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2019年10月18日 (金)

最後の「デイリーライブ」

あいちトリエンナーレ2019 円頓寺デイリーライブ

七尾旅人

会場 円頓寺駐車場 日時 2019年10月11日(金) 19:00~

何度も足を運んでここでもライブレポートで紹介してきたあいちトリエンナーレの企画、円頓寺デイリーライブ。長く続いたこの企画もついに最終回。最後はシンガーソングライターの七尾旅人が登場しました。彼のライブは2011年のライブフェス「Our Favirite Things」ではじめて見たのですが、予想以上に素晴らしいステージに感動して、また見てみたい…と思いつつ、そこから8年、なかなか彼のステージを見る機会もなく、今回のデイリーライブが久々に見た彼のステージとなりました。

Nanaotabito1 そんな訳で会場には20分くらい前に到着。既にステージ上には七尾旅人の姿が。音合わせの最中だったのですが、10分くらい前にはステージ前にはかなりの人だかりが。そんなこともあって「時間の前だけど、サウンドチェックということで」ということで18時50分くらいにライブがスタート。この日のステージは相羽崇巨という名古屋在住の筋ジストロフィーの詩人が車椅子で登場。彼とは愛知県のライブイベント「リゾームライブラリー」で知り合ったとか。2人でのコラボライブとなりました。

まず最初は「星に願いを」のカバーからスタート。途中、相羽崇巨に七尾旅人が惑星の名前を尋ね、「水星」と答えると、水でうがいする音を出したり、「金星」と答えると、金星をイメージしたような音をサンプリングマシーンから出そうとしたり・・・と惑星にちなんだパフォーマンスを披露。「土星」と答えると、かぶっていた帽子を思いっきり回したり(土星の輪のイメージ?)、最後、「天王星」ではにこやかに微笑みながら手をゆっくり振って…つまり「天皇」の真似をしたんですね。かなりユーモラスなパフォーマンスで会場を沸かしました。

続いては「ストリッパーのおねえさん」へ。東京に上京してきた頃のエピソードを元にした歌詞だそうで、物語性ある歌詞をアコギ一本でじっくりと聴かせます。さらに相羽崇巨が自らの詩を朗読します。もちろん彼の詩を聞くのは今回がはじめてなのですが、結構大柄な方なのですが、その声と詩は非常に繊細な内容な印象に残ります。その彼の詩の朗読に合わせて、七尾旅人がギターをつま弾きながら、詩に合わせて、時折ハミングを加えていました。

Nanaotabito2

そこから一転「Across Africa」ではアフリカを彷彿させる自然の音をサンプリングマシーンから出しつつ、途中、観客とのコールアンドレスポンスで盛り上がり、静かなここまでの雰囲気から一転してスケール感あるステージを見せてくれました。さらに「きみはうつくしい」で再びその歌声を聴かせ、そこからそのまま再び相羽崇巨の詩の朗読へ。そして再び七尾旅人の「蒼い魚」へとそのまま続きます。アコギでしんみり聴かせつつ、サンプリングマシーンから波の音を出し、会場はまるで海辺のような雰囲気となりました。

Nanaotabito3

そして続くは彼の代表曲のひとつといえる「Rollin'Rollin'」へ。会場からは大きな歓声があがり、一気に盛り上がります。途中、観客席からおそらく14~5歳くらいの観客の少女をステージ上に引き上げます。彼女にトランペットのおもちゃのようなものを手渡し、七尾旅人の頭をそれで叩くようにお願いすると…あら不思議、「ガチャガチャ」「ビヨーン」みたいなコミカルな音が飛び出してきました。この少女がトランペットで七尾旅人の頭を叩いて飛びだしてくるユニークなリズムの音にあわせて曲が続き、会場は大盛り上がりとなりました。

Nanaotabito4 さらにもう1曲、彼の代表曲とも言える「サーカスナイト」へ。これにも再び会場からは大きな歓声があがります。すると曲の途中でいきなり七尾旅人が観客の上に。そのままサーフのように観客に運ばれ、ステージの横にあるお立ち台のようなステージに。さらにここでも5~6歳くらいの少女を再びステージ上に引き上げ、彼女と一緒に「サーカスナイト」をメロウに聴かせます。女の子は途中、曲にあわせてはしゃいだして、とてもかわいらしかったです(笑)。

最後は再び相羽崇巨の詩の朗読へ。「優しい声」という歌詞で、タイトル通りの優しく繊細の愛を綴った詩に聴きほれます。そしてそのまま七尾旅人の「きらきら星」へ。夜空の下で会場たっぷりに歌い上げ、20時ちょっと過ぎにライブは幕を閉じました。

そんな訳で1時間強のこの日のライブだったのですが、期待した通りの素晴らしいステージでした!とにかく彼の歌声は非常に繊細で美しく、かつ楽曲もそんな彼の歌声にマッチするような素晴らしい楽曲ばかり。また、この日のコラボとなった詩人の相羽崇巨の詩の朗読もこれまた素晴らしく、七尾旅人の曲のイメージともマッチしていました。一方でそんな曲の合間に見せる七尾旅人のユーモラスなパフォーマンスもまた強い印象を残すステージで、とても素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。なんだかんだいって8年ぶりとなってしまった七尾旅人のライブ。次はもっと短いスパンで足を運びたいです!また、今回、何度も足を運んだあいちトリエンナーレのデイリーライブ、この企画もとても素晴らしい内容で、その最後が七尾旅人という人選も素晴らしい!ほどよい満足感を覚えつつ、会場を後にしました。

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