« 注目の新プロジェクト | トップページ | 女性アイドル系が目立つチャートに »

2019年4月16日 (火)

ヒリヒリ感や危うさも感じさせるステージをそのまま収録

Title:2018 Tour「SKANKING JAPAN」"スカフェス in 城ホール" 2018.12.24
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ

昨年、12月24日に大阪は大阪城ホールで行われた東京スカパラダイスオーケストラワンマンライブの模様を収録したライブアルバム。この日のライブは、昨年4月から行われてきたツアーのファイナル公演となったステージ。ツアーは全会場ソールドアウト。この大阪城ホールでも12,000人収容の会場をソールドアウトさせるなど、変わらぬ人気のほどを伺わせます。この日はゲストにエレカシの宮本浩次、BRAHMANのTOSHI-LOW、銀杏BOYZの峯田和伸、UNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介が参加するなど、超豪華なラインナップでのライブとなっています。

ちなみに今回紹介するのはCD2枚組によるライブアルバムの紹介。DVDもしくはBlu-rayによる映像付のアイテムもリリースされていますが、こちらは残念ながら見れていません。

今回のライブアルバム、まず一言でいうと、とにかくカッコいい!特に序盤の展開が素晴らしく、「The Battle of Tokyo」からスタートし「ペドラーズ」「DOWN BEAT STOMP」と彼らの代表曲が続くのですが、ハイテンポのリズムにサックスやらトロンボーンやらトランペットやらと次々と畳みかける迫力あるサウンド、とにかく賑やかに展開されます。これらの曲に関してはアップテンポなリズムで会場にいれば思わず踊りだしそうになるのですが、それと同時にエッジの効いた勢いあるサウンドにどこか危うさやヒリヒリ感を覚えます。スカパラというと、正直ここ最近の彼らの方向性については「ポップになった」といって初期からのファンが否定的にとらえるケースも少なくないのですが、確かにこのライブの序盤で感じられる「危うさ」や「ヒリヒリ感」が彼らの魅力だとすると、最近の彼らの曲からはこういう感じは覚えないよな(・・・とはいいつつ「The Battle of Tokyo」は最近のナンバーなのですが)と思ってしまいます。

この勢いはその後も続いていき、6曲目以降に展開される彼らの代表曲や懐かしのナンバー、レア曲など6曲で構成された「トーキョースカメドレーSKANKING JAPAN 2018」まで一気に流れ込んでいきます。本当にこの前半、Disc1の勢いはとても魅力的でライブの雰囲気がそのまま伝わってくるよう。途中、ちょっと脱力感ある「恋するCha Cha Cha」などもちょうどよいスパイスとなりつつ、CDを通じても彼らのライブについつい引き込まれてしまいます。

Disc2については前半に比べると彼らの「ポップ」な側面をより前に出したような曲が並びます。特にゲストが参加した歌モノの曲も多く、ポップという印象がより強く。ポップなスカパラも決して悪くないのですが、ただ前半の危うさを感じる演奏からすると、物足りなさも感じてしまうのも事実。とはいえ、会場の盛り上がりを感じるナンバーの連続で、ライブの魅力はしっかりと伝わってきます。

そんな中でもアンコールではギムラがかつて歌っていた「ジャングルブギ」をBRAHMANのTOSHi-LOWがボーカルをとって披露。ギムラのボーカルで感じられるオリジナルほどの「大人の色気」や「危うさ」は残念ながら感じられなかったのですが、それでもその雰囲気は伝えており、TOSHI-LOWも十分検討した魅力的なステージが伝わってきます。

実はスカパラってイベント系のステージやフェスなども含めて1度もステージを見たことがありません。一度見てみたいとは思っていたのですが、このライブ盤を聴く限りだと、自分が想像している以上に迫力ある魅力的なステージが楽しめそう。これは一度見てみなくてはいけなさそうです!残念ながらこのライブ盤、当日のMCなどを含めてフル収録ではありませんが、ただ終盤、メンバーの谷中敦がバンドへの思い、特に「脱退したわけでもないのにいっちゃったメンバーも一緒に立っている気がする」というMCはそのまま収録。このメッセージには胸が熱くなりました。

そんな訳でスカパラの魅力をうまくパッケージしたライブ盤。選曲はベスト的ですし、スカパラの魅力を知るには最適なライブ盤だったと思います。スカパラ、一度ライブを見てみないといけないなぁ、ということを強く感じた作品でした。

評価:★★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
Walkin'
欲望
Diamond In Your Heart
SKA ME FOREVER
The Last
TOKYO SKA Plays Disney
The Last~Live~
TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA~Selecao Brasileira~
Paradise Has NO BORDER
GLORIOUS


ほかに聴いたアルバム

THE OIO DAY/AA=

THE MAD CAPSULE MARKETSでの活躍で知られる上田剛士のソロプロジェクトAA=。昨年の10月20日はAA=の活動開始となった配信シングル「PEACE!!」のリリースからちょうど10年目となる記念すべき日だったのですが、その10周年を記念して東京・TSUTAYA O-EASTで開催されたスペシャルワンマンライブTHE OIO DAYの模様を収録した配信限定のライブアルバムがリリースされました。

疾走感あるヘヴィーでロッキンなバンドサウンドと音圧あるデジタルサウンドに心地よさを感じるステージ。その迫力はこのライブアルバムを通じても伝わってきます。ただ、AA=のオリジナルアルバムでも感じる、THE MAD CAPSULE MARKETSと似た方向性なのに、なぜか感じる物足りなさが今回のライブ盤でも感じてしまいます。ボーカルの弱さと、いまひとつ吹っ切り切れていないデジタルビートとへヴィーなバンドサウンドが物足りなさを感じる要因なのかなぁ。

評価:★★★★

AA= 過去の作品
#1
#2
#
4

#5
(re:Rec)

4REAL/ACE OF SPADES

GLAYのHISASHIやEXILEのTAKAHIROが参加して話題のACE OF SPADESの1stアルバム。もともとは2005年のGLAYとEXILEのコラボレーションがきっかけとした誕生したバンドで、当初は期間限定のバンドとしてデビューしたものの、その後、不定期に活動を継続。当初の結成から7年目にしてはじめてリリースされたアルバムが本作です。

ギターでリーダーのHISASI、ボーカルのTAKAHIROのほかはベースにRIZEなどで活動していたTOKIE、ドラムスは元THE MAD CAPSULE MARKETSのMOTOKATSU MIYAGAMIという本格的なメンバー。そのため特にアルバムの前半についてはメロディーラインはベタベタのJ-POPながらもバックの演奏は、正直ちょっとオールドスタイルなハードロックではあるものの、本格的かつヘヴィーなサウンドを響かせています。ある意味、若干今更感もあるハードロックなサウンドと、J-POPらしいわかりやすいメロディーラインから来るベタベタな感じが逆に気持ちよく、前半に関しては間違いなく楽しく聴ける内容になっていました。

ただ後半になるとバンドサウンドが後ろに下がり、歌謡曲的なメロディーが前に出てきた平凡なJ-POPナンバーになってしまい、せっかくのバンドスタイルが生かされていませんでした。そのため後半は聴いていて、かなりダレてしまいました・・・。もうちょっとロックな感じを前に押し出したほうがカッコいいと思うのですが。かなり惜しい感じのするアルバムでした。

評価:★★★

|

« 注目の新プロジェクト | トップページ | 女性アイドル系が目立つチャートに »

アルバムレビュー(邦楽)2019年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 注目の新プロジェクト | トップページ | 女性アイドル系が目立つチャートに »