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2019年2月

2019年2月28日 (木)

こちらもアイドル系が1位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週、Hot Albumsで1位を獲得したのはジャニーズ系でした。

1位初登場はジャニーズ系男性アイドルグループNEWS「WORLDISTA」。CD販売数及びPCによるCD読取数で1位を獲得しています。一方、オリコン週間アルバムランキングでも初動売上10万8千枚で1位獲得。前作「EPCOTIA」の11万6千枚からダウンしています。

2位は先週1位を獲得したONE OK ROCK「Eye of the Storm」がワンランクダウンでこの位置。CD販売数及びPCによるCD読取数で2位、ダウンロード数では1位をキープしています。ちなみにご存知の方も多いとは思いますが、ONE OK ROCKのボーカルtakaは以前、NEWSのメンバーとしてデビューを果たしていました。そんなNEWSのアルバムがONE OK ROCKの翌週にリリースされたというのは偶然?それともわざと?ちなみにオリコンでの初動売上はONE OK ROCKが19万7千枚でしたので、NEWSに圧勝しています。

3位はあいみょん「瞬間的シックスセンス」がこちらも先週からワンランクダウンながらもベスト3をキープ。CD販売数3位、ダウンロード数2位、PCによるCD読取数で5位を記録。Hot100同様のロングヒットとなるでしょうか。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位に韓国の男性アイドルグループSUPER JUNIORのメンバー、イェソンによる日本デビューとなるソロアルバムSUPER JUNIOR-YESUNG名義による「STORY」がランクイン。CD販売数4位、PCによるCD読取数59位を獲得。オリコンでは初動売上1万枚で7位初登場。韓国盤の前作「Spring Falling」の1千枚(42位)から多くくアップしています。

5位にはロックバンドフレデリック「フレデリズム2」が初登場。CD販売数及びダウンロード数7位、PCによるCD読取数21位を記録。フルアルバムではメジャーでは2作目となるアルバム。オリコンでは初動9千枚で8位初登場。直近作のミニアルバム「飄々とエモーション」の6千枚(7位)からアップ。フルアルバムとしての前作「フレデリズム」の1万枚(7位)からは若干のダウンとなっています。

6位にはACE OF SPADES「4REAL」がランクイン。CD販売数は5位でしたが、ダウンロード数30位、PCによるCD読取数27位と振るわず総合順位ではこの結果に。ACE OF SPADESはGLAYのHISASHIがギター、EXILEのTAKAHIROがボーカル、RIZEなどで活動していたベーシストのTOKIEと元THE MAD CAPSULE MARKETSのMOTOKATSU MIYAGAMIがドラムで参加しているバンド。2012年に期間限定ユニットとして活動。シングル1枚のみをリリース。その後、2016年にもう1枚シングルをリリースし、散発的な活動を続け、ついに初となるアルバムリリースとなりました。オリコンでは初動売上1万2千枚で4位初登場。

7位初登場は女性声優小倉唯「ホップ・ステップ・アップル」が初登場でランクイン。こちらもCD販売数は6位でしたが、ダウンロード数32位、PCによるCD読取数は24位で結果、総合順位ではこの位置に。オリコンでは初動売上1万1千枚で5位初登場。前作「Cherry Passport」の1万4千枚(5位)からダウン。

最後10位にはアメリカのプログレッシブ・メタルバンドDream Theater「Distance Over Time」が初登場でランクイン。CD販売数9位、ダウンロード数14位。オリコンでは初動売上8千枚で10位初登場。前作「The Astonishing」(10位)から横ばいです。

続いてロングヒット盤ですが、QUEEN「ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)」は6位から8位にダウン。CD販売数は13位にダウンしてしまいましたが、ダウンロード数は5位から3位にアップ。PCによるCD読取数も9位をキープしており、まだまだ根強い人気をうかがわせます。

一方星野源「POP VIRUS」は先週の8位から11位にダウン。ベスト10ヒットは残念ながら9週でストップとなりました。ただ、CD販売数は22位までダウンしたものの、ダウンロード数は4位、PCによるCD読取数は3位と上位をキープしており、まだまだ盛り返しの可能性もあるかも。

今週のHot Albumsは以上。チャート評は来週の水曜日に!

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2019年2月27日 (水)

今週も1位はAKB系

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週も先週に引き続いてAKB48系が1位獲得となりました。

まず1位を獲得したのが大阪を拠点に活動するAKB48の姉妹グループNMB48「床の間正座娘」がランクイン。CD販売数1位、PCによるCD読取数は9位を獲得していますが、ダウンロード数は88位、ラジオオンエア数89位、Twitterつぶやき数13位と全体的には固定ファン層のみへの訴求にとどまっている感も。オリコンでは週間シングルランキングで初動売上19万6千枚を売り上げて1位獲得。前作「僕だって泣いちゃうよ」の23万8千枚(1位)からダウンしています。

2位はロックバンドback number「HAPPY BIRTHDAY」が初登場でランクイン。TBS系ドラマ「初めて恋をした日に読む話」主題歌。片思いをうたった王道系のラブバラード。2月27日にリリースされたシングルからの先行配信となります。ダウンロード数で見事1位を獲得。ラジオオンエア数も7位に入ってきて、Twitterつぶやき数73位と合わせて総合順位では2位に食い込んできました。

そして3位にはあいみょん「マリーゴールド」が先週の5位からランクアップし1月21日付チャート以来、6週ぶりのベスト3返り咲きを果たしています。CD販売数は75位にとどまっているものの、ダウンロード数4位、カラオケ歌唱回数2位、さらにストリーミング数は今週で8週連続の1位、YouTube再生回数も3位からアップし、初の1位を獲得するなどアルバムリリースが大きな要因なのでしょうが、ここに来て勢いが増している感すらあります。

ちなみに「今夜このまま」も8位から6位にアップ。ストリーミング数も8週連続の2位となり、「マリーゴールド」「今夜このまま」でストリーミング数のワンツーフィニッシュの状況がこれで10週連続となっています(9週および10週前は「今夜このまま」が1位、「マリーゴールド」が2位)。

続いて4位以下の初登場局です。まず4位にRoselia「Safe and Sound」が初登場。漫画「BanG Dream!」から派生したプロジェクトにより登場したアニメキャラによるグループのデビューアルバム。CD販売数は3位、PCによるCD読取数は1位を獲得したものの、ダウンロード数15位、Twitterつぶやき数24位そのほかは圏外で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上3万枚で3位初登場。前作「BRAVE JEWEL」の3万4千枚(3位)からダウンとなっています。

7位にはAfterglow「Y.O.L.O!!!!!」が初登場。こちらも「BanG Dream!」から登場したアニメキャラによるグループ。CD販売数7位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数51位を記録。固定ファン層がメインとなるキャラソン系ではダウンロード数が好順位なのがちょっと珍しい感があります。オリコンでは初動売上1万8千枚で8位初登場。前作「ツナグ、ソラモヨウ」の1万2千枚(8位)からアップしています。

8位初登場は九州を拠点に活動している男性アイドルグループ九星隊「By your side」。CD販売数が2位を獲得したほか、すべてランク圏外という、アイテムとしてCDを購入する固定ファン以外に全く人気が波及していないようなランキングに。オリコンでは初動売上3万2千枚で2位初登場。前作「Reach for the STARS」の2万3千枚(3位)からアップしています。

初登場組最後は9位に人気急上昇中のロックバンドKing Gnu「白日」がランクイン。日テレ系ドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」主題歌。配信限定シングルでダウンロード数3位、ストリーミング数及びラジオオンエア数15位、Twitterつぶやき数71位を記録し、見事ベスト10入りを記録しました。

一方ロングヒット組ではあいみょんの躍進の一方、米津玄師「Lemon」は先週に2位から4位にダウン。ダウンロード数及びYou Tube再生回数は1位から2位に、PCによるCD読取数も1位から7位にそれぞれダウンしています。とはいえ、カラオケ歌唱回数は1位をキープしており、そのほかも基本的には上位をキープしているだけにまだまだロングヒットが続きそうです。

そして、ついに、ついにDA PUMP「U.S.A.」が10位から15位にダウン。昨年の6月18日付チャートから維持していたベスト10ヒットの記録は38週で終わりました。残念ながらあれだけヒットしながらもついに1位獲得はなりませんでした。

今週のHot100は以上。Hot Albumsはまた明日!

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2019年2月26日 (火)

ただただ美しい・・・。

Title:Assume From
Musician:James Blake

ジャケット写真をパッと見た時に、「あれ?ジェイムス・ブレイクってこんな老けてたっけ?」とちょっと思いました。髪をあげて額を見せているだけですね(^^;ジェイムス・ブレイクの約3年ぶり、ちょっと久しぶりとなるニューアルバムです。

ジェイムス・ブレイクというと、その胸をかきむしりたくなるような切ないメロディーラインが大きな魅力なのですが、今回のアルバムは何よりもその美しいメロディーが耳を惹くアルバムになっていました。今回のアルバムはまずタイトルチューンの「Assume From」からスタートするのですが、まずは静かにスタートする美しいピアノのフレーズが何よりも耳を惹きます。そしてやがてはじまる彼の透き通った歌声の美しいこと・・・。そしてその後に流れてくる静かなエレクトロサウンドとのバランスも絶妙。これぞジェイムス・ブレイクと言いたくなるような美しく切ない楽曲にまずは強く惹かれます。

その後もコーラスをサンプリングした幻想的なサウンドをバックに美しく歌い上げる「Can't Believe The Way We Flow」や哀愁感たっぷりのエレクトロサウンドを聴かせる「Where's The Catch?」、ストリングスを入れてドリーミーに聴かせる「I'll Come Too」に、ピアノをバックに美しく歌い上げるバラード「Don't Miss It」と、その美しいサウンドと歌の連続に耳を離せません。ラストを締めくくる「Lullaby For My Insomniac」は彼の歌声のみを軸として、バックの音は最小限に抑えたアカペラ的な楽曲。静かな空間で歌い上げる緊迫感ある美しい歌声に強く心を惹きつけられます。

今回のアルバムは加えてゲストミュージシャンが多く参加しているのですが、そのゲストミュージシャンの特徴を上手くアルバムの中に組み込んでいるのもアルバムの大きな魅力となっています。例えば「Mile High」ではトラップミュージックの第一人者であるあのTravis Scottがゲストで参加。ジェイムス・ブレイクのエレクトロサウンドの中にトラップミュージックを上手く取り込んだ楽曲となっています。また、「Barefoot In The Park」ではフラメンコポップ界の歌姫、Rosaliaが参加。こちらもジェイムス・ブレイクのサウンドの中にほどよくラテンの要素が加わり、ユニークな楽曲に仕上がっています。

今回のアルバムは、その当時、最先端だったダブステップを取り込んでシーンに衝撃を与えたデビューアルバムのような目新しさ、みたいなものはなかったものの、幻想的に静かに聴かせるそのサウンドの美しさはデビューアルバムに匹敵する出来だったように思います。また、歌モノという意味では前作「The Colour In Anything」も傑作だったのですが、ただ、前作は全76分という長さにちょっとダレてしまった部分が否めませんでした。しかし本作に関しては全48分。アルバム1枚聴く長さとしてもちょうどよい長さだったように思います。個人的には今回のアルバム、デビューアルバムに続く傑作アルバムだったように感じます。また2作目以降続いていた「歌モノ」という方向性のひとつの到達点だとも言えるのではないでしょうか。その美しい歌声とメロディー、そしてサウンドにただただ聴きほれた傑作でした。

評価:★★★★★

JAMES BLAKE 過去の作品
JAMES BLAKE
ENOUGH THUNDER
OVERGROWN
The Colour In Anything


ほかに聴いたアルバム

Pesto Gia Mena/George Dalaras

こちらも2018年のベストアルバムの後追いで聴いた作品。Music Magainze誌ワールドミュージック部門9位。御年68歳、ギリシャの大ベテラン男性シンガーによる新作。アコースティックギターやピアノの音色をバックに、ラテンやアラブ音楽の要素を取り入れつつ、哀愁感たっぷりの大人の音楽を聴かせてくれます。曲によっては2ドラの主題歌になりそうに思えるほどの泣きのメロが続くアルバムで、歌謡曲とも相性がよさそう。そういう意味では日本人にとっても琴線に触れそうな泣きのアルバムでした。

評価:★★★★

DAYTONA/Pusha T

こちらも同じく2018年ベストアルバムの後追いで聴いたアルバム。音楽情報サイトamssが集計した各種メディアの2018年ベストアルバム集計で3位に入ったアルバム。アメリカ・バージニア出身のラッパーで、本作はアメリカビルボードチャートで3位に入るなどヒットを記録しています。最近の傾向に沿ったような全7曲21分という短くおさめられたアルバムで、リック・ロスやカニエ・ウエストなど豪華なメンバーの参加も話題となっています。トラップ風の楽曲からちょっとレトロな雰囲気の曲、ソウルなボーカルがサンプリングされた曲などわずか7曲ながらもバラエティー豊富な内容に。力強いラップが強く印象に残るアルバムで、アルバムの短さもあっていい意味で聴きやすいアルバムになっていました。

評価:★★★★★

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ユニークな視点の歌詞が大きな魅力

Title:INOTOPIA
Musician:井乃頭蓄音団

毎作、そのユニークかつ独特な歌詞が大きな魅力となっている井乃頭蓄音団。本作はそんな彼らの約2年ぶりとなるニューアルバムです。彼らの大きな魅力といえば、何をおいてもまずは歌詞の世界観なのですが、以前の彼らはダメな自分たちをそのまま描く、ある意味、変態性すら感じられる自虐的な歌詞が大きな特徴でしたが、ここ最近は日々の日常をありのままに描いた歌詞にシフトしています。もっとも、ありのままの自分をそのまま描く、という意味では初期の作品から共通しているのでしょうが。

まず1曲目の「愛」からあまりにもストレートなラブソング。このストレートさが逆に新鮮味を感じます。「今日だけはとことん悲しむといい」という、こちらも彼ららしいストレートさが胸をうつ「悲しむといい」、「愛や夢だけじゃ愛も夢も守れない」という歌詞が胸に響く「イキテク才能」など、ふとしたフレーズが心に深い印象を残す歌詞が大きな魅力となっています。

一方で「THE財閥」など、財閥に対して「世間に縛られている自分たちをまるごと買収してくれ」と歌う、あまりにも独特な発想がユニークですし、「誰だかわからない人にあいさつされた」という「あるある」なシチュエーションを描いた「佐々木です」など、彼ららしいユニークな歌詞も多く、こういうユニークな発想も耳を惹きます。

そんな中でも一番印象に残ったのは最後を締めくくる「息子の恋」。3歳児が保育園で出会った女の子との恋(?)とそれに伴った成長を描いた作品なのですが、確かにこの頃の子どもって、1日でグッと成長するような瞬間があり、似たような歳の子どもを持つ親としてはグッとさせられる歌詞になっています。今回のアルバムの中でも断トツに印象に残る歌詞でした。

一方、サウンドに関しては比較的シンプルなサウンドのフォークロック、カントリーロックなどがメイン。ただ、そんな中で、例えば「悲しむといい」のような悲しい歌詞の楽曲にも関わらず曲調は軽快なカントリーになっていたり、同じく、彼らならではの視点から社会派的な歌詞に挑戦している「違う次元に行こうよ」なども歌詞で歌われている重い内容とは反して、至って軽快な曲調にまとめあげており、そのギャップにユーモアさを感じます。

また、へヴィーなブルースロックでまとめた「土竜」や、ストレートなオルタナ系ギターロック路線の「愛」など、意外と豊富な音楽性のバリエーションも感じられます。どのタイプの曲も比較的シンプルでストレートな作風なのですが、逆にだからこそしっかりとした音楽的な土台を感じることが出来ます。

最近のアルバムは、初期の作品のような「変態性」という飛び道具が薄れてちょっとインパクトが弱くなってしまった感もあったのですが、今回のアルバムではそのユニークな視点からの歌詞によって、ここ最近のアルバムの中では一番強いインパクトを感じた作品になっていました。間違いなくもっともっと売れてもいいバンドだと思うのですが・・・まだ彼らに触れたことない方は、是非ともこのアルバム、一度聴いてみてください。お勧めです。

評価:★★★★★

井乃頭蓄音団 過去の作品
親が泣くLIVE at 下北沢GARDEN 29 Feb.2012
おかえりロンサムジョージ
グッバイ東京
MAHOROBA


ほかに聴いたアルバム

daily/androp

andropのニューアルバムは全6曲入りのミニアルバム。前作「cocoon」はバラエティー富んだ音楽性が特徴的でしたが、本作は一転、全曲にわたる切ないメロと歌詞で統一感あるアルバムになっていました。サウンド的にはシンプルにまとめあげられており、あくまでも「歌」を聴かせることが主眼となったアルバム。ただ、似たような曲が並んだこともあり、ちょっと楽曲のインパクトが薄かったのが惜しい感じがしました。

評価:★★★★

androp 過去の作品
door
relight
one and zero
period
androp
best [and/drop]
blue
cocoon

Saravah Saravah!/高橋ユキヒロ

高橋幸宏が1978年にリリースしたソロデビュー作「サラヴァ!」。本作はバッキングトラックはそのままで、ボーカルのみ今の声で取り直したリメイクアルバム。メロウな雰囲気が入りつつ、ラテンやフランス音楽などの要素を取り入れたシティポップは今聴いても個性的で、古さを全く感じさえないアルバムとなっています。坂本龍一が全作編曲にかかわっているほか、細野晴臣や山下達郎、加藤晴彦や高中正義などそうそうたるメンバーが参加したアルバムですが、その魅力は40年たったいまでも全く衰えることはありませんでした。

評価:★★★★★

高橋幸宏 過去の作品
Page by Page
GOLDEN☆BEST
LIFE ANEW

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2019年2月25日 (月)

ソロデビュー10周年のベストアルバム

Title:DX - 10th Anniversary All This Time 2008-2018 -
Musician:Diggy-MO'

昨年、ソロデビュー10周年を迎えた元SOUL'd OUTのメインMC、Diggy-MO'が、ソロでの活動を総括したベストアルバム。SOUL'd OUT活動中でもソロ活動を行っていた彼ですが、そのSOUL'd OUT活動中のソロ曲を含めて収録された内容になっています。ただ収録曲は発表順などとはなっておらず、彼のソロ時代の代表曲を全体の流れを考えつつ収録した構成になっています。

基本的な方向性としてはDiggy-MO'のソロ曲はSOUL'd OUTの延長線上の作風となっています。過剰とも言える巻き舌に、日本語を英語のように(それも英語らしさを強調して)発音するスタイル。そのため、全体的にはベタな洋楽的に聴こえつつも、メロディーラインには歌謡曲の影響が強く感じられる点。ある種「ベタベタ」ゆえのダサさを感じるのが大きな特徴で、今回のジャケット写真に関しても、ただ真正面からとらえたスタイルはなんとも言えず馬鹿ジャケ的な雰囲気も(笑)。ただ、この貫かれたベタさが非常に耳に残り、聴いていてワクワクするのがSOUL'd OUTの楽曲でしたし、そんな魅力はDiggy-MO'にも貫かれています。まさに「ダサカッコいい」という表現が非常にピッタリくるミュージシャンのように思います。

今回のベスト盤でも「JUVES」でいきなりサビで「ティッピコ~♪」なんていう訳の分からない、でも妙に耳に残るフレーズが登場してきますし、「ZAZA」でもサビで登場する「ザ・ザザザザザ~♪」というフレーズの訳の分からなさが妙に癖になります。また「Lovin' Junk」「SHOTTTTEQKILLA」ようにサビで登場してくるファルセットもSOUL'd OUTからの流れで、このファルセットボイスで楽曲の「抜け」を表現するスタイルもある意味ベタベタすぎて強いインパクトを感じてしまいます。

Diggy-MO'のソロ作はSOUL'd OUT解散であの独特の作風の曲に出会えなくなったファンにとってはうれしくなってくるような曲の連続で、このベスト盤も素直にワクワクしながら楽曲を楽しむことが出来ます。そういう意味でもSOUL'd OUTのファンだった方には無条件でお勧めできるベストアルバムになっています。

ただ一方ではSOUL'd OUTに比べるとDiggy-MO'の自由度が上がったからでしょうか、微妙に異なる点もあるのも事実。例えば「爆走夢歌」のような初期の作品はSOUL'd OUTの楽曲以上に歌謡曲のテイストが強くなっています。また「GIOVANNI」のようなスウィングジャズの要素を加えた曲などもあったりして、Diggy-MO'個人の音楽的興味がより強く楽曲に反映しているようにも感じます。もっともこういった点も、SOUL'd OUTの音楽的要素の中に含まれていたといえば含まれていたので、SOUL'd OUT時代の音楽性からかけ離れたというよりも、その一部がより強調されたといった方が妥当かもしれません。

正直言って、SOUL'd OUTやDiggy-MO'といえば、最近すっかり日本に定着したHIP HOPシーンの中で、あまりに「J-POP」寄りすぎて、HIP HOPとしては無視された存在になっています。確かに、Diggy-MO'のスタイルはHIP HOPのマナーからは離れている部分が少なくありません。ただ、一般的な日本語ラップのラッパーとは全く違う道を取りながら、歌謡曲的な要素や、日本人が思う「洋楽らしい」要素を取り入れつつ独特のスタイルを確立した彼のラップは、ある意味、突然変異的ながらも、ひとつの日本語ラップの到達点のような印象も受けます。今回のベストアルバムでは、そんなDiggy-MO'が確立したラップのスタイルを再確認できる内容になっていました。SOUL'd OUTの時代に比べると人気の面では落ち着いてしまった彼ですが、その音楽性はむしろSOUL'd OUTよりもさらに深化しているように感じます。これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

Diggy-MO' 過去の作品
Diggyism
DiggyismII
the First Night
BEWITCHED


ほかに聴いたアルバム

hadaka e.p./My Hair is Bad

人気上昇中の3ピースロックバンドによる5曲入りのEP盤。分厚いギターサウンドが耳を惹く、シンプルなギターロックの曲が展開。片思いを切なく描いた「微熱」など歌詞も魅力的。サウンドやメロディーにもうちょっと個性があった方がおもしろいかも、と思いつつ、歌詞を含めてしっかりと魅力的な楽曲を聴かせてくれており、5曲入りの短さとはいえ十分に楽しめるアルバムになっていました。

評価:★★★★

My Hair is Bad 過去の作品
woman's
mothers

再会/在日ファンク

2017年は結成10周年だったもののメンバーの脱退&新加入があり、結局アルバムのリリースはなかった彼ら。約2年半ぶりとなる本作は、楽曲にバリエーションを持たせた前作「レインボー」「笑うな」と比べると、比較的初期に戻ったような、JBバリのバリバリファンク路線に回帰。ただ一方、初期の彼らのような日本語の意外な歌詞をファンクのリズムにのせるというスタイルはあまり感じられず、そういう意味ではちょっとインパクトの面は薄くなってしまった感も。あらたなメンバーであらたな一歩というアルバムなのかもしれませんが、ちょっとマンネリ気味になりつつあるのが気になってしまった作品でした。

評価:★★★★

在日ファンク 過去の作品
在日ファンク
爆弾こわい
ベスト・オブ・在日ファンク~覗いてごらん見てごらん~

連絡
笑うな
レインボー

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2019年2月24日 (日)

レゲエにとどまらず様々な音楽性を取り入れた傑作

Title:identity
Musician:MINMI

途中、ベスト盤が挟んだもののオリジナルアルバムとしては約2年ぶりとなるMINMIのニューアルバム。
今回、ちょっと遅ればせながら聴いたのですが、聴いたきっかけはMusic Magazine誌の2018年ベストアルバム、レゲエ(国内)編で1位を獲得していたから。どちらかというとJ-POP的なイメージも強いミュージシャンだったので、「レゲエのアルバム」として高い評価を受けているのはちょっと意外にも感じました。

でも、このアルバムは確かに間違いない傑作アルバムでした。ただし、純然たるレゲエのアルバムというよりはレゲエをベースにしつつも、様々な音楽的な要素を入れて魅力的なポップスアルバムに仕上がっていた本作。もともとレゲエというジャンルにとどまらず、ラップやエレクトロ、ポップスなどの要素を楽曲に取り入れていた彼女なだけに、そういう意味ではMINMIらしいアルバムと言えるかもしれません。

まずイントロを挟んで実質的な1曲目はタイトルチューン「identity」からスタート。エレクトロサウンドをバックにしんみり聴かせるナンバー。若干レゲエ的なリズムも入っていますが、基本的にはメロウな歌声を聴かせるエレクトロポップに仕上がっています。続く「イマガイイ」もJP THE WAVYをゲストに迎え、HIP HOPの要素を取り入れたダウナーなエレクトロポップに仕上げています。

今回のアルバムはエレクトロトラックやHIP HOPの要素を大きく取り入れてきている点が大きな特徴。特に前述のJP THE WAVY以外にも「Passionately」では漢 a.k.a. GAMIを、「FIRE」ではAK-69をゲストとして迎えており、それぞれ力強いラップを聴かせてくれます。特に「FIRE」ではハードコアでダイナミックなトラックをバックにMINMIもラップに挑戦。かなりスケール感ある楽曲に仕上がています。

また、ドリーミーな雰囲気でちょっと和風な雰囲気を混ぜつつメロウに聴かせる「線香花火」ではトラップ的な要素を感じるエレクトロトラックを入れてきており、しっかりと今風な音にもアップデート。そしてラストは横浜F・マリノスの公式ハーフタイム応援ソングでもある「WINNER」で締めくくり。サッカーの応援歌らしい、最初は静かにスタートするものの、徐々に盛り上がっていくアゲアゲなナンバーになっており、軽い高揚感を味わいつつ、アルバムは幕を下ろします。

もっとも「Namaiki」のようなレゲエのナンバーもありますし、要所要所にレゲエ的なリズムを取り入れたりはしており、レゲエシンガーとしてのMINMIの基礎的な土台はアルバム通じて感じることができます。ただ全体的にはエレクトロポップやHIP HOPの要素を強く取り入れた今回のアルバム。音楽的なバラエティーにも富んでおり、ヘヴィーなサウンドからスケール感あるアゲアゲのナンバー、メロウに聴かせる楽曲まで最後まで飽きさせない展開に。またしっかりと今風のサウンドにもアップテンポされており、ある意味、理想的ともいえるポップスアルバムに仕上がっていました。

もともとレゲエを軸としつつも様々な音楽性を取り入れていたMINMI。今回のアルバムはそんな彼女の集大成ともいえる傑作アルバムだったように思います。すっかりベテランミュージシャンの仲間入りをしている彼女ですが、ここに来てこれだけの傑作をリリースするとは驚き。まだまだ彼女の勢いは止まらなさそうです。

評価:★★★★★

MINMI 過去のアルバム
THE LOVE SONG COLLECTION 2006-2007
MINMI BEST 2002-2008
Mother
I LOVE
ALL TIME BEST:ADAM
ALL TIME BEST:EVE


ほかに聴いたアルバム

愛 am BEST,too/大塚愛

本作にも収録されている「さくらんぼ」の大ヒットでおなじみの大塚愛の、デビュー15周年を記念してリリースされたオールタイムベスト。大塚愛といえば最近は離婚騒動で大きな話題となりました。正直、芸能人の浮気や離婚騒動はどうでもいいと思っているのですが、ただ今回の件、旦那の浮気の被害が子供にまで及んでしまっており、そんな中で頑張っている彼女に一種の同情心も覚え、そういうこともあり今回、ベストアルバムを聴いてみることにしました。

大塚愛といえば「さくらんぼ」で一躍ブレイクしたわけですが、その「さくらんぼ」、あらためて聴くとポップスとしての完成度の高さを強く実感します。楽曲の盛り上がりといいサビのインパクトといいサビにからむ歌詞の完成度といい、本当にポップソングとして「理想的」ともいえる出来になっており、本作が大ヒットしたもの納得できます。

ただだからこそその後の彼女の曲はこの「さくらんぼ」を追いかけるような形になってしまっています。「Happy Days」「SMILY」などあきらかに「さくらんぼ」を意識したような曲も少なくなく、彼女自身、「さくらんぼ」の呪縛に苦しんだんだろうなぁ、ということはこのベスト盤を通じても実感できます。全体的には聴いていて素直にウキウキ楽しくなるようなポップソングが多く、難しいこと抜きに楽しめたベスト盤なのですが、その一方で大塚愛の苦しさもどこか感じてしまうベストアルバムでした。

評価:★★★★

クラーケン鷹/電気グルーヴ

配信限定でリリースされた「クラーケン鷹2018」をCDリリースした作品。配信版の方はマイクからの録音だっため観客の歓声なども入っていたのですが、こちらはPA音源からダイレクトに収録したアルバムで、歓声などは入っていません。そのため、ライブの臨場感という意味では配信版の方が魅力的な反面、リミックス音源をしっかりと聴ける内容になっています。そういう意味ではライブ盤というよりもリミックスアルバムという印象も強いかも。今年リリースされた「30」につながるようなリアレンジの楽曲もあり、ライブの中で電気グルーヴの曲がどのように変化していくのか、より注目できる作品になっています。

評価:★★★★★

電気グルーヴ 過去の作品
J-POP
YELLOW
20
ゴールデンヒッツ~Due To Contract
人間と動物
25
DENKI GROOVE THE MOVIE?-THE MUSIC SELECTION-
TROPICAL LOVE
DENKI GROOVE DECADE 2008~2017
TROPICAL LOVE LIGHTS

TROPICAL LOVE TOUR 2017
クラーケン鷹2018

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2019年2月23日 (土)

数多くの民謡に影響を与えた原点

Title:牛深ハイヤ節

本作もまた、各種メディアで2018年ベストアルバムとして紹介されたアルバムのうち、まだ聴いていないアルバムを後追いで聞いた1枚。Music Magazine誌のワールド・ミュージック部門で10位にランクインされていた本作。
ここでも何度か取り上げた、
阿波踊りをレアグルーヴ的な観点から再解釈し大きな話題となった「ぞめき」シリーズをプロデュースした久保田麻琴による企画・録音・リマスターによるアルバム。熊本県の天草に位置する漁村、牛深に江戸時代から伝わる民謡、牛深ハイヤ節を録音した作品です。

「ハイヤ」とは九州で南風のことを示す「ハエの風」が語源。船乗りたちがこの南風が吹くのを待つ風待ちの時間に繰り広げられた宴会の席で歌った酒盛り歌がこの「ハイヤ節」のルーツだとか。そんなハイヤ節は海を介して文字通りの津々浦々に広がっていき、佐渡おけさなどのルーツになった、と言われています。

本作は2枚組のアルバムとなっており、1枚目には現在の歌い手による「牛深ハイヤ節」が収録。2枚目は1996年に逝去した舞踏家・民俗芸能研究家の桧瑛司が70年代に録音したと思われる「牛深ハイヤ節」の貴重な録音を収録。さらに同作のリミックス、ダヴ・バージョンも収録されています。

さて、そんな本作ですが、まずはとにかくビートが心地よさを感じます。三味線が鳴る中で軽快なリズムを刻む小太鼓。そして時折大太鼓が重いビートを奏でます。太鼓が刻むビートはシンプルな四つ打ちではなく、跳ねるようなリズム感が大きな魅力に。また、ここに大太鼓の重い音が絡むことにより、一種の幻想感すら感じます。

そもそもこの「ハイヤ節」というのは宴会の席での音楽ということで当然、聴き手にはアルコールが入っている訳で。そういう意味ではハイヤ節は酩酊状況で聴く音楽。軽快に飛び跳ねるようなリズムからは一種のトリップ感を覚えます。また「ハイヤ節」ではハイトーンの女性の歌が加わりますが、この女性の甲高い歌声もトリップ感を味わえる大きな要素に。誤解を恐れずにいえば、「ハイヤ節」は一種のドラッグソング、と言えるの・・・・かも??

今回のアルバムには、牛深ハイヤ節の源流とも言われる「元ハイヤ(加世浦磯節~牛深ハイヤ節)」が収録。15分にも及ぶ長尺の曲なのですが、途中に合いの手を入れながら歌い手が順々に歌っていくスタイルで、まさに宴会の場を彷彿とさせるような曲。こういう曲からハイヤ節がはじまったと思うと、なかなか興味深く感じられました。

Disc2は前述のとおり、70年代の録音ということで音はかなり悪い感じに。ただ、基本的なグルーヴ感はそんな中でも十分に感じられます。ここに久保田麻琴によるリミックスが加わり、より「レアグルーヴ感」が強まった感じに。このリミックスやダブバージョンももちろん魅力的なのですが、どちらかというとおまけ的な感じかな?

さて、日本人というと平坦な四つ打ちのサウンドを好んだり、無意味に音を詰め込んだような分厚いサウンドを好んだりと、リズム感が悪く、耳が貧乏と言われることがあります。ただ、この牛深ハイヤ節を聴くと、ある種の「ファンキー」さも感じるリズムや、音を削ったようなシンプルなサウンドが大きな特徴となっており、本来、日本人はリズム感がないわけではなく、また耳貧乏でもなかったのではないか、とすら感じました。お酒を飲みながら聴くと、軽くトリップできそうな心地よさのある音楽。日本にはまだまだ魅力的な音楽文化がたくさんありそうです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

SAMURAI SESSIONS vol.3- Worlds Collide -/MIYAVI

最近では海外でも活躍するギタリストMIYAVI。本作は以前から彼がリリースしている、数多くのミュージシャンとのセッションを収録したアルバムの第3弾。海外でも活躍する彼らしく、本作はサブタイトルどおり、海外のミュージシャンも数多く参加したアルバムになっています。ファンキーでヘヴィーなギターサウンドがとにかくカッコよく、特に前半ではアグレッシブなギターサウンドがゲストと四つに組んだような楽曲が多く、理想的なセッションとなっているのですが、EDMが目立つようになる後半からは打ち込みのサウンドが前に出てしまいギターが後ろに下がってしまった感が。全体的な出来としてはいまひとつだったVol.2よりも圧倒的によくはなかったのですが、個人的にはEDM路線はあまりいらないような・・・。

評価:★★★★

MIYAVI 過去の作品
WHAT'S MY NAME?(雅-MIYAVI-)
SAMURAI SESSIONS vol.1(雅-MIYAVI-)
MIYAVI
THE OTHERS
FIRE BIRD
ALL TIME BEST "DAY2"
SAMURAI SESSION vol.2

Life is going on and on/MISIA

本作にも収録されている「アイノカタチ」がドラマ主題歌となり大ヒットを記録したMISIAの約3年ぶりとなるニューアルバム。その歌唱力は昨年の紅白でも大きな話題となりましたが、本作もそんな歌唱力を活かしつつ、ただ全体的には良くも悪くも安定感ある作品。特におととしジャズのアルバムをリリースしている彼女らしく、アルバムの要所要所にジャズの影響を感じさせる曲が並んでおり、そんなジャズ的要素を含めて「大人のアルバム」という印象を強く受ける作品となっていました。

評価:★★★★

MISIA 過去の作品
EIGHTH WORLD
JUST BALLADE
SOUL QUEST
MISIAの森-Forest Covers-
Super Best Records-15th Celebration-
NEW MORNING
MISIA 星空のライヴ SONG BOOK HISTORY OF HOSHIZORA LIVE
MISIA SOUL JAZZ SESSION

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2019年2月22日 (金)

美メロの連続で夢のような1時間半

TEENAGE FANCLUB JAPAN TOUR 2019

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2019年2月5日(火) 19:30~

Tfc_live

あのTEENAGE FANCLUBが結成30周年を記念したライブツアーを実施。名古屋でもライブが行われる!ということで足を運んできました。会場には開演予定時間の10分程度前に到着。会場のクアトロは満員・・・とまでは残念ながらいかず8割程度の入り。ただ多くのファンが詰めかけ、開演を今か今かと待ちわびていました。

開演予定時間ちょうどにまずはサポートアクトのTENDOUJIが登場。名前だけは聞いたことあるかな・・・という程度のバンドで、ステージを見るのはもちろん音を聴くのも今回はじめて。4人組のギターロックバンドなのですが、ギターの音などにあきらかにTEENAGE FANCLUBからの影響も感じられるポップなオルタナ系ギターロックバンド。名前はいかにも和風のバンドなのですが、楽曲は全英語詞で洋楽テイストも強く、TFC好きにはかなり楽しめるサウンドで好印象。全7曲30分のステージでしたが、音源も聴いてみたくなりました。

その後セットチェンジが行われ約20分。20時20分頃についにTEENAGE FANCLUBのメンバーが登場。ノーマン・ブレイクが舞台中央に、レイモンド・マッギンリーが下手に、デイビット・マクゴーワンが上手にと3人並び、バックはキーボードで新加入したエイロス・チャイルズとドラムスのフランシス・マクドナルドが並ぶという編成。メンバーは全員ラフな普段着の格好で、正直言って、申し訳ないのですがカリスマ性みたいなものはなく、正直言って、パッと見た感じ、趣味で集まったおじさんバンド・・・みたいな感じもしてしまいました(^^;;このいい意味で力の抜けた雰囲気がTEENAGE FANCLUBの良さかもしれません。

この日のステージはまず「Start Again」からタイトル通りのスタート。まずノーマンと新加入のエイロスが美しいハーモニーを聴かせつつ、会場を盛り上げます。さらにノイジーでロックテイストも強い「The Cabbage」へと続き、ロックバンドとしてのTEENAGE FANCLUBのステージをしっかりと見せてくれました。

ステージはMCも少な目で比較的淡々と続く感じ。ただ、ベテランバンドの彼ららしく、力の抜けたステージングが大きな魅力。「趣味で集まったおじさんバンド」みたい、と書いたのですが、ステージパフォーマンスもまさにそんな感じで、メンバー全員がまずは音楽を楽しんでいるようなステージが続きます。

基本的にノーマン・ブレイクとレイモンド・マッギンリーの2人がお互いにボーカルを取っていくスタイル。比較的ロックテイストの強いノーマンの曲に対して、ちょっと哀愁感もあり聴かせるナンバーが多いレイモンドの曲の対比が、ライブで聴くとあらためて実感させられます。ただ昨年、残念ながらもう一人のメインライターだったジェラード・ラヴが脱退しており、ジェラードの曲はこの日、1曲も演らなかった点、とても残念でした・・・。

中盤でとくに盛り上がったのが「Catholic Education」。ロックテイストの強いへヴィーなバンドサウンドを聴かせるナンバーで、基本的にポップなメロが大きな魅力の彼らですが、この曲では力強くダイナミックな演奏を聴かせ会場を盛り上げます。そこから一転、「Your Love Is the Place Where I Come From」としんみり聴かせるナンバーへと展開。ロックテイストの強い曲からTFCらしい美メロを聴かせるナンバーへと続きます。

さらにそこから新曲へ。この日、MCで何度もニューアルバムを作成中である話を軽く話していたのですが、おそらくそこに入る曲でしょう。TFCらしい切ないメロディーラインが魅力的なナンバーで、その美メロが耳を惹きます。おそらく次のアルバムに収録されるのでしょうが、次のアルバムもかなり期待できそうです。

後半は「Planets」「I Don't Want Control Of You」「Hold On」そして「I'm In Love」とメロディーを聴かせるナンバーが続きます。もちろんTFCといえばその美しいメロディーラインが最大の魅力。その美メロに聴き入る夢のような時間が過ぎて行きます。そして本編ラストは「Everything Flows」。こちらは比較的ロック色の強いナンバーで最後の最後に会場を盛り上げます。最後は分厚いノイズギターを会場に響かせ、まずは本編が幕を下ろしました。

もちろんその後はアンコールへ。比較的短い時間でメンバーが再び登場すると、まずは「The Fall」へ。こちらもしんみりと曲を聴かせた後は、彼らの代表曲である「The Concept」へ。会場は大歓声があがります。個人的にもこの日最も聴いてみたかった曲の1つだっただけに、大興奮。会場全体が盛り上がり、この日最大のクライマックスとなりました。そしてその後はノーマンがアコギに持ち替えて、最後は「Broken」で静かに締めくくり。最後は聴かせるナンバーで終わるあたりに彼ららしさも感じます。

サポートアクトが30分+セットチェンジ20分+TEENAGE FANCLUBのステージはアンコール込で1時間半。およそ2時間半弱のステージでした。言うまでもなくTFCは大好きなバンドのひとつだったのですが、この日はじめてライブを見て、あらためてその美しいメロディーラインに聴きほれてしまい、1時間半という時間があっという間に過ぎ去ったステージでした。個人的にはこの日、彼らの代表曲をあらためてじっくり聴いてみて、あらためて自分はTEENAGE FANCLUBというバンドが大好きなんだな、ということを再認識しました。

最初にも書いた通り、ほとんど普段着のようなステージ衣装で、趣味のおじさんバンドのステージのような力の抜けたステージ。にも関わらず、多くの人たちを魅了する美メロを奏で、この日会場に集まったファンみんなが魅了される素晴らしいステージでした。ジェラードの曲がやらなかったのは非常に残念ですが、ただ、新体制のステージながらも、メンバー全員がしっかりと息の合ったステージを見せてくれたと思います。おそらくそう遠くないタイミングでニューアルバムも聴けそうですし、そちらのアルバムも非常に楽しみ。美メロの連続で、まさに夢のような1時間半。非常に満足した楽しいステージでした。

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2019年2月21日 (木)

今後のシーンを担うミュージシャンが1位2位

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週のHot Albums。おそらく今度の日本のミュージックシーンを担っていきそうなミュージシャンが1位2位にならびました。

まず1位初登場はロックバンドONE OK ROCK「Eye of the Storm」。ご存知おそらく今、もっとも勢いのあるロックバンドの一組。CD販売数、ダウンロード数、PCによるCD読取数いずれも1位を獲得し、圧倒的な強さを見せつけました。オリコン週間アルバムランキングでも初動売上19万7千枚で1位を獲得しています。ちなみにオリコンではINTERNATIONAL VERSIONも初動2万8千枚で3位を獲得。ベスト3に2枚同時ランクインを果たしています。

ただし初動売上では前作「Ambitions」が23万2千枚(1位)を売り上げていたので残念ながらそちらよりはダウン。海外盤も前作では初動3万7千枚(4位)でしたので、こちらも残念ながらダウンしてしまっています。

そして2位も、今最も注目されている女性シンガーソングライターあいみょん「瞬間的シックスセンス」がランクイン。こちらはCD販売数及びダウンロード数は2位でしたが、PCによるCD読取数は3位となっています。オリコンでも初動売上6万1千枚で2位初登場。前作「青春のエキサイトメント」の2千枚(26位)を大きく上回り、アルバムシングル通じてCD販売数を集計しているチャートでは初のベスト10入りとなりました。ただ正直言うと、思ったほどは伸びなかったかな、という印象も。オリコンの合算アルバムランキングでは8万1千ポイントを獲得しているので、ダウンロード&ストリーミングで約2万枚相当を売り上げている計算に。こちらも「CD以上にダウンロードやストリーミングで聴かれている」というほどではありません。ヒットしている「マリーゴールド」や「今夜このまま」のファンがどれだけ「曲のファン」ではなく「あいみょんのファン」として獲得しているのか、今の段階ではちょっと不明な感があります。今後の彼女の動向が気にかかります。

3位初登場は日本でも人気のアメリカの女性シンガーソングライターAvril Lavigne「Head Above Water」がランクイン。CD販売数6位、ダウンロード数4位、PCによるCD読取数は34位でしたが、総合順位では見事ベスト3入りです。オリコンでは初動売上1万3千枚で7位初登場。前作「AVRIL LAVIGNE」の4万7千枚(2位)から大幅ダウンしています。ここ数作、22万3千枚→13万5千枚→4万7千枚→1万3千枚と凋落傾向が止まりません。もっとも洋楽の場合はストリーミングなどの影響も大きいのでしょうが。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にはmagical2「MAGICAL☆BEST-Complete magical2 Songs-」がランクイン。テレビ東京系女児向け特撮ドラマ「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」から誕生したアイドルグループ。CD販売数が3位で、その他は圏外という結果に。オリコンでは初動売上2万2千枚で4位初登場。前作「晴れるさ」の1万5千枚(8位)からアップしています。

5位はTEAM SHACHI「TEAM SHACHI」がランクイン。いままでチームしゃちほこと名乗っていた名古屋在住のタレントで結成されているスターダストプロモーション所属の女性アイドルグループ。本作はTEAM SHACHI改名後の初CDとなります。CD販売数4位、ダウンロード数62位、PCによるCD読取数は圏外で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動1万9千枚で5位初登場。直近作はベスト盤「しゃちBEST 2012-2017」の1万1千枚(4位)で同作よりはアップ。またオリジナルアルバムとしての前作「おわりとはじまり」の1万2千枚(10位)からもアップしています。

7位には我らが槇原敬之のニューアルバム「Design&Reason」がランクイン。CD販売数7位、ダウンロード数8位、PCによるCD読取数29位を記録。オリコンでは初動売上1万枚で10位初登場。前作「Believer」の1万6千枚(5位)からダウンしています。

今週の初登場組は以上。ほかに今週は返り咲き組が2枚。9位に韓国の男性アイドルグループGOT7「I WON'T LET YOU GO」が先週の21位からランクアップし2週ぶりにベスト10返り咲き。おそらく2月上旬からCD販売購入特典の発表が相次いでおり、それに合わせて追加購入したファンが増加したものと思われます。また米津玄師「Bootleg」が先週の11位から10位にランクアップし2週ぶりのベスト10返り咲き。おととしの11月3日以来、ずっと20位以内をキープしており驚異的なロングヒットを続けていますが、まだまだヒットは続きそう。

そしてまだまだがんばっているロングヒット組。まずは星野源「POP VIRUS」。今週は7位から8位にダウン。ただし、ダウンロード数は7位、PCによるCD読取数は2位をキープしており、まだまだ根強い人気をうかがわせます。一方QUEEN「ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)」は9位から6位に再度ランクアップ。CD販売数8位、ダウンロード数5位、PCによるCD読取数9位といずれもまだまだ上位にランクインしておりロングヒットはまだまだ続きそうです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年2月20日 (水)

アイドル系が目立つ中・・・

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

今週、まずチャート上位にはアイドル系が目立ちました。

そんな中で1位を獲得したのはAKB48の姉妹グループで瀬戸内を拠点に活動するSTU48「風を待つ」が初登場でランクイン。CD販売数1位、PCによるCD読取数4位、Twitterつぶやき数2位を獲得した一方、ダウンロード数62位、ラジオオンエア数は12位に留まっています。オリコン週間シングルランキングでは初動売上27万6千枚で1位を記録。前作「暗闇」の13万8千枚(1位)からアップしています。

3位も女性アイドルグループ。ハロプロ系のJuice=Juice「微炭酸」が初登場で獲得。CD販売数は2位を獲得したものの、ダウンロード数48位、ラジオオンエア数78位、PCによるCD読取数37位、Twitterつぶやき数49位と固定ファン層以外への訴求力にかけ、結果としてこの順位に。オリコンでは初動6万2千枚で3位初登場。前作「SEXY SEXY」の5万2千枚(3位)よりアップしています。

さて、こんなアイドル系の間を縫う形で2位に入ってきたのが、なんと米津玄師「Lemon」。先週の4位からアップし、2週ぶりにベスト10返り咲き。CD販売数は22位までダウンしましたが、ダウンロード数、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数、You Tube再生回数、カラオケ歌唱回数と軒並み1位を獲得しています。ここに来て、ここまで人気を維持しているのは驚き。まだまだロングヒットが続きそうです。

続いて4位以下の初登場です。4位にはジャニーズ系。山下智久「Reason」がランクイン。ちょっとK-POPを彷彿とさせるEDMチューン。CD販売数3位、PCによるCD読取数及びTwitterつぶやき数7位、ダウンロード数71位でその他は圏外という結果に。オリコンでは初動売上6万5千枚で2位初登場。直近作はKAT-TUNの鬼梨和也と組んだ亀と山P名義の「背中越しのチャンス」で、同作の17万5千枚(1位)からダウン。山下智久ソロ名義だと2013年の「SUMMER NUDE '13」以来、約6年7ヶ月ぶり。同作の9万8千枚(1位)からもダウンしています。

6位には韓国の男性アイドルグループPENTAGON「COSMO」が初登場でランクイン。韓国のテレビ番組「PENTAGON MAKER」から誕生したグループで、韓国人中心ながら日本及び中国出身のメンバーも在籍するグループ。本作がシングルとしてはデビュー作となります。CD販売数は4位ながらもラジオオンエア数38位、Twitterつぶやき数20位、ほかは圏外という結果で総合順位はこの意味。オリコンでは初動3万8千枚で4位初登場。

今週も比較的初登場曲が目立ったチャートでしたが、そんな中でもロングヒットはまだまだ健闘中。まずあいみょんですが、「マリーゴールド」が5位、「今夜このまま」が8位となんと2曲とも先週と同順位という結果となっています。ストリーミング数では相変わらず「マリーゴールド」1位、「今夜このまま」は2位という1、2フィニッシュを続けており、ロングヒットはまだまだ続きそう。

そしてDA PUMP「U.S.A.」ですが今週はついに10位にダウン。後がなくなりました。ただ、You Tube再生回数はまだ2位をキープしており、まだまだこの曲にはまっている人は少なくなさそう。今一度の奮起を期待したいところですが・・・。

今週のHot100は以上。明日はHot Albums!

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2019年2月19日 (火)

ちょっと懐かしさを感じるエレクトロポップ

Title:Chris
Musician:Christine and the Queens

本日も引き続き2018年ベストアルバムを後追いで聴いた1枚。音楽ニュースサイトamassでの主要メディアの年間ベストアルバムの集計で10位にランクインしたアルバム。遠目で見ると男前な顔つきですが、フランスの女性シンガーソングライター、エロイーズ・ルティシエによるソロプロジェクト。本国フランスで圧倒的な人気を誇るほか、イギリスでも本作はチャート3位に入るなど高い人気に。さらに全米デビューも果たしており、かのロードやマドンナが賛辞を送ったことでも話題になりました。

今回のアルバムは全2枚組となるのですが、1枚目が英語、2枚目が母国語であるフランス語による歌唱となっています。そんな本作ですが、基本的な方向性としては80年代を彷彿させる軽快なエレクトロポップ。冒頭の「Comme si」からまず80年代っぽいちょっとチープさを感じるエレクトロサウンドの軽快でリズミカルなポップからスタートします。2曲目「Girlfriend」はまさしく80年代的なアダルト・コンテンポラリーな作風。ちょっと懐かしさすら感じてしまいます。

この「Girlfrend」などもそうなのですがこの80年代のアダルト・コンテンポラリー的なサウンドはどこかマイケル・ジャクソンからの影響を感じさせる部分も。まあ、80年代的な音を取り入れて、かつリズミカルなポップというと、どうしてもマイケルは避けることが出来ないのでしょうが、そういう意味でもどこか懐かしさを感じさせつつ、かついい意味で耳障りのよいポップチューンに仕上がっていました。

さらにもうひとつの大きな魅力が彼女の美しくクリアなボーカル。特に後半はメロウに聴かせるナンバーが並び、のびやかな歌声が美しい「What's-her-face」も印象的ですし、終盤に大きなインパクトとなっているのが「Make some sense」。ウィスパー気味で美しく聴かせる歌声が胸に響きます。この2曲を含めてメロディーラインにも卓越したセンスを感じることが出来、素直に楽しめるエレクトロポップのアルバムとなっていました。

しかしここ最近、彼女のような80年代の雰囲気も感じるようなエレクトロポップを奏でるミュージシャンが注目を集めるようになってきましたね。2018年はナイル・ロジャースのアルバムも大きな注目を集めましたし、90年代あたりは「ダサい」と言われていた80年代ポップが一回りして再び注目を集めてきているような印象があります。今後、まだまだ80年代再評価が進むのか、それとも行き過ぎて再び「ダサい」的なイメージがついてしまうのか・・・これからの動向にも注目したいところです。

ちなみに2枚目はフランス語バージョン。基本的には内容は一緒で歌っている言語が違うだけ。フランス語独特のイントネーションで、よりメロウになっているなか?といった印象が。ただ、大まかな印象はあまり異ならなかったような。

そんな訳でちょっと懐かしさも感じるエレクトロポップが素直に楽しいポップチューンが並ぶ傑作アルバム。本作が2作目となるのですが、イギリスでもブレイクしている彼女。今後はアメリカや日本でも注目を集めるかも。高い評価も納得の楽しいポップアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

19/MHD

こちらも2018年ベストアルバムの後追いで聴いたアルバム。Music Magazine誌ワールドミュージック部門で7位となったフランスで高い人気を誇るラッパーの最新作。ギニア/セネガル系の両親を持つ彼のサウンドは、アフリカの音楽の要素を強く感じるトライバルなリズムにラップを重ね合わせたスタイル。特に昨今の流行であるトラップミュージックを融合させることにより独特のラップに仕上げています。まだ「ワールドミュージック」的な扱いのようですが、今度はHIP HOPのシーンでも注目を集める・・・かも?

評価:★★★★★

137 Avenue Kaniama/Baloji

こちらも2018年ベストアルバムの後追い。Music Magazine誌ワールドミュージック部門で8位。こちらもベルギー在住のコンゴ人のラッパー。こちらもトライバルなリズムにラップを加えた独特のラップミュージックが魅力的。そういう意味ではMHDと共通項を感じるのですが、こちらの方がトライバル的な要素は強いかな?哀愁を感じるトラックも魅力的な1枚でした。

評価:★★★★★

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2019年2月18日 (月)

ロックバンドらしいロックバンド

Title:Joy as an Act of Resistance
Musician:IDLES

本日紹介するアルバムも2018年各種メディアの「ベストアルバム」の後追いで聴いた作品。音楽ニュースサイトamassで主要メディアの年間ベストアルバムを集計していたのですが、その中で8位に輝いたアルバム。IDLES・・・というとアイドルの集団か?とも思ってしまうのですが、そうではなくてイギリスはブリストルで結成されたポストパンクバンド。「現代のセックスピストルズ」とも称され、デビュー当初から高い注目を集めているバンドです。

最近はすっかり音楽シーンの中心に位置するのはHIP HOP勢に占められてしまっています。ロックバンドも勢いあるバンドは少なくないものの、どちらかというとHIP HOPからの影響を含め、様々なジャンルからの音楽を取り入れたような、いわば「音楽的偏差値の高いバンド」が注目を集めているような印象を受けます。

彼らもパンクバンドと称しているとはいえ、頭に「ポスト」という一言がついているので、そんなHIP HOPを含めて様々な音楽性を取り込んでいるようなロックバンドかと思いきや・・・1曲目「Colossus」から、非常に重いバンドサウンドとノイジーなギター、そしてシャウト気味のボーカルという、ある意味、ロックらしいロックサウンドが展開されてきます。続く「Never Fight A Man With A Perm」も疾走感あるバンドサウンドにテンポよく展開されるギターリフが心地よいロックチューン。分厚くて重いバンドサウンドにシャウト気味のボーカルという、とてもロックバンドらしいロックナンバーが続いていきます。

「現代のセックスピストルズ」という言われ方をしているのですが、音楽的な方向性としてはパンクロックというよりもエモコア、ハードコアの指向が強いように感じます。どちらかというとBPMはゆっくり目の重いバンドサウンドの楽曲が続いていきます。ここ最近のロックバンドはインディー勢も含めて、どちらかというとスカスカなサウンドのバンドが多いだけに、このヘヴィーなサウンドはロック好きとしては素直に心地よさを感じてしまいます。

一方では「I'm Scum」「Great」など、へヴィーなサウンドとシャウト気味なボーカルの中で少々気が付きにくい部分はあるのですが、メロディーラインが意外とポップで気持ちよさを感じるのも大きな特徴。分厚いサウンドやシャウトだけで楽曲を成り立たせているわけではなくて、その底辺にはしっかりとしたメロディーラインが確実に流れています。

ロックバンドとしてはここ最近目づらしいほどの「王道」的なものを感じるバンド。それだけにロックリスナーとしてはへヴィーなサウンドに気持ちよさを素直に感じるアルバムになっていました。もっとも、そんな「王道」的なサウンドではありつつも、不思議に思ったほど古さみたいなものは感じません。なによりも圧倒的な音量と、そしてポップなメロと時代を越えて不変的に魅力を感じる要素で迫ってきているからでしょうか?

また一方、彼らが高い評価を受けるもうひとつの要因はその歌詞。「Danny Nedelko」は移民の友人を描くことによりイギリスの移民問題をテーマとしていますし、「Samaritans」では男性らしさということを懐疑的に描いています。特にこの手のエモコア、ハードコアサウンドはともすればマッチョイムズと結びつきやすい分野ですし、実際、彼らの楽曲もサウンド的にある種の「男らしさ」を感じるだけに、その「男らしさ」というものを懐疑的に捉えている点には非常におもしろさを感じます。「現代のセックスピストルズ」という言われ方はサウンド面よりもむしろこういった歌詞を指しているのかもしれません。

そんな訳で、歌詞の世界観を含めて実にロックバンドらしいロックバンドと言えるかもしれない彼ら。ただそれにも関わらず、サウンドを含めて今の時代に違和感ない点に頼もしさを感じます。既に紹介しているように個人的には年間ベストクラスの傑作アルバムだと思っています。これからの彼らの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Radio Luboyna/Luboyna

本作も2018年各種メディアの「ベストアルバム」の後追いで聴いた1枚。「Music Magazine」誌のワールドミュージック部門5位。Luboynaとはヴェラ・ミロシェフスカという女性ボーカルを擁するマケドニアのビックバンド。ホーンセッションを中心とした暖かみのあるサウンドに哀愁感たっぷりに歌い上げるヴェラのボーカルが非常に魅力的。要所要所に醸し出すエキゾチックな雰囲気もいい塩梅に入っており、全体的には比較的ポップで聴きやすいものの、異国情緒を感じる雰囲気に大きな魅力を感じた傑作でした。

評価:★★★★★

Un Autre Blanc/Salif Keita

世界的にもその名前を知られるアフリカはマリ出身のシンガーソングライター、サリフ・ケイタの新作。既に「大御所」とも呼ばれるような地位を築いている彼ですが、なんとこのアルバムを最後に引退を表明しているとか。偉大なミュージシャンなのでその事実は非常に残念。本作も「Music Magazine」誌ワールドミュージック部門で6位にランクイン。ただ、選者評でも引退の「ご祝儀も兼ねて」とコメントされていたように、ミディアムテンポでしんみり聴かせる楽曲がメインの内容は良くも悪くもいつも通りといった感じがあり、卒なくこなしているものの「傑作」というにはちょっと物足りない印象も。本当にこれで「最後」になるのかは不明なのですが・・・とりあえずはお疲れ様でした!

評価:★★★★

SALIF KEITA 過去の作品
LA DIFFERENCE
TALE

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2019年2月17日 (日)

早くも結成20周年

Title:The Very Best of SHERBETS「8色目の虹」
Musician:SHERBETS

ご存知元BLANKEY JET CITYの浅井健一率いる4人組ロックバンド。
ブランキー活動中にそのバンド活動も開始したSHERBETSですが、途中、活動休止の時期もはさみつつ、2018年は現メンバーでの活動もついに20周年。そんな訳で彼ら初となるベスト盤がリリースされました。

初回盤は全3枚組+DVD、通常盤は1枚という構成。初回盤の3枚組は曲順は必ずしもリリース順ではないものの、初期・中期・後期とわけられた構成になっています。ちなみに2018年で結成20年というのは現メンバーでのこと。1996年に今とは異なったメンバーでSHRBETSというバンドを組んでいます。ただし、今回のアルバムではその時期の楽曲も収録されており、決して「黒歴史」という訳ではないようです。

さてSHERBETSというと、ここ最近のイメージとしては曲単位だとカッコいい曲もあるけどアルバム通じて聴くと似たようなタイプの曲ばかりで飽きる、というイメージがありました。正直言うと、今回のベスト盤を聴いても同じようなイメージを受けてしまいます。確かに1曲1曲を別々に聴くとベンジーの声といい、くすんだ雰囲気の世界観といい、バンドサウンドといい文句なしにカッコいいのですが、どれも同じようなタイプの曲ばかり。ちょっと飽きてしまうなぁ、という印象はベスト盤を聴いた後でも変わりませんでした。

ただ、そんな中でもDisc1については文句なしでカッコいい楽曲が並んでいたと思います。とにかく近づいたら大ケガをしそうなヒリヒリするような楽曲の連続。1曲目を飾る「HIGH SCHOOL」などはノイジーなガレージサウンドとベンジーの声が見事にマッチして、これでもかというほどの力強い緊張感あるサウンドを聴かせてくれますし、「三輪バギー」も疾走感あるバンドサウンドが迫力満点。勢いあるサウンドに一気に惹きこまれる楽曲になっています。さらにDisc1の最後を飾る「38Special」はベンジーの世の中に対する苛立ちをそのまま吐露する歌詞は、いま聴いても簡単には触れられなさそうな危険な雰囲気満載の楽曲に仕上げられています。

ただ正直言うと、Disc2の頃の中期に関しては出来がいまひとつ。特に2000年代以降、浅井健一自体が数々のユニットを同時並行的に結成しアルバムも乱発。あきらかに制作過多な状況に陥っていました。Disc2の頃の作品は初期のヒリヒリする空気も薄れた割には、退廃的な世界観はそのまま残り、バンドサウンドの奏でる音にヤバさはなくなったものの、楽曲の雰囲気で無理やりその世界観を作り上げているような、ちょっとチグハグしたものも感じます。もっともそんな中でも「Baby Revolution」のようなコミカルな歌詞のベンジーらしい「反戦歌」なんかがあったりするので、決して駄作続くという感じではないし、1曲1曲取り上げれば、名曲も少なくないのですが。

一方、Disc3の後期になると、初期ほどではないにしろ幾分か勢いを取り戻しつつあるように感じました。新曲「愛は起きてる」は彼らとしては異色ともいえる四つ打ちのリズムのダンスチューンとなっていたり、楽曲のバリエーションも増えてきますし、また初期のようなヒリヒリする空気はまだ薄めなのですが、比較的安定感ある楽曲がそろっているような印象も受けました。ここ最近はようやく一時期の乱発気味だったリリースも落ち着いてきた感じになっているのですが、それにあわせて1曲1曲の楽曲の出来もよくなってきたといった感じでしょうか。正直、いまひとつな作品が続いていたSHRBETSのアルバムですが、この調子ならばそろそろようやく傑作に出会えそうです。

評価:★★★★

SHERBETS 過去の作品
MIRACLE
GOD
MAD DISCO
FREE
STRIPE PANTHER
きれいな血
CRASHED SEDAN DRIVE


ほかに聴いたアルバム

Eutopia/STUTS

こちらも2018年の「ベストアルバム」の後追いで聴いた1枚。Music Magazine誌「日本のラップ/HIP HOP」部門で1位を獲得したアルバム。最近では星野源の楽曲への参加で一気に知名度を上げたミュージシャンで、「ラップ」というよりもトラックメイカーといった方が良いでしょう。本作もラップの作品も含んでいますが、基本的にはトラックを聴かせる曲がメイン。歌モノも多く収録されており、HIP HOPという枠組みに捕らわれずに楽しめるアルバムになっています。

基本的にはジャズやソウルなどの要素も取り入れたメロウなシティポップ風の楽曲がメイン。独特のサウンドというよりは完成度の高さをまずは感じるアルバムで、その上でジャズ、ソウルなどの要素を主軸にラテンの要素を取り入れたり、ビートの強いナンバーを入れてきたり、ミニマル的な要素を入れたり、いい意味での「音楽的な偏差値の高さ」も感じるアルバム。星野源に限らず、今後日本でも様々なミュージシャンから引っ張りだこになりそうな予感が。

評価:★★★★★

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2019年2月16日 (土)

社会から疎外された人々を描く

Title:るつぼ
Musician:中村中

約3年ぶりとなる中村中のニューアルバムは、「意欲作」という表現がピッタリと来る作品になっています。まずジャケットからして、彼女の全裸に墨絵師の東學が蛾をペイントした、というかなり衝撃的な絵柄からまず大きなインパクトに。そして「現代の『おかしなこと』をテーマ」という今回の作品は、まさに彼女らしいといえる、現代社会の中で疎外感を感じる人たちの姿を描いた歌詞が大きなインパクトとなっていました。

例えば今回のアルバムで歌詞がまず印象に残るのが「箱庭」。オンラインゲームをテーマとしたこの作品は、よくありがちなゲームを否定的な文脈に使うのではなく、むしろ彼女自身、「現実が余りにも苦しいなら、ゲームの世界に居場所を求めても良い」とインタビューで述べているとおり、オンラインゲームの世界を肯定的に描いている点に彼女らしい独特の視点を感じます。

「きみがすきだよ」もおそらく人間関係の中で疎外された人にも微笑んでくれる異性に対する恋心を描写した歌詞で、そのあまりにも悲しい歌詞に胸が苦しくなってきます。「雨雲」も神様に救いを求める心の叫びがあまりにも痛々しい歌詞が大きなインパクトに。ほかの曲も彼女らしい、社会の中で疎外された人たちの言葉を描いた作品が並んでいます。こういうタイプの曲はいままでの彼女の曲の中でもよく見受けられたのですが、今回のアルバムはその傾向がより強くなっており、アルバムを聴いていて胸がとても痛くなってくるような作品になっていました。

ただもっともラストの「孤独を歩こう」はそんな「孤独」を肯定的に描く歌詞になっています。ある意味、「孤独」をそのまま肯定的に描いた歌詞も彼女らしさを感じるのですが、そんな楽曲をラストに配するあたり、このアルバムの「やさしさ」を強く感じさせる構成になっていました。

そして意欲的なのは決して歌詞の側面のみではありません。サウンド的にもかどしゅんたろう、えらめぐみなどの新進気鋭のミュージシャンが参加しており、ダイナミックなサウンドを取り入れた「羊の群れ」や、前述の「箱庭」はゲームのイメージさながらなエレクトロサウンドを取り入れたり、さらに「きみがすきだよ」ではトラップなどでよく聴かれるスネアのリズムが特徴的。歌詞にあった非常に切ない雰囲気のサウンドも大きなインパクトとなっています。

以前から常々、彼女はもっと売れるべきミュージシャンだ、と言っていたのですが、本作はまさにそんな思いをさらに強くする傑作アルバムに仕上がっていました。とにかく切ない歌詞が大きなインパクトですし、その世界観を上手く浮き上がらせるサウンドも実に見事。まさに彼女の思いの詰まったアルバムと言えるでしょう。是非とも聴いてほしい1枚です。

評価:★★★★★

中村中 過去の作品
私を抱いて下さい
あしたは晴れますように
少年少女
若気の至り
二番煎じ

聞こえる
世界のみかた
去年も、今年も、来年も、
ベター・ハーフ


ほかに聴いたアルバム

DEATH IN THE PYRAMID/The Mirraz

2017年は驚異的なペースでアルバムとミニアルバムをリリースし続けた彼ら。2018年になってそのペースも若干落ち着いたものの、8月にリリースされたアルバムから約4ヶ月で早くもリリースされた11枚目となるアルバム。 彼ららしいハイテンポで疾走感あるギターロックにこれでもかといほど言葉を詰め込んだ早口の歌詞が相変わらず。The Mirrazらしくて安心して聴けるアルバムといった感じが。ただ一方で少々マンネリ気味という印象は否めないのですが・・・。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則
OPPOTUNITY
しるぶぷれっ!!!
BEST!BEST!BEST!
そして、愛してるE.P.

ぼなぺてぃっ!!!
Mr.KingKong
バタフライエフェクトを語るくらいの善悪と頑なに選択を探すマエストロとMoon Song Baby
ヤグルマギク
RED JACKET
夏を好きになるための6つの法則 Part.2

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2019年2月15日 (金)

様々なタイプの音楽を(無理矢理)融合

Title:Maghreb United
Musician:Ammar 808

今回も2018年各種メディア「年間ベストアルバム」の後追いで聴いた1枚。今回はMusic Magazine誌「ワールドミュージック」部門の4位にランクインした作品。Ammar 808はタルグというチュニジア北西部の音楽を紹介するユニットのメンバーだったシンセ奏者ソフィアン・ベン・ユーセフが中心となった音楽プロジェクト。名前についている「808」では通称「ヤオヤ」と呼ばれる日本の音楽メーカー、ローランドが作ったリズムマシーンの名器、TR-808のこと。マグレブと呼ばれるアフリカ北西部の音楽を、このTR-808を用いてまとめ上げた作品が特徴的なミュージシャン、だそうです。

アルバムは、TR-808から取ったミュージシャン名さながらのリズムマシーンを前面に押し出した強烈なリズムが大きなインパクト。1曲目「Degdega」から強いリズムマシーンのビートにアラブ的なうねるボーカルがとにかく強烈なナンバーからスタートします。ミニマルなビートにうねるボーカルで軽くトリップ感が味わえる楽曲からいきなりスタートしたかと思えば、続く「Sidi kommi」もヘヴィーなリズムマシーンのビートにトライバルなパーカッションとハイテンポなコール&レスポンスがのり、とにかく強烈なトリップ感の味わえるナンバーになっています。

その後も基本的にTR-808の奏でる強烈なビートをリズムとしながら、トライバルなパーカッションにコール&レスポンスを中心とするボーカルを取り入れたナンバーが続きます。タイプ的にはアフリカ的なトライバルなリズムやコール&レスポンスを入れつつ、アラブ風の哀愁感あふれるこぶしを入れたボーカルも取り入れた雑多な雰囲気を強く感じます。楽器もゲンブリと呼ばれる北アフリカの弦楽器やマグレブ地方のフルートであるガスバ、ゾクラと呼ばれるマグレブ地方の管楽器など、雑多な楽器を取り入れています。

マグレブの音楽を詳しく知っている訳ではありませんが、様々なタイプのあるマグレブの音楽を一絡げにして取り込んでいるのも大きな特徴のようで、確かにこのアルバムにも「Alech taadini」のようなアラビアンな笛が鳴り響く、アラブテイストの強いナンバーだったり、「Layli」のような手拍子とコール&レスポンスでポリリズム的なアフリカテイストの強いナンバーがあったりと楽曲にはバラエティー豊かなものを感じました。

様々な音楽を十把一絡げにして取り込んだ、ある種の猥雑さを感じる音楽性が大きな魅力に感じた本作。先日紹介したAdekunle Goldは西洋音楽的な要素をアフリカの音楽の中に上手く融合させていたのですが、今回のアルバムは、TR-808という西洋のリズムマシーンを自分たちのマグレブの音楽の中に無理やり押し込んだような印象(笑)(もっとも、TR-808は日本製なので、「西洋」というよりも「東洋」のものなのかもしれませんが)。ただ、リズムマシーンの取り込み方といい、様々なマグレブの音楽を融合させたやり方といい、この無理矢理さが大きな魅力に感じました。終始強烈なビートとトリップ感があるサウンドが楽しめた傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

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2019年2月14日 (木)

こちらも新譜ラッシュ

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

Hot100では新譜が目立った今週のチャートでしたが、アルバムチャートでも新譜が目立ちました。

そんな中、今週1位を獲得したのはavexのダンスグループAAAのメンバー、Nissy(西島隆弘)のソロベストアルバム「Nissy Entertainment 5th Anniversary BEST」が獲得しました。タイトル通り、ソロデビュー5周年のベストアルバム。たった5年、アルバム2枚しかリリースしていないのに2枚組のベストって何じゃそりゃって感じですが・・・。CD販売数1位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数13位ながらも総合で1位獲得となりました。オリコン週間アルバムランキングでも初動6万枚で1位獲得しています。

2位初登場は福山雅治「DOUBLE ENCORE」。MCを含めて収録したライブアルバム。4枚組というボリュームで、通常盤でも定価4,900円ということもあり2位に留まりました。CD販売数2位、ダウンロード数13位、PCによるCD読取数12位。オリコンでは初動4万9千枚で2位初登場。直近作はベストアルバム「福の音」で同作の初動17万8千枚(1位)からはさすがに大きくダウンしています。

3位も初登場。YUKI「forme」がランクイン。CD販売数は3位、PCによるCD読取数は10位だったもののダウンロード数で1位を獲得。比較的幅広い層からの支持をうかがわせます。オリコンでは初動売上2万2千枚で5位初登場。残念ながらオリジナルアルバムとしては2003年にリリースした「commune」以来のベスト3落ちとなってしまいました。直近作はシングルコレクション「すてきな15才」の1万6千枚(3位)で、そちらよりはアップ。ただ、オリジナルアルバムとしての前作「まばたき」の3万枚(1位)からはダウンしています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にはEve「おとぎ」がランクイン。ボーカロイドソフトを使い動画サイトに楽曲を発表する、いわゆるボカロPとして注目を集めているシンガー。今回は各種メディアでも大きなプッシュを受けています。ただ、「第2の米津玄師」的に売り出そうとする意図は見え隠れするようなないような・・・。CD販売数5位、ダウンロード数7位、PCによるCD読取数23位を獲得。オリコンでは初動売上2万枚で6位初登場。前作「文化」の7千枚(14位)から大きくアップしています。

5位には女性ボーカル+男性3人のロックバンド、ポルカドットスティングレイ「有頂天」がランクイン。CD販売数6位、PCによるCD読取数21位に対してダウンロード数3位を記録し、幅広い層の支持がうかがえます。オリコンでは初動売上1万5千枚で5位初登場。前作「一大事」の1万2千枚(4位)からアップしています。

6位初登場はスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループM!LK「Time Capsule」。CD販売数4位、そのほかは圏外という結果に。オリコンでは初動売上2万2千枚で4位初登場。直近作は変名ユニットBLACK M!LKとしてリリースした「THE LOCK」で、同作の初動1万枚(6位)からは大幅アップ。M!LK名義の前作「王様の牛乳」の2万6千枚(3位)からはダウンとなっています。

8位にはNulbarich「Black Envelope」がランクイン。Suchmosと比較されることの多い、ロックにジャズやソウルの要素を取り込んだサウンドを奏でるバンド。CD販売数7位に対してダウンロード数6位と幅広い支持を伺えます。PCによるCD読取数は37位。オリコンでは初動8千枚で9位初登場。前作「H.O.T」の9千枚(7位)から微減となりました。

初登場ラストは10位にアメリカの女性シンガーソングライター、Ariana Grande「thank u,next」がランクイン。CD販売数は12位に留まりましたが、ダウンロード数は2位を獲得し見事ベスト10入りです。アリアナ・グランデといえば、最近、このアルバムに収録されている「7 rings」を「七輪」と日本語にしてタトゥーを掘ったところ突っ込みが殺到。もともと日本語を勉強するなど親日家だった彼女でしたが、この騒動のために日本語の勉強をやめてしまったという悲しい事態になってしまいました。周りに誰か「それは違うよ」という人がいなかったのか疑問にも思うのですが、異文化理解の難しさも感じます。オリコンでは初動5千枚で12位初登場。前作「Sweetener」の1万1千枚(5位)から大きくダウンしてしまっています。

新譜ラッシュとなった影響でロングヒット組は苦戦。まず先週2位だった星野源「POP VIRUS」は一気に7位にダウン。CD販売数は14位まで下がってしまいました。ただ、ダウンロード数は5位、さらにPCによるCD読取数は1位をキープしており、まだまだ巻き返しが期待されます。また、QUEEN「ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)」も4位から9位にダウン。こちらもCD販売数は9位、PCによるCD読取数は11位までダウンしたものの、ダウンロード数は4位を記録しており、まだまだロングヒットも期待できそうです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年2月13日 (水)

新曲も増えてきました。

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

年初からお正月モードで新譜が少なめのチャートが続いていましたが、2月も中旬に入り、徐々に新譜が増えてきました。

まず1位を獲得したのは先週に続きジャニーズ系。Kis-My-Ft2「君を大好きだ」が先週の85位からCDリリースに合わせて大幅ランクアップで1位獲得となりました。メンバーの北山宏光主演映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」の主題歌となるロックバラード。CD販売数、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数で1位獲得。ラジオオンエア数も25位にランクインし、総合順位でも1位に輝いています。オリコンでは週刊シングルランキングで初動29万7千枚を売り上げ1位に。前作「君、僕。」の19万4千枚(1位)からアップしています。

2位にはIZ*ONE「好きと言わせたい」が先週の76位からCD販売にあわせてランクアップしこの位置に。日韓合同の女性アイドルグループで、日本からはAKBグループのメンバーも参加。本作がシングルとしてはデビュー作となるのですが、秋元康プロデュース&作詞の曲となっており、K-POPというよりも曲調的には完全にAKBの延長線上のような仕上がりとなっています。CD販売数2位、ダウンロード数11位、ストリーミング数25位。ほか、PCによるCD読取数7位、Twitterつぶやき数では2位と上位に食い込みましたが、ラジオオンエア数26位、You Tube再生回数57位と奮わず。オリコンでは初動売上22万1千枚で2位初登場。

3位はSaint Snow「Believe again」が初登場でランクイン。アニメキャラによるアイドルプロジェクト、ラブライブ!から映画「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」の挿入歌。ロック調のアイドルポップ。CD販売数3位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数2位、Twitterつぶやき数43位を獲得。オリコンでも初動売上7万枚で3位初登場。同映画からの挿入歌しては先週ランクインした松浦果南(諏訪ななか),黒澤ダイヤ(小宮有紗),小原鞠莉(鈴木愛奈)「逃走迷走メビウスループ」の8万1千枚(2位)からダウンしています。

続いては4位以下の初登場曲です。まず6位にロックバンドONE OK ROCK「Wasted Nights」が先週の14位からランクアップしベスト10初登場。映画「キングダム」主題歌のスケール感ミディアムテンポのロックチューン。2月13日にリリースされたアルバム「Eye of the Storm」からの先行配信ナンバーとなります。ダウンロード数7位、ストリーミング数4位、ラジオオンエア数で3位を記録。You Tube再生回数でも41位にランクインしています。

7位には伊集院北斗(神原大地),都築圭(土岐隼一),冬美旬(永塚拓馬),アスラン=ベルゼビュートII世(古川慎)
「Hallo,Freunde!」
が初登場でランクイン。女性向けアイドル育成ゲーム「アイドルマスターSideM」からのキャラクターソング。CD販売数4位、PCによるCD読取数19位で、ほかは圏外と固定ファン以外に波及していないヒット形態に。オリコンでは同作を収録した「THE IDOLM@STER Side M WORLD TRE@SURE 06(Hello,Freunde!)」が初動売上3万3千枚で4位初登場。同シリーズの前作「THE IDOLM@STER SideM WORLD TRE@SURE 05(ALOHA! HAPPY CREATOR!)」の5千枚(15位)からアップしています。

初登場曲最後は10位にHYDE feat.YOSHIKI「ZIPANG」がランクイン。昨年、YOSHIKIの曲にHYDEが参加する形でシングル「Red Swan」がリリースされましたが、今回はHYDEのソロ曲にYOSHIKIがあくまでもピアニストとして参加した楽曲となっています。CD販売数8位、ダウンロード数23位、PCによるCD読取数20位、Twitterつぶやき数4位を記録。オリコンでは初動1万6千枚で7位初登場。前作「FAKE DIVING」(7位)から横バイとなっています。

初登場曲は以上。一方でロングヒット曲もまだまだがんばっています。米津玄師「Lemon」はベスト3からランクダウンしたものの今週も4位にランクイン。ダウンロード数及びカラオケ歌唱数は1位を、PCによるCD読取数は3位をキープしているほか、今週You Tube再生回数も1位にアップ。まだまだロングヒットは続きそう。ただ一方「Flamingo」は今週ついに11位にランクダウン。11月12日付チャートから続いたベスト10ヒットはとりあえずは14週連続で止まりました。

あいみょん「マリーゴールド」が4位から5位にダウン。一方「今夜このまま」は9位から8位にアップしています。こちらは相変わらずストリーミング数で「マリーゴールド」が1位、「今夜このまま」が2位のワンツーフィニッシュが続いています。

そしてDA PUMP「U.S.A.」はついに8位から9位にダウン。じわじわと順位を下げています。さすがにブームが終わった感は否めないのですが、You Tube再生回数は2位を維持しており、まだまだ中毒が抜けきれない方が少なくない模様。私も久しぶりにあのPV、見てみようかな。

そんな訳で今週のHot100は以上。明日はHot Albums。

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2019年2月12日 (火)

西洋的な要素とアフリカ的な要素が絶妙にバランス

Title:About 30
Musician:Adekunle Gold

毎年、各種メディアが選んだ前年度のベストアルバムのうち聴きのがしていたものを後追いで聴いているのですが、今年も1月以降、「2018年ベストアルバム」に選ばれた作品を後追いで聴いています。今日紹介するのは「Music Magazine」誌で2018年ワールドミュージック部門で1位に選ばれたアルバム。Adekunle Gold(アデクンレ・ゴールド)というのはナイジェリアの31歳のシンガーソングライター。これが2枚目のアルバムとなるのですが、ナイジェリアでは絶大な支持を得ているミュージシャンだそうです。

楽曲のタイプとしては「ジュジュやハイライフを取り入れた音楽」の紹介されています。ハイライフは以前もここで紹介したことがあるのですが、ヨーロッパのギターや管楽器がアフリカにもたらされ、西洋やラテン音楽などの影響を受けつつ、ガーナで発展した音楽のジャンル。またジュジュはそのハイライフなどの音楽がヨルバ(ナイジェリアを含む西アフリカの地域)においてパーカッションなどを取り入れて発達した音楽のジャンルだそうです。

もともとハイライフという音楽はアフリカでも上流階級を中心に発展した音楽だそうで、それだけにかなり垢抜けているという印象を受けるのですが、このアルバムも1曲目の「Ire」は切ないメロディーラインに郷愁感を感じるナンバーなのですが、パーカッションのリズムにトライバルな要素を感じるものの爽快さを感じるサウンドには垢抜けたものを感じます。続く「Down With You」もDyoという女性シンガーとのデゥオなのですが、彼女の歌うメロディーはメロウさも感じられる都会的なナンバーに仕上がっています。

もっとも一方では続く「Mr.Foolish」ではシェウン・クティをゲストに招き、ホーンセッションを取り入れたアフロビート風のナンバーを披露。「Pablo Alakori」もパーカッションとコール&レスポンスでトライバルな要素の強いナンバーに仕上げているなど、都会的な洗練さと、アフリカ的なトライバルなリズム感を上手く同居させたアルバムに仕上げています。

さらに後半もアコースティックギターで聴かせる「Fame」はフォーキーなナンバーで、イギリスあたりのSSWの曲と言われても普通に信じてしまいそうなメロディアスなナンバーを聴かせたり、「There is a God」などもスケール感を感じさせつつ、アコギのアルペジオをバックにしんみりとメロディーを聴かせるナンバーを聴かせてくれるなど、アフリカ的というよりも西洋的な要素を強く感じるナンバーも並びます。

かと思えば「Mama」などはパーカッションで軽快なリズムを聴かせてくれますし、「Somebody」もメロウなメロディーラインでしんみり聴かせつつもバックではパーカッションのリズムがしっかりと鳴っていたりと、ある種「西洋的」に感じる部分とアフリカ的な感じる部分のバランスが絶妙に感じられました。

確かにこれはナイジェリアで人気となるのも納得ですし、また年間1位という結果にも納得。また、そのメロディーラインは純粋に歌モノとしてもワールドミュージックを普段聴かないような層まで十分アピールできるだけのメロディーセンスを持っており、ポップス好きまで広い層が楽しめそうな傑作アルバムだったと思います。またこれが2枚目のアルバムという若手ミュージシャンだけにこれからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Carpenters With The Royal Philharmonic Orchestra/Carpenters

カーペンターズの17年ぶりの新作として話題となったアルバム。カーペンターズの代表曲を、リチャード・カーペンター指揮の下にロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるリアレンジが加えられたアルバム。ロイヤル・フィルハーモニーによるリアレンジアルバムは、アレサ・フランクリンやビーチボーイズなどのアルバムもリリースされており、「恒例の企画」なのですが、カーペンターズという知名度、日本での人気やリチャード自ら指揮を執っているという話題性からも日本でも大きな話題となっています。

ただもともとストリングスのアレンジも少なくなかったカーペンターズの曲だけにオーケストラアレンジでもさほどイメージは変わっていません。というよりもオーケストラによるアレンジは必要最小限に抑えられており、特に日本のミュージシャンがオーケストラアレンジを加える時によくなりがちな、仰々しく大味なアレンジになることはなく、オーケストラのおいしい部分をしっかりと生かしたアレンジになっています。その分、「意外性」みたいなものはほとんどありませんが、カーペンターズのベスト盤的にも楽しめるアルバムに仕上がっており、ファンとしては安心して聴くことが出来るアルバムだったと思います。

評価:★★★★

Invasion of Privacy/CARDI B

こちらも2018年ベストアルバムの後追いで聴いた1枚。音楽ニュースサイトamassで主要メディアの年間ベストアルバムを集計していたのですが、この集計で5位にランクイン。以前から気になっていたアルバムだったのですが、遅ればせながら聴いてみました。

まずはこのジャケット写真で大きなインパクトのあるアルバム。このアルバムはアメリカビルボードチャートでも1位を獲得するなど高い人気を確保しています。サウンド的には今風のトラップの要素を取り入れたリズミカルなナンバー。ただ、ジャケット写真からも感じられるようなコミカルな要素も感じられる点がユニーク。またコミカルなポップスさを保ちつつも同時に物悲しさも感じる点が印象的。確かに非常に耳に残るインパクトある内容になっていました。これがアルバムとしてはデビュー作。いきなり大ブレイクとなりましたが、これからの活躍にも要注目です。

評価:★★★★★

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2019年2月11日 (月)

原点回帰のロックアルバム

Title:バタフライ・アフェクツ
Musician:ソウル・フラワー・ユニオン

ソウル・フラワー・ユニオンというとご存じの通り、もともとは中川敬率いるニューエスト・モデルと、伊丹英子らが参加していたメスカリン・ドライブが合体して誕生したバンド。このうちニューエスト・モデルといえば当初はパンクロックバンドとしてスタートしたものの、その後は骨太なロックサウンドを奏でるバンドへと進化。さらには末期からはトラッドや民謡などを取り入れて、ソウル・フラワー・ユニオンへとつながっていきます。そしてソウル・フラワー・ユニオンといえば、トラッドや民謡、さらにチンドンなどの大衆音楽とロックを見事に融合させた独特のサウンドを聴かせてくれていました。

そんな中リリースされた約4年ぶりのアルバムは、まず驚くべきことはニューエスト末期から彼らのサウンドの中心となっていたトラッドや民謡、チンドンといった要素を完全に排除。ニューエスト・モデルに回帰したような、ソウルやサイケの要素を取り込んだ骨太のロックサウンドを聴かせるアルバムに仕上げてきました。

サウンド的にもシンセの音などを取り入れているものの、基本的にはシンプルなバンドサウンドがメイン。そういう意味ではソウル・フラワー・ソウル史上、もっともシンプルかつロックらしいロックアルバムと言えるかもしれません。いままで大衆に根付いた音楽へのあくなき追及を続けていただけに、ここに来て、彼らの原点ともいえるロックに立ち返ったというのはちょっと意外な感じもしました。

もっともそうは言っても最近のソウル・フラワーらしさがなくなってしまった・・・という訳ではありません。「この地上を愛で埋めろ」の祝祭色あるサウンドはまさにソウルフラワーらしさを感じますし、「愛の遊撃戦」もリズムから民謡っぽさを感じます。決してソウルフラワーになってからの大衆音楽路線を投げ捨てた訳ではなく、しっかり根底にはソウルフラワーが培ってきた音楽が流れています。ソウルフラワーとしての活動を経たからこそ作ることが出来たロックアルバムであることは間違いないかと思います。

さてそんな本作の歌詞、Twitterなどではポリティカルな発言が目立つ中川敬ですが、歌詞ではそんなに強く政治性を出してきていないのがユニークなところ。ただ、とはいえその歌詞からは中川敬の強烈なメッセージを感じることが出来ます。「この地上を愛で埋めろ」ではデマや差別に対するアンチを読み取れますし、「路地の鬼火」にも辺野古を彷彿とさせる描写も出てきます。

また「エサに釣られるな」もタイトル通り、権力者からのエサに釣られるなと歌う強いメッセージ性ある曲なのですが、「フェイクに釣られるな それはただの水」なんて表現は、ちょっと前に流行った水素水を皮肉った感じが。このように堅苦しいメッセージというよりは、どこかユーモラスを感じたり、また風景描写に郷愁感を感じたりするスタイルはいままでのソウルフラワーと何ら変わりませんでした。

そんな訳で、いままでのソウルフラワーユニオンとは少々異なった原点回帰の作風に、ちょっと戸惑った部分もあるのですが、ただ骨太のロックサウンドは文句なく魅力的。またきちんといままでのソウルフラワー路線も反映されており、単純なニューエストへの回帰ではなく、まさに今の彼らだからこそつくれたアルバムと言えるでしょう。またここに来てあらたな一歩を踏み出した彼ら。次のアルバムはどんな方向性になるのでしょうか。今から楽しみです。

評価:★★★★★

ソウル・フラワー・ユニオン 過去の作品
満月の夕~90's シングルズ
カンテ・ディアスポラ
アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ(ニューエスト・モデル&メスカリン・ドライブ)
エグザイル・オン・メイン・ビーチ
キャンプ・バンゲア
キセキの渚
踊れ!踊らされる前に
アンダーグラウンド・レイルロード


ほかに聴いたアルバム

Catch The One/Awesome City Club

3月にリリースされたEP「Torso」に続くフルアルバム。「Torso」収録曲も2曲収録されています。軽快なエレクトロポップチューンが並び、ダンサナブルな楽しい曲がメイン。「Torso」同様にディスコチューンの影響が強いアルバムで、なによりも男性ボーカルメインの中に、上手く女性ボーカルをからませてくるバランスの上手さが光りました。メロディーのインパクトなども十分な一方、「Torso」と同様、ちょっとバリエーションや音楽的な目新しさという意味では物足りなさも。ただ純粋なポップアルバムとしては十分に楽しめた1枚でした。

評価:★★★★

Awesome City Club 過去の作品
Awesome City Club BEST
Torso

ネリネ/KANA-BOON

5月にリリースされたミニアルバムに続くKANA-BOONの新作は今回も「冬」をテーマとした5曲入りのミニアルバム。どの曲もメロディアスなギターロックで構成されており、シンプルな曲調になっています。恋人の日常を描いた暖かい雰囲気のラブソング「湯気」など冬らしさも感じつつ、ただ全体的にバンドとしての特徴はちょっと薄めか。悪くはなく、楽曲にそれなりにインパクトはあるのですが、よくありがちなギターロックという印象が否めませんでした。

評価:★★★★

KANA-BOON 過去の作品
DOPPEL
TIME
Origin
NAMiDA
KBB vol.1
アスター
KBB vol.2

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2019年2月10日 (日)

予想以上にエンタテイメント性あるステージ

Superorganism JAPAN TOUR 2019

会場 名古屋CLUB QUATTRO 日時 2019年1月23日(水) 19:00~

Superorganism

おそらく、今、最も注目を集めている新人バンドの一組、Superorganism。イギリスBBCの「Sound Of 2018」にノミネートされ、さらにデビューアルバムはアークティック・モンキーズなどでおなじみのDominoからリリース。徐々にその人気を伸ばしています。さらにこのバンド、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドという多国籍のメンバーが参加していることでも話題となっており、特にボーカルOrono Noguchiは埼玉県出身の日本人ということでも、日本では大きな話題に。そんな彼女たちの来日ライブが行われ、2019年初ライブとしてさっそく足を運んできました。

そんな高い注目度を裏付けるようにライブはソールドアウト。会場内は超満員となっており、注目のバンドを一目見ようと数多くの音楽ファンが駆けつけていました。そんな中、比較的見やすい、ステージ正面のいい場所を確保。ライブがはじまるのを今か今かと待ちわびます。

ライブは19時を5分程度過ぎたところでスタート。最初はステージ後方全面をスクリーンとして突然、映像が流れ出します。そんな中で、メンバー全員銀色の帽子とマントをかぶる奇妙な格好で登場しました。バンドのメンバーは8人という大所帯。ステージ下手にバックコーラス兼ダンサーの3人が並び、ステージの後ろにはギターとシンセ、上手にドラムというちょっと不思議な感じのステージ配置となっていました。

そして映像はそのままバンドの名前を冠したナンバー「SPRORGNSM」からスタート。もともと様々な音がサンプリングされた自由度の高い音楽性がユニークなバンドなのですが、ただライブでは思ったよりもバンドの生音が前に出ていて、ロック的かつダイナミックな演奏に。予想していたよりも肉感の強いステージを聴かせてくれました。また、バックコーラス兼ダンサーの3人も妙にユニークなダンスを披露。バックに流れる映像を含めて、思った以上にステージを楽しめる「エンタテイメント性」のあるパフォーマンスを披露してくれました。

そのまま「Night Time」へと続くと簡単なMCに。ここでなぜかボーカルのオロノのMCはすべて英語で(笑)。ただ、観客からの呼びかけに対しては「うるせー」と一言日本語で返していました(笑)。

そんなオロノの英語での曲紹介に続いて「It's All Good」へ。さらに東京の電車の発車アナウンスがサンプリングされた「Nai's March」と続き「Nobody Cares」へと続きます。基本的にローファイ気味なダウナーな楽曲がメインなので、会場は比較的まったりとした雰囲気に。ただ「Nobody Cares」も原曲以上に演奏はヘヴィーなアレンジになっており、しっかりと聴かせるステージとなっていました。

その後の「Reflections on the Screen」の後はMCに。今度はちゃんと日本語でのMCとなりました。ちなみにオロノはかなりのふてぶてしい感じのぶっきらぼうなキャラクターでした。まあ、予想通りなんですけど(笑)。

さらに「The Prawn Song」に続く「Relax」では会場全体で曲にあわせて一緒にしゃがんで、そしてジャンプするという指示が。正直、そんなに「アゲアゲ」な曲ではないのですが、この日一番盛り上がっていました。「こういうことやらせると日本人は上手い」というのはオロノ談(笑)。

そして早くも本編ラスト「Everybody Wants to Be Famous」で締めくくり。もちろんその後はアンコールが。比較的すぐにメンバーが再びあらわれてアンコールは「Something for Your M.I.N.D」で締めくくり。ここで2匹のしゃちの大きなビニール風船が登場。この2匹のしゃちが観客の上を舞って(個人的には去年見たレキシのライブを思い出したのですが(^^;;)、会場は盛り上がりつつライブは幕を閉じました。

で、この日のステージ、アンコール含めてわずか45分。お金払ってみたワンマンライブではおそらくいままでで一番短かったかも。もっとも、30分強のアルバム1枚しかリリースしていないバンドなので、これは予想の範囲内。アルバム収録曲は全部演ってくれたし、十分満足して会場を後にすることができました。

はじめてみた彼らのステージ。まずは予想していたよりも楽しめたステージでした。上にも書いた通り、意外と生音が前に押し出されたロッキンでダイナミックなステージになっており、音的にも楽しめたライブに。また、演奏に合わせてステージバックに流れる映像や、バックコーラス兼ダンサー3人のダンスも楽しく、予想以上にエンタテイメント性あるパフォーマンスを見せてくれました。

それだけに1時間に満たないステージとはいえ、満足度の十分高いライブでした。あまり盛り上がらなそうなダウナーな曲がメインながらも、なにげにみんなでジャンプしたり、しゃちの風船が舞ったりと、会場も十分に盛り上がっていました。

これからの活躍も非常に楽しみなバンド。彼らをクワトロみたいに小さな会場で見れたのは非常に貴重な経験だった・・・と思える日が来るといいなぁ・・・。

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2019年2月 9日 (土)

いきなり2作品連続でリリース

ここ最近、サニーデイ・サービスとして「DANCE TO YOU」「Popcorn Ballads」「the CITY」と立て続けに傑作アルバムをリリースし続ける曽我部恵一。さらに「the CITY」のリリースからわずか9ヶ月というスパンで、今度は曽我部恵一名義としてのアルバムをリリースしてきました。

Title:ヘブン
Musician:曽我部恵一

まず最初にリリースされたのが10曲入りとなるアルバムなのですが、これが全編ラップによるHIP HOPの作品となっているから驚きです。もともと「the CITY」などでもHIP HOP的な要素は入れており、彼のHIP HOPに対する興味は強くうかがわせたのですが、その結果、ここまでHIP HOPに振り切ったアルバムを1枚作ってくるというのは、かなり意外でした。

そんな彼のHIP HOPアルバムは、まさにHIP HOPの「外側」にいるミュージシャンが手探りの状態で作り上げた感のある作品。基本的にループするトラックで作り上げられたサウンドに、丁寧にライムしていくそのラップのスタイルは、まさに「HIP HOPはこんな感じでいいんでしょうか」と模索する曽我部恵一の姿が浮かんできます。サウンド的には決して「今風」という感じではありませんが、ただほほえましさすら感じました。

もっともサウンドはトライバルな雰囲気の「small town summer wind」からスタートし、不気味に鳴り響く鐘が印象的な「the light~夜明け前の明るさについて」、メロウなサウンドが心地よい「mixed night」など、しっかりと聴かせるナンバーが続いていきます。歌詞の世界観もサニーデイからの延長線上のような都会の男女をちょっとウェットで、でもクールな視点から描いた歌詞が印象的。一方でラストの「花の世紀」ではネット社会となり有名人が万人に監視されるようになった今の時代を皮肉めいて描いており、ちょっと不気味さも感じる歌詞も印象に残りました。

HIP HOPの「素人」らしい拙さも感じつつ、ただ一方でその「素人」感がひとつの味となっているアルバム。なによりも彼のその挑戦心あふれる心意気が強い印象を残した作品になっていました。HIP HOPは・・・という方でも曽我部恵一、サニーデイ・サービスが好きなら是非ともチェックしてほしいアルバムです。

評価:★★★★★

で、このアルバムリリースからわずか2週間。早くも次のアルバムをリリースしてきたから驚きです。

Title:There is no place like Tokyo today!
Musician:曽我部恵一

カーティス・メイフィールドの名盤「There's No Place Like America Today」へのオマージュともなるこのアルバムタイトル。ただし、アメリカへの批判を込めたカーティスの作品とは異なり、こちらは決して「東京」への批判とかではなく、東京の風景を彼なりの視点で描いた作品となっています。

全体的にはメロウでちょっと気だるさも感じる歌モノが並んだアルバム。しんみりメロウでダウナーなタイトルチューン「There is no place like Tokyo today!」はいきなり「スマホの画面」という今時の言葉からスタートし、夜の東京を漂っているような印象を受けるような作品に。続く「暴動」は軽快なエレクトロビートの作品。こちらも1曲目と同じく、「夜の東京」という印象を受ける、どこかダウナーな雰囲気の作品になっています。さらに続く「チャイ」はタイトル通り、エスニックな雰囲気が印象的なナンバー。こちらも多国籍の人が集う東京という街を描いた、と言えるかもしれません。

ただ一方本作の大きな特徴はHIP HOPの要素を多く取り込んでいる点。前のアルバムと同じタイトルとなる「ヘブン」ではアンビエントHIP HOPのような様相を持ったナンバーになっていますし、「bitter sweets for midnight life」もループするトラックがHIP HOP的な印象を強く受けます。

歌モノをベースとしながらHIP HOP的な要素を強く取り入れた本作は前作の「ヘブン」から引き続き、彼のHIP HOPへの興味を強く感じさせるアルバムになっていました。また、都会的とも言えるトラックに、都会の風景を気だるくウェットに描写した世界観は曽我部恵一作品に共通。もともと都会の描写が多かった彼ですが、本作ではそんな彼の世界観によりスポットがあてられた作品となりました。もちろん、こちらも傑作アルバム。あらためて彼の音楽への強い意欲を感じた作品でした。

評価:★★★★★

ちなみにこの2作品、どちらも「HIP HOPの要素が強い」という点で共通しています。じゃあ、なんで、ここ最近サニーデイ名義でのリリースが続いていたのに、曽我部恵一名義なんだろう・・・と考えると、まず昨年5月にメンバーの丸山晴茂が逝去した影響も大きいのでしょうね。残った2人のみで活動は続けているようですが、まだ「サニーデイ」として作品を作るインセンティブが薄いのかもしれません。

また、前作「the CITY」で挑戦的な音楽を取り入れた結果、賛否がわかれた、という点も大きいのかも。今、彼が興味を持っているHIP HOPという音楽はサニーデイ・サービスというバンドに求められている音楽から大きく異なってしまう点も、今回、あえてサニーデイではなく曽我部恵一名義とした大きな要素かもしれません。

そう考えると、今の彼の状況からすると、今後もしばらく「曽我部恵一」名義の作品が続くかも。もっとも、この2作が立て続けにリリースされたことから、今の彼には強い創作意欲がありそう・・・2019年も早くも次の曽我部恵一作品が聴けるかも?楽しみです。

曽我部恵一 過去の作品
キラキラ!(曽我部恵一BAND)
ハピネス!(曽我部恵一BAND)
ソカバンのみんなのロック!(曽我部恵一BAND)
Sings
けいちゃん
LIVE LOVE
トーキョー・コーリング(曽我部恵一BAND)
曽我部恵一 BEST 2001-2013
My Friend Keiichi


ほかに聴いたアルバム

Wayfarer/畠山美由紀

途中、カバーアルバムのリリースはあったもののオリジナルアルバムとしてはなんと約5年6ヶ月ぶりとなるニューアルバム。プロデューサーに冨田ラボを迎えた本作は、楽曲提供もいきものがかりの水野良樹にceroの髙城晶平、KIRINJI堀込高樹と豪華なメンバーがズラリと並んでいます。そんな楽曲のメロディーと彼女の歌声は暖かさを感じるポップソングが並んでいるのですが・・・ただ全体的にエレクトロなアレンジが多かった本作、このアレンジと彼女の歌声やメロディーがいまひとつミスマッチだったように感じます。若干オーバープロデュース気味でしたし、正直、彼女の歌声を生かすにはもうちょっとシンプルなアレンジの方がよかったのでは?冨田ラボとの相性の悪さを感じてしまった、少々惜しいアルバムになっていました。

評価:★★★★

畠山美由紀 過去の作品
わたしのうた(畠山美由紀withASA-CHANG&ブルーハッツ)
わが美しき故郷よ
rain falls

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2019年2月 8日 (金)

バンドとしての成長も感じられる新作

Title:Tank-top Festival in JAPAN
Musician;ヤバイTシャツ屋さん

おそらく今、最も注目を集めているロックバンドの一組であるヤバイTシャツ屋さん。2018年は1月にアルバムをリリースしましたが、そこからわずか11ヶ月。早くもニューアルバムが発売されました。1年の間に2枚ものアルバムものアルバムをリリースするあたり、彼らの勢いを感じさせます。

そんな彼らの新作ですが、基本的なスタイルは前作までと同様、今時の若者らしい醒めた視点を感じるユーモラスな歌詞をポップなメロコアやポップパンクにのせて勢いよく歌い上げるスタイル。京都出身のメンバーがいる彼ららしい「どすえ~おこしやす京都~」のような曲やら、はたまたローラーシューズを履いた子どもとぶつかった、ということだけをネタにした「かかとローラー」、タイトル通り、雑に動物を紹介するだけの「ざつにどうぶつしょうかい」など、脱力感満載の、下らない(決して悪い意味ではなく)ネタを歌詞に織り込むユニークな曲が展開していきます。さらに「本当は6曲目に収録する予定だった曲が、使用している企業名の許可が下りずボツになった」という本当か嘘かわからないネタをそのままフォークソング調のメロにのせた「大人の事情」なんて曲もあったりします。これ、本当だったらライブで本来、6曲目に収録する予定だった曲を聴けたりするのでしょうか(笑)。

ただ今回のアルバムは以前からの作品と比べると微妙にその作風に変化が見受けられました。まず1点目はいままでの楽曲に織り込まれていたハードコアやメタルの要素が薄くなり、よりポップス路線にシフトした点。「リセットマラソン」のようなデス声を聴かせるヘヴィーな曲もあるのですが、そのような曲はグッと減ってしまいました。個人的にはこのハードコアな要素をポップなメロに織り込む点も彼らの魅力だと思っていたので、ポップ路線へのシフトはちょっと残念でもあるのですが・・・。もっとも一方ではメロコア、ポップパンクに加え、スカ、フォーク、ギターロックなど曲の幅は以前より広がった印象も。そういう意味ではポップ路線へのシフトと同時に彼らなりの成長も感じられました。

もう1点は歌詞。いままでの作品は良くも悪くも学生ノリの内輪ノリ的な曲が多かったのですが、今回のアルバムに関しては少なくとも内輪ノリ的な曲はなくなりました。もちろん、基本的に良くも悪くも軽いノリというスタイルは変わらないのですが、ネタ的にはもうちょっと普遍性のある、幅広いリスナー層が楽しめるような題材に変わったように思います。これに関しては個人的に以前の内輪ネタ的な歌詞は好きではなかっただけに、この方向性は大歓迎です。

そんな訳で、基本的にいつものスタイルを維持しつつ、バンドとしての成長も感じられたアルバム。前作同様、また彼らのポップな楽曲を存分に楽しむことが出来ました。まだまだバンドとしての勢いの止まらない彼ら。2019年も彼らの活動から目を離せなさそうです。

評価:★★★★★

ヤバイTシャツ屋さん 過去の作品
We love Tank-top
Galaxy of the Tank-top


ほかに聴いたアルバム

SOIL/04 Limited Sazabys

本作ではオリコンチャートで初のベスト3入りを記録するなど、いまだに人気上昇中の4人組ロックバンドによる約2年ぶりの新作。ハイトーンボイスのボーカルに疾走感あるポップなメロのギターロックが心地よい作品で、以前に比べるとバンドの勢いもまし、キュートとも言えるメロディーラインもインパクトを増しています。これで彼らのアルバムを聴くのは3作目なのですが、徐々に勢いを増している感もあり、次回作が楽しみになってくる新作でした。

評価:★★★★

04 Limited Sazabys 過去の作品
CAVU
eureka

SUKIMASWITCH TOUR 2018"ALGOrhythm"/スキマスイッチ

ツアー毎にライブアルバムをリリースしているスキマスイッチの最新ライブアルバム。昨年、ニューアルバム「新空間アルゴリズム」を引っ提げた行った全国ツアー「SUKIMASWITCH TOUR 2018"ALGOrhythm"」の模様を収録したライブアルバム。ライブの雰囲気をそのまま収録しており、ファンならそれなりに楽しめるライブアルバムにはなっています。さらに今回、Disc2に収録されている「ゴールデンタイムラバー」「君の話」「スモーキンレイニーブルー」は原曲以上にファンキーなアレンジに仕上げており、ライブならではのアレンジの曲を聴ける楽しさもありました。

評価:★★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ
TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL
POPMAN'S ANOTHER WORLD
スキマスイッチTOUR2016"POPMAN'S CARNIVAL"
re:Action
新空間アルゴリズム
スキマノハナタバ~Love Song Selection~

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2019年2月 7日 (木)

今週1位の男性アイドルは韓国から

今週のHot Albums

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

先週はアメリカの男性アイドルグループが1位を獲得しましたが、今週はおなじみ韓国の男性アイドルグループが1位を獲得しました。

今週1位は韓国の男性アイドルグループGOT7「I WON'T LET YOU GO」が獲得。ただ、全4曲入り+タイトルチューンのインストと実質的にはシングルのようなミニアルバム。CD販売数1位、ダウンロード数61位で総合順位では1位を獲得しています。オリコンでも週刊アルバムランキングで初動4万5千枚で1位を獲得。前作「TURN UP」の3万3千枚(3位)よりアップしています。

2位は先週と変わらず星野源「POP VIRUS」が獲得。CD販売数は10位までダウンしてしまいましたが、ダウンロード数及びPCによるCD読取数は1位をキープしており、まだまだ高い人気のほどがうかがえます。どこまでロングヒットを続けるのか、要注目です。

3位初登場はPoppin'Party「Poppin'on!」。漫画「BanG Dream!」から派生したプロジェクトにより登場したアニメキャラによるグループのデビューアルバム。CD販売数2位、ダウンロード数9位、PCによるCD読取数で15位を記録。総合では3位を獲得しています。オリコンでは初動1万7千枚で4位初登場。

続いて4位以下の初登場盤です。5位に中島美嘉「雪の華15周年記念ベスト盤 BIBLE」が初登場。タイトル通り、2003年に大ヒットを記録した中島美嘉の「雪の華」からリリース15年を記念してリリースされた3枚組のベストアルバム。2014年に2枚同時でリリースされた「TEARS」「DEARS」以来のベスト盤となります。CD販売数4位、ダウンロード数6位、PCによるCD読取数66位で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上1万6千枚で6位初登場。直近のオリジナルアルバム「TOUGH」の9千枚(8位)からはアップ。ただベスト盤としての前作「TEARS」の3万4千枚(4位)、「DEARS」の3万枚(5位)からは大きくダウンしています。

6位にはfine「あんさんぶるスターズ! アルバムシリーズ fine」がランクイン。女性向けアイドル育成ゲームのアルバムシリーズ第9弾。CD販売数は3位だったものの、ダウンロード数及びPCによるCD読取数27位で総合順位はこの位置に。オリコンでは初動売上1万6千枚で5位にランクイン。同シリーズの第8弾、Valkyrie「あんさんぶるスターズ! アルバムシリーズ Valkyrie」の1万8千枚(5位)より若干のダウンとなりました。

7位にはモデルや俳優として活躍しているDEAN FUJIOKA「History In The Making」がランクインしてきました。フルアルバムでは2作目となるアルバム。CD販売数は5位でしたが、ダウンロード数22位、PCによるCD読取数は72位と奮わず、総合ではこの位置に。オリコンでは初動売上1万2千枚で8位初登場。前作「Cycle」の2千枚(45位)から大幅アップし、アルバムでは初のベスト10ヒットとなっています。

今週の初登場組は以上。ロングヒット組ではまずQUEEN「ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)」。残念ながら今週は3位から4位にダウン。CD販売数も2位から7位に大きくダウンしてしまいました。ただダウンロード数は3位から2位にアップしており、まだまだロングヒットは続きそう。一方「クイーン・ジュエルズ」は残念ながら今週12位にダウン。ベスト10ヒットはとりあえずは11週で終わりました。

一方、米津玄師「BOOTLEG」は4位から8位にダウン。CD販売数は10位から14位にダウン。ただ、ダウンロード数は5位から4位にアップ、PCによるCD読取数は2位をキープしており、まだまだベスト10ヒットは続きそうです。

今週のHot Albumsは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2019年2月 6日 (水)

ついに米津玄師は1位からダウン

今週のHot 100

http://www.billboard-japan.com/chart_insight/

年明けから1位をキープしていた米津玄師「Lemon」ですが、今週はついに3位にダウン。1位は5週連続にとどまりました。ただ、それでもダウンロード数は1位をキープ。PCによるCD読取数3位、You Tube再生回数2位、カラオケ歌唱数1位とまだまだ上位にランクインしており、ロングヒットは続きそうです。一方、「Flamingo」はなんと今週8位から6位にアップ。ダウンロード数が5位から4位にアップしており、2曲同時ランクインは継続。こちらもロングヒットが続きそうです。

そんな中、見事1位を獲得したのはジャニーズ系。ジャニーズWEST「ホメチギリスト」が初登場で1位を獲得。CD販売数、PCによるCD読取数、Twitterつぶやき数で1位、ラジオオンエア数でも7位を獲得しています。ジャケット写真やタイトルからも想像できるような明るいお祭りノリのナンバーになっています。オリコンでは週刊シングルランキングで13万7千枚を売り上げ1位を獲得。前作「スタートダッシュ」の12万9千枚(2位)からアップしています。

2位初登場は松浦果南(諏訪ななか),黒澤ダイヤ(小宮有紗),小原鞠莉(鈴木愛奈)「逃走迷走メビウスループ」 。 アニメキャラによるアイドルプロジェクト、ラブライブ!から映画「ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow」の挿入歌となっています。CD販売数及びPCによるCD読取数2位、ダウンロード数19位、Twitterつぶやき数90位。オリコンでは初動売上8万1千枚で2位初登場。「ラブライブ!」がらみでは先週ランクインしたAqours「僕らの走ってきた道は・・・」の7万4千枚(1位)よりアップしています。

続いて4位以下の初登場曲です。5位にTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE「THROW YA FIST」が初登場。EXILEの弟分のダンスグループ。「JSBC SNOWTOWN」CMソング。CD販売数5位、ラジオオンエア数27位、PCによるCD読取数17位、Twitterつぶやき数11位にランクイン。ダイナミックなエレクトロチューン。ちょっとHIP HOPテイストを入れているのが今どきな感じ。オリコンでは初動売上2万3千枚で3位初登場。前作「HARD HIT」の5万1千枚(3位)からダウンしています。

初登場はあと1曲。10位に男装による女性アイドルグループ風男塾「ツバメ」が初登場でランクイン。CD販売数4位のほか、Twitterつぶやき数が80位に入っているのみという典型的な固定ファン以外に波及していないヒットパターン。ダイナミックに歌い上げる90年代J-POP風のベタな曲になっています。オリコンでは初動売上1万9千枚で7位初登場。前作「君色々移り」の1万7千枚(5位)から若干のアップとなっています。

一方、今週もロングヒット曲が目立ちます。まずあいみょん「マリーゴールド」が4位をキープ。「今夜このまま」は7位から9位にダウンしています。ダウンロード数は「マリーゴールド」が先週の6位から9位にダウンしたものの、ストリーミング数は相変わらず「マリーゴールド」が1位、「今夜このまま」が2位とワンツーフィニッシュをキープし、まだまだ強さを見せつけています。

またDA PUMP「U.S.A.」は6位から8位にダウン。徐々に後がなくなってきましたが、ストリーミング数は先週と変わらず7位をキープ。You Tube再生回数は2位からダウンしたものの3位とまだまだ強さを見せつけています。

今週のHot100は以上。明日はHot Albumsの紹介です。

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2019年2月 5日 (火)

原点回帰しつつもサウンドは今時にアップデート

Title:Baby Bump
Musician:Chara

ユニバーサルミュージック移籍第1弾となるCharaの約1年5ヶ月ぶりとなるニューアルバム。「Baby Bump」というちょっと聞き慣れない言葉は赤ちゃんでふくらんだ妊婦のお腹という意味があるそうで、言葉の響きを含めてCharaらしさを感じます。タイトルには音楽との間に出来た子どもという意味を込めたそうで、それだけ今回のアルバムに対する力の入れようもわかります。

そんな彼女の新作は前半、エレクトロチューンのナンバーからスタートするのですが、これがまた実にカッコいい!1曲目「Pink Cadillac」はP-Funkの要素を入れたスペーシーなエレクトロチューン。ファンキーなリズムの中、彼女のウィスパーボイスを上手くエレクトロサウンドの中でひとつの楽器のように聴かせるご機嫌なナンバーになっています。続く「Chocolate Wrapping Paper」も同じく軽快なエレクトロファンクチューン。こちらも彼女のボーカルとエレクトロサウンドをほどよくバランスさせた、楽しいダンスチューンに仕上がっています。

そしてタイトルチューンの「Baby Bump」もアンビエント風のテクノナンバー。こちらもドリーミーな雰囲気のサウンドが彼女のボーカルに見事マッチしており、浮遊感ある感覚が終始楽しめるナンバーに仕上がっています。前作「Sympathy」でもエレクトロサウンドを多く取り入れてきた彼女でしたが、前作以上にエレクトロサウンドを上手く彼女の独特の歌声にマッチさせ、彼女ならではのエレクトロポップに昇華させた名曲が並ぶ作品になっていました。

今回のアルバムはファンキーやソウル、あるいは「クラブサウンド」といった要素を取り込んだ、彼女の初期のスタイルに回帰した作品という傾向も強く、エレクトロファンクチューンが並んだ前半から一転、後半はメロウでソウルフルなミディアムチューンが並ぶ展開となります。そんな中でも強いファンクのリズムが心地よい「Everybody Look」などは舌ったらずでセクシーさを感じるウィスパーボイスはまさに初期90年代のCharaを彷彿とさせるナンバーに。その頃の魅力は全く薄れていないのですが・・・そんな彼女は(失礼ながらも)現在51歳(!)。年齢を感じさせないその若さには驚かされます。

そんな訳で原点回帰的ともなった今回の作品はどこか90年代の彼女も思い起こすような懐かしさを感じられます。ただ、だからといって決して本作は懐古趣味的な作品になった訳ではなく、むしろ、50歳を超え、すっかりベテランの域に入った彼女にも関わらず、攻めの姿勢を強く感じるアルバムになっていました。実際、今回のアルバムでもSeihoやLUCKY TAPESの高橋海、SWING-Oといった新進気鋭のミュージシャン、トラックメイカーと楽曲を制作しており、サウンドの方向的には初期に回帰した部分はありつつも、その内容はしっかりと今の音にアップデートされていました。

しかしCharaはベテランになった今でも傑作アルバムを作り続けており、その音楽に対する意気込みは驚くべきものがあります。今なお若々しさを全く失っていない彼女のボーカルにも驚きを隠しきれません。まだまだ彼女はどんどんと名曲を作り続けていきそう・・・これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

CHARA 過去の作品
honey
kiss
CAROL
Very Special
Dark Candy
うたかた
Cocoon
JEWEL
Secret Garden
Naked&Sweet
Sympathy


ほかに聴いたアルバム

JAPRISON/SKY-HI

最近ではラッパーとしての評価も定着してきたSKY-HIこと日高光啓の4枚目となるソロアルバム。ジャジーな楽曲や今どきのトラップ的なサウンドを取り入れた曲、ダークな雰囲気の曲もある一方、爽やかでポップステイストの強い楽曲やギターサウンドを取り入れたロッキンな楽曲など幅広く収録。直近の「FREE TOKYO」はミックステープという形態上、よりコアなHIP HOPリスナーに向けた作風でしたが、今回のアルバムはそんなコアな部分を残しつつも、全体的には幅広いリスナー層に向けたポップな作風に仕上げており、バランスの良さを感じます。彼のポップな側面とコアな側面を同時に感じられるアルバムでした。

評価:★★★★

SKY-HI 過去の作品
FREE TOKYO

palm/山本精一

前作「LIGHTS」に続くギターソロアルバムの第2弾。全編、アコースティックギターのみを用いたインストアルバムなのですが、アコギを使いミニマルテクノを作り出している非常に実験的かつ意欲的なアルバム。アコギによって作り出させるミニマル的なサウンドがとてもユニークで耳を惹く反面、楽曲的にはフォーキーで哀愁感あるメロが流れている曲が多く、小難しくならずにポピュラリティーもしっかり保たれたアルバムに仕上がっています。挑戦的なサウンドに惹かれつつもポップなメロをしっかり楽しめる傑作アルバムでした。

評価:★★★★★

山本精一 過去の作品
PLAYGROUND
PLAYGROUND acoustic+
ラプソディア
Falsetto
童謡

 

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2019年2月 4日 (月)

2018年ベストアルバム(邦楽編) その2

4日間にわたってお送りしてきた2018年私的ベストアルバム。今日が最後。邦楽編の5位から1位の紹介です。

5位 ムキシ/レキシ

聴いた当時の感想はこちら

そのエンタテイメント性高いステージが大きな評判を呼び、最近ではすっかり人気ミュージシャンの仲間入りを果たした池田貴史のソロプロジェクト、レキシの6枚目となるアルバム。「歌詞のテーマがすべて日本史」という縛りにも関わらず、歌詞の面でもサウンドの面でもマンネリに陥るどころか楽曲の完成度が増し、インパクトも増してきています。本作はまさにレキシのひとつの完成形ともいえるエンタテイメント性高い傑作アルバムに。日本史好きでなくても最初から最後まで楽しめる傑作でした。

4位 ガラパゴス/水曜日のカンパネラ

聴いた当時の感想はこちら

ほぼ毎年アルバムをリリースしながら、毎回レベルの高い傑作をリリースし続ける水曜日のカンパネラ。本作も前作「SUPERMAN」からわずか1年4ヶ月というスパンでリリースされた新作ながらも、内容はまたしても年間ベストクラスの傑作に仕上がっていました。今回も前作とはまた異なる雰囲気のサウンドとなっており、エスニックな雰囲気のドリーミーなサウンドが大きな魅力のアルバムに。その勢いはまだまだ止まらなさそうです。

3位 平成/折坂悠太

聴いた当時の感想はこちら

宇多田ヒカルやアジカンの後藤正文などから絶賛を受けたことでも話題となったシンガーソングライターの最新作。メロディーラインやこぶしを効かせたような歌い方に和風な要素を強く感じる一方で、ジャズをはじめとした洋楽的な要素も取り込んでおり、邦洋問わず等距離で様々な音楽を取り入れているあたりが今時の、タイトル通り「平成」の音楽を感じさせます。今後の活躍も非常に楽しみなミュージシャンです。

2位 初恋/宇多田ヒカル

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ここに来て、ミュージシャンとしてのランクがひとつ上がったように感じさせる宇多田ヒカルの最新作。特に今回のアルバムではボーカリストとしてのすごみを感じさせる傑作になっていました。宇多田ヒカルといえばデビュー当初は最新のR&Bを聴かせるミュージシャンというイメージだったのですが、最近の作品はR&Bという観点よりもむしろ「歌」自体の魅力を強く感じさせてくれます。宇多田ヒカルのすごさをあらためて感じる傑作でした。

1位 ソングライン/くるり

聴いた当時の感想はこちら

くるりのアルバムは大抵年間ベストアルバムに入ってくるのですが、1位を獲得するのは「坩堝の電圧」以来。2人組くるりの時代を彷彿とさせるシンプルな歌モノが並ぶアルバムになっていたのですが、その時代よりもさらに楽曲が深化を遂げた傑作に。特に音の重なりの美しさが印象に残るアルバムになっており、ここは岸田繁が交響曲を作り上げた影響か?こちらもミュージシャンとしてのランクがひとつあがった、ベテランとしてのすごみを感じさせる傑作アルバムでした。

そんな訳であらためてベスト10を振り返ると・・・

1位 ソングライン/くるり
2位 初恋/宇多田ヒカル
3位 平成/折坂悠太
4位 ガラパゴス/水曜日のカンパネラ
5位 ムキシ/レキシ
6位 ロックブッダ/国府達矢
7位 Mars Ice House II/ゆるふわギャング
8位 SOLEIL is Alright/SOLEIL
9位 球体/三浦大知
10位 the CITY/サニーデイ・サービス

ほかのベスト盤候補は・・・

Human/yahyel
Galaxy of the Tank-top/ヤバイTシャツ屋さん
Resources/Takaryu
enigma/MONKEY MAJIK
梵唄-bonbai-/BRAHMAN
わがまマニア/CHAI
デザインあ 2/Cornelius
愛をあるだけ、すべて/KIRINJI
WE STRUGGLE FOR ALL OUR PRIDE/STRUGGLE FOR PRIDE
Modernluv/TAMTAM
Wake Up/エレファントカシマシ
THE ASHTRAY/Suchmos
POLY LIFE MULTI SOUL/cero
湿った夏の始まり/aiko
好きなら問わない/ゲスの極み乙女。
REBROADCAST/the pillows
Stray Dogs/七尾旅人
没落/ぼくのりりっくのぼうよみ

全体的には良作が多かったものの、洋楽と同様、突出した傑作はなかったかな、といった印象。ただそんな中でも1位くるり、2位宇多田ヒカルはベテランとしてのすごみを感じさせてくれたアルバムになっていました。ちなみに10位以下では七尾旅人とぼくりりの新作と三浦大知、サニーデイの4枚は、どれをベスト10に入れるか最後までかなり悩みました・・・。

ちなみに過去のベストアルバムは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期
2012年 年間1  上半期
2013年 年間1  上半期
2014年 年間1  上半期
2015年 年間1  上半期
2016年 年間1  上半期
2017年 年間1  上半期
2018年 上半期

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2019年2月 3日 (日)

2018年ベストアルバム(邦楽編) その1

昨日までの私的ベストアルバム洋楽編に続き、今日明日は邦楽編の1位から10位の紹介。まずは本日は10位から6位まで。

10位 the CITY/サニーデイ・サービス

聴いた当時の感想はこちら

ここ最近、名盤をリリースし続けるサニーデイ・サービス。さらに今年リリースされた新作もまた傑作アルバムとなっていました。全体的にHIP HOP的な要素が強く、ノイズやエレクトロの要素も取り入れた実験的なナンバー。ポップな色合いが薄く、サニーデイらしさが後退したためファンの賛否はわかれたようですが、サニーデイ曽我部恵一のあふれ出る挑戦心が強くうかがえた傑作だったと思います。

9位 球体/三浦大知

聴いた当時の感想はこちら

その歌唱力には以前から定評があったものの、アルバム単位では正直凡作が続いていた三浦大知。しかし最新アルバムでは全体的に統一感あるコンセプチャルな内容で、ネオソウル、アンビエント、EDMというジャンルを取り入れて、全体的に「和風」な要素を強く感じる、彼だからこそ歌える和製R&Bの傑作アルバムに仕上がっていました。三浦大知というボーカリストだからこそ歌える傑作アルバムに仕上がっていました。

8位 SOLEIL is Alright/SOLEIL

聴いた当時の感想はこちら

15歳の美少女、それいゆを中心に結成されたバンド。今年は2枚のアルバムがリリースされており、どちらも傑作だったのですが、個人的によりはまったのは2枚目のアルバム。60年代のギターポップそのままのサウンドにそれいゆのキュートなボーカルがピッタリとマッチ。レトロで懐かしさを感じさせるポップチューンの連続にはまってしまいました。

7位 Mars Ice House II/ゆるふわギャング

聴いた当時の感想はこちら

前作「Mars Ice House」も大きな話題となった、プライベイトでも恋人同士というRyugo IshidaとSophieeという男女2人組ラップユニットの新作。今、流行りのトラップミュージックの要素を取り入れた酩酊感のあるサウンドがとても心地よい内容に。アルバム全体としてサイケなトリップ感の楽しめるアルバムになっており、聴いていて軽くトリップできるようなアルバムに。とにかく心地よさを強く感じる傑作アルバムでした。

6位 ロックブッダ/国府達矢

聴いた当時の感想はこちら

以前はMANGAHEAD名義でも活動していたロックミュージシャンによる15年ぶりのニューアルバム。ロックサウンドと「和」の要素を見事に融合させた独特のサウンドが魅力的。一方では様々なサウンドを楽曲に取り入れつつもしっかりとポピュラリティーは保っており、「ポップス」としてもきちんと成立させているのは見事。もともと以前からその才能は高く評価されていた彼ですが、その実力をいかんなく発揮した傑作アルバムでした。

そんな訳で、明日は5位から1位の紹介!

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2019年2月 2日 (土)

2018年ベストアルバム(洋楽編) その2

昨日に引き続き2018年の私的ベストアルバム洋楽編。今日は第2弾、5位から1位の紹介です。

5位 Resistance Is Futile/MANIC STREET PREACHERS

聴いた当時の感想はこちら

まずは日本人にとってはジャケットが強い印象を受けるマニックスの新作。ある意味王道ともいえるギターロックのアルバムになっており、いい意味で安心感のある内容に。爽快でインパクトのあるメロディーラインが最初から最後まで貫かれており、ベテランバンドらしい安定感と、ベテランバンドらしからぬ瑞々しさすら感じるメロディーラインが大きな魅力の傑作アルバムになっていました。

4位 Get With The Times/BEKON

聴いた当時の感想はこちら

ケンドリック・ラマーの「DAMN.」に全面的に参加し大きな話題となったプロデューサーによるデビュー作。レトロな雰囲気が漂うメロウなサウンドに聴いていてとろけてしまいそうな傑作アルバム。ただ・・・なぜか各種メディアの年間ベストに全く名前があがらないんですが・・・聴いていて気持ち良い文句なしの傑作アルバムだと思うんですが、なぜ?

3位 Joy as an Act of Resistance./IDLES

まだ当サイトでは未紹介なのですが、イギリスはブリストルで結成されたポストパンクバンドの最新作。迫力ある分厚いサウンドとシャウト気味なボーカルがいい意味でいかにもなパンクロックといった感じで、聴いていてそのロックなサウンドにとにかく気持ちよさを感じます。一方で歌詞については社会派な内容となっており、ロックらしいスタンスも健在。今後、さらに注目を集めそうなロックバンドによる傑作アルバムです。

2位 MassEducation/St.Vincent

聴いた当時の感想はこちら

2017年にリリースされたアルバム「MASSEDUCTION」が高い評価を得た女性シンガーソングライターの新作。今回のアルバムはその「MASSEDUCTION」を全編ピアノやアコギを使ってリアレンジした企画盤。原曲とはかなり雰囲気の異なる内容に仕上がっているのですが、シンプルなアコースティックサウンドなだけに楽曲のコアな部分がより表にさらけ出された作品に。ただ結果としてメロディーメイカーとしての彼女の実力が存分に発揮されたアルバムとなっており、St.Vincentの実力を再認識させられた傑作アルバムとなっていました。

1位 A Brief Inquiry Into Online Relationships/The 1975

聴いた当時の感想はこちら

以前から傑作アルバムが続いていたThe 1975ですが、本作は彼らがさらなる成長を遂げた文句なしの傑作アルバムに仕上がっていました。ジャズやAORからの影響を感じつつ、80年代の雰囲気を感じさせるポップなメロディーがまず大きな魅力に。その中でも楽曲毎にバリエーションを持たせた構成が大きな魅力で、間口は広いものの奥の深いアルバムに仕上がっていました。間違いなくThe 1975が新たな一歩を踏み出した傑作アルバムです。

そんな訳であらためてベスト10を振り返ると・・・

1位 A Brief Inquiry Into Online Relationships/The 1975
2位 MassEducation/St.Vincent
3位 Joy as an Act of Resistance./IDLES
4位 Get With The Times/BEKON
5位 Resistance Is Futile/MANIC STREET PREACHERS
6位 Hive Mind/The Internet
7位 Room25/Noname
8位 EVERYTHING IS LOVE/The Carters
9位 Black Panther: The Album
10位 Piano&A Microphone 1983/PRINCE

今年、各種メディアの年間ベストアルバムを見ると、全体的にバラバラでこれといったアルバムが少なかった印象を受けます。確かに今年リリースされたアルバムを振り返ると、良作は多かったものの、ずば抜けた傑作はなかったような印象も受けます。ただそんな中、1位に選んだThe 1975は、リリース時期が年末だった影響で各種メディアの年間ベストに間に合わなかった感も大きかったのですが、そのポピュラリティー、挑戦心合わせて文句なく年間1位にふさわしい、頭ひとつ抜けた傑作アルバムに感じました。

ほかにベスト盤候補としては・・・

Drank/Thundercat
Little Dark Age/MGMT
Blood/Rhye
7/Beach House
Tell Me How You Really Feel/Courtney Barnett
Dirty Computer/Janelle Monae
Snares Like A Haircut/No Age
Ye/Kanye West
Love Is Dead/CHVRCHES
High As Hope/Florence+The Machine
Lamp Lit Prose/Dirty Projectors
?/XXXTENTACION
Teatime Dub Encounters/Underworld&Iggy Pop
Be the Cowboy/Mitski
Kamikaze/EMINEM
Konoyo/Tim Hecker
Negro Swan/Blood Orange
boygenius/boygenius
About 30/Adekunle Gold
Maghreb United/Ammar 808

こう振り返ると、やはり良作は多い1年だったかな、という印象を受けます。さて今年はどんな傑作に出会えるか・・・楽しみです。

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期
2015年 年間 上半期
2016年 年間 上半期
2017年 年間 上半期
2018年 上半期

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2019年2月 1日 (金)

2018年ベストアルバム(洋楽編) その1

毎年恒例、年間私的ベストアルバムの紹介。今年からは洋楽もベスト10まで紹介します。まず10位から6位まで。

10位 Piano&A Microphone 1983/PRINCE

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もうPrinceが亡くなってから2年以上の月日が経ちました。本当に月日が経つのは早いものですが・・・本作はそんな中でリリースされたデモ音源集。1983年にピアノ弾き語りという形で収録されたデモ音源。通常、デモ音源というと「ファン向けアイテム」というものがほとんどなのですが、本作に関してはバックの演奏がピアノのみということもあり、むしろPrinceの楽曲の魅力のコアな部分だけがさらけ出された形の傑作に。Princeの偉大さを実感できる作品に仕上がっていました。

9位 Black Panther: The Album

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映画「ブラック・パンサー」にインスパイアされる形で多くのミュージシャンが楽曲を提供した企画盤。上半期ベストでも書いたのですが、Kendrick Lamarが数多くの曲に参加しており、実質的には彼の新譜という側面も強いアルバムに。一方では歌モノも多くいい意味で聴きやすく、また南アフリカのミュージシャンが多く参加することによりアフリカ的な要素が新たな魅力として加わっている傑作。ケンドリックの実力を感じつつ、彼のアルバムとは異なる新たな魅力を感じさせてくれました。

8位 EVERYTHING IS LOVE/The Carters

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名前を聴いて最初は誰?と思ったのですが、BeyonceとJAY-Zという大物カップルがなんとユニットを結成しリリースしたアルバム。Beyonceといえば直近のアルバム「Lemonade」も傑作でしたが、本作も負けず劣らずの傑作に。最新のHIP HOPの要素を入れつつ、一方では古き良きソウルミュージックの要素も取り入れた内容に。大物同士のユニットというと、どうも個性が悪い意味でぶつかり合い、1足す1が2未満になってしまうケースが多いのですが、そこはさすが夫婦。息の合ったコンビで、1足す1がしっかりと2以上になっていた傑作アルバムでした。

7位 Room25/Noname

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Chance The Rapperのアルバムにも参加し大きな話題となったシカゴの女性ラッパーによるデビューアルバム。ジャズやネオソウルの影響を受けたメロウなトラックに、ラップというよりもポエトリーリーディング的な要素も強い語るようなラップが印象的な1枚。今のHIP HOPの流れとはあきらかに一線を画するようなアルバムなのですが、歌心あるその内容に強く惹かれました。HIP HOPが苦手な方でも十分に楽しめそうなアルバム。優しい雰囲気のトラックもラップも心に響いてくる傑作でした。

6位 Hive Mind/The Internet

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Odd Futureに所属する5人組バンドによる約3年ぶりの新作。Odd Futureの・・・とはいえ、基本的にHIP HOPではなく歌モノがメインとなる作品なのですが、どこか90年代っぽさを感じさせる懐かしい雰囲気と今時のHIP HOP的なグルーヴ感を取り入れたサウンドが大きな魅力。非常に聴きやすいポップなアルバムなのですが、その反面、今風な音も取り入れるというほどよくバランスの取れた傑作アルバムに仕上がっていました。

そんな訳で今日は6位から10位の紹介。5位以降はまた明日に!

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