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2019年7月29日 (月)

ベテランらしい安定した良作

Title:ウ!!!
Musician:ウルフルズ

約2年ぶりとなるウルフルズのニューアルバム。ギターのウルフルケイスケがソロ活動に専念するためウルフルズとしての活動を休止。3人組となって初となるアルバムとなりました。

そんなニューアルバムですが、1曲目にはいきなり度胆を抜かれます。いきなりエレクトロサウンドが飛び込んでくるディスコ調のテクノポップチューン。一応、先行配信曲なのでこのアルバムで初お目見え、ではないのですが、ルーツ志向のバンドサウンドで泥臭いイメージのあるウルフルズとしては、3人組になって方向転換か??と驚かされます。(もっとも、彼らのブレイク作、「ガッツだぜ!!」もディスコ風のナンバーでしたので、ウルフルズの方向性として「いままでにない」といった感じではないのですが)

ただし2曲以降はいかにもウルフルズらしい曲の連続で、まずは安心させられます。続く「リズムをとめるな」は大ヒットした映画「カメラを止めるな!」を意識したタイトルですが、タイトル通り、テンポよいバンドサウンドが終始続く、軽快だけどメロにはちょっと切なさを感じさせるギターロック。そして続く「ワンツースリー天国」はまさに彼らの真骨頂ともいうべきロックンロールナンバー。さらにそこから一転、「ひとつふたつ」はソウルフルに聴かせるソウルバラードのラブソングに仕上がっています。

さらに続く「ありがっちゅー」も暖かい雰囲気にさせてくれる歌詞が印象的なロックチューン。さらに「生きてく」もスウィートなソウルナンバーで、こちらもほっこりと暖かい感じなのが魅力的。ちなみにインタビューではこの2曲を「今までウルフルズでやってそうでやってなかったタイプの曲。」と語っています。そういう面で彼らなりの挑戦を感じさせますが、そんな曲でもしっかりと「ウルフルズ色」に染め上げており、「彼ららしさ」を感じさせてしまう点、彼らの個性と実力を感じさせます。

その後も力強いバラードナンバー「抱きしめたい」やピアノが入って爽快感のある「変わる 変わる時 変われば 変われ」と続き、リズミカルで前向きな歌詞が明るいロックンロールチューン「パワー」へと続きます。最後は2003年にリリースされたアルバム「ええねん」に収録されている彼らの代表曲のひとつ「愛がなくちゃ」のセルフカバーで締めくくり。ある意味、実に彼ららしいラブソングでアルバムの幕は下ります。

そんな訳で、彼らなりの挑戦を感じつつも、アルバム全体としてはウルフルズらしさを感じさせるアルバム。ベテランらしい、きちんと自分たちの立ち位置を踏まえた上で、新しいこととファンに求められることのバランスを上手くとったアルバムだったように感じます。また前作「人生」がルーツ志向なアルバムだったのに対して、本作はルーツ志向な部分を垣間見せつつ、全体的には明るくポップな要素の強い作品だったように感じました。とりあえずしばらくは3人組になってしまった彼らですが、ウルフルズとしての活動に心配はなさそう。これからの彼らにも期待です。

評価:★★★★★

ウルフルズ 過去の作品
KEEP ON,MOVING ON
ONE MIND
赤盤だぜ!
ボンツビワイワイ
人生

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