貴重な初期楽曲を中心に
COALTAR OF THE DEEPERS 25TH ANNIVERSARY "THE VISITORS FROM DEEPSPACE"TOUR 2019
会場 名古屋アポロベイス 日時 2019年11月25日(月)19:00~
最近は大槻ケンジ率いる特撮での活動や、アニメやアイドルへの楽曲提供などで精力的に活動しているNARASAKI。もともと彼の「本籍」はCOALTAR OF THE DEEPERSというバンドなのですが、ここ最近は彼の多忙さもあってか、散発的な活動となっていました。ただここ最近、昨年からEPのリリースがあったりと、徐々にDEEPERSとしての活動も増加。今年はデビューアルバム「THE VISITORS FROM DEEPSPACE」リリースから25周年ということで、全国ツアーを実施。名古屋でもライブが行われる、ということで本当に久々、DEEPERSのライブに足を運んできました。過去にさかのぼると2002年に渋谷のCLUB QUATTROでライブを見ていたりするので、実に17年ぶりのライブとなりました。
会場はアポロベイスという比較的小さめのライブハウス。残念ながらソールドアウトとはならなかったようで、9割程度の客の入り。ただ、そのため比較的間近で、余裕をもってライブを楽しむことが出来ました。で、19時10分頃にまずは登場してきたのがKAIMY PLANETSというバンド。今回名前も音もはじめて聞くバンド。3ピースバンドで、女性ドラマーという構成のバンドでした。
楽曲のタイプとしてはシューゲイザーの影響を感じるギターロックで、ガレージロックやハードロックの要素も強い感じ。憂いを帯びたメロディーラインといい、DEEPERSからの影響も感じるバンドで演奏にも迫力があり、かなりの好印象。全5曲30分程度のステージだったのですが、なかなか惹きつけられました。会場も盛り上がり、会場の空気もいい感じで暖まった中、DEEPERSの登場を待ちます。
セットチェンジが終わり、ちょうど20時頃にメンバーが登場。そして最後にパーカー姿でフードを頭にかぶったNARASAKIが登場。「おはよう。DEEPERSはじまるよ」という脱力感あるセリフからライブがスタートしました。この日は1stアルバムの再現ライブということもあり、1stアルバムの曲以外も比較的初期のナンバーが並ぶ構成に。序盤からまず「The Breastroke」、1stアルバムから「Earth Thing」、そして「Cell」と続きます。2002年のライブの時も感じたのですが、CD以上にNARASAKIの声が出ていない…。序盤から迫力あるバンドの演奏で飛ばしまくっているのですが、正直前半に関しては、まだバンドとしての本領が発揮されていないように感じました。
ただ、バンドとしておそらく勢いに乗って来たのが中盤戦、「Sarah's Living For a Moment」あたりからかもしれません。印象的なギターのストロークで会場から大きな歓声があがり、その会場の盛り上がりに呼応するかのように、バンドとしても勢いを増してきました。さらに「Submerge」でさらに盛り上がり、おそらくこの日一番のクライマックスが「The Visitors」。曲の前のMCで、この曲にコンセプトを考えてきたそうで、この日は四部構成とオリジナルより長尺に。最初は優しい雰囲気のポップな感じでスタートするのですが、中盤からどんどん盛り上がっていき、フリーキーなサウンド、さらにはサイケデリックなサウンドへの進化。バンドメンバー全体が真ん中を向いて息をあわせて、爆音でリスナーを圧倒するステージに。緊迫感ある息をのむような演奏を見せ、DEEPERSのバンドとしての実力をこれでもかというほど発揮したステージとなっていました。
そしてここからステージは一気に終盤戦に。「Snow」「Amethyst」「Summer Days」など1stアルバムからの曲が連発。いずれもアップテンポな勢いのある曲で、この頃からNARASAKIのボーカルもはっきりと聴き取れるように(笑)。CDで聴かせるような、意外とキュートな感じのボーカルと、そこから一転、デス声を繰り広げるようなボーカルスタイルがとてもユニーク。バンドの演奏も勢いが増してきましたし、それと同時に会場のテンションも一気にあがっていきます。そして最後は「Blind Love」「Blink」で本編は一度締めくくりとなります。
時間の関係かアンコールでは比較的あっさりとメンバーが再登場。ラストは比較的ポップなメロが楽しめる「When You Were Mine」、そしてそれが終わるとNARASAKIがおもむろにトランペットを取り出し、哀愁あるフレーズを奏で、ラストは1stアルバムから「Killing An Arab」で締めくくり。最後の曲ではヘヴィーでメタリックなバンド演奏を聴かせライブは締めくくり。アンコール込で約1時間45分のステージとなりました。
そんな訳で、1stアルバムからの曲に加えて、初期の代表曲をふんだんに取り入れたライブ。個人的には彼らにはまったのが「Come Over To The Depend」からなので、それ以降の曲も聴きたかったかな、というのもちょっとあることはあるのですが、それでも貴重な初期ナンバーの曲の連続に多いに楽しめるライブになっていました。MCも比較的少な目で、約1時間45分のライブが一気に展開されるステージ。序盤は若干不安に感じる部分もあったのですが、後半は文句なしにCOALTAR OF THE DEEPERSのライブの魅力を堪能できたステージでした。
またDEEPERSのライブは見てみたいけど…NARASAKIが忙しいので、なかなかDEEPERSのライブはやらないんだよなぁ。ちなみに12月に新曲が配信されるらしく、12月30日の東京でのライブでCDも発売されるとか。そちらも気になるのですが、残念ながらこの日はその新曲は演らず!ただ次は是非ともニューアルバムを!そしてそのアルバムをひっさげてのツアーを!期待したいところなのですが、さてさて。
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