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2018年12月 3日 (月)

ファン投票の傾向も興味深い

今年、結成20周年を迎えたロックバンドストレイテナー。そんな彼らのオールタイムベストがリリースされました。

Title:BEST of U -side DAY-
Musician:ストレイテナー

Title:BEST of U -side NIGHT-
Musician:ストレイテナー

彼らの曲の中からファン投票によって選ばれた25曲にメンバーが選んだ4曲を追加。さらに新曲1曲を加え、計30曲を2枚のアルバムに収録したベスト盤。5年前にベスト盤「21st CENTURY ROCK BAND」がリリースされたばかりですが、ただファン投票による選曲ということもあり、まさに決定版的なベストアルバムとなっています。

今回、この2組のアルバムは主に比較的明るい雰囲気の曲が「side DAY」に、暗めの雰囲気の曲が「side NIGHT」に収録されたよう。ただ全体的に両者の差がそれほど大きい訳ではなく、基本的に彼ららしいストレートなギターロックナンバーが並んでいます。

このファン投票の結果というのもなかなか興味深く、1位を獲得したのが「REMINDER」だとか。確かにストレイテナーらしいエッジの利いたギターサウンドに、疾走感あるリズム、ちょっと切なさを感じるメロディーラインと、ストレイテナーらしさを体現しつつインパクトある作品になっており、まあ1位というのは納得感があります。続く2位は「シーグラス」ですが、こちらは疾走感あるギターロックなのですが、叙情感ある歌詞と切ないメロが特徴的で比較的ポップテイストの強いナンバー。こういう切ない感じのメロディーラインの曲がファンには人気なのでしょうか?

個人的には「KILLER TUNE」のようにガレージサウンドでへヴィーなナンバーが好きなのですが、この曲も20位と人気投票で上位とはいえ、今回選ばれた中ではさほど上位ではありません。またちょっと意外だったのはテレビ東京系ドラマ「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」の主題歌にもなった「From Noon Till Dawn」が圏外で、ホリエアツシの得票によってえらばれていたということ。また、日向秀和の得票で選ばれた「The World Record」も英語詞でダンサナブルなリズムにエッジの利いたギターがカッコいいナンバーなのですが、こちらも全体の投票では40位と圏外。比較的メロディアスなポップス寄りの曲が多く、個人的にはストレイテナーの英語詞の曲、へヴィーなバンドサウンドを聴かせる曲が好きなのですが、そちらはファン投票であまり上位には入ってきていなかったようです・・・。

そんなこともあってか、このベスト盤を聴くとポップテイストが強いシンプルなギターロックバンドという印象を強く受けます。今回のベスト盤に限らずストレイテナーは、それなりにインパクトあるメロデイーとカッコいいバンドサウンドを聴かせてくれるのですが、今一歩、パンチに欠ける部分があるというイメージがありました。そして今回のベスト盤を聴くと、残念ながらそのイメージをさらに強く受けてしまいました。しっかりと聴かせるインパクトあるメロディーの曲も少なくありませんし、間違いなくいいバンドだと思うのですが、どうももう一歩、物足りなさも否めない、そんな印象を受けてしまったベスト盤でした。

評価:どちらも★★★★

ストレイテナー過去の作品
Immortal
Nexus
CREATURES
STOUT
STRAIGHTENER
21st CENTURY ROCK BAND
Resplendent
Behind The Scene
Behind The Tokyo
COLD DISC
Future Soundtrack


ほかに聴いたアルバム

MeRISE/Sabão

元Hysteric BlueのTamaとたくやによる新バンドSabão。「さばお」と読みたくなるのですが、ポルトガル語で「シャボン」が正式名称。Hysteric Blueというと1999年に「春~spring~」「なぜ・・・」が大ヒットを飛ばした3人組バンドで2003年に活動を休止したのですが、その後、メンバーのナオキが強姦・強制わいせつ罪で捕まるというポップス史上、類のない犯罪を起こし、バンドも解散。そのため、Hysteric Blueの活動再開も無理な状況なうえ、ヒット曲を流すのも困難な状況になっています(とはいえ先日ラジオで、普通にHysteric Blueの「春~spring~」が流れてきて、「あ、もういいんだ」と思ったんですが)。

そんな訳なので残されたメンバー2人で結成されたSabãoは、使われにくくなったHysteric Blueの曲を再生するという役割もあるようで、「春~spring~」「なぜ・・・」もカバー。初のアルバムとなる本作でも収録されています。そのほかも「ふたりぼっち」「Dear」「グロウアップ」とHysteric Blueの曲が並んだ本作。もっとも、その後に続くSabãoのオリジナル曲も基本的にはHysteric Blueの延長線上のような曲ばかりで、事実上、Hysteric Blueの再結成のような内容になっています。Hysteric Blueが好きだった方なら、とりあえずは要チェックのアルバムです。

評価:★★★★

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