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2018年12月15日 (土)

弦楽四重奏で聴かせるコンサート

KAN Concerto col Quartetto da Muroia 2018

会場 名古屋市青少年文化センター・アートピア 日時 2018年12月3日(月)18:30~

Kan_live2018

ここ2作品、自身の作品の弦楽四重奏によるカバーアルバムが続いたKAN。それに伴い弦楽四重奏によるコンサートツアーが行われているのですが、その名古屋公演に行ってきました。場所はアートピア。ナディアパークの中の会場ですね。今回、はじめて足を運びました。

ライブがスタートすると、まずは4人の弦楽器奏者のみ登場。会場バックの星空のような照明をバックに、まずは弦楽四重奏で「ホワイトクリスマス」を演奏。するとKANちゃんが登場。バックに天使の羽根を背負ったコスチュームが軽く笑いを誘い、まずは1曲目「KANのChristmas Song」からスタート。この曲の弦楽四重奏アレンジはCDに収録されておらず、ライブのみでの披露となりました。続いては「50年後も」と続き、まずは弦楽四重奏でのステージらしい、聴かせるナンバーからのスタートとなりました。

MCを挟み、カバーアルバムからの曲「Happy Time Happy Song」「世界でいちばん好きな人」「キリギリス」、さらにはカバーアルバムにも収録されていたBilly Joelの「Lullaby」のカバーと続きます。

次のコーナーでは弦楽奏者4人のうち男性陣2人がステージを去り、女性陣2人(2ndバイオリンとビオラ)のみが残ります。まずは女性陣のメンバー紹介。さらには「名古屋の好きな食べ物」の話となり、あんかけスパの話へ。KANちゃんはあんかけスパについて「歩いていて予期しないガラスの扉にぶつかるような衝撃」と、わかるようなわからないような例えを披露していました(笑)。

この女性陣2人のみと「カレーライス」を披露した後は、今度は女性陣がステージを去り、男性陣2人(1stバイオリン、チェロ)がステージ上へ。ただ、メンバー紹介もほどほどにMCを終わろうとするKANちゃんに、メンバーから「もうちょっと話をしましょう・・・」という突っ込みが。そこで出てきたネタがなぜか「最近行ったライブ」という話だったのですが、その話もそこそこにKANちゃんが最近行ったライブ、きゃりーぱみゅぱみゅのライブの話をしはじめました。その話をしたかっただけなんですね(^^;;

さらにその話の中でおもむろに「次の曲は『初見』で弾いてもらいます」という話に。「初見」とは、はじめて見た楽譜をその場で弾くこと。プロなら当然に求められる能力であることを滔々と説明した後、「それでは男らしい曲を」ということではじまった曲が・・・QUEENの「We Will Rock You」。「初見」ということでメンバーに渡された楽譜には、足音の「ドンドン」と、手拍子の「パン」しか書かれていませんでした・・・というオチでした。

そんな「コント」に続いてようやく真面目なナンバー。ポール・マッカートニーの「Blackbird」のカバーを聴かせます。そしてその後は今回のカバーアルバムにちなんで編曲の話。KANちゃんがいかに弦楽四重奏によるアレンジを工夫していったか、「サンクト・ペテルブルグ」「君はうるさい」を例にあげて説明してくれました。

このコーナー、かなり長くて30分くらい延々と説明が続いたのですが、かなり興味深い内容でした。KANちゃんがアレンジでどのような点を重視したかったか、コンセプトを披露しつつ、実際に制作過程で試したアレンジパターンも弦楽器を使い披露。どのようにして曲が完成していくのか、またKANちゃんのこだわりも知ることが出来て、とても興味深いひと時でした。

その後は弦楽器のみのインストナンバー「Menuett für Frau Triendl」「l’Addestramento dell’Arrangiamento」へ。KANちゃんはピアノの椅子に座って聴いていただけなのですが、ちょっと雰囲気の異なる弦楽四重奏のコンサートを楽しむことが出来ました。

続いては弦楽四重奏曲のカバーアルバムのジャケットの話を。特に最新作「la RiSCOPERTA」は、ダウンロードやストリーミング主体となりつつある今だからこそ、CDを手に取った人のために凝ったイラストにしたこと、また本当は絵の中にいろいろとネタを入れたかったけど、ツアーなどで忙しかったため出来なかったこと、などの話がありました。

ライブは一気に終盤に。さきほどアレンジについての説明があった「サンクト・ペテルブルグ」「君はうるさい」、そしておなじみ「愛は勝つ」へ。この曲、最初は静かな弦楽四重奏によるイントロが流れた後、おなじみのピアノのイントロへと流れ込むあたり、かなりダイナミックな展開になっており、おもわずゾクゾクと来るカッコいいアレンジになっていました。そしてThe Beatlesのカバー「Back In The U.S.S.R.」、そして「CLOSE TO ME」へと続いていきます。そして本編はあっという間に終了。本編最後は「永遠」。しんみり聴かせつつ、ライブは一度幕を下ろします。

まずKANちゃんがステージから去ると、ほかの弦楽器のメンバーはステージから去るのですが、その去り方は不自然にゆっくり・・・と思ったら、メンバーが去った瞬間、アンコールもそこそこにステージ逆側からKANちゃんがいきなり再登場となりました。

やがて弦楽器のメンバーも再度ステージへ。そこでなぜかKANちゃんが1stバイオリンをじっと見つめると・・・おもむろにさわらせてほしいという話に。そしてなんとKANちゃんのバイオリンで「アヴェ・マリア」に。しかし、これがグダグタのピッチがはずれまくっている酷い演奏に(^^;;弦楽器のメンバーが最後は耳を塞ぎつつ、演奏が終わるとわざとらしい拍手を送るという・・・ネタですね(笑)。

で、本当のラストは「今年もこうして二人でクリスマスを祝う」をしっかりと聴かせて終了。最後はメンバー全員がステージ上に並んで挨拶。アンコール含めて約2時間半のボリュームたっぷりの内容でした。

そんな訳で今回はじめて見たKANちゃんの弦楽四重奏でのコンサート。いつも通り、ネタ満載で一方、聴かせる部分はしっかりと聴かせる、本当に楽しいステージでした。ライブの構成としては正直、普段のバンド形式でのライブツアーや弾き語りツアーに比べるとこなれていない部分もありましたが、それを差し引いても、コミカルなネタと、しっかりと聴かせる演奏でとても楽しい2時間半でした。やはりKANちゃんのライブは楽しい!!次はそろそろオリジナルアルバム・・・という話をしていたので来年あたり、オリジナルアルバム、そしてそれに続くライブツアーを期待しています。また、彼のライブには足を運ばなくては・・・。

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