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2019年12月20日 (金)

待望の続編!

Title:Everything Not Saved Will Be Lost Pt.2
Musician:Foals

イングランド出身5人組のギターロックバンドによるニューアルバム。今年3月、4年ぶりとなるニューアルバムをリリース。「Everything Not Saved Will Be Lost Pt.1」と名付けられたタイトル通り、その時から近いうちの第2弾リリースがアナウンスされていましたが、そこから約7ヶ月、その最新作がリリースされました。前作「Pt.1」は非常に優れた出来栄えの傑作アルバムだっただけに今回のアルバムも楽しみにしていたのですが、結果としてその期待にそぐわない傑作アルバムがリリースされました。

前作「Pt.1」ではニューウェーブの影響を強く感じるエレクトロサウンドがメインとなっている作品に仕上がっていました。ただ、今回のアルバム、純粋にその続編、といった感じではなく、前作からその方向性を変えた作風が大きな特色になっていました。今回のアルバムで特徴的だったと言えるのは非常にロックテイストが強くなったという点。イントロ的な1曲目に続いてはじまる2曲目「The Runner」では非常にヘヴィーなギターリフからスタート。若干シャウト気味なボーカルを含めて、ハードロックな色合いの強い作風に仕上がっています。

この方向性はその後もアルバム全体を通じて続いていきます。「Black Bull」もヘヴィーなギターリフ主導の中、ボーカルのシャウトが耳に残るロッキンな楽曲に仕上がっていますし、「Like Lightning」もテンポ良いリズミカルな楽曲ながらもヘヴィーなギターリフが楽曲の軸となっています。

その傾向は後半も続き、「10,000Feet」もヘヴィーなギターでゆっくり展開されるダイナミックなナンバー。シンセの音を加えた分厚いサウンドが楽曲にスケール感を与えています。ラストを締めくくる「Neptune」もゆっくりとへヴィーなギターサウンドでスケール感を持って聴かせる楽曲。10分にも及ぶ長尺の楽曲で、全編ダークなサウンドで、どこか怪しげに展開されるサウンドに最後まで惹きつけられる楽曲に仕上がっています。

そんな感じでエレクトロサウンド主体だった前作とはうってかわってロックサウンドが主体となった今回のアルバム。ただ、アルバムとして前作と並べて聴くと、方向性的には意外と近いものも感じます。まず共通点としては前作同様、どこか漂う80年代的な空気感。前作もニューウェーブな作風がどこか80年代的な空気を感じさせるものだったのですが、今回のアルバムに関してもハードロックなサウンドにはどこか80年代的な空気も感じられます。

また、ポップでインパクトあるメロディーラインを聴かせるという点も共通項。ただ、この点に関しては前作の方がより美しいメロディーラインを前に押し出しており、インパクトの点では前作の方が上だったかも。もっとも今回のアルバムでも十分ポップなメロを聴かせてくれており、その魅力を楽しめる作風には仕上がっているのですが。

売上的にもこのアルバムでバンド初となるイギリスの公式チャートで1位を獲得したとか。どちらかというと前作の出来の良さが今回のアルバムの売上に反映されたような感じも強いのですが、それだけ多くのファンが注目したアルバムだったということなのでしょう。もちろん、1年間で2枚のアルバムを作り、そしてどちらも傑作だったという事実からもバンドとしての勢いを感じさせます。彼らの活躍はまだまだ続きそうです。

評価:★★★★★

FOALS 過去の作品
TOTAL LIFE FOREVER
Holy Fire
Everything Not Saved Will Be Lost Pt.1

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