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2018年12月28日 (金)

大物然としたステージセットだけども

Title:Voodoo Lounge Uncut
Musician:The Rolling Stones

今回紹介するのはThe Rolling Stonesのライブ映像作品+ライブ盤。1994年7月にリリースされたアルバム「Voodoo Lounge」に伴い行われたツアー「Voodoo Lounge World Tour」から1994年11月25日、アメリカ・フロリダ州マイアミのジョー・ロビー・スタジアムで行われたライブ映像を、タイトル通りMCなどを含めてフル収録した映像作品。DVD/Blu-rayに、全く同じ音源をCDに収録した2枚組のライブアルバムが付属する内容になっています。

このライブでは数多くの彼らの代表曲、あるいは当時の最新アルバム「Voodoo Lounge」からの曲も数多く披露されたのですが、その一方で比較的「知る人ぞ知る」的な曲もセットリストに織り込んだ内容になっており、1曲目にいきなり1964年のシングル曲「Not Fade Away」からスタートするという意外な展開に。ほかにもバラード曲の「Beast of Burden」や初のライブ披露となった「Monkey Man」など、ライブでは珍しい曲を含んだセットリストとなっています。

さてそんな彼らのステージは、当時デビュー30周年を迎えて押しも押されぬ大スターとなっていた彼ららしい、スタジアムライブらしい大型のセットが目立つ、いかにも大物感満載のステージになっています。

また、このステージでは数多くのゲストを迎えているのも特徴的で、オープニングではいきなりウーピー・ゴールドバーグによるオープニングのアナウンスからスタートという豪華なステージ。その後もシェリル・クロウを迎えて「Live With Me」を披露。ただ、その後に登場するのがロバート・クレイと、ボ・ディドリーというのがいかにもストーンズらしい感じ。特にボ・ディドリーは今となっては貴重な映像に。おなじみボ・ディドリー・ビートで軽快に「Who Do You Love?」を披露しているのですが、ストーンズに全く負けずとも劣らない貫録を醸し出しており、その実力のほどは今回の映像を通じてもしっかりと伝わってきます。

ただ、そんな大物然とした舞台設定である一方、ライブパフォーマンス自体のストーンズらしさはいつも通りといった感じ。演奏自体はもちろんシンプルなロックンロールをしっかりと奏でていますし、今となっては20年も前の映像となってしまいましたが、当時はおそらく50歳を超えた彼らが、いまだにロックンロールを変わらず奏で続けている姿にある種の驚きを感じた方も多かったのではないでしょうか。ステージパフォーマンスは躍動感があふれる一方、ベテランらしい安定感も同時に感じられたパフォーマンスになっていました。

ただ、オーバーフィフティーという年齢を全く感じさせないパフォーマンスも要所要所で感じられ、特に「Brown Sugar」ではミック・ジャガーがステージ狭しと走りまくっており、歳をとっても変わらない「若さ」を感じさせるステージに。言うまでもないことですが、ライブ全般を通じて、ミックは実にいろっぽい、見る者を惹きつけるパフォーマンスを繰り広げており、ストーンズのライブの魅力が映像を通じてしっかりと伝わってきました。

言うまでもないかもしれませんが、ファンならばとりあえずは見ておきたいライブ映像。ノーカット版ということでライブの魅力がより伝わってくる傑作になっていました。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
GRRR!
HYDE PARK LIVE
Sweet Summer Sun-Hyde Park Live
Sticky Fingers Live
Blue&Lonesome
Ladies & Gentlemen
ON AIR


ほかに聴いたアルバム

SIMULATION THEORY/MUSE

どこかの映画を彷彿とさせるようなジャケットもインパクトの強いMUSEの最新作。なぜか登場する「三难困境」という漢字も日本人にとっては目を惹きます。そんな彼らの新作はいつも以上にこってり風味。彼ららしい、これでもかというようなダイナミックなバンドサウンドの曲が並んでおり、実に「MUSE」らしいアルバムになっています。MUSEが好きな人はかなりはまりそうなアルバム。個人的にはこってりすぎて一度聴いただけでお腹いっぱいになってしまうのですが・・・。

評価:★★★★

MUSE 過去の作品
The Resistance
The 2nd Law(邦題 ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則)
Live at the Rome Olympic Stadium
Drones

Origins/Imagine Dragons

アメリカで人気のロックバンドの新作。彼らのアルバムを聴くのはこれが2作目なのですが、基本的な印象としては前作と変わらず。全体的に打ち込みを取り入れたダイナミックなサウンドなのですが、同時にいなたさも強く感じられるのがアメリカのロックバンドならではといった感じ。サウンド的にはちょっと大味な印象が否めず、最後の方は聴いていて飽きが来てしまいました。

評価:★★★

Imagine Dragons 過去の作品
Night Visions

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