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2019年8月11日 (日)

自由度高い作風がポップミュージシャンの彼ならでは

Title:No.6 Collaborations Project
Musician:Ed Sheeran

おそらく、今、もっとも世界的に売れているポップシンガー、エド・シーラン。2017年にリリースされた直近のオリジナルアルバム「÷」は本国イギリスはもちろん、世界各地でヒットチャート1位を記録する大ヒットを記録しました。そんなアルバムに続く最新作は、数多くのミュージシャンたちとのコラボレーションを収録した企画盤的なアルバム。2011年、彼がブレイクする直前に、同じようなコラボレーションアルバム「No.5 Collaborations Project」をリリースしており、それに続く続編という形になります。

まさにヒットシーンの中心を行く彼のコラボアルバムなだけに参加ミュージシャンが実に豪華。Justin Bieberとコラボした先行シングル「I Don't Care」も大きな注目を集めましたが、Chance The RappaerやTravis Scottなど、今をきらめくミュージシャンやEMINEMといった大御所、さらに彼と同じく今、最も高い人気を誇るミュージシャンのひとり、Bruno Marsやちょっと毛色の違うところではカントリーミュージシャンのChris Stapletonなど、メインとなるのはHIP HOP系ミュージシャンとのコラボが多いのですが、実に多彩かつ豪華なメンバーとのコラボが収録されています。

そして、そんなコラボ作の特徴としてエド・シーランがコラボ相手にあわせる形で様々な音楽のスタイルを披露している点でしょう。R&BシンガーのKhalidとコラボした「Beautiful People」では力強くスケール感を持って歌い上げるナンバーを披露していますし、Camila CabelloとCardi Bという話題の女性ミュージシャンたちと組んだ「South of the Border」ではトライバル風なリズムをバックに彼女たちの歌声と一緒に軽やかに歌い上げています。

Chance The Rapperとのコラボ「Cross Me」ではトラップ風に仕上げていますし、逆にYEBBAとのコラボ「Best Part of Me」ではアコギでしんみりフォーキーに歌い上げる曲を聴かせてくています。インパクトが強いといえばEMINEMと50Centとのコラボ「Remember The Name」で、曲を聴けば一発でEMINEMの曲とわかるような強い個性はさすが。コミカルで軽快なラップなのですが、どこか不穏な雰囲気が漂ってくるのもEMINEMらしさを感じます。さらにラストのBruno MarsとChris Stapletonとのコラボ「BLOW」はヘヴィーなギターリフからスタート。シャウト気味のボーカルも聴かせるハードロックな楽曲に仕上がっており、ロックなエドを聴かせるしめくくりとなっています。

非常に面白いのは、エド・シーランがこのように様々なタイプのミュージシャンと見事にコラボを果たしているという点。自由度の高い作風が大きな魅力となっているのですが、ポップミュージシャンとして、あくまでもリスナーを楽しめることを重視する良い意味でのこだわりのなさが今回のコラボでは大きなプラス要素として働いているように感じました。

ポップミュージシャンとしての彼の利点が見事に生かされたコラボアルバムだと思います。また、これだけ豪華なメンバーをコラボ相手として集められたものエドの絶大な人気があってこそ。そういう意味では彼にしか作りえない、エド・シーランらしいアルバムだったと思います。難しい理屈抜きにして、とにかくポップな作品を楽しめる傑作でした。

評価:★★★★★

Ed Sheeran 過去の作品
+
÷


ほかに聴いたアルバム

Tears of Joy/MIKE

日本ではほとんど無名なのですが・・・ロンドンとニューヨークはブロンクスで育ったラッパーによる最新作。ムーディーな雰囲気にジャジーな要素も感じされるトラックにローファイ気味なラップが淡々と展開されるラップが大きな魅力に。ムーディーながらも一方ではサイケ気味なサウンドが入ってきたりもして、一筋縄でいかないようなラップも大きな魅力となっています。全20曲ながらも41分という短さで、1曲あたり2分程度の曲が並ぶため、次々と展開するアルバム構成もスリリング。最初から最後まで一気に楽しめる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

Origin/Jordan Rakei

ロンドンを拠点に活動を続ける話題のシンガーソングライター、ジョーダン・ラカイのニューアルバム。メロウなボーカルにAORのサウンドが特徴的。ジャジーな雰囲気も取り入れてしんみりと聴かせる「大人のポップス」という雰囲気の強い作品を聴かせてくれます。全体的にはポップなメロで良くも悪くもサラリと聴けてしまうような印象もあり、良質なポップスであることは間違いないのですが、個人的にはちょっと薄味に感じました。

評価:★★★★

 

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