実力派ガールズバンドのラストライブ
ZUKUNASI LAST ONEMAN SHOW!!!~ズクナシ出し尽くし大感謝祭~
会場 渋谷CLUB QUATTRO 日時 2019年2月21日(木)19:30~
力強いボーカルと演奏で本格的なソウルミュージックを聴かせ、ブラックミュージックリスナーから根強い支持を得ている3人組女性バンド、ズクナシ。2002年のバンド結成後、今年活動17年目を迎えた彼女たちですが、残念ながらバンド解散を表明。そのラストライブに足を運んできました。場所は渋谷CLUB QUATTRO。といっても実はこの日、東京出張の予定があり、夜時間が空いたので、なにかよいライブはないか・・・と探していたら、ちょうどこのズクナシラストライブを知った、という運びになるのですが・・・。以前、「トヨタロックフェスティバル」で彼女たちのステージを見て、その力強いパフォーマンスに一気に惹かれ、一度またライブを見てみたい、と思っていただけに、このラストライブに足を運ぶことにしました。
渋谷CLUB QUATTROは、以前、東京にいたころは何度も足を運んでいたライブハウス。今回、ここへ足を運ぶのはおそらく10年以上ぶり。かなり久しぶりだったのですが、クワトロが入っていたビルはちょうど工事中で、クワトロ以外は休業中。最初、センター街を直進した方の側から入ろうとしたのですが、工事中でビルに入れず、ちょっと焦りました。
この日はラストライブということもあり、4階のエントランスではいままでの彼女たちのライブの写真がパネルとなって展示されていました。ちなみにこのパネル、ライブが終わった後、販売もされていました。さすがに買って帰れませんでしたが・・・(^^;;
さて、この日のライブは最後ということもあり、残念ながら売り切れはしなかったようですが、会場はほぼ満員。全国からファンが集まって来たようで、会場は最初から熱気むんむんな状態。スタートはちょっと遅れて19時50分頃、ようやくメンバー登場となりました。
ライブはおそらくオープニングの定番曲でもある「kirakira」からスタート。さらに2曲目に「ソウルトレイン」へ。この曲は途中、ボーカルの衣美が客席に降りるのがお約束になっているようですが、この日もほぼ満員の客席に降り立ち、後ろまで歌いながら進んでいきます。ファンは手でトンネルをつくって彼女を迎え入れていたので、ファンも慣れたもの。序盤からいきなりテンションはあがっていきます。
さらに序盤から「Miracles」や、みんなで小麦粉をこねるようなダンスを踊る「こむぎここねる」などライブではおなじみなナンバーの連続でラストライブらしい出し惜しみなしの展開に会場は序盤から大盛り上がり。さらに「おどりたいけどおどれないの」で会場を沸かせた後はちょっと長めのMC。この日はラストライブなだけに、ボーカルの衣美がいままでの活動を支えてくれたことに関する感謝の念を語っていました。
会場がちょっとしんみりなった後は、スケール感ある「はじまりの旅」で聴かせた後にカバー曲「People Get Ready」へ。ドラムスのマリコ、ベースの茜がそれぞれボーカルを取った後、衣美へバトンを渡す形の3人揃ってボーカルを取るスタイル。カーティス・メイフィールドによる名曲を日本語によりカバーした曲を感情たっぷりに見事に歌い上げていました。
その後は「ほろよい橋」や「愛すべき生活」などを聴かせた後、MCでは初期メンバーであるbusanpaの話に。この日は会場にも見に来ていたそうで、ひょっとしたらラストなだけにステージに・・・と思ったら残念ながらそれはなく、彼女がいたころの初期ナンバーということで「ざくろ恋唄」に。こちらはかなりダイナミックなロックチューンで、バンドとしての実力を感じる力強い演奏を聴かせてくれました。
さらにみんながハサミのポーズで盛り上がる「チョキチョキマンのテーマ」、そして彼女たちの曲の中でもっともファンキーともいえる「左折右折」へ。この曲は衣美の家の最寄り駅から自宅への帰り方を歌っただけのナンバー。実はこの最寄り駅、私が学生から卒業後、9年間住んでいた個人的に非常に思い入れの深い駅・・・だったのですが、この日、衝撃の告白が。なんと彼女、引っ越したとか(^^;;で、新しい最寄り駅から引っ越し先の自宅への行き方へ変更になっていたのですが、駅から出て、某工場のところを左折すれば着くらしく、ただただ「左折、左折」と繰り返す曲になっていました。
さて、この曲でライブは大盛り上がりとなったのですが、ここから一転、MCでは三宅伸治との出会いについて語った後、三宅伸治とのナンバーということで「Keep on movin'」や「おめでとう」へ。さらに続くMCでは衣美の子どもの話が飛び出し、そのままダンスチューン「ミラーボール・ベイビー」で再び会場は盛り上がります。
後半は「ただいまおかえり」「ありがとう」などバラード系のナンバーが続きます。フェスやイベントライブではアップテンポ系やファンキー系など盛り上がる曲がメインの彼女たちですが、バラード系のナンバーも実に魅力的。その力強いボーカルで感情たっぷりに聴かせてくれます。そして終盤はファンクナンバー「I need your soul」で再び会場を沸かせ、ラストは「Shine」で本編は締めくくられました。
もちろんその後は盛大なアンコールへ。メンバー3人が再び登場すると、ここでラストのMCへ。メンバー3人がそれぞれ最後の挨拶。スグナシでの思い出なども語り、これが最後と思うとかなりしんみりしてしまいました。メンバーはそれぞれ、その後も音楽活動を続けるそうで、その後の予定も告知されていましたが、これからも積極的な活動が続くみたいで、メンバーそれぞれの活躍が期待されます。そしてラストを締めくくるのは、こでもライブの最後の定番らしい「WE SING ONE VOICE」。タイトル通り、サビはみんなで歌える、会場全体がひとつとなって盛り上げられるナンバー。会場全体が一体となってこの日のライブは幕を下ろしました。
全28曲、3時間にも及ぶ超長丁場のステージ。ただ、ラストとは思えぬようなメンバー3人息のあった迫力あるステージで、立ちっぱなしはちょっと疲れたけど、あっという間の3時間でした。衣美がMCで「一度もメジャーデビューしたことないけど・・・」と語っていたのですが、正直、一部の音楽ファンには高い評価を得ていたものの、ブレイクには結びつかなかった彼女たち。ただ、最後の最後までこれだけのステージと曲をみせてくれるバンドがなぜ売れなかったのか、不思議に感じる非常に魅力的なステージでした。まあ、偉そうに言っていながらも、そういう私もこの日が彼女たちの初ワンマン。もうちょっと早くワンマンライブにも一度足を運んでおけばよかったなぁ・・・そう残念に感じた素晴らしいステージでした。
とはいえ、メンバーは今度も活動を続けるそうで、特にボーカルの衣美はドラムスのマリコを加えたメンバーで新バンドを結成したようで、そちらの活動も期待できそう。新バンドのライブにも是非足を運びたいなぁ。ライブが終わったのは11時頃。ホテルに帰ったのは12時を過ぎていたのですが、そんな長丁場の疲労感を感じさせないほど満足度の高い、ラストライブでした。
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コメント
東京出張に感謝ですね。
投稿: ひかりびっと | 2019年3月 9日 (土) 21時19分