!!みんなで「セーラ服をぬがさないで」ならぬ「セーラ稲穂を揺らさないで」なる曲をアイドルさがならに踊りながら歌います。これには会場も大爆笑。最後はこの格好で「狩りから稲作へ」の続きを歌った後、「LOVEレキシ」で締めくくり…かと思いきや、最後はおニャン子クラブの「じゃあね」をバックに再びアイドルさながらに踊りながらステージを去っていきました。最後は池ちゃんみずから大きく「じゃあね」と書道で書かれた看板をかかげてライブは終了。3時間弱のステージでした。

そんな訳で「アナザーレキシ」と題うたれ、ロックだったりアダルティーだったり、「ネタ」ではなく曲を聴かせるような構成で、確かに特に前半に関しては、いつものように曲の中でこれでもかというようにネタを入れるスタイルではなく、普通に曲を聴かせるステージになっていました。とはいえ、そんな展開は前半だけ(笑)。後半はいつもの通り、ネタを挟みまくりのユニークなステージで、イルカのビニール風船やら「キャッツ!」やら定番のネタは今回も登場。もっとも前半も「曲を聴かせる」といいつつ、ちょこちょこネタを挟んだり、ユニークなMCを聴かせたりと、非常に楽しいステージだったのは相変わらずだったんですけどね。

結局、最後は非常にレキシらしいステージで締めくくり。なんだかんだいってもやはりレキシらしいエンタテイメントあふれるユーモラスなライブに仕上がっていました。いやあ、今回もとても楽しいステージで、あっという間にライブが終わった、非常に濃い3時間でした。特に今回はほぼ最前列でステージを見せたということもあり、細かい部分も含めて、ネタを堪能できた3時間。ライブに行くことを決めたのが開演わずか3時間半前だったのですが、心から足を運んでよかったなぁ、と思えたステージでした。

おそらくこの日のステージが私の今年のライブ納め。しかし最後の最後でとても楽しいライブに出会うことが出来ました!昨年に続き、2年連続2度目のレキシのライブとなったのですが…また、是非ともレキシのライブには足を運びたいです!!

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2019年12月 1日 (日)

貴重な初期楽曲を中心に

COALTAR OF THE DEEPERS 25TH ANNIVERSARY "THE VISITORS FROM DEEPSPACE"TOUR 2019

会場 名古屋アポロベイス 日時 2019年11月25日(月)19:00~

Deepers_live

最近は大槻ケンジ率いる特撮での活動や、アニメやアイドルへの楽曲提供などで精力的に活動しているNARASAKI。もともと彼の「本籍」はCOALTAR OF THE DEEPERSというバンドなのですが、ここ最近は彼の多忙さもあってか、散発的な活動となっていました。ただここ最近、昨年からEPのリリースがあったりと、徐々にDEEPERSとしての活動も増加。今年はデビューアルバム「THE VISITORS FROM DEEPSPACE」リリースから25周年ということで、全国ツアーを実施。名古屋でもライブが行われる、ということで本当に久々、DEEPERSのライブに足を運んできました。過去にさかのぼると2002年に渋谷のCLUB QUATTROでライブを見ていたりするので、実に17年ぶりのライブとなりました。

会場はアポロベイスという比較的小さめのライブハウス。残念ながらソールドアウトとはならなかったようで、9割程度の客の入り。ただ、そのため比較的間近で、余裕をもってライブを楽しむことが出来ました。で、19時10分頃にまずは登場してきたのがKAIMY PLANETSというバンド。今回名前も音もはじめて聞くバンド。3ピースバンドで、女性ドラマーという構成のバンドでした。

楽曲のタイプとしてはシューゲイザーの影響を感じるギターロックで、ガレージロックやハードロックの要素も強い感じ。憂いを帯びたメロディーラインといい、DEEPERSからの影響も感じるバンドで演奏にも迫力があり、かなりの好印象。全5曲30分程度のステージだったのですが、なかなか惹きつけられました。会場も盛り上がり、会場の空気もいい感じで暖まった中、DEEPERSの登場を待ちます。

セットチェンジが終わり、ちょうど20時頃にメンバーが登場。そして最後にパーカー姿でフードを頭にかぶったNARASAKIが登場。「おはよう。DEEPERSはじまるよ」という脱力感あるセリフからライブがスタートしました。この日は1stアルバムの再現ライブということもあり、1stアルバムの曲以外も比較的初期のナンバーが並ぶ構成に。序盤からまず「The Breastroke」、1stアルバムから「Earth Thing」、そして「Cell」と続きます。2002年のライブの時も感じたのですが、CD以上にNARASAKIの声が出ていない…。序盤から迫力あるバンドの演奏で飛ばしまくっているのですが、正直前半に関しては、まだバンドとしての本領が発揮されていないように感じました。

ただ、バンドとしておそらく勢いに乗って来たのが中盤戦、「Sarah's Living For a Moment」あたりからかもしれません。印象的なギターのストロークで会場から大きな歓声があがり、その会場の盛り上がりに呼応するかのように、バンドとしても勢いを増してきました。さらに「Submerge」でさらに盛り上がり、おそらくこの日一番のクライマックスが「The Visitors」。曲の前のMCで、この曲にコンセプトを考えてきたそうで、この日は四部構成とオリジナルより長尺に。最初は優しい雰囲気のポップな感じでスタートするのですが、中盤からどんどん盛り上がっていき、フリーキーなサウンド、さらにはサイケデリックなサウンドへの進化。バンドメンバー全体が真ん中を向いて息をあわせて、爆音でリスナーを圧倒するステージに。緊迫感ある息をのむような演奏を見せ、DEEPERSのバンドとしての実力をこれでもかというほど発揮したステージとなっていました。

そしてここからステージは一気に終盤戦に。「Snow」「Amethyst」「Summer Days」など1stアルバムからの曲が連発。いずれもアップテンポな勢いのある曲で、この頃からNARASAKIのボーカルもはっきりと聴き取れるように(笑)。CDで聴かせるような、意外とキュートな感じのボーカルと、そこから一転、デス声を繰り広げるようなボーカルスタイルがとてもユニーク。バンドの演奏も勢いが増してきましたし、それと同時に会場のテンションも一気にあがっていきます。そして最後は「Blind Love」「Blink」で本編は一度締めくくりとなります。

時間の関係かアンコールでは比較的あっさりとメンバーが再登場。ラストは比較的ポップなメロが楽しめる「When You Were Mine」、そしてそれが終わるとNARASAKIがおもむろにトランペットを取り出し、哀愁あるフレーズを奏で、ラストは1stアルバムから「Killing An Arab」で締めくくり。最後の曲ではヘヴィーでメタリックなバンド演奏を聴かせライブは締めくくり。アンコール込で約1時間45分のステージとなりました。

そんな訳で、1stアルバムからの曲に加えて、初期の代表曲をふんだんに取り入れたライブ。個人的には彼らにはまったのが「Come Over To The Depend」からなので、それ以降の曲も聴きたかったかな、というのもちょっとあることはあるのですが、それでも貴重な初期ナンバーの曲の連続に多いに楽しめるライブになっていました。MCも比較的少な目で、約1時間45分のライブが一気に展開されるステージ。序盤は若干不安に感じる部分もあったのですが、後半は文句なしにCOALTAR OF THE DEEPERSのライブの魅力を堪能できたステージでした。

またDEEPERSのライブは見てみたいけど…NARASAKIが忙しいので、なかなかDEEPERSのライブはやらないんだよなぁ。ちなみに12月に新曲が配信されるらしく、12月30日の東京でのライブでCDも発売されるとか。そちらも気になるのですが、残念ながらこの日はその新曲は演らず!ただ次は是非ともニューアルバムを!そしてそのアルバムをひっさげてのツアーを!期待したいところなのですが、さてさて。

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2019年10月18日 (金)

最後の「デイリーライブ」

あいちトリエンナーレ2019 円頓寺デイリーライブ

七尾旅人

会場 円頓寺駐車場 日時 2019年10月11日(金) 19:00~

何度も足を運んでここでもライブレポートで紹介してきたあいちトリエンナーレの企画、円頓寺デイリーライブ。長く続いたこの企画もついに最終回。最後はシンガーソングライターの七尾旅人が登場しました。彼のライブは2011年のライブフェス「Our Favirite Things」ではじめて見たのですが、予想以上に素晴らしいステージに感動して、また見てみたい…と思いつつ、そこから8年、なかなか彼のステージを見る機会もなく、今回のデイリーライブが久々に見た彼のステージとなりました。

Nanaotabito1 そんな訳で会場には20分くらい前に到着。既にステージ上には七尾旅人の姿が。音合わせの最中だったのですが、10分くらい前にはステージ前にはかなりの人だかりが。そんなこともあって「時間の前だけど、サウンドチェックということで」ということで18時50分くらいにライブがスタート。この日のステージは相羽崇巨という名古屋在住の筋ジストロフィーの詩人が車椅子で登場。彼とは愛知県のライブイベント「リゾームライブラリー」で知り合ったとか。2人でのコラボライブとなりました。

まず最初は「星に願いを」のカバーからスタート。途中、相羽崇巨に七尾旅人が惑星の名前を尋ね、「水星」と答えると、水でうがいする音を出したり、「金星」と答えると、金星をイメージしたような音をサンプリングマシーンから出そうとしたり・・・と惑星にちなんだパフォーマンスを披露。「土星」と答えると、かぶっていた帽子を思いっきり回したり(土星の輪のイメージ?)、最後、「天王星」ではにこやかに微笑みながら手をゆっくり振って…つまり「天皇」の真似をしたんですね。かなりユーモラスなパフォーマンスで会場を沸かしました。

続いては「ストリッパーのおねえさん」へ。東京に上京してきた頃のエピソードを元にした歌詞だそうで、物語性ある歌詞をアコギ一本でじっくりと聴かせます。さらに相羽崇巨が自らの詩を朗読します。もちろん彼の詩を聞くのは今回がはじめてなのですが、結構大柄な方なのですが、その声と詩は非常に繊細な内容な印象に残ります。その彼の詩の朗読に合わせて、七尾旅人がギターをつま弾きながら、詩に合わせて、時折ハミングを加えていました。

Nanaotabito2

そこから一転「Across Africa」ではアフリカを彷彿させる自然の音をサンプリングマシーンから出しつつ、途中、観客とのコールアンドレスポンスで盛り上がり、静かなここまでの雰囲気から一転してスケール感あるステージを見せてくれました。さらに「きみはうつくしい」で再びその歌声を聴かせ、そこからそのまま再び相羽崇巨の詩の朗読へ。そして再び七尾旅人の「蒼い魚」へとそのまま続きます。アコギでしんみり聴かせつつ、サンプリングマシーンから波の音を出し、会場はまるで海辺のような雰囲気となりました。

Nanaotabito3

そして続くは彼の代表曲のひとつといえる「Rollin'Rollin'」へ。会場からは大きな歓声があがり、一気に盛り上がります。途中、観客席からおそらく14~5歳くらいの観客の少女をステージ上に引き上げます。彼女にトランペットのおもちゃのようなものを手渡し、七尾旅人の頭をそれで叩くようにお願いすると…あら不思議、「ガチャガチャ」「ビヨーン」みたいなコミカルな音が飛び出してきました。この少女がトランペットで七尾旅人の頭を叩いて飛びだしてくるユニークなリズムの音にあわせて曲が続き、会場は大盛り上がりとなりました。

Nanaotabito4 さらにもう1曲、彼の代表曲とも言える「サーカスナイト」へ。これにも再び会場からは大きな歓声があがります。すると曲の途中でいきなり七尾旅人が観客の上に。そのままサーフのように観客に運ばれ、ステージの横にあるお立ち台のようなステージに。さらにここでも5~6歳くらいの少女を再びステージ上に引き上げ、彼女と一緒に「サーカスナイト」をメロウに聴かせます。女の子は途中、曲にあわせてはしゃいだして、とてもかわいらしかったです(笑)。

最後は再び相羽崇巨の詩の朗読へ。「優しい声」という歌詞で、タイトル通りの優しく繊細の愛を綴った詩に聴きほれます。そしてそのまま七尾旅人の「きらきら星」へ。夜空の下で会場たっぷりに歌い上げ、20時ちょっと過ぎにライブは幕を閉じました。

そんな訳で1時間強のこの日のライブだったのですが、期待した通りの素晴らしいステージでした!とにかく彼の歌声は非常に繊細で美しく、かつ楽曲もそんな彼の歌声にマッチするような素晴らしい楽曲ばかり。また、この日のコラボとなった詩人の相羽崇巨の詩の朗読もこれまた素晴らしく、七尾旅人の曲のイメージともマッチしていました。一方でそんな曲の合間に見せる七尾旅人のユーモラスなパフォーマンスもまた強い印象を残すステージで、とても素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。なんだかんだいって8年ぶりとなってしまった七尾旅人のライブ。次はもっと短いスパンで足を運びたいです!また、今回、何度も足を運んだあいちトリエンナーレのデイリーライブ、この企画もとても素晴らしい内容で、その最後が七尾旅人という人選も素晴らしい!ほどよい満足感を覚えつつ、会場を後にしました。

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2019年10月13日 (日)

結成30周年の記念ライブ

フラワーカンパニーズ presents DRAGON DELUXE DELUXE

フラワーカンパニーズ/スピッツ

会場 名古屋国際会議場センチュリーホール 日時 2019年10月4日(金)

今年、結成30周年を迎えた名古屋出身のベテランロックバンド、フラワーカンパニーズ。その結成30周年を記念したライブイベントが先日、彼らの地元名古屋のセンチュリーホールで開催されました。以前から彼らが主催して行っていたライブイベント「DRAGON DELUXE」のさらに「DELUXE」と題された今回のライブ。以前、フラカンについては2011年におこなわれた今は亡き夏フェス「Rock on the Rock」でそのステージを見て、とても素晴らしいライブだったので一度見ていたい・・・と思いつつ、それから8年。今回のこのライブイベント開催を知り、じゃあ是非見てみよう、ということもありチケットを確保しました。

今回のライブイベント、ゲストミュージシャンの名前が伏せられており、一般販売が開始された後もしばらくは名前が公表されないような状況でした。そのため、おそらく発表されたらセンチュリーホールクラスはあっという間にソールドアウトしてしまうような大物なんだろうなぁ、という期待をしつつチケットを確保。そしてしばらくするとゲストミュージシャンがスピッツと発表。これにはおもわずガッツポーズしてしまいました(笑)。そんな訳で、通常ならアリーナクラスのライブではないとなかなかチケットが確保できないスピッツのステージを思いがけず彼らとしては狭めの会場で見ることが出来ました。

Flower01

←そんな訳で、スピッツのおかげ(?)で見事、会場もソールドアウト。もっとも、フラカンのステージでは会場全体が盛り上がっていましたので、決してスピッツのみが目当ての観客が多かった訳ではなく、私のようにはじめて来た観客や久々に足を運んだファン、遠隔地からのファンも多かったのでしょう。当初開演時間をしばらくすぎると、まずはフラワーカンパニーズの4人がステージに姿を現します。まずは挨拶と開幕の宣言、そしてゲスト、スピッツの紹介と続き、まずは待望のスピッツの登場となりました。

メンバーのうち、ベースの三輪テツヤは素肌にサスペンダーデニムといういで立ち。このスタイル、フラカンのグレートマエカワのスタイルを真似ており、それで笑いのような歓声も(笑)。そしてライブは「ハイファイローファイ」そして「メモリーズ」とライブ映えするロックな曲が続きます。

その後は挨拶を兼ねたMCがあり、リリース予定の新譜「見っけ」からの新曲。さらに「魔法のコトバ」と続きます。そして、それに続いてはフラワーカンパニーズのナンバー「ビューティフルドリーマー」のカバー!これには会場からも大きな歓声が。その後のMCでは草野マサムネが「フラカンと自分たちって似たようなタイプのバンドなんだよね」「先日、RADWIMPSの『前前前世』のカバーをやったんだけど、全然違う。フラカンだと自分が思った通りに曲が展開していく」「きっと同世代のバンドだからなんだろうけど・・・」という話をしていました。

さらに最新シングルの「優しいあの子」を挟んだ後、「トンガリ'95」「8823」とライブ映えするアップテンポなナンバーが続き、最後は彼らの大ヒット曲「涙がキラリ☆」で会場を盛り上げ、約45分でステージから去っていきました。

そして15分程度のセットチェンジの後、お待ちかねのフラワーカンパニーズの登場。まずはいきなり彼らの代表曲「深夜高速」からスタート。さらには「はぐれ者賛歌」「永遠の田舎者」と続き会場を盛り上げます。以前のフェスの時にも感じたのですが非常に力強い迫力ある演奏にまずは惹きつけられつつ、MCへ。鈴木圭介が「普段は東京に住んでいるけど名古屋人です!」といったら、グレートマエカワに「普段は東京人って言ってるじゃん」と突っ込まれたりして(笑)いましたが、やはりそこは名古屋出身のバンド、30周年の記念ライブは名古屋でやることを決めていたとか。この日はグレートマエカワと竹安堅一の母校である高校の同窓会からもお祝いの花束が届いていました。Flower2

(写真右:その母校の同窓会からの花束。ちなみに自分の出身地と同じく「区内」の地元中の地元で、そういう意味ではちょっとうれしくなったりして)そんなMCを挟みつつ、その後は最新アルバム「50×4」からのナンバーなどが続きます。さらに「名古屋にいた時につくった曲」ということで25年以上前の「暖かいコーヒー」という曲を。こちらはタイトル通り、アコースティックで暖かい雰囲気の曲となっていました。

そしてその後はメンバー紹介から「真冬の盆踊り」へ。この曲では会場全体が手を上にあげて一体となって踊りまくります。途中、メドレー的にスピッツの「メモリーズ」のカバーに会場からも歓声が。会場全体が盛り上がった中、ラストチューンということで「サヨナラBABY」で締めくくり。全50分のステージでした。

その後はもちろん盛大なアンコールへ。正直、フラカンのステージがたった1時間弱でちょっと早いな・・・と思っていたのですが、セットチェンジではドラムセットが2つセット。マイクもステージ前方に6本用意され、やがて出てきたフラカンのメンバーも「お気づきだとは思いますが・・・」とスピッツのメンバーを呼び出します。ここらからは、なんとフラカンとスピッツのメンバー合同によるステージに。草野マサムネ曰く、ボーカリストとして1人だけ参加したセッションは多かったけど、バンド全体が一緒にやるということははじめてでは?ということでした。

そんな豪華なセッションライブ。まず最初は鈴木圭介からのリクエストということでスピッツのデビューシングル「ヒバリのこころ」からスタート。基本的に楽器部隊は全員そろっての演奏で、鈴木圭介と草野マサムネは1番ずつ交互に歌うスタイル。ちょっと意外な選曲に、曲が終わった後、草野マサムネが「なんでこの曲?」と聴いたら、「ただただ好きなんです!」とちょっと恐縮したように答えていました。

その後はフラカンの「最後の夏」、そしてスピッツの「野生のポルカ」とお互いの曲を交互に披露。曲の合間にMCが入るのですが、草野マサムネの方が先輩ということで鈴木圭介が妙に恐縮していました(笑)。さらに「野生のポルカ」の後は地元ネタということでスガキヤの話も。この日はバックステージのケータリングでスガキヤが提供されたとか。またスピッツがフランスでジャケットの写真を撮影した時、なぜか街中でスガキヤのカップラーメンを売っていた話などで盛り上がります。マサムネもそんなにたくさん話すタイプではないし、鈴木圭介も先輩の前で恐縮していたのに、「お互い50歳を過ぎちゃうと、なぜか話が長くなったうんだよね」となぜかタラタラとMCが続きます(笑)。で、終電になってしまう人もいるから、ということで「スピッツにないナンバーを」(byマサムネ)と「恋をしましょう」へ。確かにスピッツにはないハードなナンバーで、ラップ気味のハイテンポな歌詞を歌う草野マサムネという貴重なカバーを聴くことができました。

そして、曲が終わると、スペシャルゲストということで、なんと!スガキヤのキャラクター、スーちゃんが登場!そっか、スガキヤの話をしていたのは、この前振りなのか(笑)。意外なゲストに、この日一番ではないか?というほどの大歓声が上がりました(ちなみに大きなビニール製の着ぐるみの人形ですよ、念のため)。そしてこの日最後は、「フラカンの曲でもスピッツの曲でもない曲を」ということでなぜかCHAGE&ASKAの大ヒット曲「YAH YAH YAH」へ。いや、なぜフラカンのイベントでチャゲアス???と思いつつも、この曲で盛り上がらないのは嘘でしょ、といった感じで会場は大盛り上がり。観客も私と同じくらいのアラフォー世代がメインなので、この曲はちょうど世代的にピッタリなんでしょうね。フラカンとスピッツによる「YAH YAH YAH」のカバーという貴重なステージを堪能しつつ、このアンコール(というより第三部)は約45分、9時15分頃にライブは幕を下ろしました。

最初、フラカンのステージが1時間弱で終わった時は予想よりもかなり早いな、と思ったのですが、結果としてアンコール、というよりも最後のジョイントのステージも含めて事実上、3部構成のようなライブとなっており、スピッツの演奏も前座的なライブのゲストという感じではなく、フラカンと同様にお腹いっぱい楽しむことが出来ました。

久しぶりにフラカンのステージを見たのですが、やはり迫力満点のステージは非常にカッコよく、センチュリーホールのような大きめな会場もいいのですが、ライブ会場も似合いそうなそんな印象も強く受けました。またライブバンドとしても非常に魅力的なバンドであることを再認識しました。スピッツももちろん、すばらしいメロの曲にあらためて聴きほれつつ、ロックバンドとしての骨太さも感じられたステージ。スピッツのライブも2011年に見たワンマンライブ以来久しぶりだったのですが、やはりスピッツのライブはいいなぁ、とあらためて感じたステージでした。

そんな訳で、フラカンとスピッツという2組のバンドが同時に見れる非常にお得感の強いライブイベント。最初から最後までとても楽しむことが出来ました。どちらもちょっと久々となってしまいましたが、またもうちょっと間をあけずに彼らのステージを見てみたいなぁ。とても楽しめた3時間弱のイベントでした。

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2019年10月 6日 (日)

奇跡の復活ライブ

TOUR「NUMBER GIRL」

会場 名古屋ダイアモンドホール 日時 2019年9月27日(金)19:00~

1995年に福岡市博多区にて結成。1999年にシングル「透明少女」でメジャーデビュー後、瞬く間に絶大な支持を集めたNUMBER GIRL。結果としてメジャーデビュー後わずか3年の活動の後に解散したものの、いまだに多くのロックバンドへ影響を与え、今や「伝説のバンド」の感も強くなった彼らですが、なんと解散から15年を経て今年、奇跡の再結成。チケットはかなりの争奪戦となったようですが、無事チケットを確保。NUMBER GIRLの復活第1弾ライブに足を運んできました。

Numbergirllive

個人的にNUMBER GIRLはかなり思い入れの深いバンドで、デビュー直後に当サイトに遊びに来てくださっている方から薦められてライブを見に行き、その後もコンスタントに足を運び、何度もそのライブを見てきました。今回のライブは、東京でのラストライブとなった2002年のZepp Tokyoでのライブ以来、約17年ぶり(!)となるステージ。ほぼ定刻通りの19時に、Televisonの「Marquee Moon」にのってメンバーが登場しましたが、この4人が再び同じステージに立つなんて・・・と感慨深いものがありました。

大歓声の中スタートした1曲目は「鉄風 鋭くなって」からスタート。その音が奏でられた瞬間から「あぁ、ナンバガの音だ・・・」と唯一無二のサウンドに感動し、懐かしさも感じると共に、17年ぶりにも関わらずバンドとして一体感のある迫力ある演奏に驚きもしました。さらにアヒト・イナザワの「1、2」という掛け声にうれしさを感じつつ2曲目は「タッチ」。これも個人的にかなり聴きたかったナンバーなだけにはじまった瞬間、思わず歓声を上げてしまいました。

さらに「ZEGEN VS UNDERCOVER」に「IGGY POP FUNCLUB」とライブの定番曲が続きます。そしてここでようやく向井秀徳のMC。「ナゴヤシティー!」という掛け声が第一声。そしておなじみの「福岡市博多区からやってきましたNUMBER GIRLです」という自己紹介に胸が熱くなりつつ「裸足の季節」へ。その後は曲の前に曲のタイトルにちなんだ向井秀徳の口上が入り、これまた彼らの代表曲「透明少女」へ。さらに「そんなあの子は17歳」というおなじみの口上から「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」と続きます。さらに「今日の良き日に…」という口上からスタートしたのは「NUM-AMI-DABUTZ」!以前と何ら変わりのないエッジの効いた演奏にテンションも上がっていきます。

その後も「SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE」「DESTRUCTION BABY」さらには向井秀徳の「漫画の歌」という簡単な紹介からスタートした「MANGA SICK」、「SASU-YOU」と続いていきます。さらに「U-REI」では以前のライブバージョンに比べるとかなり激しいギターノイズを前に押し出したサウンドに。「TATOOあり」の出だしの歌も、以前に比べるとかなり哀愁感の増した向井秀徳の歌を聴かせてくれます。

ここでまさかの「水色革命」。以前のライブでもあまり聴いた記憶はなく、再初期のナンバーなだけに他の曲と比べて爽やかでポップな作風のナンバーがここで演奏されるのはかなり意外な印象が。さらに「もはや日常か非日常かわからなくなった私に捧げます」という口上に軽い笑いも起きつつ「日常に生きる少女」へと続いていきます。

そして、「ナゴヤシティー!また来ます」という短いMCから「福岡市博多区からやってまいりましたNUMBER GIRLです。ドラムス、アヒト・イナザワ」というおなじみの口上からアヒトのドラム、そしてそして、待ってました!「omoide in my head」へ!これにはテンションが上がりまくり。この曲は以前のライブでは最後の曲としておなじみだっただけに、これでラストか?と思いきや、最後にもう1曲「I don't know」でシャウト、そしてすさまじい轟音を聴かせつつ、本編は幕を閉じます。

以前から必ずしもアンコールのあるバンドではなかっただけに、どうなるのかなぁ、と思っていたのですが会場は明るくならず、やがてメンバー4人が再登場。これまた意外性ある選曲だった「大あたりの季節」から、なぜかこの日2回目の「水色革命」へ。なぜ2回目?1回目の出来に納得がいかなかったのかなぁ・・・とちょっと訝しく感じてしまいました。ただ演奏は2回とも素晴らしいと思ったのですが・・・。

最後は「TRAMPOLINE GIRL」から、再び「福岡市博多区からやってまいりましたNUMBER GIRLです。ドラムス、アヒト・イナザワ」からラストとしては定番中の定番の「omoide in my head」をこの日2回目。こちらもかなり意外だったのですが、こちらは他のライブでも2回演ったようで、素直にファンサービスでしょうか?もちろん会場のテンションは最高潮のまま終了。最後は簡単なメンバー紹介から「また会いましょう」といううれしい一言があった上で、これまたおなじみの「乾杯」の、実に向井秀徳らしい締めセリフで終了しました。

そんな訳で全編2時間弱。おなじみのナンバーの連続で、17年前に戻ったのかのような胸の熱くなってくるステージでした。特にステージ上の演奏はいい意味で昔と変わっていないテンションと切れの鋭さ、そして迫力を感じさせ、久しぶりというのが信じられないくらいの素晴らしいステージを見せてくれました。

ただ一方では以前から変化を感じるような部分も少なくなく、特に向井秀徳のボーカル。「IGGY POP FAN CLUB」や「TATOOあり」では感情のこもった歌声が強い印象に残ります。ただただシャウトするだけだった以前と比べるとボーカリストとしての深みを感じさせるステージで、以前よりも彼の歌声に強いインパクトを感じます。それだけ彼が年齢と経験を重ねて味が出てきたということでしょうか。この彼のボーカリストとしての「進化」が大きく印象に残りました。

さらに強い印象に残った曲が「日常に生きる少女」。こちらはイントロと途中にこれでもかというほどのギターノイズを展開する迫力ある轟音を披露。かと思えば向井秀徳の歌を前面に押し出したような部分もあったりと、緩急つけたバンドサウンドも印象的。以前と比べるといい意味での複雑さが増したナンバーへの進化を遂げていました。ほかにも「YOUNG GIRL SEVENTEEN SEXUALLY KNOWING」が以前に比べるとちょっとゆっくり目の演奏となり17歳の少女の感情をより伝えようとする演奏になっていたりと、以前と比べるとより味わい深さを感じさせるステージになっていたように感じます。

また、ステージ全体としては最初から最後までテンションがはりつめたようなステージでした。観客からの呼びかけにも基本的に応じることもなく、メンバー間のやり取りもなし。MCも基本的にお決まりの口上だけ。おそらく昔からのファンによる「お互い歳を取ったな!」という掛け声にも向井秀徳本人は応じることなく、中尾憲太郎がちょっと苦笑いをした程度(笑)。ただ、逆にこの日のステージ全体が彼らにとって練りこんで作り込まれた一種の芸術作品の完成品にすら感じてしまいました。さらにある種の馴れ合いを排じたステージだけに最初から最後まで一切テンションが切れることのなく、バンドとしての一体感を強く感じさせるステージになっていたように思います。

そんな訳で17年のブランクを一切感じさせない…どころか、ここに来てバンドとしての進化すら感じさせるようなステージになっていました。個人的な思い入れもあって、非常に懐かしさに胸が熱くなってくるライブだったのですが、そんな感情を抜きとしてもすさまじいステージだったと思います。これはまたナンバガのライブに何度も足を運ばないといけないですね!今後は再びコンスタントに活動を続けて行くのでしょうか?若干、このテンションを今後も維持していくのは大変そうだなぁ、と感じる部分もあるのですが、これからの彼らの活動に期待したいところです。いや、すさまじいステージでした。

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2019年9月21日 (土)

デイリーライブ3度目

あいちトリエンナーレ2019 円頓寺デイリーライブ

環ROY

会場 円頓寺駐車場 日時 2019年9月13日(金) 19:00~

以前も何度かここでライブレポをお送りしたあいちトリエンナーレ2019の企画、円頓寺デイリーライブ。また、良さげなライブがあったので足を運んできました。今回のライブは環ROYというラッパーのステージ。音源などは聴いたことないのですが、名前は良く聞くラッパー。どんなステージを見せてくれるのか興味があったため、再び円頓寺まで出かけてきました。ちなみに、以前のデイリーライブでは一緒に足を運んだU-zhaanのChilla: 40 Days Drummingは、このデイリーライブの行われた週の月曜日に終了したため、今回見に行ったのはデイリーライブのみとなります。

Tamaki_roy1 

19時を過ぎてすぐに環ROYが登場。この日はベアのステージに、脇にDJセットが設置されているだけのステージ。ライブは完全に環ROYのみのステージで、バックで流れるトラックも彼がDJセットをいじりつつ進行していくステージでした。まず彼が登場するとおもむろにアカペラでラップを披露。会場は8割程度の人の入りといった感じだったのですが、後ろまで声が届いているのか散々に質問をなげかけている・・・のですが、フリーライブの悲しさか、後ろの方の反応はいまひとつ・・・。とはいえ、そんな雰囲気にもめげずに、しばらく続いたアカペラのラップに続き「On&On」へ。いままでのトラックなしのラップとは一転してダイナミックなトラックの楽曲になっており、まずは会場を盛り上げます。

その後は「Offer」「食パン」と続きます。最初にも書いた通り、彼の曲は基本的に今回はじめて聴いたのですが、特に「食パン」は力強いビートが鳴る中、郷愁感を覚えるトラックが印象に残るナンバー。メロディアスな雰囲気のサウンドが強く印象に残りました。

3曲が終わるとMCへ・・・と思いきや、そのままフリースタイルのラップへと移行。そのフリースタイルはなにか一貫したストーリーがあるわけではなく、頭の中で思いつくまま韻を踏んだ単語が次々と登場してくるようなスタイル。全く異なる言葉がいきなり飛び出したりして、全く先の見えない展開に。コミカルでユニークな言葉が飛び出してくることもあり、聴いているだけでおもしろいステージに。

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その後は「フルコトブミ」へ。この曲もメロウなトラックが耳を惹くナンバー。さらに再びフリースタイルを間に挟み、「古い曲を」ということで「Break Boy in the Dream」へ。この曲は七尾旅人がフューチャーされ、歌パートを歌っているのですが、この日は七尾旅人のパートは彼の歌の録音が流れるスタイルで。さらに「そうそうきょく」「go Today!」と続きますが、いずれもラップながらも歌心を感じるメロディアスなナンバーで、メロディアスなポップスを聴くような感覚で楽しめるステージとなっていました。

さらに再びMCからそのまま続くようにフリースタイルのラップを披露した後、最後は「めでたい」へ。この曲も途中に歌のパートがあるのですが、ここは環ROYが自らマイクを取り歌を披露。その歌声を聴かせます。そして曲が終わったのは20時の5分くらい前。アンコールを求める声ももちろんあったのですが、ちょうど8時までしか使用できない時間制限のようで、アンコールを求める観客とのやり取りがちょっとあった後、20時ほぼちょうどに会場を去っていきました。

そんな訳で例によってピッタリ1時間のステージ。この日、環ROYをその楽曲含めてはじめて聴いたのですが、メロディアスなトラックや歌が流れる曲が多く、ポップという観点からも聴きやすく楽しめる楽曲がほとんどでした。また言葉を自由に行き来するようなユーモラス感あるフリースタイルのラップもとても楽しく、またどこか脱力感のあるキャラもユニーク。予想以上に楽しめた1時間のステージでした。

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↑MCの時に観客から「かっこいい!」と言われていたTシャツ。自作だそうです。

これだけ良いライブを1時間も見れてフリーライブとはなかなかお得感の高いイベント。9月となってこの時間帯はかなり涼しくなってきており、外でライブを見るのもとても心地よくなってきました。ほかにもいろいろと興味あるミュージシャンのライブが続くようですので、またこのイベントには足を運びたいです!

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2019年9月 9日 (月)

あいちトリエンナーレの企画へ、再び

あいちトリエンナーレ2019 Chilla: 40 Days Drumming&円頓寺デイリーライブ

U-zhaan/奇妙礼太郎

会場 なごのアジール/円頓寺駐車場 日時 2019年9月6日(金)

以前も足を運び、ここでレポートを紹介したあいちトリエンナーレの企画、Chilla: 40 Days Drummingと円頓寺デイリーライブ。U-zhaanのChilla:40 Days Drummingにもまた足を運びたいと思っていたのですが、デイリーライブもまた、奇妙礼太郎のライブにも興味があったので、また足を運んできました。

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まずはU-zhaanのChilla:40 Days Drummingを見るために、再び、円頓寺商店街をちょっとはずれた所にあるなごのアジールへ。以前、足を運んだ時は、中で見ている人は数人で余裕をもって楽しむことが出来たのですが、この日行ってみるとビックリ。18時15分頃に着いたのですが、会場はほぼ満員で、まるでライブハウスのよう。この企画、あいちトリエンナーレの閉幕に先駆け、9月9日(月)で終了。さらに最終日の9月9日は非公開ということもあり、平日の夜ではこの日が最終日。そういう意味で詰めかけた方も多いのかもしれません。

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そんな中、一心不乱にタブラの演奏に取り組んでいるU-zhaan。以前と同じようにiphoneに(おそらく)シタールの音色を取り込んで、その音色をバックにタブラを演奏するスタイルで演奏に取り組んでいました。40日のタブラ修行の終盤ということもあって、以前に来た時と比べて明らかに疲れている様子が・・・。ただ、タブラの演奏自体は衰えを感じさせないどころか、以前に比べて、より最小限にムダのない動きをしてエッジの効いた音になったような印象すら感じました。40日の修行でその演奏に凄みが増した・・・というのは、言い過ぎのせいでしょうか?

10分程度演奏をした後、休憩に。写真はその時に撮ったものです。電飾がついていて「あれ?周りのモニュメント的なものが増えたんじゃないか?」と思ったのですが、8月22日に行った時の写真を見ると、この電飾、その時もありましたね。その時はただ電気がついていなかっただけでした・・・。ちなみに休憩の時にいきなり横の扉からU-zhaan本人が登場してビックリ。思わず凝視してしまいました・・・すいません。客席に知り合いがいたみたいで、その方とちょっとお話をされ、練習場に戻ったかと思うと、敷物を持ってきて、「ここに座るといいよ」とわざわざ敷物を敷いてくれていました。かなりお疲れのご様子でしたが、やさしい方なんですね♡

休憩は10分弱程度で再び練習がスタート。今後はiphoneからの演奏抜きでタブラのみでの演奏に。かなりハイテンポでアグレッシブな演奏が続きます。あらためてタブラのみで演奏をじっと聴いてみると、わずか2つの太鼓にも関わらず、実に多種多様な音が飛び出していることにあらためて気が付かされます。それを自由にあやつり、単なるリズムではなくタブラが歌っているような演奏を聴かせてくれるU-zhaan。あらためて彼の実力を強く感じました。

で、30分程度U-zhaanの演奏を聴き入った後、後ろ髪を引かれる思いでなごのアジールを後にします。続いては19時からのデイリーライブ。奇妙礼太郎のステージなのですが、この日は会場の駐車場からはみ出るほどの観客スペースが設けられて人もギッシリ。奇妙礼太郎って、こんなに人気だったんだ・・・と正直なところ、ちょっと驚きました。

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スタート時間の19時をちょっとだけまわったところでこの日は奇妙礼太郎1人のみがアコギをかかえて登場。最初はそのインパクトあるタイトル&メロディーもあって、彼の代表曲ともなっている「エロい関係」からスタート。公道のすぐ横にあるステージでこの歌を聴けるとは(笑)。さらにサビの「エロい関係」の部分を観客に歌わせるなど、のっけから盛り上がるステージとなりました。

さらにこの歌の最中に蚊にさされたそうで「蚊に刺された~♪」と即興で「蚊に刺された歌」を作って会場を笑わせます。その後、「ダンスミュージック」「君はセクシー」「Nobody Knows」とAORやフォークの色合いの強い、メロウでどこかセクシーさも感じさせる楽曲を聴かせてくれます。奇妙礼太郎は1枚、アルバムを聴いたことがあるのですが、この日のステージはそのアコギ1本でしんみり聴かせる歌声に非常に惹かれる内容に。色っぽいメロディーラインも実に魅力的で、アルバムではそこまでインパクトに残らなかったのですが、ライブではその素晴らしい曲にすっかり魅了されてしまいました。

その後は一度椅子に座って「汚れた天使」という曲を。しんみりとフォーキーに聴かせるのですが、この曲がまたエロい歌詞が印象的。ただ、一方では人間の内面をそのままあらわしたような歌詞が印象的で、そういう歌詞の世界も彼の大きな魅力ということに気が付かされます。さらに「年号が変わった時に作った曲」ということで「礼はいらない」という曲を。曲のスタートがいきなり「れいわ、いらない」からスタートしており、「なるほど・・・」と思ってしまいました(笑)(歌詞の内容は年号の令和とは一切関係ないんですけどね)。さらにその後は松田聖子の「赤いスイートピー」のカバー。これがアコギ1本で叙情感たっぷりに歌を聴かせるカバーになっており、その歌声にゾクゾク来てしまうようなステージでした。

そして椅子から立ち上がりアコギをかき鳴らしながらいきなりスピーカーが置いてある台の上で。「Johnny B. Goode」のギターのイントロを聴かせたかと思えば、なぜかスタートしたのは「お富さん」(笑)で、観客をあおります。その後はカバー曲。尾崎豊の「ダンスホール」、TOMATOSの「Rock Your Baby」、さらには西岡恭蔵の「プカプカ」と、前に歌った「赤いスイートピー」もそうですが、多種多様なカバーの選曲も魅力的。これをまたアコギ1本で、かつ感情たっぷりに歌い上げ、実に魅力的なカバーに仕上げており、そのボーカリストとしての実力も存分に感じさせてくれます。さらに最後は友人が作ったという「しらん節」という曲で締めくくり。最後は観客に「愛してるよ!」と叫ばせ、「5、4、3、2、1、8時!!」とカウントダウンをして8時ピッタリに終了。ほぼピッタリ1時間のステージでした。ちなみにアンコールはなし。回りに民家もある公共の場ですし、会場で音を出していいのが8時までなんでしょうね。

そんな訳ではじめて見た奇妙礼太郎のステージだったのですが、これが実に素晴らしい内容でした。AORとフォークの要素を取り入れたアコギ1本のステージは感情たっぷりながらもどこかエロさも感じさせる雰囲気が魅力的。メロディーにもインパクトがあり、彼がこんなに素晴らしいミュージシャンだったんだ、ということを今回のライブで気が付かされました。ちなみに曲の途中でいきなり「しゃちほこ~♪」「ういろう~♪」なんてフレーズを入れてきたり、いろいろな部分でユーモアの要素を詰め込んでおり、そういう点でもとても楽しいステージに。とても素晴らしいステージで、また是非足を運びたい、そう感じさせるライブでした。

満足度たっぷりで会場を後にしたデイリーライブ。1時間ピッタリのステージでこれが無料というのは実にお得感満載。これが2度目なのですが、今後も魅力的なステージが続くようですので、また是非足を運んでみたいです!U-zhaanともども、満足度の高い企画でした。

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2019年9月 8日 (日)

予想以上にロックでカッコイイステージ

ベッド・イン TOUR 2019「男女6人秋物語」

日時 2019年9月5日(木)19:00~ 会場 名古屋JAMMIN'

 「日本に再びバブルの嵐を起こすべく、80年代末〜90年代初頭へのリスペクト精神により完全セルフプロデュースで活動中。」の自称地下セクシーアイドルグループ、ベッド・イン。バブル期の日本の空気感をそのまま取り入れた楽曲が大きな話題となっている2人組ユニットなのですが、以前から一度ライブにも足を運んでみたく、ようやくはじめてのライブに足を運ぶことが出来ました。会場は名古屋伏見のJAMMIN'。今回、はじめて足を運んだライブハウスです。比較的新しい箱のため、中はとてもきれいな感じ。キャパは300人程度。この日の客の入りは2/3程度でちょっと寂しいかな、といった印象。ただ見る分には余裕をもって見ることができたのでよかったのですが・・・。ただ客層が、これは完全に予想していたのですが、アラフォー世代以上がほとんど。ベッド・インの「ネタ」がわかるのって、40歳以上ですからね~。もちろん、もうちょっと若い世代もいたのですが、客層的には予想通りといった感じでした。

19時を5分程度過ぎたところで会場が暗くなります。まずはサポートメンバーの4人が出てきて、そしておもむろにベッド・インの2人が登場。まずは「CO・CO・ROグラデーション」からスタート。原曲と比べてロック度が増したパワフルなアレンジとボーカルとなっており、会場を沸かせます。さらにWinkのカバー「Sexy Music」に「GO TO HELL・・・!」と続き、序盤からいきなりヒートアップしてきます。

そしてMCなのですが、これがバブル期から90年代の流行語をちりばめつつ、下ネタ満載のかなりどぎついMC(笑)。2人ともそのキャラクターから一歩も出ずに、まさに「バブル期のセクシーアイドル」という様相を貫きとおしたMC。下ネタの連続に子持ちアラフォーでもちょっとドギマギしてしまったのですが(笑)、非常によく考えられているトークにある意味、感心してしまいました。

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そんな下ネタ満載のMCとは裏腹に、「あゝ無情」「ZIG ZAGハートブレイク」とロックなナンバーが続くのですが、これがとにかくカッコいい!もともとロックバンド出身の2人だけにロック路線の方がある意味「本職」。ジャンル的にはこちらも80年代のハードロックといった感じなのですが、特に「ZIG ZAGハートブレイク」では中尊寺まいが思いっきりギターをかき鳴らすのですが、そのプレイスタイルに魅入ってしまいました。ディスコチューンの「真夜中のディスタンス」で会場全体を踊らせた後、ベッド・インの2人は会場を去ります。

↓ ちなみにバブル期アイテムの象徴的なジュリ扇がお決まりのアイテムで、この日は思いっきりジュリ扇が会場で舞っていました。

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で、サポートメンバーだけ残ったかと思えば、いきなりサポートメンバーの一人、舐める派JAPANのMCとなりました。なるほど、ベッド・インの2人はあのキャラがあるから、もっとフランクリーなMCはサポートメンバーが担当する訳か・・・。で、なんとサポートメンバーのみで1曲、BOOWYの「B.BLUE」を披露。これがカッコいい+懐かしいカバーでアラフォー世代にはうれしい1曲でした。

さらにメンバーが登場するかと思えば、懐かしの「アメリカ横断ウルトラクイズ」で使われたアメリカの国旗をかたどった帽子をかぶったおじさんが登場。彼が司会者となり、ベッド・インの2人とサポートメンバー4人が2組にわかれてゲームで競うという「お楽しみコーナー」がスタートとなりました。「お楽しみコーナー」では最初は哺乳瓶による牛乳早飲み対決、次に指定されたキャラクターの絵をお手本なしで書いて、より似ている方が勝ちというお絵かき対決、さらに最後はベッド・インの2人により、身体につけた万歩計の歩数をいかに多くカウントさせるかという対決。結果、中尊寺まいチープが完勝。益子寺かおりチームの3人はゴムパッチンの罰ゲームを受けていました。

そんなバラエティー番組のような展開が続いた後に後半戦がスタート。後半戦もいきなり飛ばしていきます。懐かしいカバー曲「SHOW ME」からスタートしたかと思えば、「消えちゃうパープルバタフライ」「女豹-PANTHER-」「♂×♀×ポーカーゲーム」さらには「劇場の恋」と盛り上がるナンバーが連続。最初は後ろでおとなしく見ていた私も、徐々に盛り上がり、みんなと一緒に手を振り上げて盛り上がりはじめました。さらにここで、大きなフラフープのような輪っかにカーテンをぶら下げた装置が登場。懐かしのテレビ番組「スーパージョッキー」(もう名前すら半分忘れていた・・・)の「生着替え」コーナーとなり、ベッド・インの2人はここでお着換え。で、2人ともセクシーなビキニ姿で登場し、会場を沸かせます。

終盤は「GOLDの快感」「SEXY HERO」と来て、この日、最高のテンションとなった「C調び~なす」そしてラストは「ジュリ扇ハレルヤ」でジュリ扇がこの日一番、激しく会場で舞います。この日最高のテンションの中、本編は終了。メンバーは一度、会場を去ります。

もちろんその後は大きなアンコールならぬ「マンコール」へ。「マンコール」ではメンバー全員、この日のツアーTシャツを着て登場。「Kiss Me Kiss Me」、そして久宝留理子の大ヒット曲「『男』」のカバー。もともとハイテンポなロックチューンのこの曲ですが、この日もゴリゴリのロックアレンジで披露。特にこちらも中尊寺まいがTシャツ姿でギターを弾く姿がとてもロックで様になっており、カッコよさを感じました。そしてラストはこれまたロックなナンバー「男はあいつだけじゃない」で終了。その後、客席を含んで写真撮影が行われ、全編約2時間半。ボリューム満点のライブが幕を下ろしました。

そんな訳ではじめて足を運んだベッド・インの「おギグ」。一言、楽しかった~~~!予想以上に楽しめたステージ。ベッド・インの2人は最初から最後までバブル期のセクシーアイドルというスタイルを崩さず、MCでもバブル期から90年代の流行語を散りばめ、よくよく考えられたトークもとても楽しめました。

ただそれ以上に満足感があったのが、彼女たちの演奏。もともとロックバンド出身の2人なだけに、予想以上に本格的なロックのステージに。楽曲も原曲以上にバンドサウンドを前に押し出したアレンジになっており、MCでは「セクシーアイドル」になる2人ですが、演奏中は間違いなく「ロックバンド」としての(サポート入れて)6人の姿がありました。特にステージ上ではパワフルに歌う益子寺かおりとギターを弾きまくる中尊寺まいの姿の中には間違いなくロックミュージシャンとしての「顔」を何度も覗かせていました。

「地下セクシーアイドル」としてもユニークなMCやパフォーマンスでとても楽しめますし、その一方でロックバンドとしての実力も感じさせますし、予想以上に楽しめてはまってしまったステージでした。以前からおもしろいユニットと思っていたのですが、音楽的な実力も十分に感じられるステージ。正直、もうちょっと売れてもいいユニットだと思うんだけどなぁ。予想以上に楽しめた「おギグ」で満足して会場を去ることが出来ました。これはまた行きたいなぁ!近いうちにまた足を運びたいです。

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2019年8月26日 (月)

残暑激しい日のステージ

あいちトリエンナーレ2019 Chilla: 40 Days Drumming&円頓寺デイリーライブ

U-zhaan/butaji

会場 なごのアジール/円頓寺駐車場 日時 2019年8月22日(木)

その展示内容でいろいろと物議をかもしているあいちトリエンナーレ2019。愛知県内の複数会場で主に現代美術の作品を展示している国際芸術祭ですが、先日はその中でのイベントのひとつ、サカナクションの「暗闇」に参加してきました。今回のトリエンナーレでは数多くのポピュラーミュージックに関するイベントも予定されており、今回紹介するのはそんなイベントのひとつです。

正直言うと、「現代美術」自体には全く興味がなかったので、今回のトリエンナーレは基本的に音楽系のイベントだけ参加するつもりでした。ただ、いろいろと物議をかもして話題になっているということもあり、なんとなくせっかくだから、ということもあり1DAYパスを購入し、美術館などの展示物もめぐってみたのですが・・・これが予想外に楽しく、非常に興味深く見て回ることができました。

現代美術というとイメージ的には「よくわからない難解なもの」というイメージがありました。確かに展示物を見ていて「?」が何個も浮かぶような展示物も少なくはありませんでした。ただ一方で、「展示物」といっても単なる絵画やモニュメントとかではなく、映像や音楽を駆使している展示物も多く、作者の意図がすべて理解できなくても、見ていて純粋に楽しめる展示物が少なくありませんでした。またそんな展示物が美術館のみならず、街中の様々なところに展示しており、それを巡るだけで、いわば博覧会のパビリオンをまわっているような感覚が。そんな街歩きも楽しめるイベントとなっていました。

また、作家のテーマ性は時として哲学的で難解なテーマも少なくないのですが、作品としては概して理屈っぽく、ある意味、感性が求められるような一般的な絵画などに比べると、実はテーマ的にわかりやすい展示物も少なくなく、そういう意味でも楽しむことが出来ました。このイベント、私のように芸術に全く素養がなくても楽しめるイベントだったと思います。個人的には結構はまってしまいました。今回、見逃した展示物も何個かあったため、また足を運びたいです!

で、そんな中で紹介する音楽系の展示物、一つ目は名古屋駅の近くの円頓寺商店街の中の「なごのアジール」という場所で行われるタブラ奏者、U-zhaanが、Chilla(チッラー)と呼ばれる北インドの古典音楽家に伝わる厳格な修行の様子をそのまま公開するという「展示物」。この修行は小屋にこもって40日間音楽の演奏に没頭するという修行だそうですが、今回のイベントでは8月1日から9月9日までの12時から20時までの間、ひたすらU-zhaanがタブラの練習を続け、その模様を公開するというちょっと狂った企画。いや、世代的にはこれ「電波少年の企画です」と言われても違和感がない感じも・・・。

会場はワンルーム程度のスペース。最初、やはり修行はガラス越しに見るのかな、と思ったのですが、実際にはU-zhaanが練習を行っている部屋にまで入れて、彼とは簡単なロープ柵を隔てた程度でその模様を観覧することが出来ました。

U-zhaanはインド音楽を収録したiphoneの演奏に沿って、ひたすら一心不乱にタブラをたたき続けるという練習を続いていました。そのため、感覚的には一種のU-zhaanのライブのような感覚でその演奏を楽しむことが出来ます。インド音楽自体、変拍子の連続で複雑なリズムが特徴的なのですが、U-zhaanのタブラの演奏も、2つとして同じリズムが登場しないような複雑な演奏がひたすら淡々と進められます。ただ、単なる練習とは思えないような力強い演奏に、強く惹きつけられ、その演奏に聴き入りました。

当たり前ですが、時折休憩をはさむみたいで、20分程度練習が続くと、休憩ということで一度、その場を離れます。下の写真はそのタイミングで演奏した会場の模様。まさにライブ感覚で楽しめた「展示物」でとても満足度の高い内容でした。ちなみにU-zhaanは終始下を向いた状況でトークなども全くなかったのですが、時折、にやりと笑っていたりしたのですが、あれは満足のいく演奏のできた瞬間とかでしょうか??

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続いて19時からは円頓寺駐車場に設けられた特設ステージで行われたライブへ。「デイリーライブ」と名付けられ、期間中の木曜日から日曜日にかけて毎日開催されるフリーライブ。この日はbutajiという男性シンガーソングライターのステージでした。butajiというミュージシャンは完全に初耳のミュージシャンだったのですが、この日、ちょうどU-zhaanを見に行ったということもあり、デイリーライブにも足を運ぶことにしました。

ステージはアコギ1本をかかえたbutaji本人と、あとエレキギターを抱えたギタリストの2人によるステージ。音楽ももちろんはじめて聴いたのですが、まずスタートしたのはしんみり聴かせるAOR。メロウな作風のシティポップといった感じなのですが、ボーカルは時折、力強く歌い上げるようなスタイルも聴かせてくれます。失礼ながらも普通のおっちゃんのような風貌ということもあり、楽曲はシティポップ的な爽やかさを感じつつ、同時に、どこかねっちりと暑さを感じさせるような楽曲でした。

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一方ではその後の楽曲に関してはAORというよりもフォークの影響が強いような作品も。この日は途中、新曲ということで(・・・といってもどの曲もはじめて聴いた曲ばかりなのですが・・・)「same thing same time」と「中央線」という曲を披露。こちらはどちらもフォーキーな雰囲気のナンバーで、特に「same thing same time」では彼のファルセットボイスで美しく聴かせるボーカルも印象に残ります。

本編は全8曲。後半はAOR調のナンバーでしんみりと締めくくり。その後はアンコールが起き、再度の登場となったのですが、こちらは予想外に、いままでの雰囲気とは異なり、サポートがヘヴィーなギターサウンドを奏でる中、マイク1本でパワフルに、時にはシャウトも入れて力強く歌い上げるロッキンなナンバーに。最後の最後にちょっと異なる印象をリスナーに与え、約1時間のステージは幕を閉じました。

タイプ的にはAOR、シティポップの枠組みに入りそうなシンガーソングライター。ただ、一方ではそんな中でソウルフルなボーカルを入れてきたり、非常に暑さを感じさせるスタイルも特徴的。この爽やかさと暑さを同居させたようなスタイルが特徴的かつ彼の魅力のように感じます。この日は一時期ほどの酷暑は去ったものの、残暑激しい暑い日だったのですが、彼のようなスタイルのステージが夏の日にピッタリマッチしていたと思います。

個人的にはあまり期待していなかったのですが予想以上に楽しめたステージで満足して会場を去ることが出来ました。1時間という時間もフリーライブとしては長めですし、なにげに良い感じのイベント。今後も10月のトリエンナーレ閉幕時まで様々なミュージシャンによるフリーライブが予定されていますが、また足を運びたいです。

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