注目の新プロジェクト
オリジナルアルバムは2016年の「Barbara Barbara,We Face A Shining Future」以降少々ご無沙汰なのですが、昨年はIggy PopとのコラボEPをリリースしたUnderworld。なにげに積極的な活動を続けている彼らが昨年11月に「Drift」というプロジェクトをスタートされました。これは自らも所属するデザイン集団TOMATOのほか、脚本家からジャズDJ、テクノDJ、画家、詩人など様々なジャンルの友人たちと立ち上げた、音楽のみならず映像や物語などで新たな創作を継続していくプロジェクト。Episode1では毎週木曜日に新曲とMVをアップ。まずは昨年12月に「Drift」で発表した曲をEPとしてまとめてリリースしています。
Title:DRIFT Episode "DUST"
Musician:Underworld
いまさらながらこのアルバムを紹介するのは、実はリアルタイムに彼らのプロジェクトを追いかけてなくて、先日リリースされたEpisode2のEPリリース時にようやくこのプロジェクトのことを知ったためです(^^;;そんな訳で後追い的にこのEPを聴いてみた訳ですが、これが非常に気持ちの良いUnderworldらしいミニマルテクノが収録された傑作に仕上がっていました。
今回のプロジェクトは1つのアルバムとしてまとめる必要もなく、かつ気心知れた仲間たちとのプロジェクトだからかもしれませんが、とてもシンプルでUnderworldらしさをきちんと体現化させたような、肩の力が抜けたかのようなエレクトロチューンが並んでいました。「Universe Of Can When Back」も軽快なミニマルテクノが心地よいナンバーなのですが、続く「Dexters Chalk」はトランシーなサウンドに聴いていてまさしくアゲアゲな気分となっていきますし、さらに今回のプロジェクトの第1弾となった「Another Silent Way」は心地よいビートを奏でるエレクトロサウンドに気分があがってくるダンスチューンに仕上がっています。まずは第1弾ということで飛び切りのキラーチューンからスタート、といった感じなのでしょうか。
ラストはチルアウト的な「A Very Silent Way」で締めくくられ良い意味で落ちがついているアルバムとなっています。ちなみに今回のEP盤はプロジェクトの発表順とは異なりアルバムとしての流れも考えられた構成になっています。そのため中盤にアゲアゲのナンバーが並び、最後はチルアウトチューンで締めくくりという心地よい展開に。ある意味目新しい曲はありませんが、Underworldらしさをしっかりと感じるリスナーの期待にしっかりと応えた傑作アルバムになっていたと思います。
評価:★★★★★
Title:DRIFT Episode2 "ATOM"
Musician:Underworld
そしてこちらが続くプロジェクト第2弾。こちらも今年1月から毎週木曜日に新曲を発表。それをまとめてEPとしてリリースしています。
アゲアゲで気持ち良いミニマルテクノナンバーが中心だったEpisode1と比べると、1曲目「Appleshine」からいきなりアンビエント的なナンバーからスタートしたEpisode2。続く2曲目の「Molehill」もストリングスとピアノに美しいハーモニーが加わる幻想的なナンバーに仕上がっています。一方でそれに続く「Threat Of Rain」と「Brussels」はテンポよい四つ打ちがリズムを刻むミニマルテクノなナンバーに。ただこれらのナンバーもアゲアゲというよりもサウンドは抑え気味。淡々とリズムが続くようなナンバーとなっています。
そんな訳でEpisode1とはまた様相の異なる曲が収録さているアルバムとなったEpisode2。ちなみに今回のアルバムはプロジェクトの発表順そのままとなっており、プロジェクト自体、最初からEPを意識したリリースになっていたようです。この淡々と進むエレクトロチューンもなかなかよかったのですが・・・ただアルバムラストに収録されている「Appleshine Continuum」はなんと47分にも及ぶナンバー。そのためEP盤なのですが、全90分近くに及ぶ長いナンバーになってます。そしてラストの「Appleshine Continuum」は淡々と進むアンビエント的なナンバーで・・・正直言って、最後は完全にダレてしまいました。アルバムとして聴いた場合は少々バランスの悪さも感じますし、ちょっと蛇足だったような印象も。Episode1とは異なるUnderworldの音楽性を聴けるのは楽しいのですが、最後まで聴くとちょっと飽きてしまったアルバムでした。
ちなみに3月からはEpisode3をスタート。すでに発表されているEpisode3の1曲目「Dune」はちょっとメロウでダウナーな雰囲気が心地よいナンバーで、これまたEpisode1とも2とも違う雰囲気に。こちらはどんな感じの展開を見せるのでしょうか。Episode3も楽しみです。
評価:★★★★
UNDERWORLD 過去の作品
Oblivion with Bells
The Bells!The Bells!
Barking
LIVE FROM THE ROUNDHOUSE
1992-2012 The Anthology
A Collection
Barbara Barbara, we face a shining future
Teatime Dub Encounters(Underworld&Iggy Pop)
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